ソードアート・オンライン 憂きし心のメヌエット   作:あらびきバナナ

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ここ最近の話の中では短い方かも

次回は長めだから許して


自分を許せない

 

「ど、どうしてここに…」

 

およそ1ヶ月振りかな。突然目の前に彼女、アスナが現れた

 

「情報屋さんから教えてもらったんだ」

 

情報屋…アルゴね。あの時私の情報を欲しがってたのはアスナだったのね

 

「そうなのね。で、なんの用?」

 

「実はね、今度事情があって少人数でフロアボスに挑むことになったの」

 

「そう…」

 

無謀ね、なんの理由があるかは知らないけどそれを提案したやつは馬鹿としか言えないわね

 

「それでね、今は少しでも戦力が欲しいの。だからお願いミトの力を貸して」

 

「…はぁ」

 

戦力…アスナの中ではまだ私は戦力なのね。その評価は確かに嬉しいけど…でも

 

「悪いけど無理よ、前線を離れて1ヶ月。レベルは今の前線適正値かなり離れてる…」

 

「…そっか。でもミトなら」

 

はぁ…ほんと諦めが悪い。誰に似たのかしらね…って、今はそんなことどうでもか

 

でもそれでも、無理なものは無理なのよ

 

「私は…自分が危機に陥ったとき他の人を見捨てて自己利益を優先する人間よ」

 

あの時みたいに

 

「今回もそうなったらまた1人だけ逃げるかもしれない…そんな奴がいたらその攻略に参加するメンバーの士気に関わるわ…だからごめんなさい、その提案には乗れない」

 

「っ…」

 

じゃあ話は終わったし、帰ろうかな

 

「ミト!!私と勝負して!!」

 

「…は?」

 

「私はもうあなたに守ってもらうだけの初心者じゃない!!だから私と勝負して、それでもし私が勝ったら攻略に参加して!!」

 

「…はぁ、呆れた」

 

漫画みたいにぶつかればいいと思ってるのね、実際は実力の差が露呈するだけなのに。いくらこの1ヶ月アスナが前線で戦っていたとしても…私が勝つに決まってる

 

いや、これでもやったらなんでもできる子だしもしかしたら私より強く…いやないかな

 

でもこの感じ、受けるまで帰ってくれなさそうだし

 

「…分かった、じゃあさっさと済ませましょうか」

 

アスナから届いた決闘(デュエル)リクエスト、その中から真ん中の「初撃決着モード」を選択

 

それと同時にカウントダウンが始まる、あまり気乗りしないけどやるからには徹底的にやるまでよ。とりあえず手鎌モードで様子見して、隙が見えたら大鎌もしくは鎖鎌で応戦すればいいかな

 

1ヶ月、この期間で貴女がどれだけ成長したか見せてもらうわよ

 

3

 

2

 

1

 

0ッ!!

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

「っ!?」

 

ガキンッ!!

 

速いっ!!流石、啖呵を切るだけはあるわね。でも所詮は速いだけ、攻撃してくる位置もバレバレだし力も弱い

 

これぐらいなら盾がなくても余裕で防げるわね

 

突きも斬りもバレバレ、型にハマったままの戦い方。このくらいならレイピアを使ったこともない私でも出来るわね

 

「どうしたのミト!!攻めてこないの!!」

 

「っ!!」

 

確かにそろそろいいわね、結局対して上達してないか

 

さて…決めるか

 

「ふっっ!!」

 

「っ!?」

 

ガキンッ!!

 

攻撃を弾いてその流れで斬りつけようとする。だけどさすがにこの程度の反撃予想されてたか、避けようとするアスナ

 

でもそんなのこっちも予想済みなのよ

 

ガシャコンッ

 

手鎌モードから大鎌モードに変形させてアスナの背中側に回す。すると私の鎌を蹴り上げて距離をとられた…ちっ仕留めきれなかったか

 

まぁでもどっちにしろこれで終わりね…

 

右肩側に鎌を持ってきてソードスキルを準備する、向こうがどうせめて来ようとこれで確実に終わらせられる

 

アスナは案の定リニアーを構えてきた、好きねその技

 

「…はっ!!」

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

ガキンッ!!パキンッ!!

 

「えっ…」

 

「もらった!!」

 

ザシュッ!!

 

アスナのリニアー、そして私の大鎌系突撃ソードスキル『イザナミ』が激突

 

当たりどころが悪かったのかアスナのレイピアはポッキリ折れてしまった。けど、なさけなんてかけず私はその隙に一撃を入れた

 

そしてデュエルは私の勝利で終わった…

 

「…じゃあ私が勝ったから、さっきの話はなしってことで」

 

「…うん、じゃあねミト」

 

はぁ…なんかどっと疲れた。今日は帰っても作業は出来そうにないわね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナとの決闘から5分、ようやく森を抜けた

 

…というかさっきから誰かにつけられてる気がする。素材集めのために取った索敵スキルがばりばりに反応してる

 

試しにはったりかけてみるか、幸いそれ以外にプレイヤーの気配はないし

 

「ふぅ…そこにいる人、出てきたらどう?」

 

ガサガサと音がした、どうやら本当にいたらしい

 

「あー、ごめん…別につけてこようと思ったわけじゃないんだ」

 

全身黒衣装の男…あー、1層の時大見栄きってヘイトをかってたやつか。しかもアスナとパーティー組んでた…なるほど

 

「…あなたがアスナを焚き付けたの?」

 

「いや今回のことは彼女が自分でやったことだ…っとそういえばちゃんと挨拶したことなかったな。俺はキリトだ」

 

「知ってる、有名人だからね」

 

前線の層に行くとあなたの悪口をよく聞くからね

 

「それでなんの用?私も暇じゃないの」

 

「分かった。じゃあ手短に…アスナから聞いたと思うけど明日ボス攻略がある。君とアスナとの間に何があったかは俺は知らない…けどまだ君に少しでもアスナを気にかける心があるなら…頼む、攻略を手伝ってくれ」

 

頭を下げられても…はぁ、情に訴えて来られても困るのよ。この世界で感情なんてまっさきに捨てるべき選択肢、そんな言葉じゃ私は落ちないわよ

 

「…あの娘にも言ったけど、あんなリスキーな作戦はっきり言って無茶よ。そんなことに私を巻き込まないで、それじゃあ」

 

「待ってくれ!!」

 

「…なに?」

 

ほんと…しつこい奴

 

「さっき君が折ったアスナの武器、あれは元々君が彼女に渡したウィンドフルーレだったんだ」

 

「…それが何?まさかその責任を取れっていうの」

 

「違う…でもなんで彼女がスペック的に限界が来てたウィンドフルーレを強化してまで使ってたか考えて欲しい」

 

「はぁ?なにそれ」

 

「それだけだ、じゃあまた」

 

そう言って奴は消えていった…はぁ、理由を考えろってなによ。学校じゃないんだから

 

そもそもなんでウィンドフルーレをわざわざ強化してまで持ってたのよ、そんなことするより他の武器を使った方がどう考えても効率が…

 

「…まさか」

 

いやいやいや、そんなはずない。まだ私のことを思ってたとかそんなはずは…でももしそうなら

 

「…ちっ」

 

そういえばあの娘はそういう子だったわね。学校でも昔お兄さんからもらった筆箱をずっと使ってたり…はぁ、なんで気付かなかったのかしら

 

しかもあんなぽっと出の黒いのにアドバイスを貰うまで…

 

だとしたら私は…

 

「あーもう!!ムカつく!!アイツ嫌い!!」

 

こんなの助っ人に行くしかないじゃない!!はぁ…1年近く一緒に遊びに行ったりしてたのに私なんかよりあの娘のことを理解してるのよアイツ、それに全然気付かなかった私も馬鹿じゃないの…

 

そして、また自分を苦しめようとしてる私が許せない

 

でも、今はやるしかないわね。そしたら予定変更、一夜漬けでレベリングして、あと武器も用意しないとね

 

 

 





『イザナミ』···鎌を右肩に構えて前方に向けて大きく飛び出してすれ違いざまに一撃を入れる突進技、急所に命中した際のダメージ倍率が高い
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