新入生は特命係の息子。   作:北方守護

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第9話

武昭と波瑠加の話し合いが終わった次の日の放課後……

 

「ねぇ武昭、今日はどうしてモールに来たの?」

「ちょっと、ある人に聞きたい事がありましてね。おっ、ここです」

武昭が波瑠加と来たのはモール内に幾つかある中の喫茶店の1つだった。

 

2人が喫茶店に入ると目的の人物を見つけた武昭は、そこの席に向かった。

その席には入学式の時に知り合った先輩だった。

 

「確か……あっ、すみません先輩急に呼んだりして」

「いや、お前とは前に約束したからな」

「武昭、この人って先輩なの?」

「えぇ、ちょっとした事で知り合ったんです。それで俺が頼んだ物はありますか?」

「ああ、コレだよ」

先輩が取り出したのは自分が1年生の時の小テストと中間テストの問題用紙だった。

 

「ありがとうございます先輩。やっぱり……ほら波瑠加見てみろよ」

「えっと……あっ、去年の奴と同じ問題だ」

「なぁ、お前に聞きたいんだけど……ゲーム部で1年生の男子が荒稼ぎしてるって噂があるんだけど……」

「はい、その男子は俺ですよ」

「やっぱりお前だったのか……まぁ何となくそうじゃないかとは思ったけどな」

武昭の言葉を聞いた先輩は何処か納得した様な表情を見せた。

 

「さてと、俺は先に帰るから2人はそのままデートでもしてろよ」

「デ、デートって……私達はクラスメイトで()()そんな関係じゃ……」

「そうだったのか?まぁ高校生の3年間なんて早いんだから恋愛でもして思い出を増やした方が良いぞ」

「あっ、先輩、ここの支払いは俺が」

「気にするな先輩として、少しは格好つけさせてくれよ」

先輩は伝票を持っていくと、そのまま支払いをして出て行った。

 

「全く……先輩は勘違いして……」

「ね、ねぇ……武昭は私とデートするのは……嫌なの?」

「別に嫌って訳じゃないよ。波瑠加みたいな可愛い女の子とデート出来るなんて嬉しいよ」

「そ、そうなんだ……じゃあ、このままデートしてこ?」

波瑠加が頬を染めて上目遣いで見てきたので武昭はそれを受け入れた。

 

その後……

「うーん、波瑠加はこっちとどっちが分かりやすい?」

「私はこっちの方かな?」

本屋で参考書を探したり……

 

「えっと、波瑠加はそれにするのか?」

「うん、これが何か引っかかったんだ」

雑貨屋で使う食器類を買ったり……

 

「おっ、今日は肉があるのか」

「武昭、向こうに野菜があったから私が取りに行ってくるね」

スーパーで無料の品物を手にしたりと色々をしていた。


その後……

 

「悪かったな波瑠加。無料商品を取りに行ってもらって」

「ううん、気にしなくて良いよ。私だってあると助かるんだから」

「そっか、そう言ってくれてありがとうな。それよりも……結構な無料の商品があるんだな」

「そうだね。しかも品物もそれなりに良い奴だし」

「あぁ、生鮮食料品も少し悪くなってるだけで食べるにも問題は無いし……ん?」

どうしたの?武昭」

話しながら歩いていると武昭が何かに気づいた。

 

「あぁ、あの子……うちのクラスの佐倉さんだよな?」

「あっ本当だ。けどよく気付いたね」

「昔から人の顔を覚えるのは得意でね(あの人も指名手配者の顔を覚えてるからな)

話しながら武昭は義父の知り合いの事を思い出していた。

 

「うーん……何だろう……何処かで見た様な気がするんだよなぁ……」

「そうなの?只、可愛いから覚えてからじゃないの?(武昭ってああ言う静かな女の子の方が良いのかなぁ……)」

「まぁ佐倉さんに限らず波瑠加やこの学校には可愛い子が多いけど、そんなのじゃないよ」

「ふーん、そうなんだ……(もしかして武昭ってそう言ってるの気づいてないのかな?)」

波瑠加はちょっと機嫌が悪くなったが頬を染めていた。

 

「何処で見たんだ?ちょっと前にも見た様な気が……あっ」

「武昭?何処で見たの」

「本屋の本でだよ。確かグラビアアイドルの雫って載ってた筈だ」

「え?そうなの?けど人違いじゃないの?」

「いや、確かに雫だな。まぁあんまりバレたくないだろうから声をは掛けないけどね。それよりも早く帰るぞ」

2人は佐倉に気付かれない様に寮に戻った。

 

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