世界の守護者   作:匿名だよっ

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前編

 『オーバーロード』——私が()()にて読んでいた本のタイトルだ。今いるこの世界においては、種族の名前でもある。

 自己紹介をしよう。私の名前はウェインドルシス=ヴァイシオン、原作にて登場していたツァインドルクス=ヴァイシオンの腹違いの妹である。

 この世界に転生した私は、いずれ転移してくるナザリック地下大墳墓とその仲間たちに頭を下げ、命乞いでもしようと考えていた。しかし、その考えは転移してきたアースガルズの天空城一派によって変わった。

 あれらは、プレイヤーは総じて()()()()だ。カルマ値がプラスの者はまだ救い様はあるものの、カルマ値がマイナスの者は見つけ次第、殺すべきだと考えを改めたのだ。

 その理由は簡単だ。我が愛しき母が()()()()()であり、危険であるからと言うふざけた理由で殺したのだ。母は私に優しくしてくれただけで無く、前世にて感じる事がなかった愛を教えてくれた存在だ。

 プレイヤーは、誰一人、何があろうとも許しはしない。愚かな我が父——竜帝が招いた厄災とは言え、私もまたこの世界を守護する力を有した真なる竜王の一柱であり、この世界最強のハーフエンジェルドラゴンなのだ。

 

 そう意気込むのは勝手だが、力が無ければ私の意志を貫く事は出来ない。幸い、私には才があった。両親のお陰だろうか?

 私には、兄を簡単に超えられる程の〝戦いの才〟を有していた。その才は、レベル上限だけで無く、私だけが持つであろう生まれながらの異能(タレント)もまた関係している。

 生まれながらの異能(タレント)の効果は、〝私自身が直々に殺した者が持つ、最強の職業(クラス)をコピーし、自分のレベルに追加する事が出来る〟というぶっ壊れの生まれながらの異能(タレント)だ。

 コピーした職業(クラス)は、我が母を殺した八欲王の一人が所有していた職業(クラス)であり、ユグドラシル最強の職業(クラス)——ワールドチャンピオンである。

 100レベルを()()()元々のステータスに、5レベル分とは言え、最強のワールドチャンピオンのステータスが加える事で、圧倒的な強さを誇っているのだ。

 

 もちろん、ギルドとの戦いを、一人で勝てるとは思っていない。他の竜王(ドラゴンロード)や神人などと協力する必要性がある。しかし残念な事に、私に協力してくれる強者は少ない。

 他の竜王(ドラゴンロード)との仲もそこまで良くはないが、私は兄との仲が悪い。その理由の一つに、私の血に我が母たる天使であったプレイヤーの血が流れているからだ。

 天使のプレイヤーの血が流れている為、私は竜でありながら人のような外見をしている事も影響している筈だ。

 また、私の思想も影響している。私は先に述べた通り、誰であったとしても、プレイヤーであれば問答無用で完殺するという考えを実行に移している為だ。

 まあ、この思想は深闇の竜王(ディープダークネス・ドラゴンロード)朽棺の竜王(エルダーコフィン・ドラゴンロード)の竜王には歓迎されているものの、我が兄と対立する切っ掛けとなっている。

 しかし、我が兄と対立する事になったとしても、私がこの考えを改める事や実行に移す事を止める事はあり得ない。彼らを殺す事で、この世界が安定するのだ。

 

 

 

 

 

 

 暴れ出した魔神——いや、暴れ出したNPCたちを滅ぼす為、それらを討伐する存在たちが現れた。その中には、プレイヤーがいる事を私は知っている。

 そして、そのプレイヤーたちが悪しき者ではない事もあらかた予想しているが、如何しても、〝危険ではないのか?〟〝排除するべきだ〟と言った思いが湧き上がってくる。

 取り敢えず、大陸中央に現れた牛頭人(ミノタウロス)を排除すべきだ。そう考えた私は、そのプレイヤーを殺すべく、黄金鎧と剣、ハンマー、槍、斧という四種の武器を始原の魔法(ワイルド・マジック)で操り始めた。

 

 〈世界移動〉で牛頭人(ミノタウロス)の大国に移動し、プレイヤーらしき存在を空の上から散策する。

 知識として、この場所に来ると知っていた。そしてそれは、いや、私の知識は正しかった。世界級(ワールド)アイテムを所有していたのは驚いたものの、問答無用で排除し完殺した。

 様々なマジックアイテムと世界級(ワールド)アイテムを得る事が出来た為、私は一先ず満足する事が出来たと言える。

 世界級(ワールド)アイテムは私たちが使う始原の魔法(ワイルド・マジック)を無効化するだけで無く、強大な力を有している為、悪しきプレイヤーの手に渡るのは困るのだ。

 特に、この世界級(ワールド)アイテムは回復系のアイテムであった為、200年後にやってくるナザリック地下大墳墓に所属する勢力を倒す為にも必要なアイテムとなるだろう。

 

 

 

 今回現れた牛頭人(ミノタウロス)のプレイヤーを滅ぼした後、そのまま黄金鎧と武器を動かし、後に十三英雄と呼ばれる事になる者たちの散策をし始めた。

 しかし残念な事に、十三英雄がこの広い大陸の何処にいるのか不明だ。そもそも、彼らは移動し続けている。居場所が不明であるのならば、来ると分かっている場所で待ち続けるべきだろう。

 50年前に、■■の竜王がインベリアという国家で始原の魔法(ワイルド・マジック)を 使用し、朽棺の竜王(エルダーコフィン・ドラゴンロード)となった。

 そして、朽棺の竜王(エルダーコフィン・ドラゴンロード) が使用した始原の魔法(ワイルド・マジック)をコピーしたイビルアイは、国堕としとして有名である。そんな悪を十三英雄たちが逃す訳もなく、彼女を討伐する為に行動を起こす筈だ。

 

「仕方ない、か...」

 

 私は散策を止め、朽棺の竜王(エルダーコフィン・ドラゴンロード)がいるであろうインベリアに黄金鎧と武器を動かし始めた。

 

 

 

 朽棺の竜王(エルダーコフィン・ドラゴンロード)のキュアイーリム=ロスマルヴァーに対し、私は鎧越しに彼に話しかける。

 

「やあ、キュアさん」

「忌々しい小娘め」

「最後に見た時と比べて、随分と姿が変わっていないかい?」

「貴様に話すことはない...それよりも、此度の揺り返しに関する情報はあるか?」

 

 プレイヤーの血を引く私が気に食わないらしい。嫌いなのは分かるが、鎧の私にさえ勝てないにも関わらず、上から目線で話さないで欲しいものだ。

 まあ良い。彼もまた、私と同じような思想を抱き、共にプレイヤーを殺す同盟相手なのだ。彼に死なれる事がないように、情報を与えるべきだろう。

 

牛頭人(ミノタウロス)のプレイヤーらしき存在なら、既に殺したよ」

「何?」

「ほら、彼が持っていたアイテムさ」

 

 そう言いながら、私は神器級(ゴッズ)アイテムを彼に見せる。もちろんの事だが、世界級(ワールド)アイテムは見せない。同盟相手とは言え、仲間ではないのだ。

 

「それは...なるほど、どうやら先の話は本当らしい」

「そうだろう? さて、私はそろそろ行くよ。キュアさん、気を付けてね」

「...またな」

 

 上空に飛び立ち、キュアイーリムから離れる。そして、そのキュアイーリムに滅ぼされた国家——インベリアに移動した。イビルアイらしき存在はこの国家から離れている筈だが、いつかは帰ってくるだろう。

 その時が奴らの最後だ。一度世界級(ワールド)アイテムを手元に置く為、私は〈世界移動〉を用いる。

 

「ふぅ〜」

 

 私は久しぶりに目覚めた。我が兄のように、ギルド武器を守る為に引き篭もっている訳ではない。ただ単に、私が直々に出なくても良いから引き篭もっているのである。

 鎧の一体操作は、プレイヤーの力量を調べるのに都合が良い。正確なレベルは分からないものの、鎧を一体操作するする時の力は、本体の私に勝てない程度に弱くなる。

 それ故に、一体操作時の私と本体の私には、レベル差が10程度離れている筈なのだ。仮に、この鎧に苦戦するようであれば、私の本体には何があろうとも勝てない筈だ。

 この考えは、レベル差が10あると勝つ事は不可能だ、とアインズが言っていた記憶がある為だ。

 それに、一体操作の鎧であったとしても、100レベルのプレイヤーに勝つ事が出来る程度には強い。 ガチビルドと言われる職業(クラス)を組んだ100レベルプレイヤーでない限り、私の鎧に勝つ事は出来ない。

 

 もちろん、私本体には勝てない筈だ。私が持つ始原の魔法(ワイルド・マジック)には、〈滅魂の吐息〉と同じ効果を持つ光線がある。

  世界級(ワールド)アイテムを所有者であれば防がれるものの、それ以外は問答無用で消し去ることが出来る為、非常に重宝している魔法だ。

 また、仮に世界級(ワールド)アイテム所有者であったとしても、始原の魔法(ワイルド・マジック)によって自己強化した戦士の私には勝てない筈だ。

 

「私が世界を守るのだ」

 

 そう呟き、私は黄金鎧と武器に魂を込める。いや、補充すると言うべきだろう。

 兎も角、それらに魂を込め終わった私は、先程の廃都に転移し、何かが来るその時まで、目を瞑り軽く眠った。

 

 

 

 

 

 

 複数の足音が聞こえる。ドラゴンである私は、非常に鋭い知覚能力を持っている。その能力は、例え鎧越しであったとしても使用出来る優秀な力だ。

 目を開け、何者か確認する。なるほど、聞いていた通りのパーティーらしい。人間種十三人では無く、様々な亜人種たちや異業種たちと共に、闇落ちしたNPC討伐を行なっているらしい。

 

「あれは...」

 

 我が兄が操っていると思われる、白金鎧がテクテクと歩いている。しかし、その鎧に込められている魂の量は少ない。恐らくだが、今の私のような一体操作ではなく、複数体操作をしている為、魂を分散する羽目になっているのだろう。

 いざと言う時には、プレイヤーを殺害必要性がある。それにも関わらず、何故あのような雑魚鎧を動かしているのだろうか?

 そもそも、プレイヤーのレベリングを助ける行為は裏切り行為に近しい行為だ。もちろん、我が兄にそのような意図は無い筈だ。世界中で情報を集める為、複数体の白金鎧を操りつつ、その結果ある程度のレベルとなっている彼は、上手くあのパーティーに溶け込めている筈だ。

 溶け込み、近くでプレイヤーを見定め、リーダーと呼ばれるプレイヤーを殺害するか考えている筈だ。

 

 しかし、そのような意図は如何でも良い事だ。ここで殺しておけるのであれば、プレイヤーは殺すべきだろう。

 私は黄金鎧を操り、彼らの前に現れる。我が兄が操る鎧の色違いであり、鎧の周りをぐるぐると回る四種の武器など、明らかに無関係とは言えないほどに酷似したその姿を見て、プレイヤーらしき存在が声をかけてくる。

 

「...っ!」

「あれ? ツアーの知り合いかい?」

「貴様に話すことはない〈世界断絶障壁〉」

「ま、待て」

 

 我が兄が操る白金鎧から声をかけられるも、そんな静止の声に従い攻撃の手を止める訳がない。世界中で暴れるNPCなど、我が兄がやっているように、複数体の黄金鎧を操った私が滅ぼせば良いのだ。

 

「〈世界歪曲障壁〉」

「ウェイン!」

 

 私のあだ名を勝手に呼ぶ兄に対し、勝手に情報を漏らすなと苛立つ。この兄は原作でもそうだったが、戦闘中に情報を与える話をし過ぎだ。こういう戦闘は、何も話さないまま殺すべきなのだ。

 まあ良い、ここでこのプレイヤーは死ぬ。プレイヤー以外は極力殺さないようにしたいが、それは難しいかもしれない。

 

「黙れ、〈光衣〉」

「くっ」

 

 我が兄をツアーと呼んだ男に向け、剣を差し向けるがそれを白金鎧に止められる。それと同時に、十三英雄たちは私の事を敵だと見做したようだ。

 いや、あの男だけは違う。確かに剣を抜いてはいるものの、完全に私を敵と見做している良いではないみたいだ。

 

「待ってくれ、同じ人間同士で殺し合うつもりは無い!」

「...」

 

 話し合おうする男を殺す為には先ず、邪魔な兄の白金鎧を排除する必要性がある。ハンマーをぶつけ、遠くに飛ばした後、その男を刺し殺さんと槍を放つ。

 高速の槍を避け、私に話し合いをしようと言う男。そんな彼を止めるべく、我が兄がこちらにハンマーを飛ばしてくる。そして言った——

 

「リク、君からの言葉は彼女に通じない」

「いや...でもさ、彼女は君の知り合いなんだろう?」

「そうだが、あの鎧を破壊する事に異論はないよ」

「でも...」

 

 リク?

 成程、彼が十三英雄のリーダーか。確かツアーは、アインズに対し、リク・アガネイアと名乗っていた筈だ。もしかすると、彼の名前を貰った偽名なのかもしれない。

 私は白金のハンマーを軽く防いだ後、剣を右手に持ち、確実にリクを殺す為特攻を開始した。

 彼の仲間が私に攻撃を仕掛けるものの、人間には不可能な動きで避け、攻撃をいなし、一直線に突き進む。

 

「ウェイン! 君は間違っている」

「対話をする予定はない」

 

 我が兄が操る白金の剣は上段からの攻撃だ。剣の腹で受け流し、斧の腹で白金鎧を横に弾く。そさて遂に、私はリクと呼ばれる彼に向けて剣を振りかぶる。

 まともに受ければ死ぬと言う事が分かっているのだろう。彼は避け、私の黄金鎧の腹を蹴り飛ばす。女の腹を蹴るとは、なかなか乱暴な男だ。

 

「ハァァ〜」

 

 無属性のエネルギーが黄金鎧を襲う。対してダメージはないが、邪魔だ。それにあの武器は、明らかにこの世界の武器ではない筈だ。まさか、彼もまた、プレイヤーなのだろうか?

 

「ウェイン、彼は悪しきプレイヤーではない」

「黙れ、プレイヤーは全て、殺す必要性があるのだ」

「その考え方は危険だ」

「危険なのは、貴方の考え方だ」

 

 そう一方的に言い放ち、私は兄を押し退ける。そして私は、独自に開発した始原の魔法(ワイルド・マジック)を使用し、自身の移動速度を音速近くまで引き上げる。

 その速度のまま、一直線にリクと呼ばれるその男に近付き、彼に神速の突きを放つ。

 先程までの攻撃は様子見を兼ねており、持つ力全てを出し切ってはいなかった。しかしこの突きは、レベル100近くのステータス全てを使った攻撃であった。

 

「〈世界移動〉」

 

 この場にいる始原の魔法(ワイルド・マジック)の使い手は、私以外には我が兄しかいない。

 ガツンとした手応えを感じる。金属特有の硬い物を貫いた時の感触だ。

 

「ツアァァァァ〜!」

 

 私の剣は白金鎧の胸元を貫いており、普通の人間であれば確実に死んでいるであろう攻撃だ。しかしそれは、先に述べた通り、白金鎧が()()()()であった場合だ。

 怒り狂ったリクが私に攻撃を仕掛けようとするものの、私は空を飛ぶ事でその攻撃を回避した。この時の私は、非常に困惑しており、何故庇ったのかという疑問で頭が埋め尽くされていただろう。

 

「...〈世界移動〉」

 

 我が兄を転移で拉致し、何故庇ったのかと問う。鎧を貫かれた時、リクを始めとした仲間たちは激昂していた。その事から、未だ我が兄は彼らに自身の種族を教えていなかったと推察出来る。

 そして、我が兄がこの白金鎧に込めていた魂は決して多くない。先程使った〈世界移動〉によって、殆ど使い果たしただろう。敵であるプレイヤーの為に、何故これほどの行為をしたのだろうか?

 

「簡単だよ、プレイヤーを信じたいと思ったんだ。スルシャーナも良いプレイヤーだった事を覚えているだろう? ウェイン、全てのプレイヤーが悪い訳ではないんだ」

「...」

 

 確かに、法国にて崇められているスルシャーナは、良い人物であった。悪の塊のような、恐らくカルマ値が低かった、そんな人物ではあったものの、彼の言動や行動は決して悪とは言えなかった。

 

 それに——知っているさ。善いプレイヤーは、何もスルシャーナだけでは無い。全てのプレイヤーが悪ではない。そんな事は知っている!

 しかし、信用出来ないのだ。実際に、私が此度の揺り返しで転移して来た牛頭人(ミノタウロス)は悪ではない筈だ。原作にて、彼は人間を食料から奴隷階級に引き上げ、様々な知識を与え人々の生活の質を向上させた。

 

「我が兄よ、私は、プレイヤーが信用出来ない」

 

 口を開きかけた兄に対し、私は静かにしてと言うゼスチャーを取り、続けて言葉を紡いだ。

 

「でも私は、今回だけ、貴方のことを信じるよ」

 

 私を説得出来るとは思っていなかったのか、驚愕した声が聞こえる。

 

「しかしだ——」

 

 私は剣を引き抜きながら、これだけは約束させなければならないと考え、我が兄に問う。

 

「我が兄よ、仮に彼が悪に染まれば、貴方自身がその手で彼を葬ってくれるんだろうね?」

「その時は...そうだね。子供がいたとしら、その子供も——」

「子供に罪はない。何度も言わせないでくれ、我が兄よ」

「君の考え方は相変わらず異常だね。何故プレイヤーを憎むのに、その血を引く者は逃すのか不思議で仕方ないよ」

 

 同じような質問を何回もする我が兄に対し、苛立ちを覚えるも、話を終わらせる。

 

「分かった、分かった。取り敢えず、我が兄の顔に免じて、此度は引くとするよ」

「ありがとう、ヴェイン」

 

 ところで、と会話を続ける。込めた魂を如何するのか、と。今、白金鎧に込められている魂はほんの少しであり、最早何もする事が出来ないだろう。

 その原因を作ったのは私である。その為、私が〈世界移動〉を用いて、一度白金鎧をツアー本体の場所にまで移動させるのは如何か、と述べた。しかし、自身の居場所を知られたくないのか、彼は私の申し出を断った。

 

「そうか、分かったよ」

「ウェイン、君の申し出は嬉しいんだけどね...」

「構わないよ、では、彼らの下に転移しようか」

 

 結果的に、中身ががらんどうだとバレたツアーは怒られていたものの、生きていたツアーとハグをしていた。なるほど、友情は本物のようだ。

 こちらを睨んでいる物たちには悪いが、君たちにようはない。何やら喚いているものの、私は彼らの戯言を無視して、〈世界移動〉を使用した。

 

 

 

 

 

 

 我が兄の言う通り、彼らは悪しきプレイヤーでは無かったみたいだ。最終的に色々とあったみたいだが、正直興味は無い。

 それよりも、問題は200年後に来るギルド:アインズ・ウール・ゴウンが問題だ。決めるとしたら、アインズが油断している最初だろう。私たちが使用する始原の魔法(ワイルド・マジック)の弱点は、世界級(ワールド)アイテムを所有される事だ。

 シャルティアが【傾城傾国】で支配されるまで、NPCたちに世界級(ワールド)アイテムは配布されていない。アルベドは確か別だが、まああの女は魔導国建国の日まで、ナザリック地下大墳墓に引き篭もっている為何も問題はない。

 

 早急に排除すべきは、ナザリック三大頭脳の一人——デミウルゴスと階層守護者最強のシャルティアだ。頭脳と言えば、王国の王女もまた寝返るクズだ。あの女もナザリック地下大墳墓が転移してくる前に消す必要がある。

 話を戻そう。最初に排除すべきはデミウルゴスだろう。時間帯はモモンとして、ズーラノーンの対応に追われている間が好ましい。開幕、〈滅魂の吐息〉と同じ効果を持つ光線を浴びせ、殺害する必要性がある。

 次にシャルティアだが、一番好ましいタイミングは、セバス・チャンとソリュシャンの馬車にいる間であろう。〈世界断絶障壁〉を使用した後、光線を浴びせ殺害するべきだ。

 仮にそのタイミングを逃した場合、法国との戦闘前に、具体的には洞窟内で殺すのが一番良いだろう。

 

 さて、上記の作戦が完璧に成功した場合、ナザリック地下大墳墓はデミウルゴスとシャルティア、セバス・チャン、ソリュシャンを失う事になり、かなりのダメージを与える事になるだろう。

 また、警戒心の高いアインズは、未知の攻撃に危機感を覚え、その後の行動スピードを遅らせる可能性が高い。また、一度に復活出来ないNPCが複数体でる事になる為、アインズを外に出さないよう、ナザリック一同がアインズの足を引っ張る可能性もある。

 さらに、世界級(ワールド)アイテムによるものなのか断定できない為、容易に世界級(ワールド)アイテムを守護者に持たせられない筈だ。仮に持たせたとしても、それはそれで情報を得られる為、問題はない。

 一番最悪なのが、仮に全て上手くいったとしても、アインズが原作通り物語を進めた場合だ。デミウルゴスがいない時点でゲヘナは出来ないだろうが、魔導国建国は可能だ。

 仕掛けるのであれば、王国兵に大虐殺をする直前に仕掛ける事だろう。ルベドが配置されていた筈だが、ルベドの力を見る上でも、黄金鎧による攻撃は良い実験となる筈だ。

 未来を知っていた為、黄金鎧を八欲王が来る前に量産していたのだ。備えあれば憂いなし!

 

 対アインズ・ウール・ゴウンの戦略を立てながら、強力なマジックアイテムを探す日々が過ぎ、遂に原作の時間がやって来た——

 世界を守る為の抵抗を——始めよう。




 所々、「うん? いや、違うくね?」ってなった場所があったと思いますが、単純に主人公の勘違いです。
 因みに私もシュガールートを読んだ事はない為、違うと思われる箇所があるかもしれません。ご了承ください。
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