ソードアート・オンライン 憂きし心のメヌエット   作:あらびきバナナ

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月夜のまどろみ

 

 

「スイッチ!」

 

「はいよっっと!」

 

ギャャャャャャッッ!!??

 

けたたましい叫び声と共に敵が弾け飛ぶ…今日既に何回もやったことだから特に感慨もなければ嬉しさもない。むしろ目的はこいつが落とす…

 

「って、またないのね」

 

「えぇーまたぁ」

 

レアドロップ品なんだけど、今回も落ちなかった。はぁ…まぁ確率は5%ぐらいだから仕方ないことなんだけどね

 

6月に入りゲーム内なのに何故か梅雨があるせいで最近は雨の日が続いてる。だけど悪いことばかりじゃない、雨の日限定の敵や雨の時しか落ちないアイテムもいくつかあるから私として嬉しいとこある

 

「うぅ、服がびしゃびしゃだよぉ…気持ち悪い…」

 

「なら着替えれば?1度ストレージに装備入れたら乾くからそれを繰り返せば多少気持ちは楽になるわよ」

 

「そんな予備の装備なんてないよぉ…」

 

あら残念、いいライフハックなんだけど…ん?そういえばこの前作った装備にレーテに似合いそうなのが

 

「…それなら私が装備あげようか?」

 

「えっ!?いいの!!」

 

「5万コルね」

 

「え゛っ…」

 

「冗談よ、ほら早く着替えて次行くわよ」

 

「助かるわぁ…神様、仏様、ミト様ぁ…」

 

「はいはい…」

 

レーテに装備を送るついでに私も装備を着替える、プリセットにあるからボタンひとつで着替え完了。レーテは一つ一つ着替えてるせいで手間取ってるけど

 

「よーし、準備おっけー!さぁ次行こー!」

 

「さっきまで落ち込んでた貴女はどこに行ったのか…」

 

この娘の調子の振れ幅がすごいのは今に始まったことじゃないんだけど…

 

「そういえばミトちゃん、最近サチちゃんたちのギルド手伝ってたよね」

 

「えぇ、なんかギルドハウスを購入したいって言うから楽な金策を教えたり効率のいいレベリングを教えたりね」

 

「そっかぁ、そっかぁ…ミトちゃんもだいぶ丸くなったね!」

 

「どういう意味よ?」

 

「いやだって、会ったばかりの頃のミトちゃんだったらそうやって他の人に率先して何かを教えるなんてなかったじゃん。多分」

 

「そこは断定しなさいよ…まぁ否定はしないけど」

 

まぁサチ達…というかレーテと関わるようになってから心にほんの少しばかり余裕が出来た気がする。でもそれを言うとこの娘調子に乗るから絶対価値には出さないけど

 

まぁもう少し付き合いが長引いたらそう言うことを言ってあげてもいいかもね

 

あ、敵いた

 

「ほら、次の標的も出てきたしお話は終わりね」

 

「おっけー!張り切っていこー!」

 

「どんだけ元気なのよ…まったく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「寒いよぉ、お風呂先貰うねミトちゃん」

 

「どうぞ、私は荷物の整理とかしておくから」

 

ある程度素材も集まったから帰ってきた、部屋にそのまま転がり込んできたレーテはお風呂。その間に私はドロップした素材整理したりしよう

 

今日の釣果は…正直イマイチね。倒した数に対してレアドロップの数が少なすぎる

 

他のゲームみたいにドロップ率増加のポーションとかあればいいのに…それこそ作れないのかしら。もしそういうのがあるならそのスキルを取るのも面白そう

 

「ん、これは…レア武器かな」

 

フランベルジュって…確かあのうねってる感じの武器よね

 

「っと、そんな重くはないわね…というか軽い」

 

重さ的には重めの片手剣って感じかしら…振り感は悪くないわね。火力こそドロップ武器にして微妙だけど特殊効果にある確率で持続ダメージ発生ってのは魅力かもね

 

まぁ私は使えないけど。それこそレーテなら使えるかもね

 

とりあえず閉まっておこう、あげるにしてもなんにしても

 

他にめぼしいものは…なさそうね

 

そしたらいらないものをハウスストレージにぶち込んでおこう、ストレージのゆとりは心のゆとりってね…テンションおかしいわね私、お風呂入ったらさっさと寝ましょ

 

「ふぃー温まったー!ミトちゃんお風呂ありがとー」

 

「どういたしまして…私もお風呂入るけど、まだいる?」

 

「うん、ちょっと休んでから帰るからもうちょっとお邪魔するねー」

 

「そう、あんま散らかさないでよ」

 

「そんな事しないってー」

 

ガチャッ

 

さてとお風呂ー…ってなんで私はあの娘がいることを普通に許してるのよ…はぁ、慣れって恐ろしいわね。ここ数日素材集めに付き合ってもらっちゃったせいでこういう生活が当たり前になりつつある

 

なんでこんなことになったんだか…

 

「あっ…ふぅー、しみる〜」

 

冷たい雨風に晒されてたから暖かいお湯がなおのこと優しく感じる…そのせいで変な声出ちゃったし

 

そういえばこうしてお風呂に浸かるようになったのも最近な気がする…悔しいけどやっぱりあの娘に会ってから何となくこころにゆとりができた気がする

 

ピコン ピコン

 

「メッセ…サチから?こんな時間になによ…」

 

えっとなになに…『こんばんわミトさん、夜遅くにすみません。明日なんですけどみんなでダンジョンに行こうってことになったんですけど、良かったら一緒に行きませんか?お昼頃に出発すると思うので返事は朝になっても大丈夫です』

 

ダンジョンか…そういえば攻略にも顔を出さなくなってから久しいなぁ。25層以来だっけ…どうしようかな、別にサチ達のために時間を割くのは嫌じゃないけど…うーん

 

…素材集めって名目なら別に不自然じゃないわよね、そんな感じで返信しておこう。うん

 

「…こんなんじゃ、黒いののこと強く言えないじゃない…」

 

何が生半可な気持ちで人に関わるなよ、私もやってるじゃない…ほんと

 

「バカみたい…ブクブク」

 

拗ねたように水面で泡を立ててみた…小さい頃何度もやった遊びだけど、今思うと何が楽しかったのかしら

 

さてと、そろそろ上がろう…お湯に浸かるだけでシャンプーもして身体も洗ったようになるのは便利な世界ね。現実もそうなればいいのに、面倒だから

 

ガチャッ

 

「あ、ミトちゃんおかえりー」

 

「えぇ、ただいま」

 

ドアを開けた勢いのままベットにダイブ…あー、結構眠いかも……あ、そうだ

 

「ねぇレーテ、さっきドロップ品整理してた時にあったんだけど…この武器いる?」

 

「えっ、ミトちゃんからのプレゼント!?というか昼間に貰ったこの防具もそうだよね!!今日なんかの記念日だっけ?」

 

「そんなんじゃないわよ、だいたい日頃手伝ってもらってるんだし。このくらい当然でしょ」

 

「あー嬉しすぎる…生きてて良かった…」

 

「大袈裟よ、でいるの?」

 

「もちろんいただきます!」

 

私から受け取った武器を手にしてはしゃぐレーテ…ほんと、そういうところは子供ね

 

「あとさ、明日サチたちとダンジョン行くんだけど一緒にどう?」

 

「ごめん!明日はアルゴのところでお仕事受けちゃってるんだ!だから行けないや…決してミトちゃんが嫌いとかそういうのじゃないからね!けっして!」

 

「誰もそんなこと聞いてないんだけど…まあそれならいいわ」

 

いつも予定が合うなんてこともないからこういう日もあるわよね、決して私と断られて悲しいなんてことないから、全然

 

「じゃあ私そろそろ帰るね、またなんかあったら連絡してね!バイバーイ!」

 

「えぇ、さようなら」

 

ガチャン

 

あー、もう限界…でもサチに返信しないと…でも眠い。寝よう、うん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁ…朝ね」

 

時間は…7時か、それなりに早いけどまぁいいや

 

えっと結局サチにメッセ返してないから早めに『行く』って返事しておかないと

 

「とりあえずご飯食べよ」

 

買っておいたパンに…この前のクエスト報酬のジャムー…んー、甘くて美味しい…今度また暇があったら取りに行こうかな

 

「あむ…ご馳走様」

 

さてと、どっちにしろお昼まではすることないから防具制作でもしてましょ…たまには鉄製防具でも作ろう

 

鉱石を炉に入れて…赤くなったら取り出して、型に流し込んで…ここが少しだけ大変なのよね。流し込みの上手さが出来の良さを左右すると言っても過言では無いもの

 

「…っ、よし」

 

多分上手くいったはず…あとは冷却剤をかけてヤスリで磨けば完成…

 

ピコン ピコン…あら、サチからかな

 

『分かりました!じゃあ12時頃に27層の転移門前で会いましょう!』

 

27層…まぁ今の進捗なら中層当たりだし妥当ね。あれ?でもあそこのダンジョンって鍵開けスキルのレベリング場所だったような…トラップとか多いけど大丈夫なの?

 

まぁキリトもいるしその辺は周知してあるでしょうし、大丈夫よね。まぁ最悪の場合があったも転移結晶があるし、どうにかなるでしょ多分

 

そうこう考えてるうちに防ぐ完成っと、完成品のステータスはどうかなぁ…打撃割合軽減に防御プラスか、普通ね。なんならマイナス値にアジリティあるからちょっと酷いくらい

 

まぁまだ鉄防具は数こなしてないし、こんなものでしょ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数時間、作業してたら約束の時間が近づいてたから少し早めに約束してた場所に来た。ちょっと早く来ちゃったからまだみんなはいなかったけど

 

はぁ…人が多い…

 

「あ…」

 

「ん?…なんだあんたか」

 

「なんかすまん…」

 

だから来たと思ったら、キリトだった。ギルドの他のメンバーはどうしたんだろ、まぁいないってことは別行動取ってたかなにかだろうしわざわざ聞かなくてもいいや

 

でもこいつもここに来るってことはサチ達とすぐ来るだろうし今のうちにポーションとか結晶の確認しておこうっと、すぐ取り出せるようにポーチに何個か入れておかないと

 

「キリトー!ミトさーん!」

 

「よっサチ、朝ぶり」

 

「こんにちはサチ。先週ぶりよね?」

 

「はい、そうですね!今日はよろしくお願いします!」

 

「えぇ、それはいいけど…」

 

なんだろう、この違和感。キリトとサチから溢れるこの、幸せそうなオーラは…まさか私の知らないうちにそういう関係に!?ケイタ達もなんかニヤニヤしてるし

 

嘘でしょ…この男、アスナだけでは飽き足らずサチにまで手を出すなんて…まぁ実際アスナとどういう関係だったか知らないから一概には言えないけど

 

まぁ私には関係ないし別にいいけど

 

「じゃあミトさんとも合流出来たし、俺行ってくるわ!」

 

「え、ケイタどっか行くの?」

 

「あぁ、ちょうど目標金額が溜まったから俺は家を買いに」

 

「で、その間に俺らはダンジョンに潜って家具とか買うための素材とかお金を集めようってのが今日の目標です!」

 

「そうだったのね」

 

まぁあのダンジョンなら換金アイテムとか多いしその目的には適してるかもね、それなりにトラップ対策はしてるだろうし

 

「じゃあ、早く行きましょ。日が暮れたら面倒な敵も出てくるだろうし」

 

「あぁ、そうだな。早めに出発しようぜ」

 

私の意見に賛同してくるキリト、そしてそれを羨望の眼差しで見てるサチ。え?これから数時間この空気感に付き合わされるの?まぁまぁキツイんだけど

 

 





ちょっと短いよね

大丈夫、次回めっちゃ重いから(色んな意味で)
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