??「まぁ、最後に勝つのはこの俺だ」
赤いタキシード姿の男が何処かから出てくる
神楽「ちょっ、誰お前!引っ込んでろよ!」
??「?これはデザグラじゃないのか?」
八狐「デザグラ?なにそれ?まぁ、そんなのどうでもいいから出ていって!」
神楽と八狐は男をページの外に放り出す
神楽&八狐「さぁ、「ここからが、ハイライトだ!」いや違うから!すっこんでろ(て)って!」
さっきの男がまた現れ、八狐はその男を追い出そうと押し出している
神楽「んん(咳払い)!さぁ、物語の始まり始まり!」
上泉萬屋兼探偵事務所 リビングルーム______
神楽「そろそろ戦技競技会の日が来るな」
神楽がソファーの上に寝転がりながら、ボソッと呟く
八狐「戦技競技会って百合ヶ丘のリリィ達が実力を競い合うっていうあの?」
洗濯物を入れ終えた八狐がソファーの前に座る
神楽「ああ、俺も何か出なきゃいけないんだが、どうしたモンかな~」
神楽は天井を見てボケーとしてる
八狐「まぁ、いいんじゃない?力試しも出来るし」
神楽「だな。けど.....そんなことよりも......」
八狐「ん?そっちじゃないんだ。じゃあ___」
神楽「結梨のこと」
八狐「..........でしょうね、どう考えても変だよ。記憶は愚か、自分の名前すら分かんないなんて」
そう、神楽は一つ気掛かりなことがあった。それは結梨のことだ
神楽(...........あいつが正式に百合ヶ丘のリリィになったとしても、ゲヘナとか政府の連中が黙って見てる訳がない........それに.....)
神楽はスパイダーフォンが言ってたことを思い出す
スパイダー「何か海で見つけた子みたいなんだが、何か繭のようなものに入ってたらしいぞ?」
神楽「遭難して、外に放り出されてるならまだしも、スパ太郎の話だと、繭のようなものの中にいたっつーからな.........」
八狐「うん、あの子見た目も雰囲気も普通の人間だし、何とも言えないよね」
神楽(!もしかしたら、結梨は.........!)
神楽は勢いをつけてソファーから起き上がる
八狐「?何か思いついた?」
神楽「ああ、ちょっとした仮説が浮かんだ」
八狐「!聞かせてよ、それ」
神楽「それは____________」
神楽は八狐にその仮説をこれまでの会話で得たことを根拠にしながら説明した
八狐「なるほど...........確かにそれなら辻褄が合うね。手を打たないと結梨ちゃんが危ないけど、今動き出すのは止めとくべきだよ。相手が動くのを待つべきだと思う」
八狐は神楽の考えを肯定した、そして神楽に助言をする
神楽「ああ、けど裏で動くことは出来るだろ?二手三手先に打った方が先の未来に繋がる」
八狐「うん。あっ、あと保険は一応残しておくべきだよ」
神楽「端からそのつもりだっつーの。借りは作りたくないけど、あの人に協力してもらうか。つか、俺よりあっちの方が俺に借りがあるし」
_____________________
それから数日経ち______
百合ヶ丘の戦技競技会の日が訪れた
グラウンド____________
神楽(ついにこの日が来たか...........)
神楽は百合ヶ丘の周りに予めドローンのカメラを狂わせる結界と、罠を手当たり次第に仕掛ける
神楽(まぁ、幾ら完璧に罠を仕掛けたとしても、多少のボロは出る。それで結梨のことが露見した時は........)
神楽の目には静かに赤いオーラが疼いていた
神楽(まぁ、それはそれ、これはこれだ。今は、目の前のことに集中しよう)
神楽は階段から立ち上がり、一柳隊の皆の所に向かった
____________
理事長代行と生徒会三役がテントで話をしていた
咬月「さて、本日の客人は?」
史房「十五名が敷地に侵入しています。また、ドローンが三機ほど」
咬月「素性は?」
史房「偽装していますが、大半が国内外の政府系組織です。中にはCHARM メーカー、反政府組織や、自然保護団体と思われる者も。まだ分析中ですが、興味の対象は一柳結梨で間違いないようです」
眞悠理「此方は何を探ります?」
生徒会長の一角、ジーグルーネである内田眞悠理が咬月に聞く
咬月「情報の量を徹底的に。通信の量とその行き先じゃ」
眞悠理「挑発行為があった場合は?」
咬月「出歯亀が分を越えた場合の対処は君ら、または神楽くんと八狐くんに頼もう」
咬月(とはいえ、もう既に神楽くんが手を打ってくれているかもしれぬが)
史房「はい、結梨さんには指一本触れさせません」
史房はキリッ、と理事長代行に言ったあと
史房(出歯亀って何?)
ジェネレーションギャップがもろに出てきた
※出歯亀とは覗き見の常習者のことらしい
_____________________
二水「まずはクラス対抗戦ですね!私達一年椿組は、二人一組で技を競い合います!」
楓「うふふ、お邪魔虫が入らないここならば、無防備な梨璃さんは私の思うがままですわ~!」
楓を梨璃の手を掴もうとしたが、楓が掴んだ手は、結梨のものだった
結梨「ん?」
楓「え?何故結梨さんがここに?」
結梨「私も椿組だから」
楓「何ですって!?」
梨璃「編入されてもう一週間は経ってるよ?」
楓「お邪魔虫二号..........」
神琳「先生の話を聞いてないんですか?」
楓「生憎都合の悪いことは記憶に残さない質なので~」
八狐「うわっ、質悪い.........」
鶴紗「ポンコツか」
神楽「人の話くらいは聞け」
神楽と八狐は引き、鶴紗は呆れていた
そして暫くして、競技が始まる
梨璃「昨日練習した通り、いい?」
結梨「うん」
梨璃がグングニルで円を描き、その上に結梨は乗って空を飛び、円盤を取ろうとしたが、
広夢「頂き!」
と神楽が所属しているローエングリンのメンバーの一人、妹島広夢に取られてしまう
神楽「へぇ、やるじゃねぇか」
神楽は結梨の動きを見て、感心する
広夢「初めまして!初心者にしてはセンスがいいのね!」
結梨「う~!」
結梨は頬を膨らませて悔しそうな顔をする
梨璃「やったね結梨ちゃん!」
結梨「出来なかった~!」
梨璃「そんなことないよ、すごいすごい!」
結梨の手を握って褒める梨璃
神楽「ドンマイ、結梨」
神楽は結梨の頭に手を置き、撫でる
楓「き~っですわ!」
すると、神楽の耳に何か音が聞こえてくる
神楽「...........!梨璃さん、悪い。ちょっとトイレ行ってくるわ」
梨璃「あっ、はい!」
神楽は梨璃達と離れるとあまり人気のない場所に向かう
_____________________
競技をしている最中_________
??一「人が空を飛んでる.......?」
??二「ヒュージと生身で戦う連中だ。そのくらいするさ」
鉄骨の上で作業着を着て変装した男達が、望遠鏡で結梨のことを見ていた
??「リリィならあのくらい出来るよ、マギの力を操ってるからね」
??一「やはりリリィも人類の敵になりかねない、ということか........」
??「それは違うと思うよ?」
??二「いやしかし.........ん?今声が三人、しかも女の声が........」
男達は望遠鏡から目を離し、周りを見る
そして横に気配を感じてそこに目線を移すとそこには、
八狐「人を偏見で判断するのは良くないよ。それ以前に女子校覗いているのはもっといただけないけど」
八狐が空中に立っていた
??一「うわっ!?誰だお前!」
八狐「悪いけどそれこっちの台詞。垣間見(覗き見)っていうのは平安時代とかは恋愛とかのあれで当たり前だったけど、今だと犯罪だってこと、知ってるよね?」
??二「なっ............!」
八狐「悪いけど、おじさん方には寝ててもらうよ」
八狐はお札を取り出し、赤い光でできた五芒星を描く
八狐「人の心は、今眠りに誘われる。三狐陰陽術第拾壱術、夢幻の子守唄」
お札は粒子になると、男達の方に向かい、体に纏わりつく
??一「な、なん........だ.......?」
??二「急に.......眠.....気......が......」
男二人はいきなり強い眠気に襲われると、寝てしまう
八狐「おっも、けどしょうがないから下ろすか」
八狐は二人を抱えると、下に降りて着地する
そこに、
神楽「おお、八狐か。お疲れ様」
八狐「神楽!」
神楽が八狐の方に走って合流した
神楽「そっちは二人か。俺はここに向かう途中ドローン三機揃って撃ち落として三人気絶させて空間繋ぎで東京の方にすっ飛ばした、一応。全く、覗き見おじさんは嫌われるぜ?」
神楽は寝ている男二人にそう言う、言ったところで聞こえないからだ
すると、男達は寝たまま立ち上がると、よろめきながら何処かへ向かう
神楽「.......夢幻の子守唄を使ったのか」
八狐「うん。夢幻の子守唄は対象を眠りにつかせて、さらに何処かに移動させたければ眠らせながら移動させることも出来る能力だから。因みにこの二人でやっと十一、二人目」
神楽「ヒュージ倒す時にも、結構使える力だもんな。ほんとお前の持ってる能力全部ぶっ飛んでるよ、あとよくそんなに対処できたな」
八狐「えへへ」
神楽は八狐の力を今更ながらヤベェ、と思い苦笑いをする
神楽「この調子でとっとこ終わらせるぞ」
八狐「了解」
神楽と八狐は、手短に侵入者の処理を終えて、グラウンドに戻る
_____________________
グラウンド_________
午後になって、今度は混成レギオンによる的棒倒しが行われ、これには神楽と八狐も参加する
結梨「よし、頑張るぞ!」
梨璃「あ、私達は見学ね」
結梨は気合いをいれていたが、梨璃はそれを止める
結梨「何で?」
梨璃「個の競技は各レギオンから選抜されたリリィだけが出場するルールなんだよ」
梅「結梨、梅と代わるか?」
梅は結梨と代わろうとした
結梨「え?」
梅「習うより慣れろって言うだろ?」
梨璃「そんなのダメですよ!結梨ちゃんはまだCHARM に慣れてないですし、怪我したらどうするんですか!」
梅「へいへい」
結梨「むー」
神楽「あっ、俺達も行くからじゃあな」
__________________
神楽は的棒倒しの定位置に向かう
あっ、ちなみに的棒倒しのチーム分けはこうだ
倉又雪陽
森辰姫
吉村・Thi・梅
谷口聖
黒川・ナディ・絆奈
今川誉
北川原伊紀
白井夢結
田中壱
静家知世
石上碧乙
高須賀月詩
楓・J・ヌーベル
金箱弥宙
竹腰千華
山梨日羽梨
村上常磐
遠藤亜羅椰
伊東閑
郭神琳
田村那岐
ロザリンデ・フリーデグンデ・v・オットー
ミリアム・ヒルデガルデ・グロピウス
遠野捺輝
木古都々里
渡邉茜
八狐
上泉神楽
立原紗癒
多田紫恵楽
である
神楽と八狐が自陣の的棒に向かうとそこには、アールヴヘイムの渡邉茜、ローエングリンの立原紗癒、シュヴェルトライテの多田紫恵楽がいた
神楽「この五人が一チームって訳か」
茜「よろしくね、神楽くん、八狐ちゃん」
紗癒「神楽さんと八狐さんがお味方なのは、心強いですわ」
三人は神楽と八狐を歓迎した
紫恵楽「あっ、でも神楽達ってハンデあったわよね?」
八狐と神楽にはハンデが設けられており、二人とも武器は一つしか使えない、当然神楽は変身禁止というルールがあった
紗癒「神楽さんと八狐さんは何を使うんですか?」
八狐「私は影狐だよ、中距離程度の攻撃範囲を持つ技もあるし」
八狐は鞘に納めてある愛刀、影狐を抜く
神楽「そうだな、取り敢えず.......こいつ」
神楽はマグナムバックルを起動して、マグナムシューター40Xを召喚する
茜「マグナムシューター.........でも、それじゃ近接戦だと不利なんじゃないかしら?」
そう、基本的に銃は遠距離戦では圧倒的な強さを誇るが、近接戦だと敵に照準が上手く合わず不利に陥る、必然なことである
八狐「確かにそうなんですけど、マグナムシューターはゾンビブレイカーとかにはない力があるってこと、忘れてません?」
五人の間に沈黙が流れる
紫恵楽「そういえば、あれがあったわね」
紫恵楽は思い出した、と手を判子を押すように叩く。三人とも思い出したようだ
そう、マグナムシューターには他の武器とは違い、ホップアップアッセンブルが付いており、レイズバックルを装填することが可能でそれに応じた変則的な攻撃が可能なのである
ゴーン ゴーン
開戦の合図の鐘が鳴った
神楽「というわけで手短に布陣の内容を伝えます。前衛は茜様と紗癒さん、紫恵楽様で、八狐は中衛で、俺は的を守ります。異論はないですか?」
茜「了解!」
紗癒「任されました!」
紫恵楽「背中は任せたわよ」
神楽「はい、存分に戦ってきて下さい。八狐も中衛とは言ったが、暴れたいんだったら暴れてこい」
八狐「うん!」
八狐達四人は他の的を攻めに行く
神楽は周りを見ると、月詩と弥宙と辰姫が夢結の方に向かっていた
弥宙「私とお手合わせお願いします!夢結様!」
月詩「こんな時でもないと、構ってもらえませんから!」
辰姫「倒しちゃったらごめんなさいです!」
月詩と弥宙は味方なのでまだしも辰姫は敵チームなのに一緒に夢結に攻撃しようとする
亜羅椰「ちょっと!抜け駆けしないでよ!」
三人は亜羅椰の制止を聞かない、まぁ敵だから当たり前
依奈「こら!夢結は敬遠しなさいって言ったでしょ!」
依奈は事前に夢結と神楽は敬遠しろと言ったが言うことを聞いてないので三人に呆れてる
天葉「しょうのない子達ねー」
樟美「いいなー」
三人「いざ!!!」
三人は夢結に斬りかかるが、揃いに揃って夢結に吹き飛ばされる
夢結「もっと本気でいらっしゃい」
神楽(あーあ、やられちったな)
神楽は吹き飛ばされた三人を見て、相手が悪かったと思った
そこに、
那岐「神楽さん、暇なら相手をしていただけないかしら」
那岐が神楽の方に向かっていた
神楽「へぇ、俺とマッチアップする気ですか。那岐様」
神楽はほぅ、と目を細める
那岐「ええ、貴方とは一度もこうして戦ったことないもの」
神楽はマグナムシューター40Xを、那岐はCHARM を構える
しかし、
ロザリンデ「あら、それなら私も混ぜてもらえません?」
那岐と同じチームのロザリンデも合流してくる
さらに、私も私もと神楽と手合わせを望んでいる人が集まり、三年生と二年生の殆どが集まってきた
神楽「...........なんというか、俺のこと殺す気満々ですね」
神楽は苦笑いを浮かべながら、自分に突きつけられているCHARMの群れを見る
聖「だってこうでもしないと神楽には勝てないからね。とはいえ、これでも勝てる確率は低いし」
百合ヶ丘の恋人、こと谷口聖はCHARMを突きつけながら言う
神楽は不敵に笑みを浮かべる
神楽「人数が多ければそれはそれで盛り上がるし、全然いいっすよ。それじゃあ.........」
神楽は緋色の目に一瞬光が帯びる
神楽「どっからでも掛かってこい、相手してやる」
真剣モードになって声が少し低くなった神楽の声が響き、神楽マグナムシューター40Xにウォーターバックルを装填すると、二、三年生達に放つ
「WATER TACTICAL BLAST」
千華「!来るわよ!」
二、三年生は全員身構える
ミリアム「へへっ、迂闊じゃのう!」
壱「隙だらけよ!グロピウスさん!」
ミリアム「じゃからぁし!」
ミリアムと壱は互いのCHARMをぶつけ合い、鍔迫り合いをし、そのあとに切り結ぶ
壱「私だって本当は、夢結様や神楽にお相手して欲しいけれど、今日はあんたで我慢してあげるわ!」
壱とミリアムの立ち位置が入れ替わる
ミリアム「何の必殺!フェイズトランセンデンス!!」
ミリアムはフェイズトランセンデンスを壱の方に目掛けて発動し、火力を底上げした光線を放つ。あれを食らえば、流石の壱でも只では済まない
壱「避けてしまえば全て同じよ!」
しかし壱は紙一重で避ける
ミリアム「へっへっへ、避けてくれてありがとうなのじゃ」
壱「なっ!?」
しかし、ミリアムの狙いは壱ではなく的であり、見事に的は木っ端微塵に破壊される
そして丁度神楽も、ロザリンデをニンジャバックルを使ったタクティカルブラストで旋風を生成し、吹き飛ばした
神楽「俺の勝ち、だな」
神楽はマグナムシューター40Xを上に投げると、マグナムバックルに吸収される
聖「相変わらず........チートにも程があるって.......」
那岐「どれだけ戦術の幅があるのよ........」
二年生、三年生の(勝手にできた)合同チームの面々は肩で息をして膝をついている
八狐「お疲れ、神楽。一応総合だと私達の勝ちだよ」
紫恵楽「といっても、神楽が皆を引き付けてその隙に他の人達と戦って的を破壊しただけだけど」
神楽のチームの四人が合流する
茜「神楽くんの実力はやっぱり相変わらずね」
神楽「そりゃどうも........ん?」
何かバタッと音がして、神楽達はその方向を向くと、ミリアムが目をグルグルさせて気絶していた
紗癒「フェイズトランセンデンスの代償が現れましたわね」
そう、レアスキル、フェイズトランセンデンスは一定時間マギが無限大になり、殆どハイパームテキ状態になるのだが、その後の代償が酷く、使用後はマギが少なくなる枯渇状態になり、それに伴い防御力も下がってしまうため、戦闘死亡率が高い、諸刃の剣、という言葉に相応しいレアスキルである
神楽「亜羅椰さんみたくS級なら普通に戦える程度のマギは残るけど、今のミリアムさんはそうもいかないか」
神楽ははぁ、とため息をつく
史房「救護班!急げ!」
そして、史房の声がスピーカーから流れてきたのだった
補足・ニンジャバックルは、前のヒュージとの戦いで描写されてませんですが、お札をかざしてドリルバックルと共にゲットしました
神楽「次回、「黎明Ⅹ 戦技競技会 後編」、お楽しみに!」
神楽の上級生に対する呼び方を何にするか
-
○○様
-
〇〇先輩