呆然とした顔でB1に来てしまった僕はそこの光景にも驚いた。
射撃場と武器庫、鉄製の部屋には人型のマネキン(多分機械)が置いてあった。
なんだこの物騒なの。
そう思ったがなんとなくこの世界のことがわかった気がした。
おそらく銃が必要になることが頻繁に起きる。
そして一つの結論にたどり着いた。
ゾンビだなこれは。(不 正 解)
武器庫に踏み入れて、名も知らぬ小銃を手に取る。
鉄のずっしりとした重さを感じられるソレをゲームキャラに倣って構える。
フルオートから単発に切り替えて照準を合わせて引き金を引く。
内臓を揺らすような振動が体に伝わるが、不思議と銃身の狙いがブレることはなかった。おそらくこれは身体能力も強化されているとみていいはずだ。
以前のヒョロガリ普通ヒューマンの僕であれば、銃身が大きくブレて肩にじんわり広がる反動の痛みに呻いていた事だろう。
マガジンを取り出して消費した分の弾丸を弾薬箱から取り出してセット。銃にはめ込んでロード完了。
元あった場所に戻して、次は拳銃を手に取る。
確かこれは棒ホラーアクションでマチルダという愛称で親しまれているH&K VP70か。ストックを取り付けてマシンピストルとして使うらしい。
三点バーストとはどの程度なのだろう、と試し撃ちした。
自分自身銃は初めてなのだが、この体はそうでもないらしい。リコイル を完全に制御している。
マトを見るとほぼ正確に頭に命中している。
とはいえ、これを実践でできるのかはわからない。
平和ボケした典型的な日本人である僕が躊躇なく人を殺せるかと問われれば、答えはNoである。
先程と同じようにして弾を装填して銃を戻した。
そういえば、家に着く前に上位的存在のメッセージを思い出しながらいろいろな事を試していたのだが、髪を意識して動かせる事がわかった。まるで触手かのように動く髪の束の先を刃物や鈍器にしたり盾に変化させれば相当安全に戦えそうである。
また、空間を手で切り開くようにするとワープゲートのようなものができる。
武器庫を意識して切り開き、そこに手を突っ込むとそこから元に戻したばかりのVP70 を掴むことができ、そのまま引っ張り出せる。
閉じろと念じればワープゲートは閉じる。
この能力を使えば、敵を油断させておいて『手ぶらだと思った?残念でした!銃持ってまーす!』みたいな事ができるに違いない。...そんな場面普通ないか。
どちらかというとマジックとか平和的な使い方で多用できそう。
あ、今悪用方法を複数思いついてしまった。
やらなければいい話だしいっか。考えるだけなら大丈夫。
チラッと腕時計を見るといつのまにか夕飯時になっていた。
冷蔵庫はあったはずだが、中に食材が入っているのかは確認していない。
「今日はここまでにしておこうかな」
物騒な部屋を出て1Fへ向かう。
キッチンで大きな存在感を放つ冷蔵庫の扉に手をかけて開ける。
冷気が顔に当たるが、中には何も入っていなかった。
冷凍庫も何も入っていなかった。
食べ物は支給してくれなかったようだ。
机の上にあった200万から1万円を引き抜いて、あとはワープゲートで自分の部屋の机の上に置いておく。
リュックサックを再び持ち上げて外に出...。
靴を履く前に姿見に映る自分の姿をまじまじと見る。
「上はいいけどしたがなんかダサいな」
この体だと今履いているズボンはあまりに合わない。
妄想で似合いそうな服を探し出した結果、短めの丈のスカートにストッキングを着用した。変質化のお陰で服を買う事が無くなりそうだな。
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スーパーがあったので入店。
少しだけ割引された惣菜を複数カゴに入れて、石鹸やトイレットペーパー、ティッシュなど生活必需品もカゴに入れておく。
支払いを済ませてリュックサックに入るものは全て入れる。
トイレットペーパーを片手に持って店を出る。
暗闇に浮かぶ朧月は今日は特別に美しく見えた。
終わらせ方が雑なのは仕様です(大嘘)