覚えていない人は初めまして。
冬刀というものです。
最初に更新を約1年も止めてしまって申し訳ありませんでした。
少しリアルの方でいろいろありましてもともと少ない執筆時間を別の物に当てることになってしまって…
リハビリも兼ねた投稿なので拙い場所もありますが、それでもよければご覧ください。
あの後イギリス支部内を見て回ってマルク達の気力が回復したところでその日は解散にになった。
そして合宿一日目となる翌日の朝。私たちはこれから一緒に訓練することになるチームメイトとの顔合わせをしているのだが…
「アリサ・イリーチナ・アミエーラです。今回この班のリーダーを務めますので精々足を引っ張らないようにして下さいね。特にそこの旧型の方」
うーん。確か班毎のリーダーって決まってなかった気がするんだけど、この人は自分がリーダーであると疑ってないみたいだ。というかこの様子だと私のことは覚えてないのかな? 一緒に死線を潜り抜けた仲なのにちょっとショックだよ。
「シリア・ハウンズです。所属は極東支部。一応二年目で使用神機は旧型スナイパー。支援ならそれなりに自信があります。よろしくお願いしますね」
私の自己紹介が終わると今度は頭に黄色いバンダナをつけた男の子が緊張しているのか少し高い声で話し始める。
「フェ、フェデリコ・カルーゾと申します! 今年入隊したばかりなのでご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします! 使用神機は新型のロング/スナイパーです!」
「よろしくねフェデリコ君。そんな緊張しなくても大丈夫ですよ? ここには入隊二年目までの人しかいませんから。私達も教官に教わる側です」
私がそう言うとフェデリコ君の表情から少しだけ緊張の色がなくなった気がする。真面目そうだから緊張しているのもあると思うけど、もう少し肩の力を抜いてもらわないと少しやり難い。
フェデリコ君に対する対応を頭の中で纏めていると私達の班の最後の一人が自己紹介を始めてくれる。
「フェンリル本部から来ました。レクティア・エンバーミングです。気軽にレクティーと呼んで下さい。使用神器は新型ショート/アサルトです。一年目の新人なのでよろしくお願いします。先輩方」
どうやらこの班は最近適合者が現れ始めた新型神機使いばかりみたいだ。私じゃなくてマルクだったら新型四人のチームになったんだ。まぁ、合宿の班分けは一年目と二年目が二人ずつになるような構成だからありえないけど。
それにしても、四人中三人が新型だなんて大した偶然だな―
…と呑気にしていられるほど私は察しが悪いわけじゃない。おそらくこれは偉い人達の意図があるんだと思う。実際私達の班の教官は
「みんな自己紹介は済ませたか?」
私達が自己紹介を終えたころにもう一つの班で自己紹介を終えてきたのかタツミさんが手を上げながらこちらに歩いてきた。
「俺は大森タツミ。所属は極東支部だ。短い間だけどよろしく頼むぜ!」
タツミさんに対してフェデリコ君とレクティーちゃんはすぐに挨拶を返したけど、アリサだけはなんだか少し不満そうな感じがする。さっきの台詞からアリサはどうも旧型を軽視してるみたいだから旧型神機使いであるタツミさんから教わるのが嫌なのかも知れない。別に気にすることじゃないとは思うんだけど、人それぞれ価値観ってものがるからしょうがない。でもせめて合宿中くらいは仲良くしてほしいかな。
「よし、自己紹介も終わったことだし早速任務に出てみるか。連携を確認するにしてもまずは互いのスタイルと実力を把握した方がやりやすいだろ?」
「分かりました。任務の方は既に受注してあるんですか?」
「それならもう済ませてある。討伐対象はオウガテイルとザイゴートが三体ずつの計六匹だ。この面子なら余裕だとは思うが、連携が組めてない今だと万が一があるかもしれないから気は抜くなよ?」
そういうとタツミさんは私たちの端末に任務データを送信してくれる。どうやら場所もこのイギリス支部からそう遠くない位置らしく支部からの援軍がすぐ来れるようになっている。
「分かりました。第二ゲートで」
任務の内容を確認した後アリサがそれだけ言って立ち去ってしまう。おそらく神機保管庫に自分の神機を取りに行ったんだと思うけど少し言葉足らずだよ。フェデリコ君とレクティーちゃんが少し戸惑ってるよ?
「第二ゲートから出撃するから携行品と神機を持って第二ゲートに集合しよう。ってことだと思うよ」
「あっそういうことでしたか。準備が出来次第集合ってことですか?」
「うん。時間の指定もしてなかったしそれで良いと思うよ」
レクティーちゃんはそれを聞いて「分かりました」と一言言ってターミナルの方へ歩いて行った。若干オロオロしていたフェデリコ君もそれを見て準備の為に急いでターミナルの方へ向かう。
「大丈夫かな~このパーティ」
「まぁ何かあったら手を貸すからよ…とりあえずやってみてくれ」
「そうですね。準備は終わってるんで先に集合場所に行っていることにします」
いまいち纏まりに欠けるメンバーに一抹の不安を抱えながら私は神機保管庫の方へ歩を進めた。
―――――
―――
―
「それではブリーフィングを始めます。今回は私とエンバーミングさんのペア、カルーゾ君とシリア・ハウンズのペアに分かれてミッションを遂行します。私たちは左回り、カルーゾ君たちは右回りで行います。それではミッションを開始します」
アリサはそれだけ言って若干戸惑っているレクティアちゃんを連れて早々に戦場に降りてしまったので私たちはアリサの指示通り右回りで巡回していくことにする。
「そんなに緊張しなくて大丈夫よ? 相手は小型アラガミ。しっかり注意して挑めば怪我無く終われるわ」
相変わらず緊張しっぱなしのフェデリコ君にそう声をかけて落ち着かせようと試みるも結果は芳しくない。私の声が聞こえているのか若干不安になるまである。ここは実体験を例に落ち着かせてみようか。
「大丈夫よ。極東支部ならこの程度の依頼一年目の新人二人位で挑まされるわよ? 今はその倍の人数が居るんだし、それに比べたら余裕でしょ?」
「え、極東ではこの任務を新人二人に任せるんですか? 他の支部なら新人が受ける場合中堅のゴットイーターが絶対つくんですが…」
フェデリコ君は私の言葉に耳を疑ったらしく引き攣った表情でそう返してきた。
極東の頭おかしい話はまだまだあるけど、
「まぁ、うちでは新人二人でこなせるんだからフェデリコ君が出来ない訳ないってこと。それに新型さんは旧型より基本スペックが高いって話だし、私もフォローするから大丈夫よ」
フェデリコ君の緊張の糸が少しでも解けたみたいだし、大丈夫かな?
「フェデリコ君ストップ。そこに敵の気配がするわ」
広場を探索している途中、瓦礫に埋もれた廃墟のような場所に生き物の気配を感じる。アリサ達の位置は端末で確認できる。戦場でそれ以外のがいるとするなら、それは敵だ。
私は瓦礫に銃口を向けて警戒態勢をとる。フェデリコ君もあわてて神機をロングソードに変更していつでも飛び出せるように構える。
すると、件の瓦礫の影から狼のようなシルエットのアラガミが姿を現す。討伐対象のオウガテイルだ。数は三体。たいした数ではないがフェデリコ君が緊張で神機を握る手に力を篭めていることがわかる。
そんなフェデリコ君に敵から視線を外さずに元気付けるように語りかける。
「…大丈夫。言ったでしょ? 極東ではこんな任務日常茶飯事。そこで戦ってきた私にとってもそれは同じ。私は前に出ることは出来ないけど、フェデリコ君が戦いやすいようにサポートするから、だから思い切っていって」
「シリア先輩…はい、フェデリコ・カルーゾ、交戦します」
決意が固まったように敵に向かっていったフェデリコ君の後ろから先制の一撃を加えつつ通信機から連絡を入れる。
「こちらチームβ。アラガミを捕捉、これより開戦します」
―――――
―――
―
とりあえず初戦は連携が拙いながら上手くいったと思う。新型が三人もいると戦術の幅がグッと広がる感じがする。でも逆に何でもできる新型が複数いるからこそ自分が何をしたらいいか解らない、って事態になっていた感じだったのかな。私は支援しかできないから実感なかったけど、フェデリコ君とか何回か迷ってる感じしたし。数日しか組まない短期間のチームとはいえお互いの役割をしっかり理解したほうが生存率は飛躍的に上がるし、何か私も考えておこうかな。基本は前後二人ずつで回した方がやりやすいよね。
今日の任務でフェデリコ君とアリサが銃寄りの戦い方していたし経験の差も考慮してフェデリコ君が支援に回ってもらってアリサとレクティーちゃんに突っ込んで貰う方がいいのかな。スナイパーなら私でも多少教えることも出来そうだし。
「アリサも何か考えてそうだし、明日言ってみるか。採用されるかは判らないけど」
新型の動き方は新型が一番解っているだろうし明日アリサが何も考えていなかったら言ってみよう。旧型は当たり強いけど新型に対しては普通にいい先輩出来るみたいだし。
この合宿は一年前の話だとやりたい事があったのでスラスラ行けましたが、今回はやりたい事があまりないので書くのに苦労しそうです。
…合宿行ったということにして話し進めればいいと思いついたのは前話を投稿した後でした。投稿した後でやっぱ無しはしたくないのでこのまま頑張って書ききろうと思います。
次は流石に一年も放置せずに投稿したいです。