テンプレ24:ネカネ無傷、スタン生存
テンプレ24:永久石化治療がんばる
テンプレ25:ネギの兄弟が転生者
ここはギガント・ハードポイズンが趣味で営む魔法薬店。
しかし、趣味なのは売っている商品であり、店自体が彼の趣味ではない。
ではなぜ、彼がこのような店を開いているかというと、ネギまの主人公、ネギ・スプリングフィールドの保護と、それを襲う転生者の制圧を任務としているからだ。
本来なら、ここまでする必要を感じてはいなかったのだが、
白髪で眉毛が太めの老人、怪獣研究の第一人者である某博士の姿に変化させ医療団の大地と敬虔を、部下の副団長に任せて今は、ウェールズにある山奥の魔法使いの村に居るのだ。
「お師匠さま、今日はどんなことを教えてくれるんですか?」
「ふむ、”火よ灯れ”の大きさを変化させる方法を教えよう。火を出すだけの魔法だが、魔力の調整などで大きさを自由に変化できるのだよ」
そこで、ギガントを”お師匠さま”と呼ぶ赤毛の少年。彼こそ、この世界の主人公たるネギ・スプリングフィールドだ。彼はいろいろあって、今はギガントの弟子となっているようだ。
「そんなことができるんですか?」
「できるとも。どんな魔法でも、魔力の大小で威力は変化するものだからね」
「へえー、”火よ灯れ”も同じなんですかー」
火よ灯れ、それは誰もが最初に覚える初心者入門の魔法だ。
だから、誰もあまり研究しないし、応用もそこまで考えられてない。
だが、初心者入門だけあって、魔法を知るにはわかりやすいもので、ギガントは、知識を生かし、それを利用する方法を教えているのだ。
「”魔法の射手”でさえ、属性の数、数を増やす、質を増やす、大きさを変化させる、すばやく放てるようにする、などなどいろいろ応用もあるのだよ。ただ、基本をしっかりしなければ、うまく行かんがね」
「基礎が大事なんですね」
「いつも言うように、そのとおりだ。基礎は基盤となり、積み重なる経験をしっかり支えてくれるものとなる。磐石なる基礎を持てば、応用の幅も広がり、それは力となってくれよう。ではネギ君、今回は魔力を抑える訓練をするとしよう。ほんの少し、魔力をこめるように”火よ灯れ”を使ってごらんなさい」
「はい!お師匠さま!」
しかし、なぜネギが、ギガントの弟子となっているのか。それには、”
…… …… ……
そこは地獄絵図だった。
やはりガルムの第二の相棒なら”街が燃えてる……”と言うだろう。
大量の悪魔が村を襲っている、だけならよかったのだが、そこには数多くの転生者がやってきて、転生者同士争っていた。
さらに、主人公であるネギの命を狙おうとするものも存在したのだ。
転生者たちは、主人公のネギのポジションを狙っていたりするのかはわからないが、とてつもなく迷惑なのには変わりは無い。
ギガントの部下は転生者を相手取るのに精一杯で、悪魔まで手が回っていなかった。
そこへ、報告を聞いて人の姿となり、即座に駆けつけたギガントがやって来た。
「クッ、部下の知らせを受けて来て見れば、なんてことだ……」
「団長殿、このままでは埒が明きませんぞ!?」
「この瞬間のために、準備してやがったってのか?」
「……龍一郎はどうしている?」
もう一人の皇帝の直属の部下である熱海龍一郎が来ているようだが、ここには姿が無いようだ。
「ハッ、龍一郎殿なら、すでに転生者を数名撃破しており、今もここからすこし離れた場所で、3名の転生者と同時に交戦中です。」
「ふむ、転生者はあとどのぐらい残っている?」
「ハッ、まだ8名ぐらいは残っているかと……」
「多いな……ワシも本気を出す、各自転生者と悪魔を倒してくれ」
「「「ハッ!!」」」
ギガントもその部下も怒りをあらわにしていた。
転生者の数があまりにも多すぎるのだ。それもそのはず、転生者は”原作重要イベント前に大量に出現する”というルールがあるからだ。
そのせいで、いつも以上の数の転生者が、その村へと押し寄せてきたのだ。
もはや一刻の猶予も無い状態だ、ギガントはまずアーティファクトを展開する。
「
総勢200体のオートマトンを呼び寄せ命令を下す。
「国境無き医師団に告ぐ!石化された村人や、無事な村人たちを安全な場所まで運ぶのだ!!」
ギガントはここへ来る途中、悪魔だと思われるものに石化された村人たちを目撃しており、そのままでは転生者の攻撃の余波で吹っ飛んでしまう可能性があったのだ。
了解を合図に拡散して行くオートマトンを目で追うことなく、ギガントは、村人の生き残りを探そうと即座に移動する。
すると、青年が一人上空から現れる。転生者だ。
その転生者が、赤き魔槍を構え、突撃してきた。そこでギガントも応戦するように、強力な技を繰り出す。
「テメェなんだ? 邪魔だぁ!”
「それはお前だ……”
「ブゲェ!?」
「大地の精霊よ、かのものを大地の檻へと閉じ込めよ」
鋭い岩に串刺しとなり、気を失った転生者をギガントは、何の躊躇もなく鋼鉄の檻に閉じ込められた。
この檻は精霊の力を使っており、簡単には壊れない。
しかし、またしても、転生者が現れた。転生者は黄金の剣を構え、エネルギーを放出しようとしていた。
「俺が主人公なんだ!
「……”
「パギャーッ!?」
「邪魔ばかりするやつらよ……」
ギガントは面倒そうにすぐさま技を繰り出すと、簡単に転生者の腹部に命中し気絶させた。
そのまま気絶した転生者を、鋼鉄の檻に閉じ込める。その直後、何かすごい力を感じた。
「むっ……この魔法は!?」
するとすさまじい雷系の魔法が放たれたようだ。
ギガントはこれを”雷の斧”と”雷の暴風”と判断し、それは、
と、そこに二人の影があった、髭を生やしたいかにもな魔法使いスタイルの老人と金髪で修道女に似た服を着る美人の女性、スタンとネギの姉のネカネだ。
「よかった、貴殿らは無事だったか」
「おぬしはいったい? いや、それより
「あ、あれは?!」
二人はまだ無事だったが、ネギを心配して探していたのだ。
そして、噂をしていれば、そのネギが走ってきたが、場所が悪かった。
悪魔がいたのだ、永久石化を得意とする、その悪魔だ。
「ネギ! 逃げて!」
「ヌンッ、全ての大地の源よ、我が前に、力を示せ」
ギガントの最大能力、大地の精霊の最高使役。それは、全ての大地の精霊の源の力を操るものだ。
「”
間一髪だった、悪魔が口を開け、石化光線を放つ前に悪魔を引力の力で、地面に押しつぶすことができたのだ。
「ふん、召喚された悪魔になら手加減など無用だな”
ギガントはそれを唱えると、引力の回転により悪魔はねじ切られて消えていった。
しかし、危険が全て無くなったわけではない。
「ネギ!」
「お姉ちゃん!」
ネカネはネギに気づき、こちらに呼び寄せたがそこへもう数匹、悪魔が影から這い出てきた。
しかし、ギガントは間髪入れずに別の技を繰り出す。
「”
高密度の雷撃がその悪魔に全て突き刺さり消滅する。
ネギはネカネに抱きかかえられ、その様子を見ていた。
すると、そこに一人の男がやってきた。
「お、おぬしはまさか……」
「貴殿は……ふむ、とりあえず場所を移そう。この場所はまだ危険だ」
彼らは安全な場所へ移るべく、移動を開始した。その移動中にギガントは、自分たちのことや
転生者のことをぼかしつつ、誰と戦っていたかを説明した。
そして、とりあえず安全な場所として村から少し離れた草原へと到着したのだった。
…… …… ……
遠目でも、村が炎に包まれているのがよくわかる。
その上空で、数名の”人間”が戦っているのも見えた。
転生者とギガントの部下、それと同僚の熱海龍一郎だ。
転生者はあと2名ほどとなっており、完全に包囲された形となっていた。
捕まるのは時間の問題だろう。
ギガントはネギ少年たちから少し離れた場所で、転生者と悪魔を警戒しつつ、彼らの方を見ていた。
「……おぬし、ナギなんじゃろう?」
「えっ!? でも、たしかナギさんは……」
スタンは男の正体を察知し、ネカネは死んだはずのナギがこの場にいるはずが無いと、驚いていた。
「すまない……来るのが遅すぎた……」
「あぁ、まったくじゃわい!!」
するとあろうことか、スタンがナギの顔面をぶん殴ったのだ。
「ヘブーッ!?」
「相変わらずのバカさ加減にはほとほと愛想が尽きるわぃ!」
「ちょっ!? スタンさん!?」
「お前がここまでバカだったとは思わんかったぞ!」
殴られたナギは、殴られた部分を手で押さえつつ、ゆっくりと立ち上がる。
そして、せっかく父親に会えたというのに、罵倒をするスタンをネギは多少不機嫌そうに眺めていた。しかし。
「……生きとったなら……連絡ぐらいよこさんかい……」
「……悪ぃな……こっちもいろいろあったからよ」
スタンはナギが死んでせいせいしているとは言っていたが、その息子のネギを守るという誓いを立てていた。
それはつまり、ナギが死んだことを悔やんでいたのではないだろうか。
すると、スタンの瞳から、一筋の涙が出ていた。
その光景を見ていたネギは子供心ながらも、スタンが自分の父の死を悲しんでいたことを知ったようだ。
そしてナギは、そこの幼い少年が自分の息子だと理解し、ネカネのそばでそれを眺めていたネギに近づいていく。
「お前がネギか……大きくなったな」
ネギはようやく会えた父親に、目に涙を溜めつつ、それを見上げることしかできなかった。
そこでナギは、何かを探すように辺りを見渡していた。
「……ここにはいないようだな……」
ナギは誰かを探していたようだが、この場にいなかったので諦めたようだった。
そしてナギはネギへと視線を戻し、自分の杖をネギの目の前に差し出して渡そうとしていた。
「そうだ、この杖をお前にやろう、俺の形見だ」
「お……お父さん……」
それをネギは受け取ると、杖の重さでヨロヨロする。
それを見て安心し、ナギは遠くを見てポツリと口を開く。
「……もう時間がない」
ナギはそう言うと、少しずつネギを見下ろしながら空へと浮きながら離れていく。
それを見ていることしかできない、残りの二人も離れて行く彼を、悲しそうな表情で見上げていた。
「悪ぃな、お前には何もしてやれなくて。あと、全然連絡よこせなくてよ」
「……お父さん! お父さーん!!」
「行ってしまうんか……」
「……ナギさん……」
空へと浮きつつ、最後にナギが息子へと言葉を贈る。
「ネギ、元気に育って、幸せにな! 後、
するとナギは、空の彼方へと消えていった。
誰もが涙を流し、見送ることしかできなかった。
そこへギガントの部下たちがギガントの前に姿を現し隊長と思われる男がギガントへと報告する。
「団長殿、やつらの捕獲、完了しました」
「……よくやった、では、予定通り頼むぞ」
「ハッ」
ギガントの部下たちはそれを聞くと消えていった。
ギガントはネギ少年らを連れ、とりあえず別の魔法使いの村へと移動するのだった。
…… …… ……
それからスタンとネカネとギガントは今後について話し合った結果、とりあえずギガントがこの土地に住み着き、ネギの近くで護衛する形となった。
悪魔を一ひねりするギガントの姿を二人は見ており、是非ともギガントに護衛をしていただきたいという申し出を、ギガントは快く引き受けた。
そして、ギガントはネギを弟子として、育てることにしたのだ。
ネギは魔法学校へ通いつつもギガントの魔法薬店へと足を運び、ギガントから学校では習わないような魔法の基礎を学んでいた。
ネギは、魔法が上達していくのを実感したが、父親のナギのようになれるか心配になり、ギガントに質問したのだ。
「お師匠さま、お父さんのように、立派な魔法使いになるにはどうすればいいんですか?」
「ナギのように、か……。ふむ、知人の話でしか聞いたことはないが、知っていることを話してやろう」
「え?いいんですか!?」
「いいも悪いも、君はそれを知る権利ぐらいあろう。まあ、知人から聞いた話だがな」
ギガントは、静かに語らうように、彼の父、ナギの武勇伝と、どうしようもないバカな部分の両方を教えてあげた。
ネギは本気でショックだった、まさか尊敬していた父親が5~6つしか魔法を覚えていない上に、アンチョコが無くては魔法も使えないような、ダメダメな親父だったからだ。
「お父さんって、そのぐらいしか魔法覚えてなかったんですか……」
「……彼の場合、魔力と身体能力でゴリ押しするタイプだったようだからな。確かにとんでもない強さだが、技術を磨けばさらに上にいけただろうに……。いや、あれ以上、上に行かれても地味に困るのだがな」
ナギはあの生けるバグ、”ジャック・ラカン”と同等かそれ以上という時点で、すでに完成されている強さだ。
それ以上強くなったら、いろんな意味で洒落にならないだろう。
そう考えて、ギガントは苦笑した。
ネギはその強さで大戦を終わらせたからこそ、立派な魔法使いとなったと考えた。
「それで、その戦いで有名になって、立派な魔法使いになったんですね?」
「いや、少し違うな」
ギガントは、大戦を終わらせて立派な魔法使いになったこと否定した。
ネギはそれが、なぜだかまったくわからなかった。
それもそのはず、ネギは強くなれば立派な魔法使いになれると考えていたからだ。
「どういうことなんですか?!」
「ふむ、確かにそれもあるのだが……。彼はその後、いろんな人々を助けて回ったのだよ。それが有名となり、彼は誰もが称する”立派な魔法使い”になったのだ」
「いろんな人を、助けて回って?」
「そう、多くの人を助けたからこそ、多くの人に尊敬されるようになったんだよ」
ナギはある女性との約束を守るために、多くの人々を助けて回ることをしたのだが、それはいずれの話だろう。
「つまりネギ君、人を助ければ、立派になる近道となるのだ。魔法使いとしても、人としてもな」
「はい!僕もそういう人になりたいです」
「しかし、押し付けがましい親切はよくないぞ。他人がどう考えているか、どうすれば喜ぶかを考えて行動せねばならん」
”原作”のネギ少年も、最初の頃だが親切心で突然通りがかりの
ギガントはそのことを当然知らないのだが、そういうことはあまりよくないことだと、窘めるかのように彼は話した。
「人を助けるって、難しいことなんですね」
「難しくは無いよ。少し助ける人側で考えればいいのだ。何を欲しているのか、何をすれば喜ぶか、それを考えればいいだけだよ」
「そうなんですか、僕も人を助けられる人になりたいです」
「うむ、その心がけが一番だ」
そのネギの発言に、ギガントは喜び笑顔を見せる。
ネギもそれにつられて笑って見せた。
ギガントは思う、子供は素直でいい、と。
そこへ、ネギとは違う人が店へと入ってきた。
「いらっしゃ、お、待っておったぞ」
「こんにちわ、お師様、今日もよろしくお願いします」
入ってきたのは一人の少女だった。
その名はアンナ・ユーリエウナ・ココロウァ。
ネギからはアーニャという愛称で呼ばれているツーサイドアップの赤毛の少女だ。
彼女はネギがこの店に頻繁に入っているのを見て不審に思って突入し、ギガントの弟子となった経緯がある。
ギガントはそれを見て、元気がいいお嬢さんだ、と思ったらしい。
「うむ、よろしく」
「あ、アーニャ」
「ネギは来るの早すぎよ!」
アーニャはギガントの弟子となった理由は”両親と話したい”からだった。
アーニャの両親はあの事件で永久石化してしまっており、それを治したいと言ったのだ。
ネギからギガントのことを聞いて助けてもらおうと思ったのだが、ギガントもそこまでのものは覚えておらず、ならば一緒に研究しようということにした。
だからギガントが先に、永久石化の治療法を研究しながらも彼女に状態異常解呪の魔法の基礎を教えているのだ。
それを知ったネギも参加することを決め二人は基礎を習いつつ、ゆっくりだが三人共同で永久石化の治療法に挑んでいる状況だ。
「さて、昨日は麻痺解呪の魔法をマスターしたのだったな」
「はい、新しい魔法をおしえてください」
「なら、次は解毒の魔法を教えるとしよう。毒の種類は多様多種存在し、いろいろな効果があるのだが、それを一括りに”人体に悪影響のある”ものを解呪する魔法だ。まあ、その毒の種類別で魔法を使い分ければもっと効果が高いのだが、まずは、さっきも言った、基本的な解毒魔法を教えよう」
「はい!お願いします!」
すでにアーニャは麻痺解呪魔法をマスターしたらしく、次は解毒の魔法に挑戦するようだ。それをうらやましく見ているネギがいた。
「アーニャはいいなあ、もういろんな魔法が使えて」
「当たり前じゃない?アンタよりも1歳年上で、魔法学校も1年上なんだから」
「なに、二人ともよくやっておるよ。それに、その程度の差はすぐ埋められよう、気にすることは無い」
ギガントは二人に感心していた。
とても優秀で勤勉で、元気な子供だったからだ。
ギガントは二人に指示しつつ、大地の精霊を操り石化のプロセスを解くことにした。
それを二人はものめずらしく眺めながら、自分たちの課題に取り組んでいった。
こうしているうちに日が落ち、二人は明日もここへ来る約束をし、帰路へ着くのだった。
…… …… ……
彼の名はカギ・スプリングフィールド。
名前から察するに、ネギ・スプリングフィールドの双子の兄である。
そして、彼は転生者でもあった。
なぜなら転生者のルールに原作キャラの”憑依転生”はできないが”肉親へ転生”できないというものはない。
彼は転生してネギ・スプリングフィールドの兄として誕生してしまったのだ。
最初は彼も戸惑った、最初から死亡フラグの塊だったからだ。
しかし、彼には偉大なる野望があった、原作ヒロインを手篭めにするという野望だ。
悪魔襲撃があるのを知っていたのでその時は特典で倒して俺TUEEEEEしようと考えたが、あれはネギが3歳ほどの年齢で起こる事件で5歳にならないと特典が発生しないので、彼はそれが無理だと考えた。
だから、その事件の時は遠くの森へと逃げ込んで凌いだのだ。
今、彼はとても不満だった。
なぜならいまだにヒロイン級の少女たちが、自分のものになってないからだ。
それはアーニャやネカネのことだ。
ネカネは彼を、ほんの少し変な手間がかかる弟としか見ておらず、アーニャは勘がよいので、スケベな視線を送る彼を快く思っていないのだ。
このカギ・スプリングフィールドはそれがとても不満だったが、さらに不満なのがネギとアーニャが二人でどこかに行っていることだった。
ネカネやスタンは彼のことも一応ギガントへ保護を頼んだのだが、カギ自身が拒んだので、仕方なく自由にさせているのだ。
拒んだ理由は単純で、特典がもうすぐ手に入るからというものだ。
そして彼はスタンが石化してない上に、ネカネも足を怪我していないのを原作改変と考えたが、誤差の範囲としか思っていなかった。
「クソッ!どこで二人で遊んでるかわからねぇ! 俺のどこが不満だってんだ! 畜生!!」
そう叫ぶカギ・スプリングフィールドは、ネギにそっくりな赤毛の少年だ。
違いがあるとするならば、目つきが微妙に悪く、髪の毛を逆立てているというところぐらいだ。
デビルメイクライのダンテとバージルといえばわかるだろうか。
そんな彼は不機嫌に当り散らしていたのだ。
「クソ! イライラするぜ! 魔法学校ではかなりモテモテだっつーのに、なぜアーニャはこの俺に惚れねぇんだよ!! おかしいぜ!!」
独り言である、大切なのでもう一度言うが完全に独り言である。
誰かに聞かれたら、ただの変態としか思えない独り言であった。
だが、彼は今は我慢することにした、原作が始まればネギをアンチできるからだ。
「まあいい、原作開始でネギを叩きに叩いて俺が主役になればいいんだ! あと、アイツに乗じて武装解除を流しまくってやるぜ! ヒャッハッハ!!」
やはりただの変態である。
もはや公然とセクハラ発言するこの彼が、なぜ魔法学校でモテモテなのかさえわからないほど、公然わいせつなやつであった。
「もうすぐ特典が開放される! そうすりゃネギなんて目でもねぇ、楽勝だぜ! そんでもって、ネカネとアーニャを最初にゲットだぜ!!」
彼は他に転生者が居ることを知ったが、自分の特典ならば余裕で勝てると思い、うぬぼれ舐め腐っていた。
転生神から他に転生者がいることを教えられてなかったが、あの事件を森でやり過ごした時、空を見上げたらそれらしき連中が暴れ散らかしていたのを見て、多くの転生者が居ることを知ることができたようだ。
それでも自分の特典こそ最強だと驕り、この世界の主人公だと疑ってはいない。
……まあ、他の転生者も、大抵そんな感じだったりもするのだが。
「俺の特典は”ナギの能力”と”
彼は知らないのだ、赤蔵覇王という強敵を。
彼は知らないのだ、転生者を知るものがいることを。
そして彼は知らないのだ、弟のネギ・スプリングフィールドが優秀に育っていることを。
「今から6年後ぐらいが楽しみだぜ、待ってろよ!麻帆良!!」
彼の物語は、後6年後に動き出すだろう。
しかし、それは想像を絶するものなはずだ……。
…… …… ……
転生者名:不明
種族:人間
性別:男性
原作知識:あり
前世:20代無職
能力:ルーンと呪いの一撃
特典:Fateのランサーの能力、オマケで
保有魔力大
転生者名:不明
種族:人間
性別:男性
原作知識:あり
前世:30代無職
能力:聖剣ブッパ
特典:Fateのセイバーの武器、
剣術の才能
転生者名:カギ・スプリングフィールド
種族:人間
性別:男性
原作知識:あり
前世:40代契約社員
能力:膨大な魔力によるゴリ押し
特典:ネギま!のナギ・スプリングフィールドの能力
オマケでネギが持つ杖と似た杖(この世界の同じ物は二つ存在しない)
Fateのギルガメッシュの宝具、