リコリス・リコイル そしてTS金髪美少女(?)   作:白ノ宮

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リコリコラジオが隔週でも続いてくれるのが嬉しい...!


1話

三月下旬。

だんだん気温が上がってきた。そんな時期に僕は課題の気分転換のため散歩していた。

 

「おっ、今日はたい焼き屋か。レアだな」

 

よく使うスーパーの近くにはほぼ毎日いくつかの種類のうち1種類の屋台が出店している。団子、クレープ、焼き鳥などと種類は豊富で今日出店しているたい焼き屋は頻度が少なく、レアだと思う。

 

ラインナップはスタンダードなつぶあん、こしあんにカスタード。変わり種として抹茶餡、苺餡、ソーセージ、サラダとある。

いくつか購入して、いつも使っている公園に向かう。

 

公園のベンチに座って、たい焼きの入った袋を開けると芳醇なたい焼きの香りが食欲をそそる。つぶあんたい焼きを一口。

 

うまい。

 

あんこというのは暴力的な甘みを持っているものが多いが、このお店のあんこは甘みが控えめなため、くどさが無い。普通のつぶあんよりも粒が細かいので歯の間にも挟まりにくくおそらく好評だと思われる。

 

わざわざお茶を用意しなくても良いというのが利点かもしれない。

流石に甘い飲み物とは相性が良く無いかもしれない。

 

そんな食レポにもならない事を考えながら二口目に行った際、鋭い痛みが頭を襲った。偏頭痛なんて比べ物になら痛みで思わず目を瞑ってしまった。

 

しかしそれも一瞬で収まった。

 

後で病院行ってみるかと思い、目を開けると違和感がそこにあった。

 

目線はわからないが体からあふれ出るような活力、頭に微妙な重りがついたような感覚に首をかしげると視界に純粋な日本人としてあるまじき金髪が映り込む。

 

首にも髪がこすれるようなくすぐったさがあり、嫌でも自分の髪が長くなった事を感じさせられる。一瞬で金髪で長い髪に変わった我が頭、とても不気味である。

 

たい焼きを袋に戻してベンチに置く。

 

立ち上がってやたらと長い金髪を右手で掬う。

 

ワイヤーのような芯の強さを感じさせるがそれに反して生糸のような柔らかさに、絹のような艶があって間違いなく染めたものでは無いことがわかる。

両手を首の後ろに持って行って後ろ髪を押し出すようにして靡かせると、優しい香りと共に太陽光を反射したきらめく金髪が幻想的な情景を作り出した。

 

この金髪よく見てみるとメッシュのように銀髪が混じっている。艶や柔らかさに変化がないのでこれも自然な毛なのだろう。

 

振り返ってベンチを見る。

そこでA4用紙が貼り付けてあるのを見つけた。

座った時はなかった筈だ。ベンチの後ろには高い壁があり、誰かが忍び込むことは不可能。やはり不気味である。

 

テープを外して文面を見ると、不審ながらも妙に納得できる内容があった。

 

─────

 

九重 渚 くんへ

 

急な容姿の変化に驚いてる事だろう。

私は神のような...まぁ、上位的存在とでも思ってくれればいい。

 

君の容姿の変化の理由を説明しよう。

ずばり君は異世界転移に加えてTSした。創作されたキャラクターに君の魂を吹き込んで、日本人の喜ぶ《チート》というものを盛り込ませてもらった。

 

体や触れたモノを変質させて別のものにする《変質化》という能力だ。

 

視界の端に青い半透明のゲージがあるだろう。それが変質化に使うエネルギー、ゲームでいうところのマジックポイント(MP)だ。ここだけの話、それでワープゲートなんて作って世界各国を旅行するのもいいかもしれないね。

 

さて、本題に戻ろう。

君のその容姿に合う口調は分からなかったからそこは君のRP(ロールプレイ)に任せるとしよう。

 

君の役目は特に無い。

 

 

 

 

...驚いただろう?

飲みの席で罰ゲームとして適当な地球人を異世界転移させるというので君を選ばせてもらった。ただそれだけだ。元の世界には戻れないけどその能力があれば大丈夫さ。

 

最後にこの世界の説明だ。いや、自ずと知ることになるだろうからやはりやめておこう。キミの楽しみを奪いたく無い。

 

君の戸籍は新しく作り変えておいたし、携帯電話に君の住所を記しておいた。内装はそのままだがお詫びとして日本円で200万円置いておいた。あと家は一軒家で不思議パワーで固定資産税は排除しているからそこの所よろしくね。

 

それでは長くなったけど、君の異世界生活に幸があらん事を。

 

上位的存在 C より

 

─────

 

前言撤回。

やっぱり納得できないわ。

 

今見下ろしているベンチへの距離が短くなった気がしたのは物理的に身長が縮んでいるからで気のせいではなかった訳か。

 

この世界はおそらく日本...。

遠くに見える電波塔がポッキリ折れているのに目を瞑ればおそらく日本。

 

チラッと紙に目を移すと紙は真っ黒になっており、驚いて手を離すと塵になって消えた。証拠隠滅かよ。

 

溜息を吐いて再びベンチに座る。

 

身長縮んで性別変わったらそりゃ体が軽くなるわけだ。

 

元の世界への未練がないといえば嘘になるが、この世界も日本であるならばやりたいことの大半はいずれできる筈だ。

 

だから今は、すっかり冷めたたい焼きを食べ切ろう。

 

そう、決心した。

しょうもない決心だな。

 




誰だって金髪美少女にはなってみたいでしょう?(願望の押し付け)

異論?勿論認めよう。
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