過去話 波瑠加との出会い。
これは武昭と波瑠加が中学生の時……
イギリスから日本に来た武昭は杉下の知り合いで捜査一課の芹沢と一緒にデパートに来ていた。
「すみません芹沢さん。俺の買い物に付き合ってもらって」
「ん?気にしなくて良いよ。俺も買いたい物があったからさ」
「そうでしたか。けど日本は本当に何でも手に入りますね」
「まぁ、イギリスにいた武昭君からするとそう感じるんだろうね」
2人は買い物をしながら店内を回っていた。
「そうだ、そろそろお昼から何か食べるかい?俺が奢るからさ」
「それ位自分で出しますよ。義父さんからはある程度貰ってるんで」
「そんなの気にしなくて良いのに。子供だからこういう時は黙って奢られなよ」
「ありがとうございます。すみませんけどちょっとトイレに行ってきます」
「分かったよ、じゃあは俺はここで待ってるから」
武昭は芹沢に断りを入れてトイレに向かった。
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トイレを終えて武昭が芹沢の所に戻ろうとした時だった………
ドンッ
「おっと、すみませんでした」
「チッ、気をつけろよ……くそっ……どいつもこいつも……」
通りがかりの男性に軽くぶつかったので武昭は謝罪したが彼は不機嫌な顔をしながら小声で何かを呟いていた。
「なんだろう?……何か変な感じがしたな……それに……」
「おかえり武昭君……どうかしたの?」
「えぇ……今戻ってくる時に
武昭が戻ってきた時に芹沢が気になった事を尋ねたが武昭の言った言葉で雰囲気を変えた。
「えっと……武昭君が感じた嫌な気配って……どんな感じだったの?」
「はい……俺がぶつかったから謝ったんですけど、まるで何か違う事を考えてるみたいでした」
「なるほど……普通だったら何を言ってるんだってなるんだけど……武昭君だからなー」
「すみません芹沢さん、休暇の時に変な事言ったりして」
「別に武昭君が悪い訳じゃないよ。それじゃ何か起こる前にその人物を探さないと……どんな風貌だったか
「あっ、はい分かりました……」
芹沢に言われた武昭は買ってきたノートを袋から出すとその人物の風貌を描いた。
「なるほど、こんな顔なんだ」
「はい。さっきすれ違った時、向こうの方に行ったのを見ました」
「そっか。普通だったら安全な所にいて欲しいけど勝手に動かれても困るから一緒に行動するよ」
「すみませんね芹沢さん」
「気にしなくて良いよ。武昭君の保護者で慣れてるから」
2人が男性を探そうとした時だった……
何処かから叫び声がしたので2人は慌ててその場に向かった。
声がした所に到着すると先ほど武昭がすれ違った男性が女の子に包丁を向けて捕まえていた。
「おいっ!この女を傷つけてほしくなかったら!俺の要求を聞けっ!!」
(武昭君……あいつが、さっき言ってた……)
(はい……間違い無いです……けど、このままなら人質の子が……)
芹沢と武昭は犯人に気付かれない様に話していた。
(さてと……どうしたら良いかなぁ……)
(うーん……ん?芹沢さん、何とか犯人の気を逸らしてくれませんか?)
(え?まぁ、やろうと思えば出来るけど……まさか武昭君……何か無茶をする気じゃ……)
芹沢は武昭の考えた事に嫌な予感がしたが武昭は気にしないである提案をした。
「おいっ!近づくとこの女の顔に傷がつくぞ!!」
「ひっ……(なんで……こんな事に……誰か……)」
「待てっ!それ以上はやめろ!!」
犯人が女の子の顔に包丁を近づけた時に芹沢が声をかけた。
「あぁ?てめえ誰だ?」
「あぁ、警視庁の芹沢だ。たまたま休暇で来てたらこんな事件に出くわしてな。なんでこんな事をしてるんだ?」
「あぁ?そんなの俺が何をやっても上手くいかないからだよ!!」
「その程度でこんな事をしてたら何をやっても上手くいくわけ無いだろ」
「うるせぇ!そんな事を言われようとな!てめぇには関係ねえだろ!!」
犯人が女の子に包丁を刺そうとした時だった……
「そんな事はさせないよ!」
「ガハッ!?」
「早くこっちに!!」
武昭がカートに乗って犯人の背後からぶつかって女の子を解放した。
「あっ……は、はい……あ、足が……」
「この野郎!!舐めた真似してるんじゃねぇ!!」
「危ないっ!!」
解放された女の子は足が震えて上手く動けなくうつ伏せで転倒しそれを見た犯人が後ろから刺そうとしたのが見えたので武昭は……
「えっ?……嘘……私を……」
「大丈夫だよ……これくらい……平気だから……」ポタ ポタ ポタ
女の子を守る為に犯人の包丁を左手で受けていたが刃が貫通していた。
「なっ!?邪魔するならてめえから!!」
「そんな事させるかってんだよ!!」
犯人が武昭に襲い掛かろうとしたが芹沢が後ろから飛びかかって抑え込んだ。
その後……
「ごめんね玲音姉、急に呼んだりして」
「気にしなくて良いですよ。武昭君が悪い訳じゃないですから」
「全く、お前がついてて何してんだ?」
「すみません先輩」
犯人を捕まえた後は警視庁に連絡をして芹沢の後輩の玲音と先輩の伊丹を呼んでいた。
「まぁ父親が父親だから息子も無茶をするって事か。そうだ警部殿から帰ったら覚悟しとけって伝言預かってるから」
「えぇー……義父さんだって好き勝手やってるくせに……」
「それはそれだ、じゃあ治療の為に病院に行くぞ」
「あっ玲音姉、その子の事をお願いして良いかな?」
「えぇ分かってるから早く病院に行きなさい」
武昭は伊丹と芹沢に病院に連れて行かれた。
その日の夕方……
「全く……君は無茶しましたね……」
「うっ……ごめんなさい義父さん……」
「まぁまぁ右京さん、そこまでにしておきましょうよ」
武昭は保護者で義父でもある杉下右京がいる警視庁特命係の部屋で説教を受けていて、それを見た右京の相棒である冠城亘に止められていた。
「まぁ、君も怪我をしてますからここまでにしておきましょう。良いですか、これからは無茶をしてはいけませんよ」
「はい、分かりました……」
「けど……勝手に捜査をしてる右京さんに言えた義理はないと思いますけど……」
「おやおや、それを言うなら冠城君も同じですよ」
「これは藪蛇でしたね」
「さてと……武昭君、君はしばらくの間こてまりさんの所でお世話になっていなさい。話は通してありますから」
「うん、分かったよ、それじゃ義父さん、冠城さん」
武昭は2人に断りを入れると言われた所に向かった。
武昭が右京に言われて【小料理屋 こてまり】に到着すると女将の小出茉梨がいた。
「杉下さんから話は聞いてますよ武昭君。聞いた時は驚きました」
「すみません、こてまりさん……」
「まぁ、杉下さんから怒られたみたいですから私からは……周りの人達に心配かけてはダメですよ」
「はい、分かりました……」
武昭はこてまりに言われてシュンとなった。
一方……
犯人に捕まっていた女の子は警察の聴取を終えて親が迎えに来ると、そのまま家に帰って自分の部屋のベッドで横になっていた。
「あの時……あの子がいなかったら……私は……あっ……」
女の子は上半身を起こすとある事に気づいた。
「そう言えば……あの子の名前を聞くの忘れちゃった……もし会う事が出来たら……ちゃんとお礼を言わないと……」
女の子はそのまま横になった。
そして2人は高度育成高等学校で再会した……
ご都合主義につき相棒の人達の時系列としては捜査一課に出雲玲音がいる頃です。