新入生は特命係の息子。   作:北方守護

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第12話 息抜き

教室を出た武昭はトイレを終えるとそのまま保健室に向かった。

 

「すみません誰かいますか?」

「はーい、あら?授業中だけどどうかしたのかしら?」

武昭が中に入ると茶髪にウェーブが掛かった女性が出てきた。

 

 

「はい……実はちょっとばかり()()()()()が来たから診てもらいたいんですけど……」

「もしかして、あなたってDクラスの杉下君かしら?」

「はい、そうですけど……僕の事を知ってたんですか?」

「えぇ、これでも保健医だから多少の事は聞かされているの。そうそう私の名前は星之宮知恵って言うの。Bクラスの担任も兼任してるの」

「そうでしたか。ではお願いします」

星之宮は武昭の左手の診察を開始した。

 

 

「痛みが来たって言うけどどんな感じかしら?」

「強く握ると軽く痺れがある程度です」

「うん。それくらいなら特に問題は無いわね。以前負った傷の後遺症だから」

星之宮は武昭の診察を終えると気になった事を聞いた。

 

 

「そう言えばDクラスって事は佐枝ちゃんのクラスなのよね」

「茶柱先生の事をそう呼ぶって事は星之宮先生は同級生だったんですか?」

「えぇ、他にはAクラスの担任の真嶋君とも同級生でこの学校の卒業生でもあるの」

「そうだったんですか……あっ、そうだ1つだけ聞きたい事があるんですけど良いですか?」

「あら?もしかして私のスリーサイズかしらそれは「中間テストの赤点はその時のクラスの平均点になりますよね?」っ!」

「答えなくて良いですよ、先生の今の反応で分かりましたから。では僕はクラスに戻ります」

武昭が言った事に星之宮は軽く驚いた表情を見せたが直ぐに戻した。

 

武昭が出た後の保健室で……

 

「あの子は凄いわね……けど、そう簡単に上のクラスに上がれるかしら?」

星之宮はドアを見て怪しげな表情を浮かべていた。


その日の放課後……

武昭は波瑠加と共にある場所に向かっていた。

 

「ねぇ武昭は図書室に行かないの?」

「あぁ、平田くんが開催してる勉強会か……いや、俺はちょっと気になった事があってな」

「気になった事って?」

「うん。茶柱先生が言ってたテスト範囲がね。おっとここだ。失礼します」

「ここって……ゲーム部って書いてあるけど」

波瑠加が連れてこられた場所は武昭が以前来た場所だった。

 

ゲーム部に入ると以前武昭が相手をした先輩から話しかけてきた。

 

「おっ、杉下じゃないか、今日はどうしたんだ?」

「えぇ先輩に()()()()()()()で聞きたい事があって来たんです」

「聞きたい事?まぁ話せる事は少ないけど構わないぞ。空いている席に座って良いぞ。彼女さんもどうぞ」

「あっ、はい失礼します……(やっぱり他の人からはそう見えるのかな……)」

先輩に促されて2人は座ったが波瑠加は軽く頬を染めていた。

 

「それで杉下は何が聞きたいんだ?」

「はい、中間テストの範囲が発表されたんですけど……見てください」

「どれどれ……ん?これって……違うな、なぁ見てみろ」

「あぁ、確かに違うな」

先輩は違う部員に範囲の紙を見せて確認させるとその部員も違う事を確認した。

 

「そうですか……まぁ変わってたとしても、ちゃんと復習してるから問題は無いですけどね」

「そうか。そうだよな俺たち上級生の問題でも普通に理解してたからな」

「え?武昭って、2年の問題でもわかるの?」

「先輩と武昭の話を聞いていた波瑠加が軽く驚いた。

 

「忘れましたか?僕はテストは全問正解したんですけど?」

「あっ、そう言えば、そうだったっけ」

「はい。さてと来たついでですから先輩、一局どうですか?」

「おっ、良いぜ。今日こそ勝って今迄の負け分を取り返してやる」

そう言った2人はチェス一式がある席に座った。

 

その後……

 

「はい、これで……チェック」

「くそっ!今回も負けたか」

「いえいえ前よりも強くなってましたよ。それじゃ報酬を貰えますか?」

「あぁ、分かってるよ。ほら20万ポイントだ」

(に、20万って!?)

「ありがとうございます。それじゃ僕たちはこれで失礼します。波瑠加行くぞ」

「えっ、あっ、うん。先輩達失礼します」

武昭と先輩の対局が終わったので帰ろうとした時に2人の話を聞いた波瑠加は軽く驚いていたが

声を掛けられて普通に戻ると武昭と一緒に部室を出た。


部室を出て寮に向かっていた波瑠加は気になった事を武昭に聞いた。

 

「ねぇ、武昭って、ポイントはどれだけあるの?」

「ん?今の対局の分を入れると105万3425ポイントだな」

「っ!?105万って……」

「あぁ、対局だけじゃなくて先輩達に勉強を教えたりもした報酬があるからな」

「ふーん……そうなんだぁ……武昭って本当に凄いんだね……」

「まぁ、色々と鍛えられたからね……それに……ーーー

「ん?武昭、今なんて言ったの?」

「何でも無いよ。ほら早く帰るぞ。そうだ今日も俺の部屋に泊まるのか?」

「そうだね、また勉強を教えてもらおうかな?」

「良いぞ、じゃあ店に寄って何か晩御飯の材料を買うか無料の商品があったらそれを持ってくか」

「良いよ2人で行くとかなり持っていけるからね(さっき武昭、小声で何を言ってたんだろ……そうだ、あの事を武昭にいつ言おう?)」

2人は買い物に向かったが波瑠加は武昭が何を言ったか気になっており()()()()()()()()()顔を赤くしていた。

 

 

 

 

 

 




ゲーム部で武昭が先輩とチェスをしてた頃……

「ねぇ、あなたってあの子の事が好きなの?」
「ふえっ!?あのっ、そのっ…… はい……好きです…… 
「ふーん、やっぱりそうなんだ……けど寮じゃ、そんなに自由に出来ないんじゃない?」
波瑠加が女子の先輩と話しており先輩からの言葉に黙ってうなづいた。

「だったら、良い事を教えてあげるね。寮から離れた場所にシェアハウスがあってPP(プライベートポイント)を払えば借りる事が出来るんだよ」
「えっ?そうなんですか?じゃあ先輩がそこを使ったら良いんじゃ無いんですか?」
「私もそうしたいんだけど結構なPPが必要になるの。確か1ヶ月6万だったはずだけど……」
「そんなにかかるんですか?」
「うん、けどね前払いも出来るからポイントがある内に先に払っておくって事も可能だよ」
「そうですか……1ヶ月6万なら1年で72万ですか……」
「だから彼氏さんには「それはダメです……」なんでか教えてくれる?」
「確かに武昭に言ったら払ってくれますけど、それをしたら私は何かダメになるんです」
先輩は波瑠加の目を見てその真意を感じた。

「そっか……けど使いたくなったら誰か先生に言うと手続きしてくれるから」
「はい、教えてくれてありがとうございます」
「良いよ、ただ私が教えたかっただけだから。ほら向こうは終わったみたいだよ」
先輩が言うと武昭がチェスを終えていたのでそこに向かうと、そのまま部室を出た。
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