現実と並行セカイの境目ですか?   作:岸雨 三月

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4章:青山スランプマウンテン(漫画家ver.)#1

ココアがティッピーコンテストへの参加を高らかに宣言した翌朝。ラビットハウスの掲示板にはこんなメッセージが流れた。

 

<<コンテスト参加の件ですが抽選落ちました。この敗北の悔しさをばねに次に向けてさらなる精進に励みましょう>>

<<敗北って……戦ってすらいません。しかも次も参加する気ですか……>>

 

まだ一日も経ってないうちに抽選落ちで終わりを迎えてしまうとは。出オチにもほどがある。

 

チノは昨日からの一日で、ティッピーコンテストについて色々と調べていた。ティッピーコンテストとは、毎年夏と冬に二回開かれる国内最大のティッピー競技会で、予選参加者は毎回数千人規模にも及ぶという。大会にはテレビ中継も入ったり、観戦者のための出店も出たりして、ティッピー好き達のお祭り騒ぎという側面もあるようだ。コンテストで参加者はチームを組んで戦うが、競技のルールは毎年変わるのだという。ある時にはバスケットボールやゴルフなどスポーツをモデルにしたルールのこともあれば、世界各国の伝統的な遊びやゲームを模したルールのこともある。ルールに従いながら課せられた目標をティッピーを使ってクリアしていくのである(このあたりは、二十一世紀前半に行われていたロボットコンテストという企画を参考に作られているらしい)。

 

今回は、フランスの「シストの地図」という伝統的な遊びをモチーフにしたルールで、簡単に言うとフィールド探索型の謎解き兼障害物競走のようなルールとなっているらしい。ティッピーを使って謎を解きながらチェックポイントを回って行って、一番早かった者が優勝、というルールだ。完全にココアさんの暴走に巻き込まれた形だけど、ちょっと面白そうなので参加してみても良いかもしれません――そう思い始めていた矢先の抽選落ちのニュースだった。チノは少し肩すかしを食らったような気分になった。

 

今日はココアさんのティッピーコンテスト作戦会議の続きやらティッピー改造に付き合おう、というかその気がなくても付き合わされると思っていたので、完全に手持ち無沙汰になってしまった。日曜で祝日だった昨日に引き続き振替休日の今日も学校はお休みだ。しかも今日はホット・ベーカリーのシフトも無い。何をして過ごしましょう、久しぶりにレトロゲームでもしましょうか、さて相手は――などと考えていると、「チノ、ラビットハウスに書き込みじゃ」と再びティッピーが通知をよこす。見ると、シャロからこんな書き込みがされていた。

 

<<水道橋の漫画会社の近くで青山さんに捕まった、誰か助けて>>

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