荻窪 神庭女子芸術高校__________
海音「ここが神庭女.........」
手にCHARMのケースを持ち、背中にリュックを背負った海音が門前に立ってや庭園を建物を眺める
海音は歩きながら周りをキョロキョロと見ながら、校長室に向かう
そして校長室の前に着いた海音は、コンコンと扉をノックする
校長「どうぞ」
返事が返ってきて、海音は校長室の扉を開けて中に入り、お辞儀をする
海音の真正面には校長先生が大きな机に座っており、その右側に設置されているソファーには紫髪のポニーテールの少女がいた
海音「失礼します、今日からここでお世話になります東雲海音です」
校長「こんにちは、東雲海音さん。ようこそ神庭女子藝術高校へ」
海音「はい、右も左も分からない不束者ですがよろしくお願いします」
海音は校長先生に頭を下げる
校長「立ち話もなんですから席に座って座ってください」
海音「あっ、はい。失礼します」
海音は慌ててお辞儀して席に座る
そして海音は学校の説明、校則、授業の内容などを校長先生から改めて聞かされ、海音は疑問に思ったところを質問をし、校長先生はそれを返す
校長「はい。じゃあ明日から授業に参加してもらうので、校内を秋日さんに案内してもらった後、今日はゆっくり寮で休んでください」
海音「お気遣いくださり、ありがとうございます」
校長「秋日さん、お願いできますか」
秋日「分かりました。ついてきて、海音さん」
海音「は、はい」
秋日「それでは失礼しました」
秋日は校長先生にお辞儀をした後、海音を連れて校長室を出たのだった
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海音は秋日に訓練場、トレーニングルーム、授業を受ける教室などの施設を案内してもらっていた
秋日「ここが食堂よ。ここでは______」
海音は改めて神庭女というガーデンの規模の大きさに驚いていた
それと同時に一つ胸の中に感じていた疑問を未だに脳裏で思索していた
秋日「?どうかしたの?」
秋日は物思いに耽っている海音に呼び掛ける
海音「あ、すみません.......!あの.........一つお伺いしてもいいですか?」
秋日「何かしら?」
海音「.............ここの周辺で狸の仮面と忍者の鎧を着けた男の子って見たことありますか?」
海音は大抵の人は信じはしないであろう者の存在の有無を秋日に質問する
秋日「..........ええ、見たことあるわよ。でもなんで彼の存在を知っているの?」
海音「実は...........ここに来る途中にヒュージに襲われて、戦いはしたんですけど数が多くてヒュージに殺されそうになった時に助けてくれたんです」
秋日「はぁ...........あの子ったらまた.......少しは自分のことを大切にして欲しいところね」
秋日は頭を手で抑えてため息を吐く
海音「えっ..............?」
秋日の言葉に引っ掛かった海音は秋日にどういうことか聞こうとしたその刹那______
??「ねぇ颯馬、出撃するのはいいけどあんまり無理しないで。颯馬が倒れたらお姉ちゃん泣くから」
颯馬「姉ちゃんは心配性だなぁ、別に無茶してないよ。そんなに怪我もしていないし。この前はちょっと頬切っただけだし」
凪「ですが沙羅さんの言うこともごもっともです、少しはもっとこう........私を頼ってください」
沙羅「それを言うなら私達、でしょ?凪ちゃん」
凪「そうとも言いますね」
奥から二人の少女と一人の少年が歩いてくる
その内、片方の少女と少年の姿に見覚えがある
沙羅「ん?あれ、秋日じゃん。こんなところで何してるの?」
沙羅が秋日を見つけて、軽く手を振りながら秋日達の元に歩く
秋日「編入生の子に校舎を案内してたのよ」
海音「は、はじめまして。東雲海音です」
沙羅「東雲海音.........いい名前だね!」
颯馬「あ、秋日先輩。こんに______」
少年も挨拶をしようと秋日先輩のいる方向を向いた時に、その翡翠のような瞳が私を捉える
私はその瞳を魅入られるように凝視していたが、すぐに我に返り、
海音「............あーーっ!!!あの時の狸!!!」
と颯馬を指差して大声を出してしまった
颯馬「お前.........なんでここにいる」
海音「なんでも何も、私ここの生徒だから。今日からだけど」
颯馬「えぇ..............」
沙羅「えっ、何々?颯馬知り合い?」
颯馬「いや、姉ちゃん。こいつは............」
凪「この人は数日前に通りすがりに助けたリリィです」
颯馬「おいなんで言うんだよ凪」
凪「颯馬が誤魔化そうとするからですよ」
颯馬「..................................」
凪に思惑を看破されてぐうの音も出なくなった颯馬
沙羅「そっか、颯馬に助けてもらったんだ。なんだかんだ言いながらリリィを助けて、秋日の言ったこと守ってるんだ、偉い偉い」
颯馬「別に一般人助けたついでで助けただけだよ。あと頬をつつくな」
沙羅はニヤニヤしながら颯馬の頬をつつき、颯馬は悪態を突く
颯馬「秋日先輩、今日は昨日の任務の報告をしようと思いましたがまた明日にしましょう。その編入生の案内で忙しそうですし」
秋日「え、ええ」
秋日は困惑しながらも返事する
颯馬「では失礼します。凪、帰るよ」
凪「はい」
颯馬は秋日に頭を下げた後、踵を返して何処かに向かう
沙羅「あっ、颯馬!.........ごめんね新人ちゃん、ちょっと颯馬はリリィを嫌ってて..........じゃあね!」
沙羅は海音に颯馬の態度を詫びた後、慌てて颯馬達の後を追い掛ける
海音「あ、あの..........彼らは一体......?」
秋日「彼は草薙颯馬、仮面ライダータイクーンよ。それであの和装の少女が凪、という少女で、さっきのピンク色の瞳の少女が草薙沙羅、颯馬の姉よ」
海音「草薙............颯馬............」
私は自分を助けてくれた恩人の名前を噛み締めるように呟く
秋日「颯馬は神庭女に名目は用務員として神庭にいるけど、実際はうちの生徒よ。リリィを毛嫌いしてるのは玉に瑕だけど」
海音「どうしてリリィを嫌っているんですか?」
秋日「それは...........言えないわ。颯馬にも口止めされているし」
海音「そうですか....................」
海音はそれ以上追求出来ないと悟り、そう答えるしかなかった
秋日「これから貴方の寮室に行くわよ」
海音「!はい」
秋日は海音を彼女が住む寮室に連れていくのだった
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数週間後____________
声楽科教師「それじゃあ、今日の授業はここまで。明日はここから始めます、お疲れ様でした」
海音&その他生徒「ありがとうございました」
今日の全て授業が終わって放課後となり、私は教材を持って寮に戻る
私は授業を受けたり、訓練に臨んだり、同じ声楽科に友達を作ったり、と色々なことをした結果、もう既にガーデンの生活に慣れていた
海音(神庭ってこんなに自由に色んなことが出来るガーデンなんだ)
そんなことを思いながら、寮に戻り、教材を置いた後に、護身用にCHARMを持ち、神庭女の外に出て、ある場所に向かう
海音(この和風喫茶「草凪」ってお店.......料理が美味しいって評判だから、行ってみたいって思ったんだよねー........どんなお店なんだろう)
海音はスマホのマップ機能を利用しながら移動し、正門を出てから二、三分で目的地に着いた
海音(うわぁ..........凄い侘び寂びしてる.......)
海音「こんにちはー.........」
海音は和風喫茶「草凪」の和の雰囲気に圧巻されながらも、中に入る
そして店内からは_________
凪「いらっしゃいませ、一名様ですか?..........って、貴方はこの前の」
海音「.................えっ?」
見覚えのある水色髪の少女が食器の片付けに勤しんでおり、私は豆鉄砲を食らったような顔をしていた
一方の颯馬の相方?である凪ちゃん、は困惑している私の表情をただ静かに眺めていた
海音「君............確か凪ちゃんだったっけ?ここで働いてるの?バイトか何か?」
凪「はい、それにバイトというよりか........ここの従業員です」
そして奥から_________
颯馬「おーい凪、客来たのか?なら席に通.......せ......」
奥から三角巾を頭に着けてお玉を持った颯馬が出てきて、颯馬は私のことを見て一瞬硬直した
海音「そ、颯馬くんまで.........なんで......?」
颯馬「..............そっか、東雲さんはここに来るのは初めてか。席に案内します、こちらにどうぞ」
海音(えっ..........さっきと態度全然違う........)
私はてっきりこの前みたいに冷たく突き放されるとばかりに思っていたのか、拍子抜けをする
言われるがままにカウンター席に案内された私は席に座り、渡されたメニュー表を眺める
海音(メニュー結構豊富だ..........じゃあ夜ご飯も兼ねてこれにしよう)
私はメニューを一通り見終わった後考えて、
海音「ビーフハンバーグカレーライス一つください」
颯馬「はいよ」
颯馬は厨房の方に引っ込み、料理を作り始めた
そして暫くした後戻ってきて、
颯馬「お待たせしました、ビーフハンバーグカレーライスです」
と私の前に美味しそうなスパイスの匂いが漂うカレーライスを置く
海音「い、いただきます」
私はスプーンを持ってハンバーグを切ってカレーと絡ませ、ご飯と一緒に口の中に入れる
海音「!!お、美味しい........!」
カレーのルーはちゃんとコクがあって、ハンバーグは丁度いい焼き加減でなおかつジューシーで、実家で食べたカレーにも勝る美味しさだった
颯馬「美味いか?」
夜遅く、三人以外誰もいない喫茶店で颯馬は壁に寄りかかりながら私に聞く
海音「うん、美味しい!」
颯馬「そうか.......ならよかった」
颯馬は、初めてあった時や、食堂で再会した時とは違い、嬉しげに微笑んでいた
いい笑顔だなぁ、と思いながらそのまま私はカレーを完食した
海音「ご馳走様でした、美味しかったです」
颯馬「お粗末様、お金はこっちで払って」
海音「うん」
海音はレジに言って、カレーの代金を支払い、颯馬がそのお金を受け取った瞬間______
「ウー!ウー!ウー!ウー!ヒュージが出ました!」
と何処からかけたたましくアラートが鳴り響く
凪「颯馬!ヒュージですか!?」
颯馬「どうやらそうっぽいね、行くよ凪!」
凪「はい!」
颯馬はあの時のドライバー、凪ちゃんは弓矢と刀を携える
海音「わ、私も行く!」
私もヒュージの討伐に向かおうとするが、
颯馬「お前は来るな、足手まといになる。神庭女に戻れ」
と颯馬は吐き捨てるように言い、凪ちゃんと共に駆ける
海音「っ..........足手まといなんかじゃなぁいっ!!」
私は怒りながら彼らの後を追い掛けるのだった
ヒュージが出現した場所は寂れた誰もいない神社で、そこではヒュージが跋扈していた
颯馬「数は三十体ちょいか、余裕で蹴散らせるな」
凪「そうですね」
海音「ちょっと、なんで私は頭数に入ってないの?」
颯馬「お前結局来たのか...........まぁいいや、邪魔だけはすんなよ」
海音(うーわ、この人すっごい上から目線.........謎の力持ってるだけで........)
と命の恩人に対して思わずドン引きする私
「SET」
颯馬はこの前の忍者の力を宿したバックルを、ドライバーに装填し、手首をくっつけて回転させ、それぞれ反対方向に交差し、
颯馬「変身」
颯馬はクナイを引っ張って手裏剣を回す
「TACTICAL SLASH」
そして、手裏剣がロゴに当たって煙が起きた後、緑色の鎧を白いアームが掴んで、黒いスーツを着た颯馬に装着され、更に上から緑色の狸の仮面が被らされる
あの満月の夜に邂逅した戦士が再び降臨したのだ
颯馬「凪、暴れるよ」
凪「はい、援護はお任せを」
颯馬は逆手持ちの短刀二本を構えて走り出し、凪ちゃんは弓に矢をつがえる
海音「わ、私もっ!」
私もクリューサーオールを起動して、斬擊モードでヒュージに斬り込む
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十数分後_________
海音「はぁっ...........!」
私は最後に残ったミドル級ヒュージを一刀両断した
颯馬「...........アイツので最後か。一応周辺も警戒しよう」
凪「そうですね、見廻りに行ってきます」
颯馬と凪ちゃんは手短に言葉を交わし、他にヒュージがいないか探索に向かった
海音「はぁ.........はぁ.......」
私は一刀両断した拍子に手からすり抜けて地面に突き刺さったクリューサーオールを抜いて、首を横に振りながら辺りを歩く
境内はヒュージの残骸にあふれ、神社もヒュージにより壁や石段等が損壊していた
海音(他にもヒュージがいないかをしっかり見ないと........)
私はそう思いながら暫く辺りを捜索する
そこにふと、私のあるものが目に入る。ヒュージによって吹き飛ばされたお賽銭箱の跡に一瞬光ったのを見たからだ
海音「?」
私はそれが何か気になって、そこに顔を覗き込む
そこはクモの巣が張っており、埃も舞っていた
だが、そこには漆塗りの木箱があり、真ん中に三日月の周りを八つの丸が囲んでいる紋章みたいなものが施されていた
海音(............なにこれ?)
海音はその箱をまじまじと見ていると
凪「東雲さーん!何してるんですか~!早く来てくださーい!!でないと颯馬が置いていきますよー!!」
颯馬「........................そこまでは言ってない」
凪がブンブンと両手を振っており、颯馬は呆れた顔で凪ちゃんに反論する
海音「う、うん...........!」
私はその箱をクリューサーオールの影に隠して、颯馬達の元に行くのだった
次回、「協奏Ⅲ 炙れた亡霊」
神楽の上級生に対する呼び方を何にするか
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○○様
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〇〇先輩