与えられた部屋に行った私達は新人区域にいた一見チャラそうなサングラスの先輩にアナグラを案内してもらった。声をかけて振り返った時、最初はハズレを引いたと思ったが、案外親切な人で丁寧に教えてくれ、人は見かけによらないってことを実感した。
翌日からは訓練漬けでゴットイーターとしての基礎を徹底的に叩き込まれた。雨宮教官マジ容赦無い
まぁ、そんなこんなで激動の五日間を過ごした私達は六日目、実地訓練に入った。
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「とうとう実地訓練ですよ。やっぱりドキドキしますね」
「えぇ。流石に訓練と実戦じゃあ緊張感が全然違うらしいしね」
今日もカノンと談笑しながら定時に集合場所である出撃ゲートの近くにいくとそこには既に雨宮教官と2人の男女がいた。
「シリア・ハウンズ、台場カノン両訓練生集合しました」
「きたか二人とも。ではこれより実地訓練を開始する。その前に二人の教官を紹介しよう。星村レオンだ。そしてこっちが今回のミッションでサポートに回る橘サクヤだ。基本的に星村が二人の教官として任務に同行し、必要に応じて後1人サポートメンバーが入ることになる」
「二人とも宜しくね」
「宜しく」
「こちらこそ宜しくお願いします」
「ご指導お願いします」
「よし。挨拶は済ませたな。サクヤ、星村あとは任せたぞ」
「任されましたツバキさん」
ツバキ教官は星村先輩の返事を聞いてエントランスを出て行った。
「じゃあ取り敢えず現場にいくか。二人とも神機をもって駐車場に集合な」
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今回のミッションの現場である贖罪の街に来た私達だったのだが、
「取り敢えず現場に来てみたんだが、もう少し肩の力を抜けないのか?」
そう言う星村先輩はガチガチに緊張した私達を見て苦笑いを浮かべた。
「いや、それはちょっと.....」
「流石に初めての実戦ですし」
「そうか?初めての実戦の時俺はあんま緊張しなかったんだがな」
「それはレオンくんが特殊なのよ。私も初めての実戦は緊張したわ」
「そもそもこいつら
「まぁ、遠距離神機使いだけでミッションに行くわけにはいかないからね」
「いや、その言い分も解りますよ。解りますけど、俺は遠距離神機は専門外なんですが。遠距離神機使いを教官にして後適当な近距離神機使いを連れてったほうが良くないですか?」
「それはあれよ、作品の構成上そうしたほうが都合が良いのよ」
「作品って何のですか?」
「・・・さぁ?そういえば何かしら」
「そ、それより早く訓練を始めませんか⁈」
何だかこれ以上続けさせるのは何かが不味い気がして私は強引に話題を逸らした。
「そうだな。じゃあ訓練を始めるか。命令は3つ。死ぬな。死にそうになったら逃げろ。そんで隠れろ。運が良ければ不意を突いてぶっ殺せ!ってこれじゃあ4つか」
そう言った星村先輩は私達の緊張を解すためか笑って見せた。
「今回はオウガテイルを3体討伐するわ。レオンくんが前衛、私とハウンズさんが後衛、台場さんは遊撃をお願いね」
「わかりました。宜しくお願いします」
「了解しました。ご指導よろしくお願いします」
「良い返事だ。行くぞ!」
下に降りて行った星村先輩に続いて私とカノン、橘先輩も飛び降りた。さぁ、実戦の始まりだ。
先ずは狭い方の広間に向かって行く。
「早速二体発見した」
星村先輩の声に導かれて視線を移して見ると、ダミーアラガミとして散々戦ったフォルムのアラガミ<オウガテイル>がいた
「さて、最初は貴方たちだけでやってみて。大丈夫レオンくんが敵を引きつけてくれるから焦らずに撃ってみて」
「「了解」」
少し声が震えながらも橘先輩の指示に返事をした
「リラックスしろって。そんじゃ行くぞ」
星村先輩が飛び出したのと同時に私が近いほうのオウガテイルに向かってレーザーを放った。そして少し遅れてカノンも星村先輩の後を追うように前進した
私のレーザーを受けたオウガテイルがこちらに気づき戦闘体制にはいるが、
「何処に行こうとしてるのかな?俺と遊ぼうぜ」
既に星村先輩はオウガテイルを捉えており、一歩踏み出す前に足を斬りつけた
「わわっ⁈有難うございます」
「敵は二体いるのよ。挨拶は良いから集中しなさい」
その少し横では星村先輩が相手をしてる一体目に気を取られて二体目に襲われそうになったカノンを橘先輩が援護したところだった。
「シリアちゃん落ち着いて二発目を・・・ッ!」
私に次の指示を出していた橘先輩が急に振り向くと同時にレーザーを放った
それに釣られて私も振り向くとオウガテイルが20mほど先から此方に向かってきていた。
「レオンくん反対側から敵さんがご登場。援護無くなるわ」
「了解。ハウンズの指導任せましたよ。俺は台場見てるんで」
「解ったわ。取り敢えずシリアちゃん適当に撃ってみて」
「解りました」
私は橘先輩の指示を受けてオウガテイルにレーザーを撃ち込んだ。
私の攻撃にオウガテイルが一瞬怯み、直後にオウガテイルの足をレーザーが貫いた。私の攻撃に怯んだ一瞬の隙を逃さずに敵の機動力を奪った橘先輩は神機を構えたまま私に指示を飛ばした
「シリアちゃん。今敵の機動力を奪ったから後は自分でなんとかしてみて」
私は取り得ずオウガテイルの顔面にレーザーを数発浴びせた。
「グワァァ‼」
「キャッ!」
「まだ距離は充分離れてる。落ち着いて」
起き上がってこっちへ近づこうとしたオウガテイルの咆哮に私は足が竦んでしまったが橘先輩が右肩に手を置いてくれたのでどうにかその場に持ちこたえることが出来た。
「訓練を思い出して。出来るだけ距離を保ちながら撃つの」
訓練通りやろうと試みるが実際にアラガミが迫ってくる恐怖に負けて上手く出来無い。
橘先輩も援護してくれているが、オウガテイルとの距離は確実に狭まってきて残り5m程になった時急に尻尾をを振り上げて針を撃ち出してきた。
予備動作があったはずだが緊張と恐怖で見落としていた私は咄嗟に反応することが出来なかった
「危ない⁉」
呆然としていた私の手を橘先輩が引いてくれたお陰で針に貫かれることは無かったがパニックになった私はそのままへたり込んでしまった。
「シリアちゃん。しっかりしなさい‼」
隣で応戦する橘先輩に叱咤されるが先の死の恐怖から立つことが出来無い。
更に速射性に劣るスナイパーではアラガミを足止め出来ず、オウガテイルとの距離が3mを切った時、
急に横から何かが飛んできてオウガテイルを巻き込みつつ吹っ飛んで行った。
「二人とも大丈夫か?」
声のした方を見ると星村先輩とカノンが此方に向かってきていた。
如何やらさっきのは二人が吹っ飛ばしたオウガテイルだったようだ
「ってシリアちゃん如何したんですか⁉まさか何処か怪我をしたとか⁉」
「大丈夫よ。初めての実戦で緊張したみたい」
へたり込んでいた私を見つけたカノンがあたふたするのを橘先輩が宥める
その光景を何だか他人事の様に眺めていると、
「ハウンズ」
星村先輩に声をかけられた
「先輩。私ゴットイーターなんて無理かもしれません。一番弱いオウガテイルにも怖くて足が竦んでしまって。恐怖に負けてしまって皆さんの足でまといになって...」
「ハウンズ。恐怖は悪じゃない。それは己の弱さを知るということだ。弱さを知れば人は強くも優しくもなれる。つまり成長できる。お前は今成長の糧を手に入れたんだよ」
「成長の糧?」
「そうだ。今感じた恐怖を忘れるな。それを乗り越えればお前は成長出来る。まぁ多くの新人が恐怖に負けて此処を去っちまうがな」
そこで星村先輩は一旦言葉を切り、
「シリア・ハウンズ。帰投したらその恐怖と向き合え、そして明日お前の答えを俺に見せてくれ」
そう言った
あまり見かけない敵に恐怖するオリ主。
大丈夫。神機使い辞めないから。だってそうしたら話終わっちゃうから。