ソードアート・オンライン 憂きし心のメヌエット   作:あらびきバナナ

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今回からオリキャラを入れます、急遽今回からにしたから若干入りが強引なのは勘弁してな




第2章
ボス戦は突然に


2023年の3月。今月ももう折り返しに入った頃かな

 

私は5層のボス戦以来、一旦防具鍛冶や裁縫など生産職に重きを置いて活動している

 

この前もアルゴが主催したプレイヤーメイドのアイテムショップにいくつか出品した際もかなりの好評を貰ったのも記憶に新しい

 

…まぁその半分くらいはアスナが買っていったんだけどね。あの娘ったら低層にいる人用の装備だからスペック的に前線では使えないわよって説明したのに

 

「ふふっ…」

 

あの時のアスナを思い出すと自然と笑みがこぼれた

 

…1層から4層にいた頃は…ずっと自分を追い詰めていたというか、目標もなくただ突っ走っていたというかで全然周りを見れてなかった

 

けど5層のボス戦でアスナと事実上復縁できたおかげか最近では心にも余裕が生まれたと自分でもよく分かる

 

確かに未だに悪夢は見るけど…それにはもう慣れてしまった。それにやっぱりあの日のことを忘れないためにもあの夢はやはり必要だから、それはいいけど

 

「っと、出来た出来た」

 

なんて考えてる間にもひとつ防具が完成した。スペック的には…よくできた方かしら、補正値も高いし。まぁ見た目がイマイチだから売れるか怪しいけど

 

さてと、まだ時間もあるしもうひとつ作ろうかな

 

…そういえばアルゴが主催したショップで知りあったリズは元気でやってるだろうか。一応フレンド交換はしたけど連絡するタイミングが分かんなくて1回も出来てない

 

やっぱり1回くらいなんか送った方がいいのかな

 

はぁ…こういうのが分からないって結構まずい気がする……今度アスナに教えてもらおう

 

「った…またミスしたー」

 

裁縫の最中、指に針を指してしまった。別に実際痛いわけじゃないのにこういう声が出ちゃうのはやっぱ条件反射なのかしらね

 

材料の貯蓄は…あ、今のラストだった

 

仕方ない少し早いけど素材集めにでも向かおうかな

 

コンコン

 

?誰か来た…でもこの場所を知ってるなんてアスナかアルゴくらいだし。とりあえず出てみるか

 

ガチャ

 

「はーい」

 

「あ、ミト…」

 

やっぱりアスナだった…なんとなく落ち込んでるわね、何かあったのかな

 

「アスナ…何か用?」

 

「えっと、色々あるから中で話さない?」

 

「…分かった、いいわよ上がって」

 

「うん、ありがと」

 

まるで自分の家みたいに行ってみたけどここただの安宿なんだよなぁ…あー、早く自分の家と店が欲しい。でもお金が全然足りないんだよなぁ、1層のはじまりの街ですらあの値段ってやっぱりおかしいわよ

 

って、そうじゃない。アスナの話を聞かないと

 

「それで何かあったの?」

 

「…昨日、ALS…アインクラッド解放軍の選抜隊が25層のボス戦に挑んで、壊滅したの」

 

「え…」

 

ALSってあの攻略の主戦力のギルドよね、そこが壊滅?一体何があったって言うの

 

「どうして…そんなことに?」

 

「最近、LAを取れてなくて焦ってたってキバオウさんは言ってた」

 

はぁ…やっぱり主導者は1層のときのあのモヤットボールみたいな頭の人か…いや、それでもおかしい

 

確かに独断でボスを倒そうと言うのは無茶だ、けどそんなんでやられるほど解放軍は弱くなかったはず

 

でもそうなったってことは

 

「…なにかイレギュラーが発生したってことね」

 

「うん…元々5の倍数になる層では今までもイレギュラーが多かったから今回もそのつもりで慎重に作戦を練ってたんだけど…」

 

そのタイミングでALSが倒せば名声も手に入る、なるほどそういう事か。ほんと生きるか死ぬかの世界で名声とか馬鹿なのかしらね

 

「そっか…」

 

それに5層でもベータの時から完全にボスが変更されてたりしたしそういうこともあるのね。それに25層はアインクラッドの4分の1の地点、茅場晶彦もきっと力を入れてきたのだろう

 

…ん?というかなんでアスナはこの話をわざわざ私に?…なんだかすごく嫌な予感がするんだけど

 

もしかして…

 

「ねぇ、アスナ。まさか貴女、私をボス戦に誘うつもり?」

 

「…うん。その、つもり…でもそれだけじゃないの」

 

ボス戦の誘いだけじゃなくてまだあるの?いったいこれ以上私を困らせてどうしようって言うのよ

 

「…ミト、私のいるギルドに入らない?」

 

「ギルド?」

 

「うん」

 

ギルド、ねぇ…ボス戦はまだしもギルドはないわね。昔からなんとなく集団行動が苦手な私が入ったところでだし。本当ならボス戦も断りたいぐらいだけどあの時言ったことを守らないとだから、そこはとりあえず了承しておこう

 

というかアスナ、ギルドに入ったのね

 

「…ボス戦のことは分かったわ。ギルドのことは…ごめんなさい、私は遠慮しておく」

 

「そっか…ううん、いいのもとより無理なお願いだったわけだし。じゃあ私帰るね」

 

「うん。…アスナ」

 

「何?ミト」

 

「…来てくれてありがとう」

 

「っ…私もミトに話してよかったと思う。ありがとね、ボスのことは詳細が決まったら連絡する、じゃ」

 

ガチャン

 

「はぁ…」

 

口には出さなかったけど、見れば分かる。あれは前の私と同じね。全てを背負おうとして転びかけてる、全ての責任が自分にあるかのように感じてる状態

 

確かにそう思うのは間違ってないことだとは思う、でも考えすぎると潰れてしまうのも私は理解してる

 

だからと言って今の私に出来るのはせいぜい話を聞くことぐらい…あとはそれこそあの黒いの、キリトに任せる他ない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3月29日、私はアスナに呼び出されて25層最前線の街にやってきていた。理由はもちろんボスの攻略会議に参加するため

 

この空気感も1層以来…いや1層でもこんなピリついた感じはなかったからはじめての体験かもしれない

 

というか、私がギルドフラックを持ち去ったことに対してまだなにも言われてないんだけど…やっぱ前線に出ないと名前だけ広まったくらいじゃ大したこともないのね

 

「ではそろそろはじめさせて貰おう……はじめて会う人も多いだろうから自己紹介から入ろうか。私はヒースクリフ、新生ギルド、血盟騎士団のリーダーだ」

 

ヒースクリフ…聞いた事ないわね。武器は片手剣に大盾、典型的なタンクね。でアスナがその近くにいるってことは、アスナが入ったギルドはこの血盟騎士団なのかな

 

「まずは今回のボス攻略に参加してくれることに感謝しよう、そしてアインクラッド解放軍の面々の犠牲を無駄にしないよう我々は絶対に勝たねばならない、そのために私は全てを捧げるつもりだ」

 

言葉のひとつひとつに重みがある、この人は只者じゃない。でもそんな人がこのタイミングまでなんで注目されなかったのは気になるけど

 

「…ではここからのことは副団長のアスナくんに任せるとしよう、頼んだよ」

 

「はい」

 

…え?アスナが副団長?まぁ頭もキレるし強いから適任だと思うけど…大丈夫かな

 

「それではまずは25層のボスについての情報です、モンスターの系統はー」

 

なんか…いつものアスナじゃないみたい。なんか無理に頑張ってるというか、虚勢を張ってるように見える、多分こういう場だから少しでも威厳があるように見せたいんだろうな

 

…というか気になったんだけど。あの黒いのはどこ?いつもならアスナのそばに付きっきりなのに今日は当たりを見回しても全然いない

 

まさか遅刻?最悪ね、あいつ

 

「ーー、以上が今回のボスの概要です。作戦につきましてはボスの正面、そして右側左側の合計3正面を基軸とした戦法を取りましょう」

 

まぁ今回のボスの性質上、それが1番な気もする。問題はそれぞれ誰が指揮をするかってところね

 

「正面の指揮はうちのギルドの団長、ヒースクリフが右正面の指揮はDKBのリンドさんと商人協会のエギルさんが左正面は私アスナとそこにいる"ミト"が担当します。異論がある人は?」

 

…え?あれもしかして今アスナ私の名前出した?えっちょ?

 

「あ、あの…」

 

「ないようですので最後です。各自配置などは各ギルドのリーダーから聞いておいて、各々2日後の作戦実行に備えてください。では解散」

 

「ちょアスnわっ!?」

 

いきなり手を引っ張られたんだけど!えっなに!?これから私なにかされちゃうの!?…ってそんなわけないか

 

「ごめん!急に指名しちゃって!」

 

「いや…それはいいんだけど。…なんで私なの?」

 

「そのギルドの人とかまだよく知らないし、アルゴさんとかもいないからさ…」

 

「…まさかこのために私を呼んだの?」

 

「それも、ある…でも本当にミトの力がいるの!だからお願い私に力を貸して!」

 

「…はぁ」

 

貴方にそんなこと言われて断れるわけないじゃない…まったく本当私の事よく分かってるんだから

 

「分かった、いいわよ。でもひとつ聞きたいんだけど、キリトはどこなの?前までなら一緒にいたじゃない」

 

「あ、それは…えっと、なんて説明しようかな」

 

動転した顔、現実で親のことを聞いた時と同じね。つまりなにか複雑なことがあったのね

 

まぁ家の複雑さのことは私が言えたことじゃないけど

 

「別に無理に説明しなくていいから、いつか整理がついたら聞かせて」

 

「うん、ありがと」

 

「あ、ミーちゃんとアーちゃん!よっ!」

 

「アルゴさん来てたの?」

 

「まーなー、で何の話してたんダ?」

 

「あ、えぇっとー…」

 

あー、アスナがめっちゃこっちみてる。どうにかしろってことね、まったく

 

「ちょっとした世間話よ、それよりアルゴなにか用でもあるの?」

 

「別に用事って程でもないんダケドな、まっミーちゃんにちょっとした話があるっちゃある」

 

ここで話さないってことは、"あの件"ね。ここは引き上げた方が良さそうね

 

「分かった、じゃあアスナ明後日ね」

 

「じゃなー、アーちゃん」

 

「うん、またね2人とも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、わざわざ私だけを名指ししたってことはあの話なんでしょ?」

 

「そういうことダ」

 

あの話、私が今年の初めに襲われた奴についての話だ。あれから私はアルゴと手を組んでいわゆるプレイヤーキルを行う連中についても捜査している

 

つまり今の私は防具屋兼攻略組兼諜報担当というわけで…なんか字ズラだけだと凄いアホみたいね。テキトーにくっつけた感じが半端ない

 

「もう面倒臭いから結論から言うゾ…しっぽは掴んだ」

 

「っ!本当!?」

 

「ちょいちょい落ち着けって、まだ何も言ってないダロ」

 

「でも…ここ2ヶ月、何も無かったのにやっとなにか掴んだんでしょ。このくらい喜んでもいいと思うけど」

 

「そうかもナ…」

 

この2ヶ月、少しでもそれらしい話があれば聞き込みをしたり手がかりを探してたけど収穫はゼロだったからね。嬉しい限りね

 

「で、その情報って?」

 

「…ミーちゃんを襲ったやつのプレイヤーネーム」

 

「本当?」

 

「多分な、元々キー坊からそいつの仲間と思われる奴の話は聞いてたからな。その関係から行くと…今回の情報はあてにしていいぜ」

 

「そう、それでそいつの名前は?」

 

「Poh、『プー』だとよ」

 

「本当に糞みたいな名前ね」

 

「あぁ、文字通りダナ」

 

でもこれでやっと1歩進めた、そしていつかは…

 

「なぁミーちゃん、前から疑問だったんだけどこいつらを追ってどうしたいンダ?」

 

口ごもる私

 

それは。それだけは言えないだってそれは

 

「…もしやミーちゃん」

 

「それともうひとついいかしら?」

 

半ば強引にアルゴの話を遮り私は質問した

 

「な、なんだ?」

 

「あの団長…ヒースクリフについて調べてくれない?お金は幾らでも払うわ」

 

「イヤ別にいいけど…理由を聞きたいんダケド」

 

なんとなく怪しいと思ったから…で通る人じゃないのはわかってる。ならテキトーに理由をつけた方がいいかな

 

そうね…

 

「…不自然だからってところかしら」

 

「不自然?」

 

「そ、このタイミングでの新ギルドが出来た。このこと自体は何ら不思議じゃない…でもあまりにも都合が良すぎると思わない?」

 

「…まぁ確かに都合が良すぎるかもナ。ALSの事実上の崩壊と同時に出現した新生ギルド…しかもそこにはアーちゃん含め強豪プレイヤーが何人も…」

 

それこそそんなに人を集める求心力があるプレイヤーならもっと前からギルドを作れたはず。それにあの雰囲気ずっと戦ってきたプレイヤーのはず、それなのに誰も彼もが見たことないような反応

 

それこそまるでヒースクリフが今日、急に現れた見たいな反応をしていた

 

「…って言うのは建前で結局はアスナの近くにいるアイツが気に入らないだけ…なのかも、私」

 

「はぁ…相変わらずミーちゃんのアーちゃんへの保護欲ははんぱないなァ」

 

「そう?普通でしょ、私にとっては数少ない友達だもの。このくらいしたくなるのは当然だとも思うわよ」

 

「しかも自覚無し、カ。まぁ分かったよただお金は後払いでいいヨ。確実な情報が入るとも限らないし…」

 

さすがのアルゴでもどうやらまだあの男の情報はまだ持ってないのね…何なのかしらね、あの男って

 

いやそもそもアルゴも人の子だものね、知らないことだって出来ないこともいくらでもあるか。期待しすぎは良くない

 

私が1番分かってたはずなのになんで忘れてたのかしら…

 

「じゃあ私はそろそろ帰るわね、明日のこともあるし」

 

「アイヨー…ミーちゃん」

 

「……なに?」

 

「無茶するなよ、前も言ったけど」

 

「えぇ…分かってるわよ」

 

…まぁその無茶の範囲は私と貴方では違うかもしれないけどね。さて明日の肩慣らしにフィールドで狩りでもしてこようっと

 

 

 

 

 

 

「あ!ソウダ!もうひとつ…って行っちゃったカ。マ、どうにかなるだろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…ふぅ…久しぶりだから疲れたわね」

 

肩慣らしに来たはいいけど久しぶりだからやっぱりここの若干適正より下のダンジョンでも疲れた…それにしてもボス戦か…前回ボス戦に参加したのは去年の大晦日、5層のボス戦だから…3ヶ月振りかな

 

レベルこそ素材集めのために敵を倒してたから一応適正は満たしてるけど…やっぱりガチの戦闘のブランクがあるから念の為のウォーミングアップをしに来たけど…はぁ

 

今後はトレーニングもした方がいいかも

 

「あ!いた!」

 

「っ!?」

 

誰っ!?…プレイヤー?!

 

「ねぇ!君、ミトちゃんでしょ!」

 

「えっちょ!なんで私の名前を知ってるの!?というか誰!!」

 

敵意はなさそうだけど…強引すぎる

 

武器は背中に大型の剣、あと胸元に20センチばかりの短剣…我流ってところかしら。少なくともそんなソードスキル聞いたことないし、それに関しては私も人の事言えないけど

 

「っとごめんごめん。つい興奮しちゃって、私はレーテ!アルゴさんから紹介されてミトちゃんに会いに来ました!」

 

「あの人は…はぁ」

 

というかちゃん付けって…なんかむず痒いんだけど

 

「それでなんの用?」

 

「私、攻略に参加したんだけど…あれ?アルゴさんから聞いてない?」

 

「まったく…攻略ね、それでなんで私に?」

 

「さぁ?私はアルゴさんに言われて来たから」

 

「……はぁ」

 

攻略に参加したいなら私よりアスナが適任でしょ、ホント何を考えてるのか全然分からないわあの人は

 

「…ねぇ、もしかして迷惑だった?それなら私帰るけど」

 

「いや別に迷惑って言うのじゃなくて…分かったわ、よろしく」

 

「っ!?いいの!!ありがとー!」

 

「ちょっ…近い…っ」

 

なんかレーテと会ってから数分しか経ってないのに振り回されてばっかりなんだけど…これから先がおもいやられるかも

 

まぁ、たまにはこういうのもありかもしれないけど

 

…いやでもちょっとやっぱ面倒くさいかな







マジで投稿遅れてすんません、アイデアが浮かばなかったんです…

オリキャラの設定は近々別のところで改めて投稿します

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