ソードアート・オンライン 憂きし心のメヌエット 作:あらびきバナナ
スケルツォ編ラストになります
1月9日 加筆(ラスト)
3月4日 加筆分削除
「なんで新年にもなってあなたと同じテーブルでご飯なんて…」
「酷いナァ…オレっちとミーちゃんの仲じゃないカ」
「そんな仲になった覚えもないんだけど」
12月31日…じゃなかったわね。2023年1月1日
ふたつのギルドの対立を防ぐために少人数でボスを倒してから数時間、何故か私はアルゴとご飯を食べていた
「まぁまぁそのことはとりあえず、あけましておめでとう!ミーちゃん!」
「…はぁ、おめでとう」
持っているジョッキをぶつけて乾杯する、ジョッキとは言ったけど中身はジュースなんだけどね
「ぷはぁー、いやー久しぶりに疲れたなー」
「そうなの?」
「オレっちは基本情報屋だから、ボス戦は普段は参加しないんダヨ」
「ふぅん」
まぁ確かにパッと見の装備からしても非戦闘ビルドだろうし、ほんとよくやるわね
「まぁそんな話はこの辺にしておいて…そろそろ聞かせてもらおうか、ミーちゃんの話を」
「…長くなるけどいいの?」
「もちろん、そもそもはオレっちが聞きたいだけだしナ」
「そう…」
まぁ話せば楽になるなんて言葉もあるくらいだしね…
「と言っても具体的に何を話せばいいの?」
「ん?じゃあ…なんでアーちゃんのためにミーちゃんがあんなに頑張ったのかってのが聞きたいナ」
「そのくらいなら…そうね……まぁ昔の約束を守れなかった償いってとこからしらね」
まぁ私としてはまだまだ全然足りないくらいなんだけど、今はそのことは言わなくてもいいわよね
「うーん、なんかはぐらかされた気がするんだケド」
「別に具体的に話せとは言われてないからね」
「んー、ミーちゃんを騙すのは難しそうダナ」
「私は考え無しに話すような人間じゃないもの」
まぁその考えが外れることも大いにあるんだけどね。でもアルゴのこの言葉からしたら今回のことに関しては正解だったみたいね
「話は変わるがその鎖鎌、実際どこで手に入れたんダ?」
やっぱりその話もするのね…はぁ、せっかくだしなにかこっちにも利益があるように話したいわね
「そうね…じゃあ取引しましょう」
「ま、タダなんていい話ある訳ないカ。いいぞ、オイラも一切知らなかった情報だしある程度なら無理も聞くゾ」
「そう…じゃあ2つほどお願いしようかな。ひとつは今後ゲームクリアまで私に対しては情報を格安で提供すること、もうひとつは私が防具屋を開いた時出来るだけ多くの人に宣伝することって感じでどうかしら?」
最大限、自分の要求をぶつけるのも交渉術のひとつ。というかこの人相手に先にでかい要求をして本命の要求を通すとかいうのは使えないだろうから素直に頼むのが1番だと思っての判断
「んにゃー…まぁいいか、いいぞ。乗った」
手を差し出して来た、握手か。やっといた方がいいやつねこれは
「よしっ契約成立ダナ、じゃ早速話してもらおうカ。その鎖鎌について」
「そうね…手に入れたのは1層のダンジョンよ。迷宮区の近くに横穴があるでしょ、あそこ」
「そういえばそんなのあったナ…でもオレっちの記憶じゃそこには少しの敵がいるだけで他に何も無かったような気がするダケド」
「私もそう思ってたわよ、でも1時間ぐらいからした時かしら見たことの無い敵がポップしたの」
「…なるほど、レアモブか。もしくは条件付きのモブか」
「おそらくはね」
あの時は本当にびっくりした、あそこのモブって基本迷宮区のコボルドと同じやつしか出ないはずなのにこの鎌を持ってたやつは全身黒鎧にこの鎌を持ってた
ベータの時にそんな奴がいたなんて情報もないしおそらくは正式サービスからの追加モブ、なんであんなところに?とは思うけど今はそんなことどうでもいいか
「んーどうやらオレっちの早とちりだったみたいダナ、完全に読み負けたヨ。そのくらいの情報ならあんなサービスOKなんて言わなかったのニ」
「今更なし、なんて言わないわよね」
「そりゃあな、それこそ情報屋の名が廃るってヤツダ。仕方ない」
そう言ってジョッキのジュースを一気飲みするアルゴ。すぐに飲み終わったのか勢いよくジョッキをテーブルに置いた
その表情は悔しさよりも、新しいことをしれて喜んでいるように見える。ほんと、変な人
「じゃ、オレっちはそろそろお暇しよーカナ。6層の情報も集めたいしナ」
「そう、じゃあまた」
「おうっ!いつでも頼ってくれよナ!」
そう言って足早に去っていくアルゴ、さてと私もそろそろ宿に戻って防具鍛治のレベリングでもしようかな
「…はぁ」
アルゴとの話では言わなかったけどやっぱり疲れたわね。実質1ヶ月ぶりのガチ戦闘だからね、さすがに疲れた
それにしてもアスナが私なしでも強くなってるのには安心したけど…やっぱり少し寂しいわね。なんというか、生きがいを失ったみたいな…
ってただの友達になんて想いを持ってるんだ私、これじゃまるで私がアスナを好きみたい…な
「あれ?」
いやいやまさかそんなはず…私がアスナのことをそんな好きとか…まさかそんな訳…でもそれなら…色々説明が…いやでも…そんな私がアスナを、好きとか
別に私はそういうあれじゃないと思ってたけど…まさか、私が… あーもうやめやめ!そもそもアスナは私の事なんてなんとも思ってないんだから
「ハァイ、鎌使い(サイサー)さん」
「っ!?」
誰っ!?って背中にナイフが…
「…なにか用?」
「ヘイヘーイ、そんな焦んなって。ゆっくりお話しよーぜ」
くっ、今は従うしかなさそうね…
「…分かった、いいわよ」
「ヒュー、ノリのいい女は好きだぜ!」
あんたなんかに好かれても嬉しくないわよ
「そういえば鎌使いちゃん、あのブラッキーと一緒にいる細剣使い(フェンサー)と仲がいいらしいじゃねぇか」
ブラッキーって誰…あー、あの黒いのか。!?ってことはフェンサーって!
「貴方いったいアスナに!?」
「おっとと、動くなよ。動いたらあんたの身体に俺のナイフがブスリだ」
「…ナイフ1本で何ができるの?それにここは圏内よ」
「オイオイしっかりしてくれよ。ここは街の外れ、圏外だぜ。それにこいつにはレベル5麻痺毒とダメージ毒が塗ってある、この意味わかるよな?」
ちっ、八方塞がりじゃない…ん?そういえば私毒無効のアクセつけてるじゃない。それに体力バー横の表示も圏内だし…こいつは何が目的なの?
「何が、目的なの?」
「目的?そりゃこのゲームを楽しむことだよ、本能を解放して誰もが自分らしく生きる。そんな世界を俺は作りたいんだよ」
「へぇ、それはなんともまぁ崇高な目的ね」
「ヘヘっそりゃどうも…それにあんたも本当はこっち側なんだろ?」
「は?何を…」
「ブラッキーが憎いだろ、あんたあの細剣使いさんを取られてたんだ……自分に正直になれよ鎌使いさん、本当はブラッキーを殺したいんだろ」
…確かに少し前までの私ならそうしたかもしれない。でも今の私は違う、アスナが幸せならそれでいいの
それに本当の目的を話す気はなさそうだし…そろそろ潮時ね。早く帰って寝たいし、終わらせるか
「…悪いけど、その話には乗れないっわ!」
「っ!?」
ナイフを当てられてる部分を一気にナイフに近づいて圏内判定のノックバックで距離をとる、やっぱり反動は大きすぎる。でもこの距離なら…っ!
「はぁぁぁぁぁ!!」
当たらないのはわかってるけど、威嚇として放ったソードスキル『イザナミ』。もちろん圏内判定に阻まれた
「はっはっはー、なかなかヒヤヒヤしたぜ鎌使いさん。また会おうぜー」
「くっ…」
その間に謎の男は去った。ほんとなんだったんだろうか
というかアイツは結局何が目的だったんだろうか、私を脅して貰えるものなんてなにも…
「っ!?」
まさかギルドフラッグ!?でもなんで彼がそのことを?私があれを手に入れたのはたったの数時間前、ボス戦にもいなかった奴がどうやって…
黒いのとアスナ、それにアルゴがあんな奴に情報を売るはずがないからその線はない。それにエギルさんもおそらくは関係ない
となると残りはALSとDKBの2人、もしくはそこから情報が漏れて伝わったか…ダメね候補が多すぎる
「はぁ…仕方ないか」
少し前の私ならここでもう我関せずとこの件から手を引いていたかもしれない。でも今の私は違う
あいつはアスナのことを知っていた、そうなるともしかしたらアイツは今のことを根に持ってあの娘を襲うかもしれない。それだけは絶対に許せない
だから、そうなる前に少しでもあの娘の害となる芽は潰しておきたい…少しでも明日奈の役に立ちたい
そのためなら私は…なんだってする
それにこういうのを調査するなら黒いのとかよりしがない防具屋になる私の方がやりやすいしね
こうなったらさっそくアルゴにメッセね、内容は…
『この世界で危険行為をしている奴らについて教えて欲しい、お金ならいくらでも出すわ』
っと、とりあえず今日はその辺の宿に泊まりますかね。起きる頃には返信来てるといいけど
……そういえばユナの歌、聞きに行くの忘れてた
『ねぇ知ってる兎沢さんこの前私の事…』
『えぇー、ひどーい。兎沢ってそういう人だったんだ…』
『っ、ちっちが…私は…』
『言い訳なんて聞きたくないわ、兎沢さん。もうどうでもいい、だからもう私に関わらないで』
『っ明日奈…待って、私は…』
〜〜〜〜
「っ…はぁ、またね」
時間は…朝か。前よりは眠れるようになってるのか…はぁ、この夢の治し方はどうすれば…いや違う。これは私に与えられた罰、甘んじて受けなきゃ
そういえばアルゴから返信は来てるかな…あ、あった。えっと
『なんでそんなこと知りたいんだ?とりあえずミーちゃん今どこにいる?』
まぁふつうこういう反応になるわよね。とりあえず現在位置の座標送っておいたら来るかな
待ってる間に少しでも作業進めておこうかな
まずは適当なサイズに切って…今回はレギンスだからそうなるように布を縫って…ここからが大変なんだよなぁ
余った部分の布を切らなきゃいけない作業が本当に苦手…まさか自分がこんなに不器用だったなんて
チョキ チョキ
ゆっくり…ゆっくり…落ち着いて
チョキ チョキ チョキ チョキ
「…ふぅ」
で、出来た…やった…やったぁぁ!!スペックは…まぁこの辺の層なら使えないことはないわね…でも見た目がなぁ、私には似合わないだろうし
あ、それこそアスナなら…なかなかに絵になりそう…ふふっ今度会うことあったらプレゼントしようかな
コンコン
あら、ちょうどアルゴが来たみたい
ガチャ
「よっ、ミーちゃん。まさか部屋にお呼ばれするなんて思わなかったゾ」
「あなたが何処にいるか聞いてきたんでしょ…ほら早く入って」
「はいよー」
部屋に入るやいなやベットの上に座る…まぁ別にいいけど
「んじゃさっそく本題に入ろうカ」
「そうね、時間は無駄に出来ないからね」
「ダナ…じゃあ、なんであんなことを知りたいんだ」
まぁそこから聞いてくるわよね、いきなりあんなこと聞いたらそうなるよな。まぁ隠す事でもないし…
「数時間前、大柄の男に脅されのよ」
「へぇ、それで?」
「その時そいつが言ったのよ…『誰もが自分の本能を解放して生きれる世界を作る』それと私を見て『ブラッキーを殺したいんだろ』って」
「なるほどナァ…」
ここまで話したところでアルゴはベットから立ち上がりゆっくりとこっちに近付いてくる
「事情は分かった、でもなんでそいつらについてミーちゃんが知りたいかがイマイチ見えないんだよなぁ」
やっぱりそこをつっこまれるよね…いまさら隠すこともないわね
「そいつが…アスナの名前を出したのよ」
「…へぇ」
「私は、もう間違えたくない…あの娘の役に立ちたいの…だからっ!」
「お、オーケーオーケー、分かったヨ」
「ほんと?」
「あぁ、ただしひとつも条件がある」
条件…なんだろうお金かな、それとも仕事か何か?なんにしても躊躇うわけにはいかない
「…条件って?」
「なに、簡単なことだよ…そいつらと関わるようなことになったら必ずオイラにチャットすること、オイラもアーちゃんの友達ダ、あの娘を守りたいのは同じだからな」
「はぁ…分かったわよ、じゃあさっそく教えて貰える?」
「アイヨ、それじゃあまずは」
それから数十分、私を襲ってきた奴やその傘下の奴らの情報を交換さらに今後の動きについて相談した
まぁと言っても普段から隠れて行動してる奴らだからほとんど情報がなかったけど
今後の方針としては、私は防具屋として活動しながらアルゴの仕事を手伝い奴らの行動を追う。アルゴは水面下で動きながら奴らの情報を探るようだ
長い戦いになるのは覚悟の上だ、どれだけ掛かろうとやりきらないと
アスナのためなら私はなんだってやる、何を犠牲にしても
次回からはオリジナル要素も増えるよ、オリキャラも出るかも?