ソードアート・オンライン 憂きし心のメヌエット   作:あらびきバナナ

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希望の歌を

 

7月になった、梅雨の雨はどこへやら、すっかりと晴れた日々が続く

 

あともうひとつこの最近で変わったことがある、それは…

 

「ミトちゃーん!朝ごはんできたよー!」

 

「えぇ、ありがとう…」

 

レーテが私と同じ部屋で過ごすことになったことだ

 

あの日の私は確かに気は動転してた、今にも押しつぶされそうな程に。そんな時に支えてくれると言われれば…それは乗っかるわよ

 

でも、こんなに色々しろとは頼んでないんだけど!!朝ごはんどころか3食全部レーテが作ってるし、しかもこれが美味しいからまた悔しいのよ…

 

なんでこんなに美味しいのか聞いてみたら、親御さんが出張などでよく家を留守にすることが多くて弟のために作ってたらしい…弟いたのね、レーテって

 

それはまぁとりあえず置いておくとして…今日こそは言うぞ、もう充分だって

 

「…ふぅ、あのさレーテ」

 

「なにミトちゃん?あ、もしかしてだけど口に合わなかった!?」

 

「そうじゃなくて…もう私は大丈夫だからさ、その…もうこういうの辞めない?あなたにも迷惑でしょ?」

 

「全然?むしろ楽しいよ!ミトちゃんと毎日同じ部屋で生活出来るのは」

 

「えぇ…」

 

手強いわね…

 

「それにさ…ミトちゃんは嫌?私といるの?」

 

「別に嫌ってわけじゃ…」

 

「ならいいじゃん、今のままで。こんなの長いお泊まり会みたいなものなんだしね…あ、でも嫌になったら言ってね、泣いてでもすがりつくから」

 

「離れてはくれないのね」

 

「当たり前だよ!こんなに可愛い子をみすみす手放すなんて私はしないよ!」

 

はぁ…もう無理だ諦めよう。私はこの娘には勝てない、それをこの数週間で痛感したわ。底抜けの明るさに、天性の包容力…それに直感で何でもかんでも決めてしまう決断力と実行力

 

ほんとに私とは真逆ね…でもそれなのにこの娘といても居心地が悪くないのはなんでなのかしらね

 

「よしっお話も終わったし早くご飯食べて今日は街に出掛けよー!」

 

「それはいいけど…なにか目的が?」

 

「別に?でもたまにはゆっくり過ごさないと…疲れちゃうよ」

 

「この数週間ほぼそんな感じだった気がするんだけど…まぁいいわ。でも明日からは平常運転に戻るからね…バザーも先月はサボっちゃったんだから」

 

「分かってるって!それより早く食べよ!いただきまーす!」

 

「…いただきます」

 

ほんと敵わないな…あ、このお肉美味しい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お昼になったから街に出てきた。今日はなにかあるのか普段より賑やかな気がする…というか

 

「ねぇレーテ、腕を組まないでくれる?」

 

「えー!いいじゃーん、それに人が多いからはぐれちゃったら大変だよ!」

 

「子供扱いしないで欲しいんだけど…」

 

まぁ確かに私の方が身長は低いけど…少なくとも子供扱いされるほど年齢は離れてないはずだ。というか離れてたら驚く

 

「あ!あれユナちゃんじゃない?おーいユナちゃーん!」

 

「ちょっ!はぐれたら大変とか言いながら自分から走り出さないでよ!!」

 

「ん?おっ、ミトさんにレーテさん久しぶり〜!」

 

「えぇ久しぶりね」

 

最後にあったのは…4月のバザー以来かも。ちょくちょく連絡をとってはいたからそんなに久しぶりという感じもしないけど

 

ふとユナの胸元を見るとあの時売ったアクセサリーが…良かった付けててくれたんだ。そういえばその時にいた男の人…ノーチラスとか言ってたっけ?あの人は居ないのね

 

「そうだ!2人に手伝って貰いたいことがあるんだけど、予定大丈夫?」

 

「大丈夫だよ!私たちなんでも手伝うよ!」

 

「ちょ、勝手に決めないでよ…まぁ断らないけど」

 

「本当!?助かるなぁ、そしたらさっそくこの後のライブにみんなが来てくれるよう声掛け一緒によろしく〜!」

 

こ、声掛け…私あんまり大きな声出すの得意じゃないんだけどなぁ…でも引き受けちゃったからにはやるしかないよね

 

それから30分くらいひたすら声掛けを続けた、大きな声を出すのがそもそも久しぶりだからなんか疲れちゃった

 

「…ユナは毎日こんなことしてるの?」

 

「もちろんっ!私の歌を聴いて1人でも多くの人に元気になって欲しいからね!」

 

「なんて言うか…すごいわね、貴女」

 

「全然そんなことないよ!だってミトさんみたいに前線で戦ってくれる人がいるから私達も毎日をこうして希望を持って生きれるんだもん!つまり私達は勇気を与えあってるわけだよ!」

 

「勇気を…」

 

考えたこと無かった…前線で戦うことでそんなことが出来てるなんて。正直今まで…と言ってもボス戦に参加したのは数える程しかないけど、でもその時私がボス戦に参加していたのは自己満足がほとんどだった…罪滅ぼしもちょっとはあったけど

 

でもそっか、無駄じゃなかったんだ…私がやってたことって

 

ピコン ピコン

 

ん?メッセ?アルゴから…?

 

「ごめんなさいちょっと連絡取ってくるわね」

 

「はいはーい!」

 

「いってらっしゃーい、ミトちゃん!」

 

最近なにかお願いした記憶が無いんだけど…そうなると例の件かしら?えっと…

 

『PK集団のメンバーだと思われるヤツらの動きを掴んだ、そこで仕事を依頼したいんダガ。空いてる時間を教えてくれないカ?』

 

ついに来たわね…PK集団。何を企んでるのか知らないけど、アスナに仇をなす可能性がある以上放っては置けないのよ

 

時間か…今日の夜なら確実だしそこにしてもらおう

 

さてと、そろそろ2人のところに戻ろうかな。あれ…?

 

「ねぇレーテ、ユナはどこに行ったの?」

 

「あ!ミトちゃんおかえり!なんかお客さんが沢山集まっちゃったからもうライブやるんだって!見に行こうよ!」

 

「それは別にいいけど…そんなに集まったのね」

 

まぁ確かにユナの歌は上手いけど…たまたま通りかかった人たちを集客できるほどだったなんて。いやこれは失礼ね

 

とにかく夜のこともあるし早くなることに越したことはない

 

「じゃあいきましょうか」

 

「うんっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後私達は存分にユナの歌を堪能した…前に聴いた時は現実にもある歌を歌ってたけど、今日はオリジナルの曲も歌ってた。歌だけじゃなくて作詞の才能もあるのね

 

歌かぁ…学校の合唱とかだと歌ったことはあるけど、カラオケとか行ったことないのよね…というかそんなことしようだなんて考えたこともなかった

 

「…〜♪」

 

「機嫌良さそうだナァ、ミーちゃん」

 

「ひゃっ!?…なんだアルゴか、脅かさないでよ」

 

「なんだとはご挨拶だなァ…まぁそれはいいか。よっミーちゃんちゃんと対面で会うのは久しぶりダナ」

 

「そうね…この前のバザーはごめんなさい」

 

「別にいいってことヨ、そもそも必須参加じゃないしナ」

 

日常会話もそこそこに…さっさと本題に入ろうと思う

 

「それで…どんな仕事なの?」

 

「…尾行と盗み聞きって所ダナ、ミーちゃんその辺のスキルは取ってるカ?」

 

「まぁ最低限は」

 

「そっか、それならこの装備を貸してやる」

 

そう言ってアルゴから渡されたのは…見た目はただのロングコートよね?なにか特殊効果が…隠密強化と聴覚上昇…なるほど

 

「あ、もちろんそのコートもタダじゃない。ボスドロップの一点物だから大事に使ってくれヨ」

 

「わかった、それで誰を尾行すればいいの?」

 

「んー…その前にちょっと移動しようか、虫がいるみたいだ」

 

「虫…?」

 

そんなのどこにも…?あれ、アルゴが指さしてる…何人か人がいるわね…まさか、PK集団!?

 

「…そうね、近くの宿屋にしましょうか」

 

「そうだナ、日も暮れそうだし急ごうか」

 

それからはとにかく駆け足で移動、最寄りの宿屋を急いで契約して直ぐに室内に…それと同時に、やばい事に首を突っ込んでる実感がようやく湧いてきた

 

私がやろうとしてることは危険なこと…そんなことは分かってる…でもやらなきゃ、あの娘を守るためだもの

 

「ふぅ…それで続きは?」

 

「そうだったな…ほら記憶結晶ダ」

 

「ありがとう」

 

記憶結晶、名前の通り写真や短い動画を撮るためのアイテム。ベータの時はクリップ動画用なんて言われてたけど今となっては情報戦の要と言っても過言じゃない代物ね

 

結晶に触れたら写真が浮かび上がってきた…フードを被った男ね、チェーン装備の

 

「そいつの名前はモルテ…俺っちの情報が正しかったらPK集団が噂されるようになった初期から活動してる古株だな」

 

「こいつを尾行するのね…」

 

「そうだ、普段ならオイラがやるんだが…今回ばかりは相手が相手だからな、もしもの事を踏まえて戦闘面でオレっちより優れてるミーちゃん頼むことになったんダヨ。もちろん遠くから見守ってるから最悪の事態にはならないよう、つとめるつもりだ…どうダ?」

 

武器や装備からして中層以上の腕前なのは確実…片手剣のみ、盾はなしチェーン装備だから斬撃は効かないと考えた方が良さそうね…鎖鎌をつかった方がいいか

 

確かに危険だ…でもやらなきゃ。アスナのためもあるけど…今日ユナが言ってたみたいに攻略が進むことで勇気を貰えてる人達がいるんだ

 

その攻略を滞らせようとするような奴ら、PK集団…何がなんでも止めないと

 

「…やるわ、いつどこに行けばいいの?」

 

「そうか…明後日の深夜、3層の森…って言えば分かるカ?」

 

「あぁ…あそこ」

 

アスナとデュエルした場所…あそこなら人も少ないし密会をするにはうってつけだものね。それにあそこのことなら私は熟知してるつもりだし、好都合ね

 

「わかった、それだけ?」

 

「あぁ今はそんなとこダナ、録音用のアイテムとかは当日の作戦決行前に渡すよ。ミーちゃんはオレっちが来るまでいつもの宿でゆっくりしててくれればイイ」

 

「分かった…それなら結晶使って帰りましょうか」

 

「ダナ、出口にスタンバられてたらたまったもんじゃないからナ…はぁ面倒ダナァ」

 

「ごめんなさい巻き込んじゃって」

 

「いいってことよ、オレっちもあいつらは好きになれないからナ。じゃミーちゃん当日よろしく!」

 

「えぇ、さようなら」

 

お互いに結晶を掲げ転移先を答える、すると次の瞬間には隣にアルゴの姿はなくいつもの部屋にいた

 

「〜〜♪ってうわぁっ!?ミトちゃんいつの前に!!」

 

「ただいまレーテ、ちょっと立て込んでたから一気に帰ってきちゃった」

 

「そっか、お疲れ様」

 

「えぇ」

 

さてと…明後日、忙しくなりそうね

 

 






連続投稿最終日

すごく頑張ったから感想ちょうだい、あと評価もして行って、それから宣伝も

全部やって欲しい(強欲)


さてと、連続投稿した分の手直しもしなきゃな(泣)
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