入学式を終えた武昭は敷地内を見回っていた。
「まだ昼前だから何が何処にあるか巡ってみるか……ん?彼は確か……ちょっと良いですか?」
「ん?もしかして俺に何か用か?」
武昭が声をかけたのは茶髪の男子生徒だった。
「あぁ、俺と同じクラスだったから声を掛けたんだ」
「そうだったのか、俺は
「俺の名前は杉下 武昭って言うんだ、こちらこそ宜しく。それよりも綾小路は何処に行こうとしてたんだ?」
2人は自己紹介をすると事情を聞いた。
「あぁ、俺は何があるか見て回ってたんだ」
「なるほど、俺と同じ考えだったのか。なら一緒に回らないか?」
「いや、俺は構わないけど……杉下は良いのか?」
「良いから言ってるんだよ、とりあえずは何か昼飯でも買わないか?」
綾小路が武昭に事情を説明して返答を聞くと一瞬キョトンとした表情になったが状況を理解すると近くのコンビニに向かった。
2人がコンビニに入ると綾小路は品物を見て何かを考えていた。
「なるほど、学校の敷地内の店舗とは言っても外の店とはそんなに値段が変わらないんだな」
「へぇ、そうなんだ……「あら、誰かと思えば貴方達だったの」なんだお前もいたのか」
「綾小路、この女子は……綾小路の隣に座っていた堀北鈴音さんだな」
武昭の言葉を聞いた鈴音は驚いた表情を見せた。
「驚くのも分かるけど、説明すると俺が君の名前を知ってるのはクラスに入った時に掲示板に貼ってあった座席表を見たからだよ」
「そうか、それで俺の隣が堀北だって知ってたのか」
「えぇ、
「ちょっとばかりって程じゃないわよ……」
「それよりも……女子ってシャンプーとかに拘るものかと思ってたけどな……」
「勝手に人のカゴの中を見ないでくれる?」
鈴音のカゴを見た綾小路は睨まれて黙った。
「駄目だぞ綾小路、女性の買い物を確認するなんて」
「そうね、彼の言う通りだわ。それよりも……男子はそういう物が好きなのかしら?」
「綾小路、カップ麺も良いけど、そればかりだと栄養が偏るぞ」
「そ、そうだな……ん?コレは……無料の品物?」
商品を持っていた綾小路が品物を棚に戻すと近くにあった別置きの棚に気づいた。
「へぇ、ポイントを使い過ぎた人への救済措置かしら……」
「救済措置か……それにしては……」
「そうですね……日用品が多いですね……普通に棚に置いてある物とは同じですし……」
「ちょっと待ってろよ!今、探してるんだから!!」
3人が無料の品物を見て話してると店内から大声がしたので見ると赤い髪を刈り上げた男子がいた。
「彼は……」
「確か同じクラスの須藤健だな、どうやら端末がみつからないみたいだな」
「そうか、なら……何かあったみたいだけどどうかしたのか?」
綾小路が須藤に近寄って声を掛けたのを見てると堀北が話しかけてきた。
「ねぇ、一つ聞きたい事があるんだけど、先生に聞いていた
「アレって言うのは来月貰えるポイントの事?」
「えぇ、なんであんな事を聞いたのか私も気になったのよ」
「それは、ん?まずは店から出た方が良いみたいだな」
武昭が話そうとした時綾小路が須藤と一緒に店を出たので2人も会計を済ませて店を出た。
2人が店を出ると須藤が店の前に座ってカップラーメンを食べようとしていた。
「ん?ここで食べるのか?」
「当たり前だろ、ここで食べるのが正しいマナーだろ」
「そんなマナーはありませんよ。どうも須藤君。同じクラスの杉下武昭です。」
「お前に関係ないだろう、俺が何処で食べようと良いじゃねぇか」
「おいおい、ここは俺たちの場所だぜ」
武昭が須藤と言い合いをしてると先輩と思われる男子生徒が2人いてその内の1人が絡んできた。
「あぁ?ここは俺が先に場所を取ったんだよ!」
「なんだと!?」
「おい、ちょっと待てよ。お前もしかしたらDクラスか?」
「そうだってんならなんだよ?」
「そう言う事なら今日だけは譲ってやるよ
先輩達はバカにした様に笑うと、その場を離れた。
「今の先輩達の言い方……1年生って事もあるだろうけどDクラスって聞いてあからさまに態度を変えた様に感じたな……」
「あら、そうなの?」
「ちょっと彼らに話を聞いてくるか……堀北さんはどうします?」
「私は良いわ」
「そうですか、では明日また教室で」
武昭は堀北と別れると先輩達の所に向かった。