幼馴染の皇帝   作:最上階

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見てたら書きたくなったので。


皆既月食

部屋に戻って、そういえば明日は皆既月食だと思い出した。

ルナと一緒に見に行きたい、今日はどっと疲れた。

 

確か時間は…18時からだっけ。

予定とかない…はずだから大丈夫だよね?

 

 

 

 

「ねぇ、ルナ」

 

「ん?どうした、ノヴェ」

 

「いやね、明日皆既月食だっていうから一緒に見に行こうかなって」

 

「ほう、そうなのか…皆既月食…」

 

「…どう?明日予定ある?」

 

「…いや、何にもないさ…よし、見に行こうか」

 

「やった!時間は18時からだから、え~っと…あ、どこで見るか決めてなかった」

 

「確かに、どこで見ようか…あ、山の上なんてどうだい?」

 

「いいね!それ!じゃあ…明日はちょっと遅くなりそうだから外出届をだして…」

 

「…どうせなら、キャンプは…どうかな?」

 

「キャンプ…うん、キャンプ…いいかもしれないね、テントとかはあったっけ」

 

「家にあるはずだから、明日行くときに一緒にもってこよう」

 

「うん、わかった!それじゃあ外泊届を出さなきゃダメだよね、外泊届なんてだしたことないよ」

 

「私は…何度かあるな」

 

「…それって、私が入院してた時の?」

 

「勿論、でもそんなに書く内容はないよ、ただ目的と理由を書くだけだから」

 

「なるほど」

 

「さて、じゃあここに外泊届が二枚あるから、今から書こうか」

 

「用意周到だね?もしかして、予め準備してた?」

 

「…いや、その…なんだ、明日が皆既月食と知った時にノヴェが誘ってきそうだなと思って…」

 

「なるほど?そんなに楽しみだったんだ~…私も楽しみだよ!ルナ」

 

「…そうか、なら…」

 

「とりあえず、今のうちに明日の用意をしておこっか!」

 

 

 

 

ルナと他愛のない会話をしながら明日の準備を済ませていく。

着替えとか…はいらないかな?防寒具とか入れておいて…っと

 

そういえば皆既月食なんて、一回も見たことないな。

前世じゃ社畜ってわけでもないけど、そこそこ忙しくて夜空を見上げる余裕なんてなかったけど。

 

今は違う、愛すべき人がいて、落ち着いて生活できていて。

こんな生活が、ずっと続けばいいのになぁ、なんて思う。

 

 

ちらっとルナの方を向いてみたら、めちゃニコニコ笑顔で準備してる、かわいい。

…ほんとに、可愛い、ずっと見てたい。

 

 

 

 

迎えた皆既月食当日…ちょっと楽しみで眠れなかったことは内緒。

今日は土曜日で学校もないからちょっと二度寝でも…

 

 

「ノヴェ、二度寝するのか?」

 

 

ルナの声に反応して、壁の方を向いていた体が、ルナの方を向く。

 

 

「ん…?ルナ、ルナが早起きしてるの珍しいね…」

 

「いやなに…その…別に楽しみで早く起きたっていう訳じゃない…うん」

 

「…早起きはいいけど、寝なさすぎも体に毒だからね…ほら、ルナ、起きたとはいってもまだパジャマじゃん、一緒に寝よ?」

 

「ん…じゃあ、お言葉に甘えて…」

 

 

と、ルナは言うとすぐさま布団に潜ってきた。

もうすぐ冬だから、布団が開いた隙間からの風が、かなり寒い。

 

ルナはすぐに布団をかぶって、私の目の前に現れた。

少し、目の下にクマができてる。

 

 

「ほら、クマあるじゃん…可愛いんだから、きちんと…ね…」

 

「…ん…わかった…」

 

 

やっぱり、眠たそうな顔をしているルナに、重ねるだけのキスをして。

そこからまた深い眠りにつく。

 

 

 

 

また目を覚ました時には、もう既に窓から入ってくる日差しが随分と傾いてきたころ。

結構寝ちゃったな~…なんて思いながら、目の前のルナを起こさないように伸びをする。

 

目の下のクマも、すっきりなくなってる。

愛しい人の顔はすごく可愛いけど、もっとかわいい顔が見たいよね。

 

 

「…ルナ、そろそろ夕方みたいだよ」

 

「…ん…?…んぁ…もう…そんな時間…?」

 

「うん、そんな時間、結構寝すぎちゃったね」

 

「…んぅ…確かに…」

 

「…ほ~ら、ルナ、朝弱いからって、何時までも寝てたら見れなくなるよ?今は朝じゃないけど…」

 

「…おはようの、きす」

 

「…もう、朝は甘えんぼさんなんだから…」

 

 

そういいつつ、私はルナに軽いキスをする。

ディープなキスはお楽しみに…ってこと。

 

 

「…ほら、ルナ、起きて」

 

「…ん、わかった…よし」

 

「お、目、覚めた?」

 

「うん、お陰でばっちり、覚めたよ」

 

「なら良かった、じゃあまず着替えようか」

 

 

目が覚めたルナと一緒に、布団から起き上がる。

寒くもなく暑くもなく、過ごしやすい気温だけど、夜になると寒い。

 

 

「今日は…晩御飯どうしよっか」

 

「キャンプだから…そうだね、作って、温めるだけにしようか」

 

「…うん、そうだね、それが一番安全」

 

「っと…もうこんな時間…今から向かって…間に合わない…な」

 

「あ〜…どうするの?」

 

「…実家に連絡して…持ってきてもらうしか…ないかな」

 

「そっか…じゃあ待ってる間、何しよっか」

 

「あぁ、そうだね…その前に、LANEで連絡しなければ」

 

「なんて言うの?」

 

「そうだな…『恋人とキャンプするから、用品を持ってきてくれ』…なんてのは?」

 

「いいね、それ」

 

「ふふっ、そう送っておくよ…さて、何をしようか」

 

「そうだね…まずは何か食べよっか」

 

「その前に着替えじゃないか?」

 

「あ、確かに」

 

 

 

 

着替えて、少し膨れるぐらいのご飯を食べて、準備万端といった感じ。

最初は電車で行こうと思ってたんだけど、キャンプ用品を持ってきてくれた車で、そのまま連れて行ってくれるみたい。

 

特に持っていくものは…ないかな。

きちんと外泊届、戸締りをして。

 

 

「ルナ、きちんと戸締りしたよね?」

 

「うん、きちんと閉めてきたよ」

 

「そっか、ならよかった」

 

「ほら、ノヴェ、まだ脚が完治した訳じゃないから、先に車に乗ってくれ」

 

「…じゃあ、お言葉に甘えて」

 

 

何度か乗ったことのある車。

昔と全然変わらない座り心地。

 

少し大きい…なんだろ、これ…車よくわかんない…

…まぁ、なんか大きなバン?みたいな車。

 

ルナが乗ってきたら、準備完了。

あとはシートベルト…っと。

 

 

「シートベルト締めたよ!」

 

「私も、準備完了だ」

 

「はい、では行きますよ」

 

 

そんな運転手さんの言葉とともに車は加速する。

そこから結構な道のりを走っていく。

 

途中途中はルナと景色のことで話して。

着いたらどうするか、なんてのも話し合って。

 

 

 

 

そんなこんなで到着!

いつもより全然混んでなかったから、結構早く着いたな~

 

 

「え~っと…確か、ルナの家が買ってるんだっけ?この土地」

 

「そうだね、キャンプ場を作ろうと思ってるらしいんだが…まぁ、私達が第一のお客…ということになるかな」

 

「なるほど…なんかすごいね」

 

「実のところ、私もよくわかってない」

 

「…あははっ、まぁ、確かにね…あ、そうだ!早くしないと、さっき見たときにもう欠け始めてたから早くいこ!」

 

「おっと、そんなに焦らなくても…まぁいいか」

 

 

ルナの手を引いて、荷物と一緒に走っていく。

今日はどこでも使っていいみたい、だから一番見晴らしがいい場所を陣取る。

 

…結構すぐに見つかった、月もちょうど見れる。

うん、いい場所!

 

 

荷物を置いて、すぐにテントを張る作業。

別々のテントで寝る、なんて考えはないから、大きい一つのテント。

 

とは言え、二人で寝ると、少し狭く感じるけど。

…とりあえず、ルナと一緒にテントを組み立てる。

 

初めて組み立てるはずなのに、スムーズに組み立てれてるのは気のせいかな?

なんて思ってたら、もう完成した、体感時間5分。

 

 

「結構早く組み立てれたね!じゃあ後は寝袋と…椅子を出して…っと」

 

「椅子は私が出しておくよ、ノヴェは寝袋を…っと、そういえば大きい寝袋一つしかなかったな…」

 

「え、ほんと?」

 

「さっきチラと見たんだが…まぁその…うん」

 

「…ルナと密着して寝るのは…まぁいやじゃないけど…」

 

「…私も、ノヴェと寝るのは嫌じゃない…けど」

 

「…なら、問題…ない?」

 

「…確かに…な」

 

「…とりあえず!寝袋しかなきゃ!皆既月食、もう始まってたから早くしなきゃ!」

 

「ノヴェ、そんなに急がなくても皆既月食はそんなに早くはならないさ」

 

 

 

 

「完成~!」

 

 

外はもう冷えてきた、秋というのに、もう寒い。

でも、夜で、山の上ならそういうものかなぁ…

 

 

「ほら、ノヴェ、座ろうか」

 

「うん、そうだね…っと、座り心地いね、この椅子」

 

「確かに、そうだな…いい感じの座り心地…」

 

 

ふと、空を見上げると、月はもう半分も隠れていた。

…疑問に思ったけど、どうして左下から隠れていくんだろ。

 

…皆既月食、なんて言葉。

(ルナ)が消えていくことに、少し恐怖を覚える。

 

ルナは、ずっと私といてくれる。

ルナは、ずっと私を愛してくれる。

 

その、はずなのに。

ありもしないifを想像して怖くなる。

 

 

「…ねぇ、ルナ」

 

「…なんだい?ノヴェ」

 

「…ルナが、皆既月食みたいに、消えていく、なんて…考えちゃって」

 

「…うん」

 

「私をすごく愛してくれているのに、消えちゃうかもって思っちゃって…」

 

「…ノヴェ、私はそんなことはしない、永遠をかけて君を幸せにするさ」

 

「…ほんとに?」

 

「勿論、永遠に…それこそ、来世でも」

 

「…ふふっ…それなら…証明してくれる?」

 

「…なるほど…じゃあ…目、閉じてくれるかな?」

 

 

ルナに言われるがままに目を閉じる。

 

すぐに口元にぬくもりを感じる。

 

愛する人のぬくもりを、体全体で感じる。

 

 

ルナは永遠をかけて、すべてをかけて私を愛してくれる。

なら、私も…永遠をかけて、この身すべてをかけて、ルナを愛していく。

 

 

 

 

 

長い、長いフレンチ・キスが終わった後に夜空を見上げると。

見慣れた月の姿はどこにもなく、ほんのり赤みがかった月の姿がそこにあった。




投稿遅れて申し訳ないです。
ネタ不足が深刻でして…
これからも不定期になるとは思いますが何卒御理解の程よろしくお願いします。

ちなみに途中から寮って事を忘れて普通に同棲してるのかと勘違いしてました(作者が勘違いするなや)
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