アサルトリリィ ー百合ヶ丘の化け狐ー   作:三狐神

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今回は過去の掘り下げ回です、それと少し重いです。それではどうぞ!


邂逅Ⅲ 力を手にした理由

百合ヶ丘への道の途中______

 

天葉「そういえば神楽くん、さっきからずっと頭に引っ掛かってるんだけど、中学三年生で働いてるの?」

 

天葉から、質問が投げ掛けられた

 

神楽「いや、学校と両立してますよ」

 

天葉「嘘でしょ!?」

 

天葉がすごい驚いた顔をしている

 

神楽「鎌倉で萬屋と探偵事務所をやり始めたのは五ヶ月前です」

 

依奈「君...........すごいわね。あと何で萬屋と探偵事務所なの?」

 

神楽「............理由は二つあります。まず一つ目は、化けれるからです」

 

依奈「化けれる?」

 

天葉「つまりー、どういうこと?」

 

神楽「萬屋のような何でも屋は色んな職業の手伝いを依頼されればします。その時々で仕事は変わって、俺はその職業をする毎日が楽しいんです」

 

神楽は目を綺麗に輝かせながら、二人に言う

 

神楽「もう一つは............街の皆のためになりたい、っていう気持ちですね」

 

少しだけ、神楽は急に凛々しい顔になる

 

依奈「そうなのね........そういえば、その機械と小物はどこで手に入れたの?」

 

神楽「それは...............」

 

神楽は少しだけ黙ると、真剣な眼差しを二人に向ける

 

神楽「今から話すことは、狐が吐いた嘘だと思うかもしれねぇ。その話を、あんたらは信じるか?」

 

天葉「.........................」

 

依奈「.........................」

 

二人は互いを見ると、意を決した顔をした

 

依奈「分かったわ。信じる、ソラも一緒よ」

 

神楽は少し息を吸うと、

 

神楽「分かりました。話します。少し遡って六ヶ月前............」

 

 

回想_________

 

神楽side______

 

中二の秋頃 鎌倉の山の中______

 

神楽「ハァ.........ハァ..........」

 

日課で体を鍛えていた俺は、ある日山の中をランニングしていた、制服で

 

神楽「ふぅ.........ここで少し休憩するか」

 

俺は少し近くにあるベンチに腰掛けていた。けど、俺はその時、不思議な物を見たんだ

 

神楽「ん............何だあれ?」

 

俺は、ふと顔を上げるとそこには青い狐火のような火が着いた浮遊物が空を飛んでいた

 

神楽(少し追いかけるか..........)

 

俺は休憩をやめると、狐火を追い掛ける

 

しかし、

 

神楽(見失った...............)

 

不覚にも狐火を逃してしまった

 

神楽(いやでも、流石に誰かの悪戯、の可能性もあるし、帰るか.........)

 

そう思って踵を返した瞬間、

 

神楽「は..........?」

 

俺は驚きを隠せなかった。何故ならそこにはさっきまで道だった所が、大きな神社と化しているからだ。

 

神楽(しかも景色も違う...........)

 

俺が周りを見渡すと、普段の鎌倉の景色とうって変わって違うのが分かる

 

神楽(ここは..........鶴岡八幡宮か?)

 

鶴岡八幡宮は確かいつだったか、ヒュージによる攻撃で全壊したはずだ

 

俺が神社の中に入ると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バタン!

 

 

 

 

と大きな音が鳴り、門が閉められた

 

神楽「なっ!?」

 

俺は慌てて門を開けようとするが、大きさ故の重さも考えて必然だが、全く開かない

 

神楽「くそっ、開かねぇ!」

 

俺は、何処か脱出出来そうな場所はないかと探したが一向に見つからない否、脱出出来そうな場所はあるが、そこにも何か変なバリア?結界?が張られているのだ

 

そこに、

 

??「貴方が、狐火に導かれし者?」

 

俺は声のする方向に目をやると、狐耳に狐の尻尾、そして和装の少女が門の上に立っている

 

神楽「狐火.........?まさかお前の仕業か?」

 

俺は唾を呑み込み、狐耳の少女に聞く

 

??「う~ん、そうだね。でも導いたのは狐火だから、直接選別した訳ではないんだよね」

 

その少女は首を傾げる

 

神楽「選別?」

 

俺はこいつの言っている意味が分からなかった

 

??「君、ちょっと遊んでよ」

 

少女は手を翳すと、そこから何か陣が現れて俺の周りに落ちる

 

すると、そこから平安時代の甲冑を着た侍が俺の周りを囲む

 

神楽(は!?ちょ待てよ...........見た感じ、ざっと三百.......勝ち目ねぇじゃん!?)

 

俺は、状況を一瞬で察知すると必死に石段を登る

 

侍A「あの者を討ち取れー!」

 

侍B「弓用意!構え!放て!」

 

いやちょっと待てよ!?接近戦ならまだしも弓の一斉掃射はないだろ!?

 

俺は慌てて侍達の群れを掻い潜って、社の建物影に身を隠す

 

侍C「くそっ、見失った」

 

侍D「まだ遠くには行っていないはずじゃ、探せ!」

 

侍は俺を探すために四散する

 

神楽(どうすれば.......どうすればこの状況突破できる.....?)

 

何か段々落ち着く内に冷静になってきた

 

神楽(落ち着け、相手は侍.......まともに戦ったら首が飛ぶ........なら.......)

 

俺は、周りを見ると、丁度切れ味のいい刀と木の盾を持っている敵兵を見つける

 

神楽(武器を奪えばいい!)

 

俺は足音を立てずに敵兵に近づくと、

 

神楽(悪い、お前には恨みはないんだ)

 

俺は手刀で敵を気絶させる

 

敵兵E「な、何奴...........」

 

俺は刀と盾、それと鎧を拝借してその場を去る

 

そして、

 

鶴岡八幡宮

 

敵兵F「曲者......グフッ!?」

 

敵兵G「敵しゅ.........ぐぁっ!?」

 

敵兵をどんどん倒していった。(殺すのは気が引けたので峰打ちで)

 

しかし、

 

敵兵H「いたぞ!あいつじゃ!」

 

神楽「やべっ!」

 

俺は反対側に逃げようとしたが、そこには敵兵、正面にも敵兵が集まった

 

神楽(おいおい嘘だろ.......これが俗に言う八方塞がりってやつか!?)

 

俺は、逃げようとしたが、相手は盾兵を前に出してガッチリと固めているため、逃げようがない

 

神楽(どうする...........!)

 

すると、何かに足が当たる

 

神楽「え?」

 

そこには、三つの手箱が落ちていた

 

神楽「.............これは?」

 

俺は三つの箱を開けると、そこには真ん中に狐の紋章がはめられた灰色の石と、白と赤の大きい物、そしてピンクと水色の小さい物があった

 

俺はそれをどう使えばいいか分からず、それを腰に近づける

 

すると、その灰色の石は光輝き、そして黒い機械に変化し、帯を出して、機械を俺の腰に固定した

 

「デザイアドライバー」

 

神楽「何だこれ...........」

 

俺は腰に着けているドライバーをまじまじと見る

 

神楽「!もしかして..............」

 

俺は白いシリンダーとトリガーがついているアイテムを左右の内の右のスロットに装填する

 

「SET」

 

「MAGNUM 」と書かれたロゴと銃の弾倉が浮かび上がる

 

神楽(えっと...............)

 

俺は弾倉を回転させて、トリガーを引く

 

すると、赤い弾丸が敵兵に当たり、そして戻ってきてロゴに当たり、装甲が現れる

 

「MAGNUM READY ..........FIGHT」

 

俺は自分の姿を見る

 

神楽「え..........?狐?」

 

敵兵がこっちに寄ってくる

 

神楽「とりあえず、こいつら片付けるか」

 

神楽「おらっ!」

 

敵兵I「ぐおぁっ!!」

 

俺は敵兵の一人にパンチを食らわせる

 

敵が思いの外、ぶっ飛ぶ

 

神楽「おっ!これ強いな」

 

俺はその威力に思わず驚きながら言う

 

神楽は腰にあった、白い銃みたいなのを取り出す

 

神楽「ん、何だこれ?」

 

俺は銃を見ていると、無意識にトリガーを引く

 

すると、銃弾が飛び、敵兵の一人が持っている盾に当たり、盾が跡形もなく破壊され、敵兵がぶっ飛ぶ

 

神楽「これ.........銃か」

 

流石に人を殺したくない。何か方法はないか、と戦いながら考える

 

神楽「あ、これなら!」

 

俺は、水色のレイズバックルを取り出す

 

そのレイズバックルには蛇口のような物が付いている

 

俺は蛇口がついたバックルをその銃に装填し、その蛇口を回す

 

「WATER」

 

すると、シリンダーの部分が水色に光輝く

 

神楽「これでも食らえ」

 

俺は銃のトリガーを引く

 

「WATER TACTICAL BLAST」

 

銃口からものすごい水圧の水が放たれ、敵兵を吹き飛ばす

 

敵兵達「ぐああぁぁぁあああ!!!」

 

敵兵達は水圧に圧され吹き飛ばされて気絶した

 

すると、そこにさっきの狐少女がやってきた

 

神楽「.........こんな試練めいたことをして、どうするつもりだ?」

 

俺は変身を解除して問い掛ける

 

狐少女「.................................」

 

少女は俺の言葉を無視して周りを見ている

 

流石にイラッときた。何で俺がこんなことに巻き込まれなきゃいけないのか、そう思った

 

狐少女「君は、優しい人間なんだね」

 

神楽「.................は?」

 

俺は彼女の言葉に疑問を抱く

 

狐少女「だって、私が殺すように命令して差し向けた兵を、全員なるべく怪我をしないように無力化してたでしょ?」

 

そういえば、そうだ。俺はなるべく敵兵を傷つけないようになるべく全部無力化するという方法を取っていた

 

狐少女「君は私の言うことを信じてくれそうだね。私が何でこんなことをしたか教えるよ」

 

神楽「.............ああ、聞かせてくれ」

 

狐少女が、石段に座ると、ポンポンと石段を叩く

 

座れ、という意味か

 

俺は狐少女の隣に座った

 

狐少女「昔、私はこの鎌倉の街で生まれたんだ。そこの家は代々鶴岡八幡宮の宮司で、私は宮司の長男のお父さんの長女として生まれたの」

 

神楽「そうなのか........ってちょっと待って?鶴岡八幡宮の宮司の孫!?」

 

狐少女「うん、今は精霊だから元だけどね」

 

狐少女は寂しげに笑う

 

狐少女「それで平穏な毎日を過ごしていたけど、ある出来事が私の人生を変えたの」

 

神楽「ある事件?」

 

狐少女「宮司だった私のお爺ちゃんが亡くなったんだ。それで、跡目争いが起きた」

 

神楽「あ、跡目争い.........?それってまさか.......!」

 

昔歴史の文献で見たことがある、詳しくは覚えていないが、八幡宮で起きた血生臭い事件を........

 

狐少女「文政鶴岡の厄災」

 

神楽「...........知ってる、宮司が亡くなり、長男と次男による跡目争いが勃発したって言うあの.......」

 

狐少女「そう、お爺ちゃんはこう遺言を残した、遺書も残してね。「鶴岡八幡宮の次代宮司は、雅晴(長男)に継がせる」と」

 

神楽「..........................けど」

 

狐少女「私の叔父でお爺ちゃんの次男の雅家はこの遺言に不服だった。それで.............」

 

神楽「遺言状を捏造した上で、それを江戸幕府に提出したと」

 

狐少女「うん、家斉様は自ら賄賂を公認していたし、その時もお金が物を言った」

 

神楽「それで........その後は.....まさか!」

 

狐少女「うん、君の想像している通りだよ」

 

狐少女は、淡々と話し始める

 

狐少女「まず、生きていた宮司の奥様、私のお婆ちゃんが亡くなった。原因は中風(脳梗塞)って言われてたんだけど、実際は毒を盛られていたの」

 

神楽「マジかよ.....実の母を殺すなんて.......」

 

俺はつい引いてしまった

 

狐少女「その後、お父さんが何者かに惨殺されてたんだ」

 

神楽「!..........おいおい、それって........」

 

狐少女「雅家の仕業だよ」

 

神楽「..............それで、お前はどうなったんだよ!?」

 

狐少女「私は、ここにいるのは危険だというのを悟った一部の神官達によって逃げたの、ある物を持ってね」

 

神楽「まさかそれって................」

 

狐少女「そのさっきまで石だったその黒い機械、デザイアドライバーと、それと特別な力を得るレイズバックルの二種類」

 

神楽「マジかよ......これ鶴岡八幡宮の物だったのかよ......」

 

俺はデザイアドライバーと呼ばれる物とレイズバックルと呼ばれる物を見た

 

狐少女「でも、その途中........私は神官の一部に裏切られて、死んだの」

 

神楽「裏切られて死んだのか」

 

狐少女「でも、何故か冥土には行かなかったの」

 

神楽「え?何で?」

 

狐少女「分からないけど、哀れに思われた神様から妖狐の力と陰陽師の力を与えられたんだ」

 

神楽「..............マジすか」

 

俺は、不老不死の精霊が目の前にいることを改めて実感した

 

狐少女「でも、誰も信用できなかった」

 

神楽「............そんなことがあったもんな......」

 

狐少女「それで、暫くは鶴岡八幡宮に似た幻術の屋敷に引きこもっていた」

 

狐少女「でも、狐火が人を導いてくるから、私は試した。誰がデザイアドライバーとレイズバックルの使用者に相応しいのか」

 

神楽「.........因みにそれの評価基準は........」

 

狐少女「最後までやられない、そして誰一人も殺さない。この二つ」

 

神楽「なるほどな..........強いのと善の心を持つ奴にこの二つを託したかったのか」

 

狐少女「そんな時現れたのが貴方だった」

 

狐少女は俺を見た

 

狐少女「貴方は、私の使い魔を殺さない方法で全て倒した。貴方はそれを持つのに相応しい」

 

神楽「............................」

 

二人の間に沈黙が流れる

 

その時、不思議なことが起きた、俺と狐少女の下に魔法陣が生成される

 

神楽「ちょっ、何だよこれ」

 

狐少女「......私達のような怪異と人間の心が通ったとき、怪異と人間は特別な関係で結ばれる、所謂永久契約の儀式の最中だよ」

 

契約、何それ? その二文字が頭に刻まれる

 

神楽「ちょっと待ってくれよ、永久契約?儀式?それって.......!?」

 

俺がどういう意味か、と言う前に二枚のお札が現れ、一枚は紐付きで俺の学ランのズボンのベルト通しに着いた

 

そしてもう一枚も紐付きで狐少女の帯締めに付けられた

 

神楽「な、何だよこれ........取れねぇんだけど.......!」

 

俺はお札を取ろうとするが、全然取れない

 

狐少女「私は貴方のことが気に入った、好きになった。これから先もよろしく!」

 

神楽「.............まぁ、不本意だけど、俺はあんたを受け入れる。俺は上泉神楽、これからよろしくな。あんた、名前は?」

 

八狐「私は八狐。よろしくね!」

 

白い月が見えるお社の中で二人は握手をした

 

神楽「あ、因みに試練に失敗した者はどうなった?」

 

八狐「そのまま家に転送して夢だったって思わせた」

 

神楽「...............殺してないならよかった」

 

_____________________

 

回想終了______

 

神楽「というのがあって俺はデザイアドライバーとレイズバックルを使って、妖狐の八狐と協力してヒュージを倒していたんです」

 

天葉「その........何というか、途中重くなってない?」

 

依奈「怪異って本当にいるのね.......茜が怖がりそう」

 

神楽「ん?誰ですかその人」

 

天葉「渡邉茜、私達と同い年で怪談とかホラーが苦手な子」

 

神楽「あー、別に八狐はいい怪異ですよ。優しいし」

 

依奈「その八狐って言う子に会ってみたい」

 

神楽「生憎多分もう家に帰ってるので」

 

天葉「なんだかんだでもう着いたよ」

 

三人は大きな門の前に立つ。百合ヶ丘女学院の象徴だ

 

依奈「理事長代行には話はつけているから、入って」

 

神楽「はい」

 

三人は百合ヶ丘女学院の敷地に入る




神楽「次回、第五話。百合ヶ丘女学院。お楽しみに!」

※「文政鶴岡の厄災」は史実にはないです。思い切り捏造です

神楽の上級生に対する呼び方を何にするか

  • ○○様
  • 〇〇先輩
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