ソードアート・オンライン 憂きし心のメヌエット   作:あらびきバナナ

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運命の別れ道

2022年11月18日、10時37分

 

次の街、トールバーナに向かうために歩みを進める

 

途中には初心者殺しなマップ、ホルカンの森がある。って、そういえばアスナにここの説明するの忘れてた

 

今のうちにしておこうかな

 

「わっ!?」

 

「っと、もう。足元に気を付けなさい」

 

「えへへごめん」

 

「まったく…いい?ここから先は足元だけじゃなくてある敵にも気を付けてね」

 

「敵?」

 

「えぇ、リトルネペントっていう奴よ」

 

「ネペント?ネペンテスならウツボカズラのことだよね」

 

「えぇ、ウツボカズラがモチーフのモンスターね。そいつなんだけどたまに赤い実が付いてるやつがいるんだけどそれは絶対に攻撃しちゃダメ」

 

「なんで?」

 

「そいつらを攻撃すると他のネペント達が大量にポップしてたちまち逃げ道が塞がれちゃうのよ」

 

今思えば懐かしい、ベータ開始1週間くらいのことだったかな。何も知らなかった私はホルモンに突っ込んでネペントに囲まれ赤い実付きを攻撃して…死んだ

 

今思えばその時に知っておけてよかった、じゃなかったら。今回死ぬことになってたかもだし

 

死んで学ぶ、っていうRPGの常套句が使えない以上情報は命と同等、いやそれ以上かも

 

「とにかくこれだけは注意してね、いい?」

 

「うん、分かった!!それにミトがいるし、きっと大丈夫だよね!!」

 

はぁ、本当に分かってるのかなぁ。まぁ何が起きたとしてもアスナは私が守るけど

 

…なんか、すごい嫌な予感がする。とてつもなく嫌な感じが…これまでに1度も感じたことのないような

 

いやいや、勘なんて当てにしちゃダメ。常に理性的に、落ち着いて対処すればきっと上手くいく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森に入ってはや30分、特に危なげもなく戦闘をこなしている

 

「はぁっ!!」

 

「やあぁぁ!!」

 

「…そっちは大丈夫?アスナ」

 

「うん、ミトは?」

 

「大丈夫…ん?」

 

あそこにいるのって…スプリー・シュルーマン!?えっ、初めて見るんだけど!!しかも1層でとか超レアじゃん!!

 

それにあいつって確か、ウィンドフルーレを落としたような…それをアスナに渡せば…

 

「どうしたのミト、なにかあった?」

 

「あっ、えっと…向こうにこの層じゃ滅多に出ないレアモンスターがいるから倒しておきたいんだけど、ここ任せて大丈夫?」

 

「…うん、分かった。気を付けてね!!」

 

「わかったわ!!」

 

よしっ、そしたらさっさと倒して戻らないとね

 

確かあいつは索敵能力が馬鹿みたいに高いからこっそり近付いて

 

「よっ!!」

 

ちっ、はずれたか。もう少し慎重に近付いて…

 

「はぁ!!」

 

あーもう!!またはずれた!!こうなったら次はソードスキルを使ってやる…

 

「ふぅ…はぁぁ!!はぁぁぁ!!はあぁぁぁ!!」

 

ホントなら連撃系のソードスキルを使いたいけど、今の熟練度だと使えないから、モアーとフェラーを無理やり6回つないでそれっぽくやってみる

 

きゅうぅぅぅ…!!

 

よしっ、倒した!!さてとドロップしたかなー…やった、ちゃんとウィンドフルーレ、ドロップしてるじゃん!!

 

あれ、あともうひとつ手に入ってる…ローブ?補正値は…あ、STG値補正がまぁまぁあるな、でも今の装備だと重量的に限界だしとりあえずとっとこ

 

さてシュルーマンも倒したことだしアスナの方に戻らないと

 

「アスナ、戻ったよ」

 

「あ!!おかえり!!」

 

「えぇ、それじゃあそろそろ街に向かって…」

 

あれアスナの構えてる方向にいるやつ実が…!?

 

「アスナ!!止まって!!」

 

「えっ!?ちょちょちょ!!うわぁぁ!?」

 

注意が遅かったか…アスナの放ったリニアーが実付きのネペントに直撃しちゃった

 

ちっ、あまりにも敵が多すぎる!!

 

「アスナ踏ん張って!!どうにかするから!!」

 

「わ、分かった!!」

 

とは言ったもののどうしたらいいのか全然分かんない

 

とりあえず確実に一体ずつ倒していくしかない…っ!!

 

「はっ!!…おらっ!!…せりゃ!!」

 

くっ、やっぱり数が多すぎる…一体どうしたら

 

「ぐっ…くそ…離せっ!!」

 

触手で首まで締めてきやがって…殺意が高すぎる!!

 

落ち着いて、落ち着いて。とにかく落ち着いて一旦距離を取ろう

 

ツルッ

 

「えっ…」

 

まずい!?足場が!!

 

…アスナ…ごめん…

 

「ミト!?…くっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…うっ」

 

あれ…生きてる…よくこんな高い崖を落ちて生きてるな…

 

ってアスナを助けに行かなきゃ!!ここを登れば…!!

 

「きゃっ!?」

 

くっ…なんでまた足場が崩れるのよ!!急いでるのに!!

 

アスナの体力は…まだ余裕ある、落ち着かなきゃ…とりあえずこの足場は危なかった記憶があるからあっち側から迂回しよう

 

「ここまで来てる…」

 

さっきのネペントが下まで降りてきて上までの道が塞がってる…余裕なんてのに!?

 

ポーションの量も残り少ないし…極力被弾しないようにして…行くしかないっ!!アスナを守るために!!

 

「おりゃ!!せりゃー!!」

 

…きついなぁ。残りの体力的に本格的にまずい…でも、やるしかないっ

 

「これで、最後っ!!」

 

はぁ…あとはこの坂を登れば、アスナが…いる

 

え…なんで

 

「こんなに…いるの」

 

あんなに倒したのに、なんでこんなに

 

あっ、アスナのHPが…助けなきゃ…でも敵が…

 

いや!!もう見たくないっ!!!!

 

…あぁ、もう無理

 

ごめんね

 

アスナ

 

約束

 

 

 

守れない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

守れなかった…

 

守るって言ったのに、絶対に死なせないって言ったのに

 

あんなに、仲良くしてくれたのに

 

『ミトが誘ってくれなかったらこのゲームをやろうなんて思わなかったんだから。だから私もありがと』

 

あんなに、信頼して貰ったのに

 

『…それにミトがいるし、きっと大丈夫だよね!!』

 

わたしが、あすなを…ころした?

 

わたしが、あすなを、ころした

 

あぁああぁぁぁああああぁぁぁー!!!!!!…ぁ…」

 

わたしがあすなをころした

 

はは…ほんと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最悪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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