アサルトリリィ ー百合ヶ丘の化け狐ー   作:三狐神

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協奏Ⅳ 赤雷との契り

私は射撃場で自主練をしていた

 

海音(よし、少し休憩しよう......................)

 

私が後ろにあるベンチに座ろうと振り向くとそこには、

 

颯馬「おぉ、ここにいたか........ガーデンに入ってからずっと思ってたけど練習熱心だな」

 

海音「わぁっ!?ビックリしたぁ............」

 

颯馬が射撃場の屋根に足を掛けて逆さまにぶら下がっていた

 

颯馬は逆さまのまま降りてストッと着地する

 

海音「今日店の営業日じゃなかったっけ?」

 

颯馬「あぁーそれな、姉ちゃんに二時間交代して、凪と一緒に回してる」

 

海音「そうなんだー.........」

 

颯馬「................ん?浮かない顔してどうした?」

 

海音「あの侍さん........あの日以来一向に声が聞こえないんだよね」

 

颯馬「あぁー............流石に回復してるだけじゃねぇの?あの時侍は知り合いとか言ってた奴に力を借りて無理矢理実体化してたから、多分その反動が来て回復してるだけじゃない?」

 

海音「そ、そうかな.............」

 

現にまだこいつの形をした石は持ってるんだろ?、と颯馬はあの機械をちらつかせ、私はこくりと頷く

 

颯馬「ならあいつの気が変わらない限りは裁定とやらをやってるんじゃないの?」

 

海音「..............ねぇ颯馬」

 

颯馬「ん?どうかした?」

 

海音「颯馬の戦う理由って、皆の平穏を守る為なんだよね?」

 

颯馬「そうだな、そこに私情を挟み込んだりはしてない」

 

海音「かっこいいよね颯馬って........私はそう言うのないからさ」

 

颯馬「そうか............じゃあまず整理しよう。そもそも海音はなんでここに来た?あっ、責めてるわけじゃないからな」

 

誤解がないように訂正する颯馬に私はう、うんと返事しながら答えようとする

 

海音「私がここに来たのは...............両親の言いなりになりたくないから。でもこんなの自分で言うのもあれだけど小さい理由だよ」

 

颯馬「あのな.........何をやるにせよ、どんなに小さな理由だとしてもそれは自分の心に火をつけるものだ。それは自分だけの大切な宝物なんだからな。それにそれは平等に尊いものだ。俺はそれを笑いもしないし貶しもしない。それにここに来たこと自体親に敷かれたレールから外れたようなもんだろ。立派じゃねぇか...............」

 

海音「...............颯馬........」

 

颯馬「まぁ、あれだ。何にせよ、自分の最初に抱いた思いを忘れずに生きろ。それは迷った時に軌道修正出来る羅針盤にもなるしな。じゃあな、油売ってたら凪に叱られるから俺は帰る」

 

海音「う、うん。分かった。ありがとう、颯馬!」

 

颯馬「あぁ、また何かあったら相談乗るよ」

 

海音(私の.........最初に抱いた思い........)

 

私は颯馬が私に送った助言の言葉を胸に刻むように呟くのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後____________

 

今日は非番で、私は久々によく眠っていた

 

海音(十時.............ふぅ、今日は少し散歩でもしよう........)

 

私はそう思って身支度を始める

 

海音(少し遠くの方に行くのもいいかもな....... )

 

神庭女に外出届を出した後、ふらっと神庭の町を巡ることにした

 

海音(どこに行こうかな.......あそこの神社にでも行こう)

 

そう思い、私はあの時この石が入った箱を拾ったあの神社に足を運ぶことにした

 

荻窪に足を運んでいると、そこには町の人達がせっせと屋台や櫓を立てていた

 

今の季節は夏で夏祭りの準備の最中で、今はもう後少しで準備が終わろうとしている

 

海音(こう言う楽しい催し事か.......そういえば行ったことなかったな.......行ったとすればつまらない社交場とかだったっけ)

 

私は過去のことについて回想をしていると___

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこにヒュージという化け物がケイブから現れた

 

町民A「う、うわぁぁぁっ!!ヒュージだっ!!」

 

町民B「きゃぁぁぁああああ!!」

 

突然のことに周りはパニック状態になり、逃げようと蜘蛛の巣を散らすように逃げる

 

ヒュージは屋台を押し倒したり、吹き飛ばしたりしながら人々を襲い始める

 

海音「早くシェルターに逃げてください!」

 

私は護身用に持っていたクリューサーオールを取り出し、襲われそうになった男性を守り、押し返して一閃する

 

その間に男性は立ち上がり、逃げることが出来、一般人の避難は完了した

 

数はミドル級が十足らず、この程度なら今の私でも対処できる、そう打算的に考えながら私はCHARMを振るい、一度はヒュージを後退させるが

 

海音「!?ヒュージが増えてる.........!?」

 

いつの間にかヒュージに増援が来ていて、私は圧され始める

 

海音「くっ..............!」

 

そして、ついには私は神社の社務所の壁に背中をぶつける

 

海音「ぐっ、はっ...........!!」

 

口が切れたのか、私は血を吐き出してしまう

 

そして、ヒュージ二体が私に止めを刺そうと鋭い腕をこちらに向けてくる

 

海音「................うっ」

 

そこに、

 

「TACTICAL SLASH」

 

緑色の閃光が五回ほどそのヒュージを駆け巡ると、そのヒュージは細切れになり、その場にドスッと落ち、もう一体は銃弾が何十弾も襲いかかってきて、ヒュージを蜂の巣にする

 

颯馬、凪、沙羅がヒュージの出現に気づいて討伐に来たのだ

 

颯馬「おい、またボロボロになって.......悪い。来るのが遅れた」

 

沙羅「えっ、ちょっと大丈夫!?」

 

凪「治療します、じっとしててください!」

 

颯馬「ここは俺が何とかする、お前はその怪我治せ!」

 

そう言って、颯馬と沙羅様は一先ずケイブを破壊しようと正面突破を始める

 

凪「大丈夫ですか、風見退魔術肆ノ型、清水の時雨」

 

凪が術を詠唱すると、私の体はみるみる内に回復していく、だが私は傷が治ったことよりも、ある光景が目の前に映った

 

薙ぎ倒された櫓、踏み潰された屋台、壊された調理器具、祭りのために用意されたものが無惨にも破壊されている光景だ

 

海音(そんな........このお祭りを楽しみにしている人達だっているはずなのに.......!)

 

私はさっきまで考えていた光景が黒く塗り潰されていくのを感じる、凪ちゃんはいつの間にか颯馬達の加勢に向かったようだ

 

海音(嫌だ.........このままじゃまたあの時と一緒だ......何か私に出きることは.........!)

 

私は、颯馬と出逢ったあの日の夜のことが脳裏に浮かぶ、そして色々な考えが一瞬で纏まり、ある決心をする

 

その時、

 

??「その面は........暫く見ねぇ内に随分面構えが変わってんな」

 

久しぶりにあの侍の声が聞こえてくる

 

海音「うん..........侍さん、私と一緒に契約して戦って!」

 

??「............その理由は「私は生まれてからあのガーデンに来るまでずっと不自由だった。親に色んなことを制限されて生きてきた」!」

 

侍が理由を尋ねるのを私は遮って口を開く

 

海音「私はそれから逃げるように、自由を求めてここに来た。ここには自由はあるけど、簡単に壊れるものがたくさんある、人も、建物も、思いでもあの怪物の一撃一つで簡単に壊れるものばかり。でもだから、どんなに脆くてもこの世界にあるべき自由を守りたい!!」

 

??「...............お前自身の自由はそこに含まれてんのか?」

 

海音「私自身の自由は他の人の自由を守りながら探すよ、それが今の私が出来ることだから」

 

??「................!っふふふふ........あっはははははっ!!こいつは傑作だ!ただふんぞり返ってる貴族のような奴かと思えばその様な世迷言を謳う強かな女子おなごとはな!!」

 

声は息を呑んだ後、少し笑みを浮かべた後、大笑いをした

 

海音「なっ、ちょっと!馬鹿にしてる!?本気なんだけど!!」

 

??「ははは........!いや悪い、お前に嘗ての俺の面影を感じてな...........思わず笑っちまった。決して馬鹿にはしてない」

 

海音「...........それで返事はイエスかノー、どっちなの?」

 

??「返事.........ね、そんなの俺の心が導く方に決まってるだろ」

 

そう言うと私の前にある地面に突如として大きな魔法陣のようなものが浮かび上がり、そこに上から赤い稲妻が落ちて、光の柱が立ち上る

 

沙羅「えっ...........何!?」

 

沙羅達は戦う手を止めて私の方を向く、ヒュージも気配を察知して思わず退く

 

私は目を細めながら何とかその光を視認する

 

海音「!」

 

そこには数多の人影が見えた、そしていつの間にその周辺に幟旗が乱立している

 

その旗にはあの箱に施されていた紋が描かれていた

 

そしてその人影達は中心に立っている人影に向かって跪く

 

そして中心に立っている人影以外はフッ、と蝋燭の火が揺らめいて消えるように旗と共に消滅した

 

そして残った人影は赤い雷を体から放ちながら佇んでいる

 

その風貌は、赤と黒基調の着物、武具に身を包み、中くらいに伸ばした長い黒髪を後ろに纏めており、整った顔立ちに備わっている赤い瞳は穏やかで、それでいて鋭い眼光を放っていた

 

凪「あれは........あの時の式神の正体........?」

 

颯馬(契約が成立したのか.....!)

 

ヒュージ達は侍が現れたことに混乱しているが、直ぐに正気に戻り、颯馬達を襲い始める

 

颯馬「っ!」

 

颯馬達も再び戦い始める

 

??「おーおー、随分とまぁ沢山の魑魅魍魎がいらっしゃるようで。.............おい」

 

海音「.................うん?」

 

??「お前が持ってるそいつの力、もう使えるぞ」

 

海音「あっ........本当だ!」

 

私が鞄からあの石を取り出すと、その石はメッキが剥がれるように崩れ落ち、黒い猫の仮面が描かれた小物が真ん中に嵌められた黒い機械に変化する

 

??「本当は問答をしてぇところだが今はそれどころじゃなさそうだからな........まずそれを腰につけて、こいつを使って変身しろ」

 

海音「あっ、うん。これって...........鍵盤?」

 

私は黒い機械、デザイアドライバーを腰に装着し、音夜から鍵盤とターンテーブルがついたものを受け取る

 

??「そいつはビートバックルってやつでな、そいつをつけて操作すると変身できんだ。ほら、やってみろ」

 

海音「う、うん!」

 

私はドライバーにビートバックルを装填する

 

「SET」

 

装填すると私の右側に「BEAT」と浮かび上がった文字とスピーカーのようなロゴが現れる

 

そして装填した時にピアノの鍵盤のような部分を押してしまい、音楽が流れる

 

海音「それで、どうすれば.........」

 

颯馬「変身って言ってバックルの操作をすればいい!そのバックルの使い方知らないけど!」

 

颯馬は戦いながら海音に変身手順を説明する

 

海音「うん.......変身!」

 

私は勘で円盤を回す

 

「BEAT」

 

「READY..........FIGHT」

 

すると、ドライバーから音符が現れ、ロゴに当たりロゴは砕けて肩にスピーカー、胸にイコライザーのようなものがある装甲に変化し、私の後ろに現れたアームが装甲を掴み、いつの間に黒いスーツに身を包んでいた私に上に現れた猫の仮面と共に装着される

 

「BEAT AXE」

 

そして手にはギターの形をした斧が持たされる

 

沙羅「ええっ!?み、みみ海音ちゃんが、仮面ライダーに!!?」

 

沙羅は戦いながら私の方を見て絶句していた

 

凪「新しい仮面ライダーが生まれましたね、颯馬」

 

颯馬「あぁ........これで三人目だな」

 

颯馬達も私のことを見てそれぞれ反応する

 

海音「これが私の姿.......!」

 

??「おぉ、似合ってるじゃねぇか。んじゃ戦うぞ!」

 

海音「!うん!」

 

侍は刀を抜いて、ヒュージの方向に向けて戦いを促し、私は返事をする

 

海音「はぁぁっ!」

 

私は斧を振るい上げ、ヒュージを一撃で撃破した

 

そしてその後に迫り来るヒュージ達も斧で斬ったり、蹴りで吹き飛ばしたりする

 

??「おぉー、豪快だなぁ」

 

侍は刀でヒュージの腕をいなし、一閃しながら海音の方を見て笑みを浮かべる

 

??「おい!そこのドラムみたいなもの押せば炎、雷、氷属性を選択できて、ギターを掻き鳴らした後に引き金を押すと技が打てるぞ!」

 

海音「へぇ、そうなんだ........じゃあ!」

 

私はドラムみたいな部分を叩く、すると

 

「ROCK FIRE」

 

と炎属性が選択されたであろう音声が流れる

 

そして私はギターのコードにあるレバーを操作すると音楽が流れる

 

そしてトリガーを引き、ビートアックスをヒュージに向けて振り抜く

 

「TACTICAL FIRE」

 

すると炎を纏った攻撃が広範囲に広がり、その範囲内にいたヒュージは炎と共に焼け死ぬ

 

しかし、また更に新手が現れ、更に私と侍の背後にいつの間にヒュージが回り込んでいた

 

海音「あっ...........!」

 

気づいた時には既に包囲されている___そう思っていたが、

 

矢や光の弾が飛来し、更に緑色の剣閃が走り、背後に回ったヒュージは悉く撃退された

 

海音「!」

 

ヒュージが倒れるとそこには颯馬と凪ちゃん、沙羅様が武器を構えた状態で立っていた

 

颯馬「全く、周りを見ろよ。お前ら包囲されかけてたんだから」

 

海音「あ、ありがとう..........」

 

凪「ところで......今の貴方は先日とは違い、もう味方という認識でいいんですね?」

 

??「あぁ、裁定はもう済んだからもうお前らと敵対する理由は消え去った」

 

凪「..........なら安心して背中を預けられます」

 

??「そいつはお互い様だな」

 

沙羅「よし、じゃあ五人でヒュージを撃破しよう!」

 

四人「おぉっ!!」

 

五人は一度ヒュージに向かって即興の陣形で体勢を整え、ヒュージに向かって攻撃を始める

 

颯馬「はぁぁっ!」

 

颯馬は両刃刀のディスクを回した後にすぐトリガーを引き、刃を何枚も飛ばし、ヒュージを撃破する

 

沙羅「残念、私はこっちだよ!」

 

沙羅様はヒュージに向かって斬りかかり、ヒュージが沙羅様に攻撃を当てようとした瞬間に消え、そして側面に突如姿を現して斬る

 

凪「.............そこっ!」

 

凪ちゃんは前線に立っている私達より一歩退いて矢をつがえては放ち、つがえては放ちの繰り返しでヒュージを次々と射貫いていく

 

??「音盤陰陽術第捌曲、音叉」

 

侍がもう一本刀を取り出して、それをぶつけて音を鳴らした次の途端、ヒュージが踵を返して味方であるはずのヒュージを攻撃して、攻撃を食らったヒュージはそのまま倒れ、そのヒュージの背後から侍が斬り伏せる

 

海音「えっ、ねぇ今何したの?」

 

??「今のは音盤陰陽術の一つ、音叉。唱えた後に鳴らした音を聞いた対象のことを一時的に操れる力だ。何ならお前も使えるぜ、俺と正式に契約したからな」

 

海音「へぇ.......何から何まで凄いね」

 

私もビートアックスでヒュージを凍らせた後に炎の大振りな斬撃で一網打尽にする

 

そして、ヒュージは殆ど倒れ、残りは消滅したケイブから最後に現れた巨人のようなギガント級ヒュージのみだ

 

海音「...........あれを倒したらおしまいだね。リリィ二人しかいないけど」

 

颯馬「ノインヴェルトが出来なくても俺達には仮面ライダーの力がある、けどさっさと倒したいしこれを使うか」

 

颯馬は懐から赤いバイクのマフラーにハンドルがついたものを装填し、回す

 

「NINJA AND BOOST 」

 

「READY..........FIGHT」

 

颯馬の左側にロゴが現れ、更にロゴは焔に包まれ、その炎が消え去ると赤い装甲にバイクのマフラーがついたアーマーが顕現し、それをアームが掴み、颯馬に装着されるや否や、颯馬はマフラーから炎を噴射し、一気に加速する

 

海音「えっ、何あれかっこいい!ねぇ、私のはないの?」

 

私は侍に話し掛けてあの赤いバックルがあるかを尋ねる

 

侍「ん?あぁ、ブーストバックルとやらか、ほらよ」

 

侍は袖に手を入れ、颯馬のと同じブーストバックルを取り出し、私に投げ渡す

 

海音「ありがとう!」

 

私は早速、左側の装填部分にブーストバックルを装填する

 

「SET」

 

すると、私の左側に「BOOST」と浮かび上がった文字にブーストのマフラーから炎が吹き出てるようなロゴが現れる

 

そして私はそのバックルのハンドルを握って捻る

 

「BEAT AND BOOST」

 

「READY..........FIGHT」

 

先程のように火がロゴに向かって噴射された後、装甲が現れて、白いアームにより装着される

 

海音「いっくよー!」

 

私の足に装着されているマフラーから炎が噴出され、猛スピードで走り出した私はヒュージから放たれた攻撃をビートアックスで弾き飛ばす

 

ヒュージが私の頭上に拳を振り下ろして来たが、私は加速してあっさりと避け、そしてドラムの部分を二回叩く

 

「FUNK BLIZZARD」

 

「TACTICAL BLIZZARD」

 

そして駆けながらトリガーを引き、ビートアックスに氷属性の力を付与する

 

そして、そのまままヒュージの足に潜り込み、一瞬で足を氷漬けにし、動きを封じる

 

颯馬「へぇ~やるじゃん、俺達も負けてられないな!」

 

凪「遅れを取るわけにはいきません!沙羅さんも行きましょう!」

 

沙羅「オーケー二人とも、援護は任せておいて!」

 

颯馬は分身した後に高速で移動してヒュージに休む暇もなく攻撃を与え、ヒュージはそれを捌こうとするが凪ちゃんの矢や沙羅様のトリグラフの二丁拳銃による攻撃がそれを妨害し、じわじわとヒュージは消耗していく

 

??「いいなぁ、どんどん盛り上がってきたぜ!音盤陰陽術第壱曲、稲妻走り!」

 

更に戦意が高揚している侍は、術を詠唱した後に赤い稲妻を纏いながら、文字通り稲妻のように地を蹴って高く飛び上がる

 

ヒュージは目から光弾を放つが、突如侍の空間が歪み、そこから矢や苦無、手裏剣が飛び出し、光弾を相殺する

 

??「お見事、秀靖、三船みふね!」

 

侍はまた誰かの名前を叫ぶと、そのままヒュージの腕を斬り飛ばし、返す刀でそのまま反対の腕にも移動し、一刀両断に斬り落とす

 

これでヒュージはほぼ達磨状態になる

 

海音(!今なら倒せる!)

 

私は反射でブーストバックルのハンドルを二回捻る

 

「BOOST TIME」

 

私は訳も訳も分からず上に飛び上がる

 

海音「えっ、何!?必殺技ってこと?なら........!」

 

私はビートアックスのドラムの部分をもう一度叩き、レバーを操作する

 

「METAL THUNDER」

 

音楽が流れ、ブーストの力で高く飛び上がった私はブーストバックルのハンドルを捻り、ビートアックスのトリガーを引く

 

「BEAT BOOST GRAND VICTORY」

 

「TACTICAL THUNDER」

 

海音「はぁぁぁぁぁっ!!」

 

私はそのままヒュージに向かって急降下し、ヒュージが放つ光弾を掻い潜り、ヒュージに向かってビートアックスを振り下ろしてヒュージの頭をかち割り、その勢いのまま着地する

 

そして、そこに黄色い稲妻が雷轟と共に落ちてきて、ヒュージに直撃し、大爆発を起こした

 

その様子を地上で眺めていた颯馬達は、その様子を眺める

 

凪「海音さんの戦い、お見事でしたね」

 

颯馬「ああ.......今日はよくやったと褒めるべきかな」

 

颯馬は二つのバックルを外し、変身を解除する

 

沙羅「もー、颯馬ったら素直じゃないなー」

 

颯馬「なっ、別に俺は..........!」

 

そして沙羅に小突かれる颯馬

 

私は、はぁ、はぁと肩で息をしながらビートバックルをドライバーから外し、ヒュージの残骸を見ていると、湯沸し器のような音がドライバーから鳴る

 

海音「えっ......うわぁぁあっ!」

 

すると、ブーストバックルがドライバーから抜け、炎と煙を出しながら何処かに飛び去ってしまい、変身解除した私はその拍子で座り込んでしまう

 

その先を目で追っていると

 

??「うぉあっつ!大人しくしろっての!」

 

と侍の元に飛来して、侍は辛うじてキャッチしたがブーストバックルは手元で暴れまわっており、少しの間暴れていたが暫くすると大人しくなる

 

??「ふぅ、止まったか........おい」

 

そう言って、額の汗を拭いながら私の方に歩み寄る

 

海音「............................」

 

座り込んでいる私は侍の姿を下から見上げて息を呑んでいると、

 

??「..............ほらこれ」

 

海音「えっ、おっとと」

 

侍は私にさっきまで暴れていたブーストバックルを投げ渡し、私はなんとかキャッチする

 

海音「あ、ありがとう.............」

 

??「どういたしまして.......んじゃ、戦闘中だったから省略していたが改めて」

 

その侍はフッと笑みを溢したあと、真面目な顔つきになり、普段の口調とはまた違う厳かな雰囲気で口を開く

 

??「お前は俺の裁定を見事に下し、その力と俺を解放した。それ故にお前を勇ある者として認めた上で問おう。お前が俺の主として契りを結んだ者で相違無いな?」

 

音夜の言葉の後に静かな沈黙が流れる。風の音も、鳥の声も聞こえない、その空間だけあらゆる他者を除外した、赤雷を纏った侍と私の二人だけの問答の場となる

 

海音「........うん、私は君の主、東雲海音だよ。君にとっては非力な主かもしれないけどその上で言わせて。この街の自由を守るためにこの私に力を貸して」

 

音夜「..............東雲海音、か。その言葉、確かに受け取った。俺はこれから先、お前の刃になってやるよ。そんじゃ共に歩む盟友に今俺の名を乗ろう、俺は音夜だ。よろしくな、海音」

 

音夜と自分の名前を明かした侍は厳かな雰囲気から一変して普段の雰囲気に戻り、私に向かって手を差しのべる。そして私の首にはいつの間にか契約の印であるお札がネックレス状になり、掛けられていた

 

海音「!うん!」

 

私は音夜の手を取り、立ち上がる

 

音夜「しっかし、結構散らかったもんだな......」

 

音夜は辺りを見渡していると、

 

音夜「ん?あの櫓に出店........ここで何か催し事があったのか?」

 

海音「そうなんだよ。今度ここでお祭りがあるんだけどさ、ヒュージに壊されちゃって...........」

 

音夜「................それなら何とかなるかもな」

 

海音「えっ、どうにかなるの!?」

 

その言葉に私は思わず目を輝かせる

 

音夜「だが俺の力になる動力源がないと話にならないけどな....まぁお前から少し拝借するって手もあるが..........ん?」

 

音夜は周りを見回していると、ふとさっき倒したギガント級ヒュージの元に歩みを進める

 

音夜「なぁ、このヒュージって奴は民草、人に危害を与えるものか?」

 

海音「うん、そうだけど.........それにもう死んでるし」

 

音夜「うん.........いけそうか、これ........確かにお前の言う通り上質な力の流れを感じるな..............なら、成仏してくれ。音盤陰陽術第陸曲、鎮霊収奪」

 

音夜はまた誰かと話したあと、ギガント級ヒュージに触れて、稲妻を放ちながら何かを吸い取り、ギガント級ヒュージは綺麗さっぱりと消えてなくなる

 

海音「えっ、ギガント級ヒュージが消えた!?」

 

音夜「ヒュージの中にある力を俺のものにした、これであれを出せる。重次爺さん、秀靖、頼む」

 

すると、音夜の前に魔法陣が複数出てきて、そこから大量の兵や木材や釘、工具などが現れた

 

兵はざっと数えただけでも百人は超えていた

 

海音「..........な、何これ..........」

 

音夜「俺の家臣の力を借りたんだよ、皆、始めてくれ!」

 

兵達はおぉーっ、と鬨の声を上げて屋台や櫓の設営作業を始める

 

颯馬「海音!」

 

海音「!颯馬、皆!」

 

そこに颯馬達がやってくる

 

凪「これは.........どういう状況ですか?」

 

海音「実は...........かくかくしかじかで......」

 

私は三人にこの状況に至った事情を説明する

 

沙羅「なんと言うか.......規模凄いことするね、颯馬達も大概だけど」

 

凪「生物から力を吸い取るなんて芸当..........そんな力も持ち合わせていたとは。その力を人に使ったら......」

 

音夜「勘違いするな、この術は初めて使った。加減は出来るらしいし、第一人に害をなす奴以外にこの術は使う気はねぇ」

 

颯馬「それならよかった、人に向けたら多分俺はお前に手ぇ出してた」

 

音夜「おぉ、中々怖ぇことを..........」

 

と震え上がるように言うが、音夜の目は全く恐れていなかった

 

颯馬「さて、俺も手伝うか」

 

凪「私もやりましょう」

 

沙羅「私も!」

 

と颯馬達は兵達の元に歩いて、お祭りの屋台などの修理を兵達と協力して手伝い始める

 

海音「..............よし!」

 

私も颯馬達の所に駆けて手伝いに行き、音夜も歩みを進めて手伝いに加わるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________________________

 

そして無事に破壊された祭りの屋台や櫓は木製ではあるものの全て修繕し、祭りの準備が完了した

 

そして今は神社で催されるお祭りに音夜と共に訪れていた

 

海音「わぁー凄い.........!」

 

私はお祭りの繁盛ぶりに目を輝かせていた

 

音夜「へぇー、今の祭りはこのようなものなんだな........色んな奴らが楽しんでるようで微笑ましい限りだ」

 

音夜はキョロキョロと周りを見ながら、自分のことのように嬉しげを浮かべる

 

海音「本当にありがとね音夜........音夜や、颯馬達のお陰で祭りが開催できて、こうして色んな人が笑顔になってる。私も含めて」

 

音夜「いいってことよ、俺の力で民が笑顔になるならな」

 

と音夜は気分良さげな雰囲気で返す

 

音夜「それにしても、海音はこういう祭りに行ったことねぇのか?」

 

海音「あー........うん。私は親がこういうところに連れて行ってくれなかったから」

 

音夜「................そうだったのか」

 

海音「でも、今日こうして誰かと一緒に祭りに行けて良かった」

 

音夜「隣にいるのは人殺しなんだがいいのか?」

 

音夜は苦笑いを浮かべながら海音に聞く

 

海音「あれは、音夜は多分戦国時代とか生きてたんでしょ?しょうがないとは言わなくても私は責めはしないよ」

 

音夜「.............ありがとな。けどこれから少しずつ話す、隠し事ない方が安心出来るだろ?」

 

海音「.........やっぱり律儀なんだね、君」

 

音夜「どうだかな.............」

 

すると、ヒュゥゥゥゥー____と音が鳴り、私と音夜はその方向を向く

 

そこには火の玉が宙に打ち上がったあと、破裂して花のように爆ぜる

 

音夜「狼煙が爆発した......?なんだあれは?」

 

海音「あれは花火だよ」

 

音夜「.............今の時代にはこのような美しいものがあるんだな」

 

海音「うん..........本当に綺麗」

 

音夜と私は花火が打ち上がる様子を眺める

 

海音「.............ねぇ音夜」

 

音夜「ん?なんだ?」

 

海音「どんなことがあっても一緒にいてね、背中を預けられる人、私の頼れる人として」

 

音夜「.......あぁ、前にも言ったがお前が死なない限りは俺はお前の刃になってやるよ。無論死なせるつもりはねぇが」

 

海音「..........ありがとう。じゃあ音夜、はい!」

 

私は音夜に向けて小指を差し出す

 

音夜「何だそれは?」

 

海音「指切り、約束事をする時のおまじないなんだ。一緒にやろ?」

 

音夜「へぇー、そうなのか」

 

音夜は私の小指に自分の小指を引っ掛けて、一緒にギュッと固く握る

 

海音「これからよろしく、音夜!」

 

音夜「.........おうよ」

 

私はニコッと笑顔を浮かべ、音夜も静かに微笑む

 

そして指切りで握っていた小指を離して私達はまた花火を眺めたのであった

神楽の上級生に対する呼び方を何にするか

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