【完結】追放演義 ~無能者と大富豪の屋敷から追放されて野良道士となった俺、異国の金毛剣女と出会ったことで、皇帝すらも認めるほどの最強の仙道使となる~ 作:ともボン
皇帝陛下との
俺が了承した
皇帝陛下は大層な武術好きらしく、しかも皇帝陛下は〈
このことを聞いて俺も少なからず皇帝陛下に興味が出てきた。
それに天上人との会話を
俺はそのまま皇帝陛下と
皇帝陛下は特に西方の国で勇者という称号を得ていた、
そこで俺はふと思いたち、皇帝陛下に
皇帝陛下はその
その条件とはアリシアと
俺が虫の知らせのようなものを感じ取ったのはそのときである。
〈
俺自身にではない。
そこで俺は皇帝陛下と
表向き皇帝陛下の元にアリシアと
まさか、ここへきて容体が急変したのだろうか。
十分にあり得ることだった。
数日前に〈
当然のことながら使用する際の精気の消費量は凄まじく、俺のような
ここ最近に〈
肉体の回復期に無理をしようとして容体が急変することも十分に考えられる。
なので俺は持ち前の俊足に加えて、〈
そうして
直後、俺は〈
大通りに面した表の入り口の前でその気配を感じ取ったため、店の中を通っていくよりも
すると案の定、裏口には深刻な顔をしたアリシアと
その中でも特に異様な気配を放っていたのは、誰よりも俺が1番よく知っているアリシアだった。
そして容体が急変したのではないことに胸を撫で下ろしたのも
「なあ、アリシア……ホンマにこのまま1人で出て行くんか?」
「うん、もう私がこの国にいる理由はなくなったしね」
どうやらアリシアは俺たちの元から立ち去ろうとしているらしい。
2人の会話は続く。
「せめて
「……もう決めたことだから」
暗い表情を浮かべたアリシアに対して、
「いくら何でもこんな別れ方はやっぱりアカンわ。大体、何で
ビクッとアリシアの身体が小さく震えた。
「うちかて
「どこって……もちろん、国に帰るのよ。あ、当たり前じゃない。目的の魔王も倒せたし、もうこの国にいる理由はないからね。それに、これでも私は祖国へ帰れば英雄として扱われていたのよ。祖国へ帰れば人並以上の生活が送れるわ」
アリシア……。
祖国へ帰ると聞いたとき、俺は心の底から悲しくなった。
確かに目的の魔王がこの世からいなくなった今、アリシアはこの
だが、それは本心なのだろうか。
俺がそう思ったのは、アリシアの表情や何気ない仕草から祖国へ帰りたいと思っていない節が見受けられたからだ。
そこで俺は〈
感度を最大限まで上げてアリシアの心情を読み取っていく。
次の瞬間、アリシアの本心が俺の頭の中へ
やはり、アリシアが
アリシアは実のところ俺たちと離れたくないと思っている。
しかもアリシアが祖国で英雄として扱われているというのも事実ではない。
それどころか、アリシアは祖国へ帰れば英雄どころか罪人として扱われる可能性もあるという。
けれども、俺がそれ以上に心を動かされたのは別のことだ。
アリシアは俺の今後のためを思って別れを決意したのである。
俺はぐっと右拳を握り込む。
同時に俺は自分自身に問うた。
自分のことよりも俺のことをここまで思ってくれているアリシアを、このまま黙って祖国へ帰らせるのかと。
もちろん、俺の答えは――。
「だから安心して。私はこれからも元気に祖国で
「お前は嘘をつくのが下手だな、アリシア」
俺は我慢ができず声を発した。
直後、アリシアと
俺は屋根瓦の上から飛び降り、
「アリシア……ここまできて自分を
ぎくり、と聞こえたほどアリシアの顔色が変わった。
「だったら、無理して祖国へなんて帰るな。俺たちとずっと一緒にいろ」
アリシアは「でも」と下唇を噛み締める。
「あなたが魔王を倒してくれたおかげで、私はもうこの国にいる必要がなくなったのよ」
いや、と俺はアリシアの言葉を否定した。
「アリシア、お前に祖国へ帰られたら俺が困る。何せ、俺はもう皇帝陛下に頼んでしまったからな」
「……頼んだって何を?」
「
これにはアリシアも頭上に疑問符を浮かべた。
そこで俺は皇帝陛下と
俺が地方の妖魔絡みの怪事件を調査する、皇帝陛下直轄の〝
その
「へえ……って、うちもかい!」
一方のアリシアも大きく目を見開き「
「異国人だからこそだ」
俺は皇帝陛下との会話の一部もアリシアに話した。
皇帝陛下
たとえば西方の国に近い場所ならばアリシアのような異国人も多くおり、北方の国との国境にも西方から流れてきた金毛の異民族などが多く住んでいるらしい。
そういうところで極秘の仕事をする場合、俺や
これがアリシアを俺の補佐官として認めてくれた理由である。
「ちょい待ち。うちもその補佐官とやらになってもええんか?」
「もちろんだ」
俺は大きく
「
これは
俺が魔王と闘っているとき、意識を取り戻したアリシアは
それがきっかけでアリシアの魂は
それほどの薬を作れる
などと本気で考えていると、
「ま、まあ……
〈
「
「ああ、俺はアリシアにも俺の補佐官になって
だから、と俺は真剣な表情でアリシアを見つめた。
「祖国になんて帰らなくていい。これからも俺と一緒にいてくれ」
そんな俺の言葉を聞いて、アリシアは両目に薄っすらと涙を浮かべて
俺はにこりと笑うと、アリシアからふと空を
人気のない裏通りとはいえ、透き通る晴天からは気持ちの良い風が吹いてくる。
まるで、これからの俺たちの行く末を祝福してくれるように。
時刻は昼過ぎ。
このあと、俺たち3人は皇帝陛下が待つ宮廷へと向かった。
やがてこの3人――特に
その人柄と圧倒的な強さ、そして
だが、今はまだ
それは、これからの長い長い歴史だけが知っている――。
〈完〉
最後までお読みいただき、本当に感謝の極みです。
この三人の物語はまだ始まったばかりですが、この作品はここでひとまず幕締めとさせていただきます。
本当にありがとうございました!!