新入生は特命係の息子。   作:北方守護

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第5話

ゲーム部の部室を出た武昭が校舎内を歩いていると図書室の前に銀髪の女生徒が入口の前に立っていた。

 

「すみませんが図書室に何か用があるんですか?」

「えぇ、私が読書が趣味なので、どの様な本があるか見に来たんですけど、今日は開いてないみたいなんです」

女生徒が指した所を見ると【本日は入学式の為閉館しています。】と書いた看板がかけられていた。

 

 

「そうだったんですか……開いてたなら俺も何か本を見てみたかったですけど……仕方ありませんね」

「あなたも読書が趣味なんですか?」

「えぇ義父(ちち)の影響もあってか特に推理小説が好きなんです」

「そうなんですか!?私も推理小説が好きなんです!!」

「なるほど、それじゃ()()でも読んでみますか?」

「え?これって……○○先生の最新作の小説じゃないですか!?」

女生徒は武昭がカバンから出した本を見て驚いた。

 

 

「確かこの本は話題の作品でなかなか手に入らないって有名な奴で私も読んでみたかったんです」

「そうですか、ではこれをあなたにお貸しします」

「え?そんなダメですよ!!あなただって苦労して手にしたんじゃないですか!?」

「えぇ、苦労しましたけど俺はもう読み終えたんですよ。ですからあなたに貸す事に決めたんです」

「そんな……わかりました、では私が読み終えたらお返しします」

 

 

「えぇ、それで構いませんよ。そういえば自己紹介がまだでしたね。俺の名前は1年D組の杉下武昭と言います」

「私は1年C組の椎名(しいな)ひよりと言います」

「椎名さんでしたか、おっと、そろそろ俺は帰りますので」

「あっ、杉下君が良かったら途中まで一緒に帰りませんか?寮までですけど」

「椎名さんが良いなら俺は構わないよ」

2人は自己紹介を終えると一緒に寮に帰った。

 


武昭が寮の部屋に入ろうと隣から誰かが出て来たので確認すると綾小路だった。

 

「なんだ、隣同士だったみたいだな」

「そうだな。それと何処か行ってたのか?」

「あぁ、軽く校内を見て来たんだ……それよりも、ちょっと話したい事があるんだけど良いか?」

「良いぞ、じゃあ俺の部屋に来てくれ」

武昭は綾小路を連れて自分の部屋に入った。

 

「どうやら部屋の作りはどこも同じみたいだな」

「そうなのか、まぁ学生寮なんて、そんなもんだろう。好きな所に座ってくれ」

「あぁ、分かったよ」

武昭は綾小路が座ったのを確認すると向かいに座った。

 

「それよりも話したい事ってなんだ?」

「幾つかあるけど、まずは教室の中にあった監視カメラに気付いたか?」

「あぁ、気付いたけどあんなもんじゃないのか?」

「いや、普通の学校には教室に無いし、ある所でもあんなに数は無い」

「そうなのか……じゃあ何の為にあるんだ?」

「うーん……多分だけど()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「実力を見てるって……それが担任の言っていた実力主義の意味なのか?」

「まぁ、何の実力かは分からないけどな……それよりも綾小路に学校とは関係ない事を聞きたいんだが」

「ん?何が聞きたいんだ?」

綾小路篤臣(あやのこうじあつおみ)って……お前の[ヒュン!]おっと」

武昭がある人物の名前を出したと同時に清隆が殴り掛かって来たが武昭は当たる寸前で避けた。

 

「おい……お前は親父の関係者なのか?なら」

「まてまて、お前がどう思ってるか分からないけど俺は関係者じゃないよ……ちょっとした事情で()()()()()()()()()()()()()

「ある人って誰だ?」

「松尾さんって人からだよ」

武昭から聞かされた人物の名前を聞いた清隆は落ち着きながら尋ねた。

 

 

「そうか、松尾さんからか……で、どうやって知り合ったんだ?」

「あぁ、俺は小学生の頃はロンドンにいたんだけど、ちょっとした事情があって中学から日本に来る事になったんだ。

それで日本に来て色々と見ていた時に()()()()があってな、その時に松尾さんと知り合ったんだ」

「そうだったのか……」

「そして、その時に教えられたんだ、お前の父親が()()()()を運営しているって……それでお前を脱走させた事も聞いたんだ」

「なるほど……それで俺に声をかけたのか」

清隆は納得すると天井を見た。

 

「それで綾小路に聞きたいんだが……俺は()()()()()()()()を使ってその施設を終わらせようと思うんだけど手を貸してくれないか?」

「アソコを潰すって……そんな事が出来るのか?」

「あぁ……あんな所はあっちゃダメなんだ……だからその時が来たら手伝ってくれ」

「杉下……分かったよ、その時は俺にもやらせてもらう」

「それと俺達は友達なんだから武昭って名前で呼んでくれよ」

「武昭……あぁ、なら俺の事も清隆って呼んでくれ」

清隆が右手を差し出したので武昭は握手をした。

 

その後清隆が自分の部屋に戻ったので武昭は夕飯を作って明日の用意などをして眠りについた。

 

 

 

 

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