純潔ゴリラが転生オリ主をわからせる話   作:投稿するヒゲ

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知らないうちに凄いことになってて草。
誤字脱字、感想、評価、お気に入り、ここすき、全てにありがとうございます!
感想はぼちぼち返信していきます!
モチベが上がり、勝手に筆が載った結果、シャロンの好感度を上げる為に書いた。
重くない、重くない、シャロンは軽い女!シャロンは軽い女!




シャロン・ホーリーグレイルの目覚めは早かった。普段ならジュンに起こされるまで狸寝入りを決め込んでいる彼女だが、昨晩彼の両腕を引っこ抜いてしまい、未だ目を覚ます様子のないジュンの事が気がかりで早く目が覚めてしまったのだ。

 

義手の接続を無理やり断たれてしまい意識を失った彼を抱き上げ、非常時との事でラのつく無駄に煌びやかなホテルに駆け込んだシャロンはジュンを寝かせた後に自身も隣で床に着いた。

 

その事を思い出し、頬を赤く染めたシャロンは自分の身体を軽く嗅ぎ眉をひそめた。そして、これまた無駄に派手な風呂場でシャワーを浴び、全裸の状態でジュンの寝ているベッドに潜り込む。静かに寝息を立てるジュンの頬にガラス細工に触れるが如く、そっと手を当てて吐息を漏らした。

 

「あの日も、こんな夜だったか」

 

シャロン・ホーリーグレイルにとって、佐藤ジュンという男は幼馴染であった。

出会いは唐突で、まだシャロンが親に売られた自覚が無かった幼き頃。教会でボロ布を纏う溝鼠の様な姿の男子と出会った。

 

シャロンは一眼見た時から彼の事が嫌いになった。それもそうだろう。比較的裕福な家庭で育ったシャロンは、見た目からして汚いジュンの様相を見て単純に嫌悪したのだ。そんな彼にまず彼女が放った一言は、今現在のシャロンの心を握り潰す程に苦い思い出となっている。

 

「近寄るな浮浪児が。お前の様な人間と同じ空間に居たくもない。二度と話しかけるな」

 

その事を思い出す度にシャロンは過去の自分を殺したくなる。いや、殺すだけでは生ぬるい。地獄ですら獄門に首を晒すだけでは済まされない大罪の様に感じた。

 

その後、シャロンの星天教会での過酷な特訓の日々が始まった。周囲には同い年の子ども達が集められ、悪魔に対抗する為の術を与えられる。その特殊な特訓に耐えられず死ぬ子ども、脱走を企てて処分される子ども、悪魔の力に耐えきれず精神を狂わせた子ども……もちろん悪魔憑きとの戦闘で死んでしまう子どもも見てきた。

そんな一般的な精神構造をした人間なら一月と保たない環境で、それでもシャロンが耐えてこられたのは、単にいつか両親が迎えに来てくれると信じていたからだ。

 

永く、長い、狂いそうな日々が過ぎていった。その果てにかつて過ごした幸せな日常が帰ってくると信じて。

 

しかし、シャロンにとっての希望は瞬く間に崩れ去った。

 

──寄贈品(プレゼント)

 

ある日聞いてしまったのだ。教会関係者が新たに入って来た子ども達をこう呼んでいるのを確とこの耳で聞いた。

 

嘘だと信じたかった。まさか悪魔と人知れず戦う正義の味方だと信じていた星天教会が、そんな非人道な行いをする筈ない。自身の両親が愛娘の行末に非人道的(そんな)選択をする筈がないと大声で叫びたかった。

 

しかし、シャロンが何度聞いても答えははぐらかされてしまう。

 

絶望し部屋の隅で蹲り、静かに泣いていたシャロンに声をかけたのはジュンだった。初めは無視をしていたシャロンも、しつこく話しかけてくるジュンに思わず怒りのまま殴りかかる。何発も何発も殴りつけて、顔の原型が歪んでしまい、部屋中に血が飛び散ってしまうぐらいにはボコボコにした時、八つ当たり気味に叫んでいた内容を何とか咀嚼したジュンが一つの提案をする。

 

「そんなに不安なら確かめに行こう」

 

その後ジュンは口八丁と大層な言い訳を並べて、なんとか許可を貰いシャロンと共にかつて住んでいた家へと向かう。

思い出されるのは幸福な日常。両親と過ごすあたたかな日々が玄関扉を前にして、シャロンの脳裏に蘇る。

家に着くまでに時間は夜に迫り、扉が開けば中から柔らかな光が夕闇を照らした。光と共に顔を覗かせた彼女の両親に、シャロンは思わず飛びついた。

 

しかし、笑顔で受け止めてくれると信じていたシャロンが聞いたのは無情にも残酷で辛辣な台詞だった。

 

「なぜ、帰って来た」

 

抱きついた身体を乱暴に剥がされ、地面に投げ飛ばされるシャロン。痛くはなかった。ただ、自身が両親からされた行為が信じられず二の句が紡げないだけだった。

 

「なんで帰って来たのよ! アンタは悪魔どもを殺す為に生きてなきゃいけないのに!」

「お前を何の為に産んだと思っている! 悪魔を滅ぼして死ぬのがお前の使命だとなぜわからん!」

 

──痛くはなかった。

怒りで顔を歪ませた両親が物を投げつけてくる。痛くはない。何も痛くはないのだ。

 

シャロンには昔から想像していた事があった。両親と再会した時こんなことをしたい。こんなことを言いたい。そんな些細な妄想が時と共に頭中に膨らんでいった。

 

幼児の頃に感じた父の逞しい背中を少し小さく感じたり、母の優しい味のする料理に舌鼓を打ったり……そんな少しの幸せを求めていた。

 

なのに、なのに今のこの現状はなんなのだろうか。

 

堪らずジュンがシャロンの前に飛び出て投げつけられる物から庇う。

 

「帰れ!」

「二度と帰ってくるな!」

 

痛くはなかった。

ジュンが歪んだ両親の表情を隠してくれていたから。そう痛くはない。

痛くは……ただ、胸の奥が、心が妙に苦しかった。

 

「馬鹿野郎!!」

 

ジュンが町中に轟かせる怒声を放つ。

 

「馬鹿野郎! 馬鹿野郎! 馬鹿野郎!!」

 

物が当たるにも関わらず、両親へと近づいていく。頭から血が流れ、シャロンに殴られた箇所から再度血が噴き出した。

 

「なんでだよ! なんでそんな事が言えるんだよ! お前らはなんだ! 親じゃねぇのかよ! なんでこんな……畜生! クソ、くそ!」

 

ジュンの声に釣られて人が集まってくる。それを嫌ったシャロンの両親は扉を閉めて二度と顔を出す事はなかった。

 

ジュンは悔しくて泣いた。

呆然と座り込むシャロンを抱きしめて、ただ声を出して泣いていた。

 

「悪魔なんかより、お前らの方がよっぽど悪魔じゃねぇかよ!!」

 

泣いているジュンを間近で見て、シャロンはようやく彼があの溝鼠の様な格好をした少年だと気がついた。

 

不思議と嫌悪感は湧いてこなかった。泣きじゃくる彼の顔は以前にも増して汚れていたのにも関わらず、汚いとは思えなかった。

それどころか、穢らわしいと思うより先に綺麗であたたかい何かを感じ、シャロンの心を陽だまりの光が溶かした。

 

「なに、笑ってんだよ」

「いやな、お前が情けなくも号泣してるのでな。その顔があまりにも不細工でな、ふふっ」

「バカ、お前だって泣いてるじゃねぇか」

 

目元に手を当てれば、確かに涙が流れていた。しかし、シャロンには悲しいとは違うもっと別の感情が芽生え始めていた。

 

「これは笑い過ぎて泣いているんだ。それとバカではない。シャロン、シャロン・ホーリーグレイル」

 

きっとこの時初めて、シャロンは誰かに関心を持った。今まで誰かと比べて劣る経験をした事の無かった彼女は、対等に思える存在というものを知らずに生きてきた。そんな彼女が、ジュンだけは特別で大切だと思えるきっかけとなった出来事(イベント)

 

その後、ジュンは物静かで何事にも動じないカッコイイ(シャロン視点)男に成長していった。そんな彼と接していく中でその関心が恋心へと変わるのには時間は要らなかった。

有象無象の男どもからの好意など目もくれず、シャロンは彼だけをひたすらに欲していた。

 

そんな少しだけ重い恋心を拗らせたシャロンの気も知らず、今だに眠りこけている幼馴染の隣でシャロンは静かに目を閉じる。

 

──いつか必ず、きっと。

 

そんな純情な想いを抱いて眠る純潔ゴリラシスター(シャロン・ホーリーグレイル)の想い人が、翌日他の女を侍らせて一つの修羅場を作り出すとは夢にも思っていないのだった。

 

 

 

 

そして時は進み──現在『I(イサム)&S(シュウ)事務所』の応接室兼リビングにて、一つの地獄が爆誕していた。

 

「ほう、私の力と均衡するとはな。ただの淫乱クソビ◯チとは違うようだ」

「そちらこそ! とても神に仕える身とは思えない振る舞いですね! ああ、そうですよね。オバさんみたいな人は男を無理矢理捕まえてレ◯プして夜な夜な遊び歩いているに違いありません!」

 

暴力ゴリラシスター(シャロン)原作ラスボス娘(カンナ)が両手を全力で掴み合い、お互いに睨み合っていた。

ギギギギギギと、まず人の腕から鳴るとは思えない音を響かせている二人。床は今にもひび割れてしまいそうに揺れ、少しでも力の均衡が崩れれば部屋のどこかに穴が空きそうだった。

 

「おいおいおい、止めてくれよ。まだ玄関の修繕費も払い終わってないんだからな!」

 

緒方カンナの兄である夜な夜な遊び歩いている方の主人公──緒方シュウが堪らず叫ぶ。だが、その両肩をがっしりと二つの腕が掴んで離さなかった。

 

「説明して」

「貰えるわよね?」

 

紅と蒼の二つの瞳が鈍く発光する。恩人(ジュン)を助けようと動いた最中に即座に生まれたもう一つの地獄。それは原作主人公ですら逃れられない残酷な現実(バッドエンド)を意味していた。

 

「だから何度も説明してるだろ? 悪魔と契約して」

「だ・か・ら! なんで悪魔なんかと契約しているのかを聞いてるのよ!」

「こういうことよ」

 

そう呟くとA級メンヘラヒロイン(キサラ)はシュウの胸ぐらを乱暴に掴み上げ、勢い良く唇を押し付けた。

 

「なッ!!」

 

元彼ピッピに貢ぐ系ヒロイン(夕桐アヤノ)は声にならない声を上げる。

その間もキサラによるシュウの口内の蹂躙は止まる事を知らず、粘液特有のネチョネチョとする淫猥な音を響かせていた。

 

数秒間の密なる時間。その後キサラが口を離せば、銀色の糸がシュウの口元から連なる。そしてアヤノに向けて渾身のドヤ顔を披露した悪魔は唇をペロリと一舐めした。

 

「こんの悪魔がッ!」

「そっちこそ泥棒猫!」

 

銃と剣が重なり合う。

一触即発の状況に、シュウは光を失った瞳で煙草の先に火を灯し項垂れた。

 

その光景に反応を示したのは意外にももう一つの地獄を作り出していた二人だった。

 

純情乙女なシスター・ホーリーグレイルさんは、どうにも見ていられないのか窓の外を眺めて素数を数え始めた。

その側で、兄の女性関係を四六時中見せつけられている憐れな妹カンナちゃんは、兄を視線だけで殺してしまいそうな程の殺意を込めてシュウ達を睨みつけていた。

 

この二人、心中は一瞬にして一致した。

 

(あの連中の様にはならないでおこう)

 

そう。例え一人の男を取り合うライバルだとしてもあんな様にはならない。いや、なりたくないと二人は視線だけで同意し合った。

 

そんな中、我らが転生クソ馬鹿雑魚主人公様(佐藤ジュン)はというと。

 

(どうしてこうなった)

 

一人、安い紅茶のティーパックを弄びながら渋くなった不味いカップの中身を静かに口に運び黄昏ていた。

 

ジュンには何がどうしてこんなことになっているのか理解できていなかった。

 

そもそもが朝目が覚めてからがおかしかった。ジュンが目を覚ますと隣に美しい金髪を自身の肩に置き、艶かしい体と四肢を絡ませながら、しな垂れる全裸のシャロンが眠っていた。

 

あれ、これ夢かな?、などと現実逃避を行い、即座に精神統一をはかるもシャロンが顔を近づけた瞬間に吐き出されたピンク色の吐息を間近で感じ、義手を引き抜かれたときと同じ衝撃がジュンを襲う。再び気絶しそうになる自分の精神を奮い立たせて、なんとかベッドから這い出たジュンはシャロンを起こして部屋を出ようとした。

 

そして起きたシャロンは一言。

 

「昨夜は随分と激しかったな」

 

痛恨の一撃に言葉も出ない。

お腹を摩りながら頬を赤くするシャロンを尻目に、ジュンは慌てて自身のズボンの中身を確認する……異常無し! 万事オールクリア! 無意識に大人の階段を登ってはおらず、大切に守り通してきた童貞は未だ健在であった。

 

そしてタオルで胸元を隠すシャロンを視線の中に入れないように見渡せば、部屋の中は無駄に蛍光色なマゼンタ色で染まり、ベッドの横には男の如意棒に被せるゴム性の袋まで置かれてある始末。これには前世から拗らせた魔法使いであるジュンの脳はキャパオーバーを起こし……勢いよくその場で胃の内容物を吐き出した。

 

疑似的な二日酔いと同じであった。

脳味噌をミキサーでかけるが如く揺さぶられたジュンは平衡感覚を失い這いつくばった。

 

「すまない、冗談だジュン。安心しろ私は処女だ」

 

そうじゃない。

そこじゃない。

今、ジュンを苦しめているのはお前自身だと気づいてくれ。

 

ジュンが虹色の物体を垂れ流す中、絞り出した答えがこちら。

 

「服を、着てくれ」

 

割と切実な願いであった。

 

 

そして、シャロンを伴いシュウに会いに来た所までは良かったのだが。

 

(まさかこの二人がこんなに相性が悪いとはなぁ)

 

お前のせいだと教えてやれる人が、現在煙草休憩と言う名の現実逃避にはしっているので救いはない。

寧ろ、このままでは話が進まないどころか悪化してしまいそうな気配に、ジュンはシュウにアイコンタクトを送り、勢いよく外へと飛び出したのだった。




佐藤ジュン
転生してクソみたいなイベントに遭い、立派な神父になるために神父ロールプレイを始めた雑魚。

シャロン・ホーリーグレイル
純潔ゴリラ。重くない、とても軽い女。

緒方カンナ
オリ主の前では取り繕ってきた仮面が剥がれ、段々と口の悪さが露呈してきたラスボス。

緒方シュウ
客の前で公然と煙草を吸い出す系原作主人公。喫煙所で吸え。

夕桐アヤノ
メンヘラ女のキスを見て発狂しそうになる元カノ。

キサラ
代償行為ではないディープなキスをかますA級悪魔。ズキューン!!
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