ダンジョンにお姉ちゃんがいるのは間違っているだろうか 作:姉を名乗る不審者
―――
年に一回オラリオで開かれる、闘技場を一日使用して、ダンジョンから連れてきたモンスターの調教ショーを公開する、ガネーシャ・ファミリア主催の催しである。
祭と言うだけあってオラリオは賑わっており、当然姉達は弟との楽しいひと時をおくって―――
「シズルさん」
「なにかな?」
「お客さん、あんまり来ませんね·····」
「そうだね〜」
―――いなかった。
それもそのはず、当の
因みにこの時、ベルはヘスティアと祭を楽しんでいるのだが、姉たちの知る術はなかった。この姉達なら何らかの力で気がついてもおかしくないが。しかし、仮に気がついたとしても、クレープの材料。特にフルーツ類はこの世界では保存方法が少なくそのままにする為、痛むのが早い。その為、売店を放り出す訳にはいかないのだ。
少人数のお客さんを捌きながら情報を集めるが、求めた情報は手に入れられず、只々時間が過ぎていく。
そこで、姉達はあることに気がついた。妙に騒がしいのだ。いや、祭の最中なのだから騒がしいのは当たり前なのだが、その種類の騒がしさとは違った。
「これは、悲鳴?」
「シズルさん!」
「うん!」
姉達は、屋台を飛び出した。騒ぎに巻き込まれているであろう弟を探しに。彼はきっと巻き込まれているだろう。彼女達には、その確信があった。
だって、彼は―――
―――この世界の
「シャドウ!?」
「シャドウサーヴァント!?」
冒険者たちと戦っていたのは、妹を名乗る不審者のリノのシャドウとジャンヌ・ダルクの別側面のオルタとサンタのシャドウサーヴァントだった。
更に、その奥の存在にシズルは目を剥くことになった。
「ケケケケケケケケケッ!」
「やっと見つけた、アンチビースト!」
―――アンチビースト
人の持つ愛と希望といった大切な力を奪い世界に災いを巻き続ける存在であり、対抗するには魔法少女の愛と希望の力か、アンチビーストが持つ闇の力が必要な存在である。
アンチビーストを囲む冒険者達は、その特性のせいか攻めあぐねているようで、シャドウとシャドウサーヴァントの援護もあり、防戦一方となっていた。唯一の救いはアンチビーストの意思が希薄になり、考える力を失っていることだろう。
「アレを知っているのですか?」
「うん、アレはアンチビースト。魔法少女しかダメージを与えることが出来ない敵だよ」
本来ならモーラに選ばれた魔法少女達が倒すべき敵であるが、残念な事にモーラはこの世界に来ていない。だが、幸いな事にこの世界には姉達がいた。
「私に任せて!」
シズルの白いドレスが黒く染まり、闇のお姉ちゃん―――シズル・ノワールと姿を変える。
「ジャンヌさん、この姿なら攻撃が通じるはずだから他の冒険者達のサポートをお願い」
「1人でも大丈夫なのですか?」
「ちょっと、キツイかもだけどアレの相手が出来るのは、私だけだから」
「シズルさん。あの敵は、
「うん、だからジャンヌさんは·····」
「それなら、問題ありません」
ジャンヌダルクがそうシズルの言葉を遮ると、何時もの鎧姿から、黄色を基調とした露出がかなり高めな服に変化し、頭には犬耳、腰には尻尾が付け加えられた。
「キュアでピースで真っ黄色!!神風魔法少女ジャンヌですワン!!」
「ウソ!ジャンヌさんも魔法少女になれたの!?」
「はい!未実装な為、宝具は使えませんがこれで戦えます!ワン!」
「それじゃ、行くよ!ダークネスコンビ姉ーション!!」
その日を境に、オラリオに魔法少女と言う謎の戦士が現れたという噂話が拡がったのは、また別のお話。
マジで、今後の展開どうしよう·····
いや、着地点は見つけてあるけど、そこまでのルートが開拓できてないです。次回はもっと遅くなるかも·····