GOD EATER~神喰らう者達の軌跡~   作:冬刀

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あれ?気付けば連日投稿してる。

現在不思議と筆が進むんですよね。ここで一気に書き溜めた方が良いのだろうか?

一応ストックは3話分あるとはいえこの時期は忙しくなるだろうし…

あっ、尺とってすみません。では本編スタートです。


第三話 答え

あの後サクヤさんや台場にも声をかけられたハウンズはアナグラに帰投してすぐ自分の部屋に入って行った。

 

「星村、ハウンズは如何した?」

 

「実戦の恐怖を知ったんですよ。如何なるかはあいつ次第です」

 

「そうか」

 

「シリアちゃん...」

 

「大丈夫よ。あの子は芯がしっかりしてそうだから」

 

ーハウンズ、恐怖に勝てよ

 

その背中をサクヤさんと台場、ツバキさんの三人で見つめながら俺はハウンズの成長を願った

ーーーーー

ーーー

「はぁ」

 

星村先輩から言葉を貰った後、橘先輩やカノンからも励ましの言葉を貰ったけど上手く反応出来なかった。

装甲車でアナグラに帰った後も神機を格納庫に仕舞ってすぐ逃げる様に自室に帰った。

今はベットに寝転がってある程度落ち着いたが、目を閉じると身近に感じた死の恐怖と思ったように出来なかった遣る瀬無さが押し寄せてくる。

もし他の人が私と同じ状況になったら正義感や大層な理由を持っているはずだからそれを拠り所にして立ち上がることが出来るだろう。だけど私はただ仕事先を探してたら偶々自分に適合する神機が見つかってそれじゃあ神機使いになってみよう、という軽い気持ちで神機使いになった。だから私は自分の中の恐怖と戦う理由を持たない。私達神機使いはある程度のキャリアや事故が無いと引退出来無い。つまり辞めるという選択肢も持たない私はもう如何したらいいかわからなくなっていた。

そうやって私が思考の渦に陥っていると、

 

ーーコンコン

 

「シリアちゃん。少しいいですか?」

 

ドアをノックする音と同時に聞こえてきたのはカノンの声だ

 

「今開けるから少し待って」

 

「いえ、このままで良いですよ。」

 

そう言ったカノンは少し間を置いてから

 

「シリアちゃんはアラガミが怖いですか?」

 

「それは...やっぱり怖いわ。カノンは怖くないの?」

 

「それは怖いに決まってますよ。一歩間違えれば死んじゃうかもしれないんですよ。怖く無い人の方がおかしいと思います」

 

「それじゃあなんで戦えるの?」

 

「だってゴットイーターになったらもう後戻り出来ないじゃないですか。大きな怪我をしない限りどれだけ駄々を捏ねても結局はアラガミと戦わなくちゃいけないんですよ?それならもうどうにでもなっちゃえ!って思ってさっきのミッションに行きました。そしたらですね、なんと!動きが良くなった気がしたんですよ。戦う理由なんてゴットイーターを続けてればいずれ出来るって星村先輩も言ってましたし。だからシリアちゃん、悩んだってどうせアラガミと戦うんだから諦めちゃいましょう。どうにもならない後ろ向きなことを考るより、今日を生き延びることを考えた方が気持ちが少し楽になりますよ」

 

カノンがそう言った後足音が聞こえた。多分自分の部屋に戻ったのだろう。

 

「悩んだとこでどうにもならないなら諦めちゃえ、か。カノンがそう考えてるなんて知らなかったな。でもそれもそうだよね.....」

 

カノンが去った自室で私はその後も暫く物思いに耽っていた。

ーーーーー

ーーー

翌日エントランス

今日は私と星村先輩、シリアちゃんの三人で任務に行く予定になっています。

(シリアちゃんちゃんと来てくれるかな)

昨日はシリアちゃんの部屋の前で少し話をしただけで後はずっと部屋に篭ってたらしく、もう一度話す機会も無く今日になりました。

(まぁ例えどんな決断でも私はシリアちゃんの味方ですけどね)

そう考えているとエレベーターからシリアちゃんが降りて来ました。

 

「ハウンズ。答えを聞かせて貰おうか」

 

私達の前まできたシリアちゃんに星村先輩は何処か硬い声で話しかけた。

 

「私はアラガミが怖いです。出来ればもう戦場に立ちたいとは思いません。特に理由も無く神機使いになった私には、こんな職場無理です。そう思ってました」

 

シリアちゃんはそこで一旦言葉を止めた後、俯いていた顔を上げて、

 

「でも、どうせ神機使いになったら後戻りは出来ない。ならクヨクヨしても無駄だって思ったら何だか諦めが付きました。それに私が神機使いになった理由も何と無く解りました」

 

「その理由って奴は聞いてもいいか?」

 

「はい。多分私は変わりたかったんだと思います。今までの弱くて臆病な性格から。他の仕事をしても長く続かなかった私でも後戻り出来ない環境なら自分の弱さに向き合えるんじゃないか。心の何処かでそう思ってたんだと思います。だから星村先輩、カノン私にもう一度チャンスを下さい」

 

そう言ってシリアちゃんは頭を下げた。

星村先輩はそれを見た後口元に笑みを浮かべて静かに口を開いた。

 

「・・・いい答えじゃねぇか。気に入った。自分の弱さに向き合った結果お前は答えを出した。なら、チャンスの一つや二つ与えてやるさ」

 

「シリアちゃんまた一緒に頑張りましょう‼」

 

「星村先輩、カノン.....ありがとうございます」

 

「あ、後先輩は辞めてくれ。確かに俺の方が神機使いとしては先輩だが年はハウンズの一つ上、台場に至っては同い年だからな。同年代同士仲良くしようぜ。後敬語も出来るだけ無しにしてくれ」

 

「星村君がそう言うなら」

 

「そうですね。それならお言葉に甘えましょうか」

 

「良し! んじゃミッションに行くか」

 

「「了解‼」」

ーーーーー

ーーー

「今回の目標はオウガテイル二体だ。ハウンズ行けるな?」

 

「多分大丈夫」

 

まだ震えは無い。神機を持ってられる。

 

「じゃあ行くか」

 

「シリアちゃんなら大丈夫。私達もついてる」

 

先に降りた二人に続いて私も戦場に降り立った。

先ずは前回と違い広い広場から捜索を開始した。

 

「広場の隅、廃墟の入り口付近に敵発見」

 

星村君の声に従って視線を向けるとちょうどオウガテイルが廃墟から出てきたところだった。

 

「先制攻撃いけるか」

 

「勿論」

 

星村君に反応を返してから銃口を敵に向ける。

 

ーそして私は発砲した。

 

弾丸は見事オウガテイルにヒットした。

 

「上出来だ。台場は俺と一緒に突撃、ハウンズは援護を頼む。もう一体への警戒を怠るな」

 

星村君は口元に笑みを浮かべながらカノンと共にオウガテイルに向かって行った。

私は初弾が当たったことに安堵して二発目を放った。

二発目も無事着弾して、カノンたちもオウガテイルに肉薄した。新兵の私にはまだ味方に当てずに攻撃する自身が無いので周囲を警戒することにした。

 

ーーそしてそのお陰で背後から接近する敵性存在に気づくことが出来た。

 

私は微かに聞こえた足音に振り返るとそこには二体目のオウガテイルがいた。

 

「ウッ! ハァハァ」

 

前回と同じ状況。違うのは今私は一人だということ。その事実に気づいた途端私は前回の恐怖を思い出してしまった。

神機を持つ手が震え、狙いが定まらない。呼吸が安定せず動悸が収まらない。

オウガテイルが此方に気づいた。マズイ。そう理解しても身体が動かない。声が出ない。

もうダメだ。そう諦めかけた時、

 

「ハウンズ! しっかりしろ‼ お前の決意を、想いを俺に見せてみろ‼」

 

「シリアちゃん! 大丈夫。前回とは違うシリアちゃんなら乗り越えられる。だから負けないで‼」

 

その二人の声を聞いた途端恐怖が、震えが、身体が、私を縛っていたものが急激に消えていく。そして残ったのは戦場に立つ覚悟と前回橘先輩に言われた教訓。

 

「焦らず、出来るだけ距離を取りながら狙い撃つ」

 

声に出すことで冷静さを維持しながら私はオウガテイルに引き金を引く。

 

「グワァァ‼」

 

「ッ! 大丈夫。焦るな。大丈夫」

 

オウガテイルの咆哮がまた私の記憶を刺激するが今度は恐怖に落ちることなくオウガテイルへの攻撃を続ける。

そうしてオウガテイルとの距離が5mを切った時、

 

「よく頑張った。後は任せとけ」

 

一体目を倒し終わった星村君が駆けつけてくれた。

星村君はショート特有の素早い連撃ですぐにオウガテイルはボロボロになる。

 

「今だハウンズ! トドメをさせ」

 

「はい!」

 

星村君の声に呼応された私の弾丸は見事オウガテイルの頭を貫いてオウガテイルを倒した。




まえがきとは関係なく、
暫く別サイトで投稿してる小説に集中したいので更新ペース落とします。
次話を待ってくれる方は少しの間お待ちください。
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