本当の『私』と向き合えますか? 作:くーふく
授業が終わり放課後。私は疲れを見せないように友奈ちゃんと東郷さんと共に勇者部へと向かった。やはり、というべきか2人とも難しい表情をしている。
「…2人とも大丈夫?何か考え事?」
「…ううん。気にしないで。」
「大丈夫よ。大したことじゃないから。」
部室につきいつも通り声を出して入室する。
「環いろは、友奈ちゃん、東郷さん入ります!」
「……。」
みんなやはり難しい顔をしてる…。何かお菓子でも作ってリラックスしてもらおうかな。
「私、お菓子作ってくるね。みんなゆっくりしてて。」
私は逃げるように部室を後にした。
いろはside out
友奈side
今、私を含めていろはちゃん以外の勇者部全員が難しい顔をしている。その理由は授業中に起こった樹海での出来事にある。
「私、お菓子作ってくるね。みんなゆっくりしてて。」
そういっていろはちゃんは部活から出て行く。気を使わせちゃったかな…。
そう考えていると東郷さんが口を開く。
「…風先輩。あのことを説明して貰えますか?」
「わかったわ。まず今回起きた現象は樹海化。神樹様がバーテックスという敵を倒すために作った結界よ。今回襲来してきたのが乙女座というバーテックスね。」
それは樹海の中で聞いた話だ…。それにしても…
「あの女の子が言っていた勇者って…?」
「勇者は大赦が最も適性があると判断した人のことよ。その適性とは神樹様の力との親和性のことを指すわ。勇者は純粋な女の子にしかなれないのよ。」
「あの、あの女の子は勇者なんですか?」
「分からないわ。樹海の中にいる時、スマホで位置情報を確認できるんだけどあの子の名前がunknownになってたからね。友奈や東郷、樹の名前はちゃんと書いてあったわ。」
それにしてもあの子が言ってた言葉…。変身してしまったらバーテックスと永遠に戦い続ける運命になってしまう、か。
「あの子が言ってた言葉、本当なんですか?」
「あたしには分からない。いくら大赦の人間だからって全てを教えてもらうわけではないもの。あとあたし達が当たりだったってあたしが言ったと思うけど、四国の各地に勇者候補が他にもいたのよ。だからこそ確定してなかったし言うことができなかった。本当にごめん!」
「…それなら仕方がないですね。私、そのことを言おうとしてました。何故言ってくれなかったのかなって。でも気持ちはわかります。私も風先輩よ立場ならそうしてると思いますし。」
「ありがとう、東郷。…それにしても変身するな、とはあの子が言ってたけど結局樹海化には巻き込まれるのよね。」
結局選ばれてしまった以上、私達はあの化け物を倒さないといけない運命なのかもしれない。
ちょっぴり怖いけど頑張るしかないよね…!
「私は勇者になります!結局は巻き込まれるんです、頑張るしかありませんよね!」
「…私も覚悟を決めました。私も勇者になります。」
「友奈、東郷…。」
「私もなるよお姉ちゃん、勇者に。」
「そう、ならあの子に守ってもらう必要がないってところを見せつけてやるわよ!」
私はこの時、この瞬間に勇者になったのである。
友奈side out
いろはside
お菓子を作り終えて部室に入ろうとすると話し声が聞こえてきた。
「私は勇者になります!結局は巻き込まれるんです、頑張るしかありませんよね!」
「…私も覚悟を決めました。私も勇者になります。」
「友奈、東郷…。」
「私もなるよお姉ちゃん、勇者に。」
「そう、ならあの子に守ってもらう必要がないってところを見せつけてやるわよ!」
え…。勇者になってしまったら元の生活に戻れない可能性もあるのに…。どうしてそんなに強いの?私はみんなに幸せになって欲しいだけなのに…。
そんな考えが頭の中をぐるぐるまわる。結局こうなってしまうのか。この身体は
その時樹海化警報が部室の中から聞こえてきた。
…あぁ、またなの?なんでこんな時に来てしまうの?現実は非情だ。私の感情なんて気にしちゃいない。
「あぁ…この気持ちを全て吐き出したいよ…。」
こんなにも友達に隠し事をするのは辛いことなんだなって思いもしなかった。
「…私は絶対に失わせない。絶対に守り通してやる。」
世界は眩い光に包まれ樹海へと変貌した。
まじでいろはちゃんの口調むずい!頑張れろっはー!負けるなろっはー!