Q,負けたら鬱ゲーとなるエロゲーに転生したらどうなるの?  A,転生させた奴ぶっ殺す。   作:サイコロさん

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序章 蛹から蝶へ、聖女から友へ
プロローグ 決められた運命が決められ『てない』運命になる瞬間


 俺は単なる不良生徒だった。

 

 

 世の中はクソゲーだと思った。誰かの叫びや反論すらも社会による『多数決』という数の暴力によって潰され、残った反対者も、そんな恐怖から共通する多数派へと飲み込まれていくから。

 

 

 と言っても単なる不良生徒ではない。

 簡単に言えば、みんな憧れの正義のヒーローを演じる為に不良生徒となった。

 

 

 例えばカツアゲするヤンキーを殴り。

 あるいはいじめをする社会的強者を蹴って。

 はたまたセクハラをする変態教師には金的攻撃をした。

 

 

 つまり、世の中でいう善良なる人々を守るために、自分の社会的立場や権力を使ってひでぇことする強者(クズ)を『暴力』で解決するそんな正義気取りな不良生徒(勘違い野郎)だった。

 

 

 馬鹿にしたければ馬鹿にしたって構わない。 

 俺だって、頭が悪い訳ではない。

 こんな事はいけない事だと理解しているが、このクソッタレな世の中は理不尽で埋めつくされている。

 俺は世間がいう『金』、『権力』、そして『学歴』が無いからこそ、俺の唯一無二たる才能であり、己が長年努力し続けた『力』でしか解決できなかった。

 

 

 勿論、悪いことをしたら自分に帰ってくる。

 とある日、俺は子猫を救う為に深夜の大雨の中、20メートルはある大木を猿のように登っていった。

 

 

 もうお分かりだろう。

 

 

 その時、子猫を無事に救出は出来たのだが、()()()雨によって濡れた木の枝の上にいた俺は足を滑らして、せめて子猫だけはの思いで子猫を覆うように抱き締めた。

 結果は俺は頭と首が、大木の偶然地面から出ていた根っこに当たって意識が朦朧となり、子猫は俺の顔を舐めて、静かに"にゃーん"と悲しげがある鳴いた声を聞こえながら俺は眠るように意識を失った。

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 そんな記憶が随分昔のように思い出される。

 俺は死んでいったと思ったが、なんと16年前の2歳の頃に戻っていた。

 

 

 ハッキリ言おう。"俺の頭大丈夫なのか?"と。

 

 

 しかし現実は残酷かつ奇妙。

 俺は頬を抓ったり、お袋に対して"貧乳"と悪口言った(自殺宣言した)が。

 お袋のラリアットが、夢や幻の類いではないことを、残酷かつ奇妙な現実であることを、首に伝わる痛みを通して教えてくれた。

 

 

 となれば、普通に考えてみよう。

 俺は今、後悔した人々が切に願った『人生のやり直し』ができるのである。

 となればなれば? また俺には前世18年分の『戦闘経験』や『失う悲しみ』を体験した精神力がある。

 

 

 となればなればなればァーーー!

 

 

「今度こそ俺はッ! ヒーローを目指すぞォーー!」

 

 

 前世の知識と経験を生かし、俺は今度こそは親不孝者かつ勘違い野郎にならないように生きることを決意した。

 ……この時の俺は予想していなかった。

 

 

 まさか『別世界』に()()していたことに……。

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

「ぃってぇ~! あのバカ、今度会ったらタダじゃスマンからなァ~!」

  

 

 曇り空の深夜、住宅街の何処にでもある道路を歩く見た目悪魔な男が腹を擦りながら負け惜しみを言っていた。

 

 

 その男がこの俺、風神(かぜかみ)颯斗(はやと)

 齢17歳にして、身長189センチの筋肉が引きしまった本の少しガタイの良い体型、髪型はアホ毛と普通のショート、目は友達からは"野生動物みたいな目つきで、ダークグリーン色"と、常に睨んでいるようだと言われ(涙)、雰囲気と性格が"おじいちゃんに似ているー!"と言われ(涙)、身体中火傷の痕がある以外とくにおかしくない高校2年生!

 学歴も前世通っていた不良高校から『東大の高校バージョン』と呼ばれた私立名門校に入学できた。

 

 

 まあただただ悪人に向かって暴力を振るっていたあの頃に比べたらかなり良くなっているだろう。

 

 

 欠点があるとしたら、見た目と雰囲気がマジで不良なので、友達がかなり少ない、小説が俺の親友なことぐらい……細けぇことは気にすんなッ!!。

 

 

 そんなこんなで、俺は気分転換に夜のお散歩をしている。

 すると左手側にコンビニがあった。

 俺は何か買おうとそこへ向かった。

 

 

 その時、その時だった。

 

 

 コンビニの隣にある路地裏に連れ込まれる女と男がいたから。

 そして女も男も俺は見覚えがある。

 

 

 男の方は名前は忘れたが、確か学園の女性陣からの皆揃って評判が低く、傲慢かつ醜い性格がそのまま写し出されたような見た目をしている。

 

 

 女は桜ヶ壱(さくらがいち)輝夜(かぐや)

 白に近い雪のような銀髪、宝石のサファイアを嵌め込んだような瞳、日本人とは思えない白系ロシア人みたいなシミ一つ無き肌。見た目は例えるなら『雪の妖精』だろう。

 俺が通っている『桜ヶ壱私立学園』の理事長の娘、第72期桜ヶ壱私立学園生徒会長、カリスマの集合体、慈悲と治癒を司る女神の現人神……exe。

 

 

 ぶっちゃけ凄い人、なんなら学園には彼女を対象とした過激宗教集団(ものすごいファンクラブ)がいるほど。

 

 

 普通に考えたら、ただでさえ女性の評判が著しく低い用務員と、『聖女』と呼ばれるまだ高校生の女性……。

 

 

 率直に思いつくのは二つ。

 一つは、見た目や世間を気にせず、ただただ愛したい『禁断の恋』故の夜景デート。

 けど、それにしては女の方……桜ヶ壱さんはなんか険しいっつうか、悲しそうっつうか……。

 

 

 ………なんか()()()()ような、全てを諦めた表情だった。

 俺が変なことを言っているが、俺にはそう見えた。

 

 

 となると答えは一つしか思いつかない。

 

 

「行くしかねぇだろなぁ!」

 

 

 俺は()()()()から、()()()()()()()()()()()()()()()を取り出した。

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 薄気味悪さが嫌でも分かってしまう。

 

 

 建物と建物の幅がおよそ5メートルしかないひび割れた道路にはゴミ袋が散乱しており、ひび割れた所からは大の大人を余裕で超えるノッポな草花が生えている。

 そして謎の気味悪さが、夜という恐怖を倍増させてくれていた。

 

 

 遂に行き止まりである壁の方へ移動された後、用務員が私を壁ドンするように、両手を壁につけ、顔を近づけた。

 

 

「ようやく……ようやくだね」

 

 

「……」

 

 

 私は反応しなかったが、用務員は関係なく話しかけてくる。

 

 

「まさか、あの『桜ヶ壱輝夜』さんが変態だったなんて」

 

 

 そうやって自分のスマホをヒラヒラさせてくる用務員。

 そこには自分の肌が露となった、『聖女』とは到底思えない露出度が高い服装を着た写真が撮ってあった。

 それは学園の廊下を歩く"それ隠せてる?"レベルのマイクロビキニの写真や、深夜の町を歩く下着姿等の普通では考えられない、私の肌が露出していた写真が次々と出てくる。

 

 

「いや本当に桜ヶ壱さんを尾行しといてよかった。こんな素晴らしいオカズが手に入った!……ところで」

 

 

 すると用務員は自分の体を舐め回すようにじっと見てくる。

 

 

「こんな写真が出回ったら、桜ヶ壱さんの家族も大変なことになるよねえ?」

 

 

 まるで分かりきったことをわざわざ聞いてくることから性格が悪い、が私の今の立場では断われないために静かに頷く。

 

 

「たった一つのお願い、たった一つのお願いで写真(これ)は投稿しないであげる」

 

 

「なんですか」

 

 

「それはキミが、桜ヶ壱さんが俺の物になること!」

 

 

 すると用務員の左手が私の太腿へ手をやる。

 

 

「この太腿にこのデカ尻! さらにメロン並のだらしない爆乳ッ! どれほど待ち望んでいたか! ずっと写真でしか得られなかった爆乳(これ)が俺の物に!!」

 

 

 そして太腿から臀部、そして胸へと下から上へとベタベタ触っていく。

 けれど私は悲鳴どころか恐怖すらも沸かなかった。

 正確にいえばもう()()()()()()()ことから、解放される気持ちだった。

 

 

 これでいい………その時だった。

 

 

「待ちやがれッ!」

 

 

「「!!?」」

 

 

 私と用務員が声がする方へと視線を向けると、そこには高身長の大柄な目つきが悪い男がいた。

 

 

「話は全て聞かせてもらった。そこの()()()()()よぉ? これは恐喝というんじゃないか?」

 

 

「そ、それがどうした! お前には関係ないだろ!」

 

 

「関係あるなし関係なく、この俺は今、頭から足の小指までグツグツとしたマグマが注がれたような怒りが湧いているんだよォ! たった今の話を聞いた瞬間からなぁ!」

 

 

「ッ! ……だったら交渉だ。桜ヶ壱さん(コイツ)を先にヤらせてやる。その代わりにこの事は一切喋るな」

 

 

 用務員は私の体と引き換えにこの事を黙るように取引をし始めた。

 自分でも言うのもおかしいが、客観的に見ても私は大変美しい見た目であり、女性ならばの部位も高校生とは思えないほどに大きくふくよかである。

 

 

 高校生という若さに性的興奮を誘う丸々とした臀部に胸部、もう取引の結果は見えている。

 

 

「ほう……つまり俺が取引に応じれば、その()()()()を好きにできる、と?」

 

 

「ああ! それも初めての、穢れていないままだ!」

 

 

「なるほどな……」

 

 

 男は少し考えるように顎に手をやる。

 それを見た用務員は少し口角を上げた。

 

 

「そうだッ! なんならどんなプレイもさせていい! 例え家でも外でも、SMでも、強姦陵辱なんでも「うるせぇこのゲス野郎がァー!」ゴフゥ!!?」

 

 

 すると用務員が男の回し蹴りによって左へ吹っ飛んだ。

 男は用務員の方へと歩き始め、そして用務員の襟元を掴んで鬱憤を晴らすように叫んだ。

 

 

「俺は別に()()()()を、また女性を無理やり犯すような趣味は持ってねぇ! 俺がムカついているのはオメェみてえな『クズやゲス野郎』を視界に入れた時からだ! そもそも女を、ただただ性慾を解消するための『道具』扱いする野郎は言語道断! さっさと存在そのもの此処から去りやがれやァァア!!」

 

 

 そして男は用務員のスマホを持っていた手を踏みつける。情けない男性の汚い悲鳴が聞こえた。

 男が足を上げると、靴の跡がついた手とバラバラとなったスマホの残骸、そして赤色の液体が用務員の掌から出ていた。

 

 

「からのォ~!」

 

 

 男は手の痛みに狼狽える用務員を手で無理やり3メートル程投げ飛ばした。

 すると男は、ズボンのポケットから謎の黒色のカードを取り出した。

 

 

野獣(けもの)の本能はたった今目覚める」

 

 

 そして男は、自分の肉食動物のような獰猛な歯で指を切る。

 

 

「それは『憤怒』。それは不可能を可能にする一種の希望であり、そして己に対する強大なる試練」

 

 次にバツマークを描くように黒色のカードに血でなぞる男。

 すると黒色のカードが、まるで古代遺物(オーパーツ)のように、現代ではあり得ない技術で作られたような非対称の丸と線で構成されたマークが紫色の光る。

 

 

「試練を乗り越えるにはたった三つの『力』が必要。一つは怒りに耐える『忍耐』! 一つは怒りを操る『理性』! 最後は怒りを我が物とし、己の力とする『意志』!!」

 

 そして()()()()()()()()()()()にカードを差し込み、謎の取っ手を左に引っ張る。

 

 

「『暗闇』に紛れ『殺す者』! 闇に溺れし我が正義を信じる狂信による鉄槌者!」

 

 

 すると男の影が意志を持ったかのように飛び出し男を蛇の如くグルグルと巻きつく。

 影が男を全て巻き付いた瞬間、見た限りまるで何千何万回も巻かれた糸の束が硬化して殻となっていた。

 

 

 その様子を例えるならば蝶の成長過程だ。

 まず幼虫()()で身を包み、そして蛹のように()が殻のように硬くなる。

 

 

「変身ッ!」

 

 そしてその殻は(男を包んだ殻が)────

 

 

精霊装着者(コスプレイヤー)暗殺者(アサシン)】!!」

 

 

 美しい羽を持った蝶と成長する(ヒーローとなった)

 

 

 それは黒色で統一されており、まるでアンドロイドスーツの上に赤色のラインが入った黒色のフード&マント付きローブを被っているようだ。

 胴体、両腕両脚は近未来みたいな黒曜石で造られたアンドロイドスーツ、その反面両手はバイクグローブ、靴は黒茶色の昔臭い革長靴。

 顔はガスマスク、そして目の結膜と呼ばれる部分が黒く染まり、瞳であるダークグリーン色の瞳がより煌めいてみえる。

 それは近未来の忍者というべきか、人間の格好をしたアンドロイドだと言われても納得するような、現代離れな格好だった。

 

 

「只今参上!」

 

 

 この間、僅か1秒の出来事でした。

 

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

 俺は変身したあと、足腰に力を込めてゲス野郎(用務員)を蹴り跳ばしたあと、俺も跳ぶ。

 俺が跳んだところから爆音が響く、が気にせず上昇しているゲス野郎(用務員)の腹をぶん殴る。

 

 

「ゲボォ!??」

 

 

 すると急に吐き気がしたのか、吐きそうとするゲス野郎(用務員)

 俺は吐こうとするクズ野r(用務i)──クズの顔面に左アッパー、この場合だとクズは真っ逆さまのためクズからすれば拳骨を落とされた感じだろう。

 クズがまた打ち上げる。俺はそろそろ決め手の準備する。

 

 

「溜まったこの『憤怒』! 100倍、1000倍増しで返してやるぜェッ!」

 

 

 俺はベルトに付いている『変身装置(メタルフォーゼ)』に影からまた新しいカードを取り出す。

 それを『変身装置(メタルフォーゼ)』にセットする。

 

 

『【Shall We Dance(踊り狂いたいですか)?】』

 

 

「【Sure(ええ), I'd love to(踊り狂いたい)!】」

 

 変身装置(メタルフォーゼ)を中心にまるで機械の導線みたいにカクカクとした紫色の光る線が、俺の全体に広がる。

 

 

 さあ、クズよ! 俺と踊り狂いおう(争い狂おう)

 

 

「【暗殺者奥義(アサシンコマンド) 静かなる拳闘一殺(サイレントKO)】ッ!!」

 

 

 そして俺の右ストレートがクズの腹に直で当たった。手応えあり。

 クズはもはや星になる勢いの速度で地面へと墜落する──した。

 

 

 ()()()()()()()()()()()()

 

 

 本来爆音が響く筈だが、それは呼吸音が聴こえるほどに静寂で、ひび割れる筈の地面は何も変わらず、そして土埃も巻き起こらず、まるで戦闘が起きる前、いつもと変わらないままであった。

 ただ変わったことと言えば、そこにはボロボロとなった服装と瀕死状態のクズ野郎(用務員)だけだった。

 俺はクズに説明するかのように独り言を言い始める。

 

 

「暗殺者と人殺しと違う点は『如何にバレないように目標(ターゲット)()()()か』だ」

 

 

「いくら強く賢く美しく消せたとしても、それがバレたら意味がない。暗殺者とは『暗闇に紛れ殺す者』」

 

 

「つまり隠密性と殺傷性が求められる。それ故にこの【静かなる拳闘一殺(サイレントKO)】とは、次の攻撃を()()()()()()()()だ」

 

 

「本来音や熱に変換されるエネルギーを、全て俺の『次の攻撃』に加える、100%のエネルギーによって放れる、というべきか」

 

 

「そしてそのエネルギーは『攻撃』に使用するため、音も、熱も、はたまた衝撃、俺の拳に反動さえもお前の体内に留まり爆発する」

 

 

「物理法則を無視し、完全に隠密性と殺傷性だけを極めた一番目立たない、『地味』だ」

 

 

「つまり情報漏洩の可能性が低く、そして一撃必殺、まさに『最恐かつ最強』の技が【静かなる拳闘一殺(サイレントKO)】だ……せいぜい苦しみながら生きれ」

 

 

 俺は屋根から地面へと猫のように降り、会長の元へ行く。

 

 

「……あ、あの」

 

 

「質問する。答えろ」

 

 

 俺の質問に少しだけ体をこわばらせる会長、俺は気にせず続ける。

 

 

「お前は今まで何回変態行為(野外露出)した?」

 

 

「……ご、5回です」

 

 

「────そうか、そうかそうか」

 

 

 俺は会長のおでこに向けて5回デコピンする。

 

 

「───ッ!!? ~~~ッ!??」

 

 

 会長は声にならない悲鳴を出しながらおでこを擦る。

 すると会長が少し涙目ながら問いただそうとした。

 

 

「何ですか!? いきなり何でデコピンしたんですか!??「────お仕置きだ」え?」

 

 

「お前は先ほど酷い目に遭ったが、それは『自己責任』だ。何故ならお前は露出していたのは事実だろ?」

 

 

「そ、それは……」

 

 

 言い返す言葉がなくなったのか、急に黙る会長。

 俺は溜め息つきながら質問をする。

 

 

「じゃあ聞くが、お前はどうして()()()()()()()()()?」

 

 

「……」

 

 

「安心しろ。此処で起きたことは誰にも言わないし、周りに人の気配はしない」

 

 

「……本当ですか?」

 

 

「俺はこんな職業(暗殺者)だが約束は守る。そもそも出来なかったらこんな職業(暗殺者)ではやっていけないだろ?」

 

 

「……実は──────」

 

 

 そこから消え入りそうな声で、ゆっくりゆっくりと話してくれた。

 

 

 自分は『聖女』として、『桜ヶ壱輝夜』にならなければならないこと。

 自分が何かをすれば、一番被害を受けるのは周りということ。

 自分じゃない『自分』を演じているようで、もはや()()()()()が分からなくなっていたこと。

 そこで、たまたま自分をさらけ出したくなる衝動で始めたのが『野外露出』とのこと。

 

 

 彼女は隠し続けた本音を俺に話した。

 それはとても辛く悲しく苦しくて……。

 そして──────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このアホがァァアアアアアーーーッ!!!」

 

 

「キャアアッ!!?」

 

 

 ───アホだった。

 俺は脳天スイカ割り一刀両断チョップを彼女に食らわす。

 彼女はさっきよりも大粒の涙を貯めた涙目で俺を睨み付ける。

 

 

「何ですかッ! 普通慰めるのが当たり前じゃないんですかッ!!」

 

 

「うるせぇアホ! オメェ勘違いしているから教えてやる!」

 

 

 俺は彼女の顔を掴んで顔を向けさせる。

 

 

「人間という生き物はテレパシーが使えねぇんだよ! だからお前が思ってる『いつか本当の私を見てくれる白馬の王子様が現れるわ!』的な出来事は来ないんだよォ!」

 

 

「自分から声をかけないと、動かないと理解する奴も見てくれる奴もいない! っていうかそもそもお前が望む何もかもやって来ねぇんだよ!」

 

 

「聖女? 女神? 桜ヶ壱輝夜? 俺からすれば、例えその通りに動いてもアンタは満足できますか!? 俺とアンタでは育ちも環境、考え方も感覚がハッキリ違う! だから───」

 

 

 俺は会長の泣いている目をさらに力強く訴えるように目を見る。

 

 

「──しっかり伝えてくれ、()()()アンタをな」

 

 

「ッ!」

 

 

 俺が言いたい事を理解したのか、会長の涙目は、よそよそとした表情が()()()()()

 俺は会長を背に向けて立ち去る。会長は去る俺に向けて疑問をぶつけてくるが、俺は足を止めなかった。

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

「風神颯斗さんはいますか?」

 

 

 後日、会長が教室に凸ってきた。なんで?




 今回のおさらいィ!

 
 主人公は義賊、SPを圧倒できるほどチュヨイ。
  ↓ 
 子猫を助けてポクポクチーン。
  ↓
 なんか16年前に戻ってた。しかも並行世界。
  ↓
 主人公チート化、生徒会長(ヒロイン)に対して激おこぷんぷん丸。
  ↓
 なんかバレた。
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