GOD EATER~神喰らう者達の軌跡~   作:冬刀

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新年一発目の投稿。

今回は2071年編のプロローグみたいなものなのでいつもより短めでお送りしております。

今作では本当は登場させるつもりもない人を登場させてしまってその人物をこれから上手く動かせるか心配でたまらない…


本編 2071年~
第十三話 新型


『それではこれより適合試験を開始する。心の準備が出来たら中央の台に横になるように』

 

その声を聞いて少年は部屋の中央に位置する台に近づく。言われなくてももう覚悟は出来ている。

だが部屋の中央に鎮座するそれを見た途端少年の決意は大きく揺らいだ。

 

(えっ? 何だあのドリル。まさかあれで体に穴を開けようとでも言うのか。いやいや流石にそんなことは…)

 

『準備が出来たらその装置の下に右腕を置きたまえ』

 

「いやいやいや‼ あんた俺を殺すつもりか? こんなの絶対死ぬだろう‼」

 

『安心してくれて構わない』

 

「安心出来るわけないだろう⁉」

 

そこまで言って少年は一度冷静になって深呼吸をする。どうあってもこの試験を回避する事は不可能だ。

この適合試験を拒否してフェンリルからの配給が無くなれば少年は生きていけなくなる。この適合試験は被扶養者である少年にとっては義務に近い強制力を持つ。

どうせやるんだからウジウジせずに覚悟を決めよう。部屋に入る前に決めた自分の意思をまた心の中で唱えて少年はもう一度覚悟を決める。

そうして少年は中央の台に横たわり、右腕をドリルの下に出す。

 

『それでは健闘を祈る』

 

その声を合図にドリルが少年の右腕に喰らいついた。

 

―――――

―――

 

「ふぅ~。今日の任務も終了」

 

 

いつも通り任務を終わらせてエントランスに戻ってきた私とカノン。この後は部屋に戻ろうと考えていたが、なにやらエントランス雰囲気がいつもと違う。

それは誰かが殉職した時のような暗い雰囲気では無い。今回は明るい、喧騒に満ちた雰囲気だった。

 

「新しい神機使いでも見つかったんですかね?」

 

「うーん。その可能性は否定できないけど。それだけでここまでになるかな?」

 

「じゃあ今話題の新型神機使いって人が出てきたとか」

 

「あっそれならありそうだね」

 

その雰囲気の元を私とカノンが推測していると、エントランスに居たレオン君がこちらに来ていたので事の真相を訪ねることにする。

 

「レオン君。これって何の騒ぎ? もしかして待望の新型神機使いが出てきたとか?」

 

「おっ、よくわかったな。その通りだ」

 

「凄いじゃないですか⁉ それでどんな人なんですか?」

 

「ロシア系の男だったかな。人当たりも良さそうだったしあれならすぐここに馴染めるだろう」

 

「ロシア系ってことは私と同じか」

 

極東支部は他支部に比べて外国人の移住者はかなり少ない。こんな最前線にわざわざ海外から移住してくる人間なんてよっぽどの理由があるか物好きかの人しかいないからだ。だからその人物が私の知り合いである可能性も否定できない。

 

「案外シリアの知り合いだったりしてな」

 

「実際その可能性って否定しきれないだよね~」

 

とそんな会話をしていると区間移動用のエレベーターが開いて中から臍だしの袖なしシャツに短パン。だけどマフラーとニット帽をしている寒いのか暑いのか良くわからない格好をした少年が出てきた。

 

「今エレベーターから出てきた男の子は?」

 

「あいつも新人だよ。あいつが来たってことは他の新人も来るんじゃないか?」

 

その言葉通り、エレベーターの中から一組の男女が姿を現した。

その内の男性のほうが噂の新型だろう。だが何故だろう。その人物に私は凄く見覚えがある。具体的には一年前まで毎日顔を合わせていて、神機使いになってからも結構な頻度で顔を合わせている人物とそっくりだった。

まさかあいつがここに居るはずが無い。だって私は何も聞いていないから。そんなことはありえない。そう思いながらふとカノンを見ると私と同じような表情をしていた。あの女性の方と面識でもあるのだろうか?

そんな現実逃避をしていると噂の男性とその隣を歩いていた女性が同時に此方に眼を向けた。その眼は感動や喜びのようなものが籠っている気がする。

その男女は先に降りた少年の声を無視してこちらに歩み寄ってくる。男性は大きく、女性は控えめに手を振るというオマケつきで。そしてそれぞれが違う人を呼ぶために同じ呼称を口にする。

 

「「(お)姉さん(ちゃん)‼」」

 

それを聞いて私とカノンが同時に自分を「姉」と呼んだ人物に対して返事を返す。

 

「マルク⁈ なんでここに居るの⁈」

 

「コトミ⁈ こんなとこをで何してるんですか⁈」

 

これが私の弟であるマイク・ハウンズとカノンの妹である台場コトミとの同僚になった瞬間だった。




コウタ「あれ? 俺も初登場なんだけど完全に空気じゃね?」

済まんコウタよ…作者の実力では君を絡ませることが出来なかった。

ということで何故かコトミちゃんを登場させてしまった…やるにしてもBAUST編終了後の予定だったからどうしようか…

極東狼谷学園の話は主人公が新型&シックザール支部長健在ってことから無印編のどこかだとは思いますが、ここでは少し時系列を無視しますのでご了承を。
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