本当の『私』と向き合えますか?   作:くーふく

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手ってこんなにも暖かいんだ。

 いろはちゃん本人と話せたからか知らないけど、心が落ち着いていた。私が今できることを…!

 

「…ッ!友奈ちゃん、東郷さん!風先輩、樹ちゃん!手を…ッ!」

 

 私がそう声を上げると4人はボロボロな身体に鞭を打って手を差し伸べてくれる。その手を握って私は口を開いた。

 

「コネクトッッ!!」

 

 そう叫ぶと魔法陣が描かれ力がブーストされると同時に友奈ちゃんと東郷さん、風先輩と樹ちゃんの身体を癒す。『環いろは』のコネクトは他人を癒す力。今まですっかり忘れていた。『環いろは』は仲間と一緒なら最強なんだって…!

 

「お願いっ!力を貸して…!」

「全く、後で事情を聞くわよ!」

「一緒に国防に励みましょう!」

「私、精一杯頑張ります…!」

「さぁ、一緒にっ!」

 

 本当に、私は最悪だ。勇者になることを遠ざけてたのにいざ勇者になってしまったみんなに力を借りるなんて。でも、それでいいんだ。それが(環いろは)なんだ!

 私は腰にあるナイフを地面に投げつける。

 

「封印開始ッ!」

「任せて…ッ!」

 

 

「2体目は私達に任せて…!」

「お姉ちゃんいくよ!」

 

 

「さぁ、いろはちゃん!一緒に…!」

 

 私はみんなと一緒なら、

 

「うんっ!はぁぁぁぁぁッ!」

 

戦える…!

 

 3体目の御霊を破壊すると世界は眩い光に包まれたーーーー。

 


 

 私は部室の前に戻ってきていた。無事戻って来れたことに安心すると身体に力が入らず座り込んでしまう。

 

「…それにしてもいつ友奈ちゃんは私だと気がついたんだろう…?」

 

 …よくよく考えてたら大きな声を凄く出してたよ。それはバレても仕方がないよね…。

 

「いろはちゃん…!」

 

 声がする方を向くとみんながいた。

 よかった、無事に戻って来れてたんだ…。そう思うと同時に私は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

「ーーちゃん!ーーはちゃん!」

 

 声が…聞こえる。途切れ途切れだけど私にはわかる。みんなが私を呼んでる。早く戻らなきゃ…!

 

「ーろはちゃん!いろはちゃん!」

 

 目を開けると目に涙を溜めた友奈ちゃんが映り込んできた。気絶してから膝枕をしてくれてたんだ…。

 

「よかった…!目が覚めたんだね…!」

「全く、急に意識を失うから心配したわよ。」

「本当よ。いろはちゃん、身体は大丈夫?」

「…大丈夫だよ、少し疲れちゃっただけだから。」

「今は安静にしといてくださいね。」

 

 本当に、私には勿体無い人たちだよ…。こんなにも心配してくれるなんて。私は幸せ者だね…。

 

「…ご心配おかけしました…。」

 

 

 

 暫く時間が経ちある程度みんなが落ち着いてきた頃、風先輩が口を開いた。

 

「さて、いろは。説明してもらいましょうか。」

 

 …聞かれないとは思ってもなかったけど、いざ聞かれると緊張しちゃうな…。そう思っていると少し顔が強張る。その様子に気がついた友奈ちゃんから声をかけられた。

 

「大丈夫、ゆっくりでいいんだよいろはちゃん。」

「…うん、大丈夫。それじゃ説明するね?」

 

 私は元男という点を除き、転生したというところから話し始める。この『環いろは』と言う身体は元はアニメのキャラの主人公で魔法少女であったこと。魔法少女になるまでとその末路。今まで考えてきたことを全て話した。

 

「はぁ〜成る程ねぇ。だから勇者になるなって言ってたのね。」

「はい。だからこそ、私はみんなに勇者になって欲しくなかった。けれど勇者になってしまったみんなに頼ってしまってるから本末転倒なんですけどね。」

 

 そう苦笑しながら返答していく。(環いろは)は1人じゃ何も出来ないくせにあんなに大口叩いたんだもん。みんなから怒られても何も言えないよね。

 

「全く。気持ちはわかるけど相談しなさいよね?勇者部五箇条にもある通り悩んだら相談!」

「あはは…言い返す余地もありません…。」

「そんないろはちゃんに罰を与えます!」

「いろはちゃんは罰として今後も勇者部に居てもらいます!」

 

 …え?

 

「本当にいていいの…?」

「うん!いろはちゃんは大切な仲間だから!逆にいてもらわなきゃ駄目なんだよ!」

「こう言わないと勇者部を辞めていたでしょう…?」

 

 確かに、後ろめたさに辞めるつもりだったけど…。なんでここまでわかるものなのかな…。

 

「私、もっといろはさんと仲良くなりたいです!」

「部長命令よ、いろは。これからもずっと勇者部にいなさい!」

 

 みんなの言葉を聞き終わると涙が溢れ出てきた。止めようとしても止まらない。今まで貯めてきた分を全て吐き出すくらいに。

 さっき泣いたのを除いたらもうずっと泣いてなかったな…。

 

 私は小さい頃からずっと人付き合いが得意ではなくて、それでも周囲に取り残されたくなくて泣きたい時もずっと作り笑顔をしていた。「何を考えているのか分からない」とずっと言われてきた。そんな私にこんな…

 

「やっと居場所が…ひっぐ見つかったような気がしました。こんな私でもいいならずっと居させてください!」

 

 泣きじゃくる私をみんなは優しく背中をさすってくれながら手を握ってくれた。こんなに手ってあったかいんだ…。

 これから先、なんだかいいことがある予感がしたーーーーーー。

 

 




いろはちゃぁぁぁぁぁぁ!!!!
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