「あー、確かに同性っていいですね」
同音異義語って文字だとわかりやすいけど言葉にされると判断に困りますよね。私は困っちゃう。
「同棲っていいよね」
人の少ない教室でそう切り出したのは私の友人、瑠美です。私はそれに同意しながら、瑠美と私の間に時折割って入ってくるはためくカーテンをぺちぺち叩いていました。
「あー、確かに同性っていいですね」
「でしょう!?家事を分担できるところとかも最高」
「家事は同性じゃなくても分担できますよ?」
「いやいや、同棲だからこそ分担するんだよ」
「なるほど?……なるほど、盲点でした」
家事を分担するなら、同性である女の子の方がいいってことですかね?
少しの疑問を感じつつ、他にどんなことがいいのか聞いてみました。
「同棲でいいことはいつでも話せること!」
「いつも話してるじゃないですか」
「違うってば!おはようからおやすみまで好きなことを話せるんだよ!?」
電話すればいいんじゃないでしょうか、と言いたい気持ちをぐっと堪えて続きを聞いてみましょう。
「ほかに、同性の何がいいとかってあるんですか?」
「え?うーん……いつでも遊べる、とか」
「いつも遊んでるじゃないですか」
「あとは……朝一番に顔が見れる?」
「……?」
いつも遊んでるし、同性じゃなくても朝一番に顔を見ることはできるのではないでしょうか。
うーん、何かもやもやしますね……。
──あっ繋がりました!点と点が線になりました!!家事を分担するとしても女の子とがいいということ、おはようからおやすみまで話せるというのは話の内容が合いやすいからということ、いつでも遊べるというのは同性だからこそ、気軽に遊びに誘えるということを瑠美は言いたかったのです。
もしや、瑠美は同性のことが好きなんですかね?
私はかなり真剣な眼差しを瑠美に向けながらそれについて質問しました。
「瑠美は同性が好きなんですか?」
「かなり気になってる、かな」
瑠美は私から目を逸らしながら問いに答えてくれました。
なるほど、私の予想は合ってたみたいです。……あれ?でもなんで私にそれを話してくれたんでしょうか。
「何故、私に話してくれたんですか?」
「え?いや、舞奈としたいなって思ってたから……」
瑠美はそう言いながら、真剣な眼差しでジッと私の目を見つめてきました。
「なるほど……なるほど?え?」
つつつつまり、瑠美は私のことが好きってことですか!?
ま、まぁ私も?瑠美のことは好きな方なので悪い気はしませんし、むしろ嬉しいまでありますけど……
そう考え込んでいると、突然瑠美が私の名前を呼びました。
「舞奈!!」
「ひゃい!」
「私と……」
「私と同棲してくれない?」
「……へ?」
同性……同棲?一緒に住む方の同棲?
え、あの、えっ?……もしかして瑠美は最初から最後まで同棲の話をしていたってことですか?
私は自身の勘違いに気付き、熟れたトマトの様に顔を真っ赤にして顔を伏せました。