今日も徹夜で仕事してました。
はぁ、実家帰りたい
ロシア支部にきた次の日私達は地下にある講堂に集まっていた。
「あれ? 思ったより人数が少ない」
私は講堂に入ってまずそう感じた。全支部の人間が集まっているにしては少な過ぎる。
「あぁ。それはこの合宿が二回に別れているからだよ。流石に一度に全支部の人間を集めたら人数が多すぎて手に負えないからね」
それに答えてくれたのはエリックさんだった。
確か今ある支部は大小様々だが二十以上ある。だが新人が居ない支部もあるため実際この合宿に参加している支部はもう少し少ないだろう。更に一支部から五人も来ている極東は多い方で大体の支部は一〜三人が派遣されている。そう考えると確かに二つに分けた方が丁度良い人数になる気がする。
そんな事を考えていると前方の舞台袖から六人の男女が現れた。よく見るとその内の一人がレオン君だったので恐らくあの人たちが今回の教官達なのだろう。
「皆集まったな。それではこれより第一回ミーティングを開始する。先ずはロシア支部長のグリゴリー・アロノフからお言葉を頂戴する。支部長お願いします」
司会の女性に呼ばれて前に出たのは壇上に立つ六人の中で一番年上の40代位の男性だ。
「ロシア支部長のグリゴリー・アロノフだ。先ずは皆さんようこそロシア支部に。ここは去年できたばかりのまだ新しい支部だ。それゆえアラガミの出現場所も不安定でな。そのため今回の合宿は調査の側面も持っていることを理解しておいてもらいたい。皆が神機使いとしてどんな成長をしてくれるのか私は楽しみにしているよ。以上だ」
アロノフ支部長が喋り終わるとまた司会の女性がミーティングを進行していく
「それでは次に今回の合宿で教官を勤める人達を紹介していこう。先ず私はロシア支部所属のリリア・プーベルだ。今回の合宿の責任者とこれから発表する班の一班を担当することになる」
「次は私ですかね。フェンリル本部所属アードロフ・ハッカネンです。担当は第二、三班になります」
「えー。マルセイユ支部所属カミーユ・ランブランよ。教練担当は第四、五班になるわ。まぁあまり気負わず仲良くやりましょう」
「ドイツ支部所属ゴードン・バガー。担当は第六、七班になる。よろしく」
「俺が最後かな。えっと極東支部所属星村レオンだ。俺は第八、九班を担当することになる。まぁ教官っていっても新人には俺と同年代の人ばかりだと思うから上下関係とかあんま意識しないで欲しいかな」
教官の紹介中リリア教官とレオン君の時だけ少し辺りが騒がしくなった。あの二人は他の教官達より知名度が高い。つまり優秀ってことなのだろうか。
「よし。じゃあ次は各班の班割りを発表する。といってもここで全員の名前を呼ぶなど時間の無駄だからな。講堂内の四箇所に班割りが書かれた紙を貼るのでそれを確認してくれ。確認したのならば各班教官のもとに集まって顔合わせを済ませてくれ」
リリア教官がそう言うと講堂内に四人の職員が入ってきてそれぞれが壁に紙を貼り付けていった。それを確認するために人が移動する波に乗りながら私達も一番近い貼り紙のところへいく。
「えっと、私の班割りはっと」
「あっシリアちゃんの名前有りましたよ。第九班ですか。教官がレオン君なのが羨ましいです。」
「まぁカノンは人見知りだからね。あ、カノンもあったよ。第五班というとカミーユ教官のとこだね。教官が女の人だっただけ良かったじゃん」
「確かに…班員も全員女性ですしこれなら」
「カノン君は人見知りを治すためにもまずはその環境の中で班員と仲良くすることを頑張った方が良いだろうね」
「はい。頑張りますよー」
「エリックさん達は何班ですか?」
「僕は第六班。あの寡黙そうな男性の組みだね。些か華麗さに欠けるがまぁ良いとしよう。他の二人は第二、三班に配属になっていたよ」
支部間の交流という目的がある以上同じ支部の人間が同じ班になることはないみたいだ。
確認を終えた人達が今度は集合場所に向かうために動き出す。私達もまたその流れに乗ってそれぞれの教官のものへ向かった。
私がレオン君のところについた頃には既に七人が集まっていた。
「あれ、これってもしかして私が最後?」
「いや、あと一人集まってないが」
「そうだな。でもまぁ遅れたわけじゃねえし気にするな。んじゃミーティングを始めるぞ。先ずは自己紹介からかね。俺はさっきもいったが極東支部所属の星村レオンだ。神機は旧型近距離のショートを使ってる。宜しくな」
レオン君の自己紹介が終わった後、八班からという指示通りに自己紹介を続けていき、八班全員の自己紹介が終わった。
「次は九班の自己紹介だな」
「じゃあ先ず私がいこうかな。シンガポール支部所属のキャリー・ユーです。使用神機は教官と同じ旧型近距離のショートです。今年で二年目だから皆より少し先輩かな」
「グラスコー支部所属のギルバート・マクレインだ。ギルって呼んでくれ。使用神機は旧型遠距離のアサルトだ。俺も今年で二年目になるな」
「じゃあ先に私が、極東支部所属のシリア・ハウンズです。使用神機は旧型遠距離のスナイパー。今年入った新人なのでご指導よろしくお願いします」
私の自己紹介の後場の空気が一段低くなった気がする。あれ? 何かしくじった?
「極東の新人か。これは期待出来そうだね」
そう呟いたのはキャリーさんだ。でもなんで極東ってだけで期待されるんだろう。確かに極東は激戦区って呼ばれてるけど・・・
「その様子だと極東ってとこの評価を知らない様だな。極東支部は他の支部とレベルが違う。激戦区と呼ばれるアメリカやドイツと比較してもな。だからこそ極東支部所属ってだけで一目置かれたりするんだよ」
私の思案顔を見てギルバ・・・いやギルさんが説明してくれた。へー極東ってそんなに異質なんだ
私が考え込むとレオン君が手を叩きながら声を掛けてきた。
「まぁ、一回戦場に出てみれば判るよ。それよりもあと一人自己紹介が残ってるから聞こうか」
そうだ。私の後にもう一人居たんだ。その人に視線を向けると銀髪の中々際どい(主に胸部)衣服の少女の何処かこちらを見下したような視線と交わった。
「さぁ自己紹介をお願いできるかな」
「ロシア支部所属のアリサ・イリーニチナ・アミエーラです。使用神機は新型のロング/アサルトです。旧型は旧型なりの仕事をして私の邪魔だけはしないで下さい」
「おおぅ。いきなり高圧的だな」
「事実を言ったまでです」
一同がそのものいいに唖然としてるとレオン君が話し掛けるがそれもすげなく返される。
新型、それは最近出て来た遠距離と近距離の神機を両方使える神機使いのこと。因みに私達のようにどちらか一方しか使えない神機使いを旧型という。
この新型神機が出来たのはつい最近で適合者もかなり少ないらしい。だからこの時点で選ばれたアリサはまさに《選ばれた存在》な訳だ。がアリサは新型である自分のことを特別だと思い、旧型を見下している。
それはのちのち、いや現在進行形でわだかまりを作ることになるだろう。
何だか大変なことになりそうだ。と他人事のように考えて現実逃避をする私だった。
ちょっと最後の方駆け足で書いてしまったので書き直すかもです