もし、あなたが今日のライトノベル等で流行りのフィクション世界への転生を果たし、その結果、自分が死を避けられない運命にあるキャラへと転生したのだと知った時、あなたはどう行動するだろうか?
『これも運命か』と割り切って自分を納得させて大人しく死を受け入れるのだろうか。それとも『運命とは言え死んでたまるか』と絶望と諦めを拒否して立ち向かうのだろうか
私はそれに対して凄まじい苦難と知りながら僅かな希望を信じて後者を選んだ。当然ながら道は異常なまでに険しく、私が挑むべき相手はただの一撃でこちらに致命傷に等しい一撃を放ってくるのにも拘らずこちらの攻撃は相手にさしたる損傷を与えない。まさに絶望的な戦いそのものであり死を覚悟した数など余りにも多すぎて数えるのも億劫だった
だがそれでも私は絶望を拒否し、絶望の運命とやらに歯向かうべく食らい付いた。愚直に食らい付き続けた
固い地面に打ち付けられて土にまみれ、刃で身体を抉られ、灼熱が身体を焼かれ、その度に伝わる激痛に呻き悲鳴を上げそうになった。だが、それでも尚、私は諦めを振り払い己に鞭を打って立ち上がり、挑み続ける。そこにテレビや本で見るよう格好よさは微塵もない、ひたすらに泥臭く無様な戦いでしかなかっただろう。
だが、しかし『水の一滴、岩をも穿つ』と言うべきだろうか。私が奴を引き倒し全ての力を叩き込んだ結果。ついに奴は息絶え、二度と動かなくなったのだ。
それを確認した瞬間、私は思わず本能のまま喜びのガッツポーズをし……
その瞬間、はたと冷静になって気付いた。『自分はやり過ぎた』のだと
『な、な、なんだとぉぉぉぉぉぉっっ!? そんな馬鹿なっ!?』
この世界における私の創造主、ヤプール人の動揺と驚愕、そして怒りが込められた声がゴルゴダ星に響く。気のせいか十字架に拘束されたまま私を見る四人。ウルトラ兄弟達の顔も全員が驚愕しているように見える
「(あー……こ、これは……不味いですね……やられたふりをしてゴルゴダ星爆破の隙に逃げ出すつもりでしたが……)」
冷静になって自分が仕出かした事に気付いた私は、思わずちらりと足元を見る。そこに転がっているのは上半身が吹き飛んだ赤と金で構成された人型の残骸。そう、これこそ異次元超人エースキラー。私が捨て身の覚悟で挑み続けた相手であり、つい先程私への止めへとM87光線を放とうとしてる最中に、私が刺し違える覚悟で組み付きゼロ距離で放ったロボットメタリウム光線の成果であり、エースキラーは既に息絶え、断面から見える機械と肉で構成された内部もぐちゃぐちゃで焼け焦げ、一部の機械は融解さえしている。いくらヤプールいえどもここから元通りに再生させるのは厳しいのでは無いだろうか? つまりエースキラー復活はほぼあり得ない。つまる所、今現在、兄達を助けるべくこのゴルゴダ星へと向かってきているウルトラマンエースと戦う本来の相手がいなくなってしまった訳で……
そう私が転生したのは本来エースキラーのデモンストレーション兼捕らえたウルトラ兄弟への精神攻撃を兼ねてエースキラーになす統べなく破壊されたウルトラマンエースに姿が酷似した超人ロボット。
名前はそのものずばりエースロボット。
これはかの有名な『強すぎたエースロボット』を実際にやってしまった私の物語である。