今回は直接相対します。
でわ、ごゆっくり。
「う〜ん!気っ持ちいいっ!」
「お天気も良くて、もーサイコー!」
「絶好のピクニック日和ですね!」
「姫。よくこんな場所を知ってましたね。」
「ホント。貸切じゃないですかぁ。」
「へへ。どう?気に入ったでしょう。前に一度通った事があったんだよ。そんで、も一回来ようと思ってゲートにメモリーしてたのよ。」
「ココ。なんてトコですか?」
「確か、、、アベリアン丘陵、だったかな。」
「帝国からは遠いんです?」
「うん。私たちは近道したけどね。聖王国の近く、かな?」
「へ〜。便利ですよねー、ゲートって。」
「まーね。空飛んで来ても良かったけど目立つから。それよりお昼にしない?」
「そだね、あそこにデッカい木があるからその下でお昼にしよっか。」
「ツアレ。お弁当用意してよ。私、テーブル出すからさ。」
「オッケー。アルシェ、食器頼むね。」
「じゃあ私たちはお茶の用意しますね。」
「あなたたち。食べる時は段取りイイよねー。」
「うわ〜。美味しそう!これってレイナースさんが?」
「うむ。一応、花嫁修業の真似事はやったのでな。サンドイッチぐらいは作れる。」
「そんじゃ、いただきます!」
『いただきまーす!』
「品質が落ちていますね。作り直して下さい。」
「申し訳ありません、デミウルゴス様。」
「御方には常に最高の品を献上しなくてはなりません。原料の羊たちの体調にも気を付けて下さいよ。」
「ハッ!特に皮膚を清潔にとのご命令ですので洗浄は念入りにしております。」
「そうですね。良いスクロール用の皮革には先ずは素材ですから。それと栄養面にも気を付けて下さい。」
「デミウルゴス様、少し問題が。ニンゲンと亜人との異種交配が中々上手く行きません。」
「何故です?理由は分かっているですか?」
「はぁ、どうも互いの相性が合わないらしく。」
「その件は生ぬるいですよ。餌も環境も与えているのですから、多少無理をさせてでも交配させなさい。」
「ハッ!」
「でもさぁ姫。アルシェの言ってた見張り?本当に追わなくて良かったん?」
「追ったところで交戦はしなかったと思うんだ。」
「なんでさ?」
「だってあの後、逃げるビーストマンの影が消えていったもん。証拠隠滅したんじゃないかな。」
「と言う事はモモンガはまだ姫の正体を掴んでないってこと?」
「プレイヤーって事は流石にバレてると思うけど、特定までは無理だろうね。私、そんな有名じゃなかったし。」
「そのプレイヤーってそんなに居たんだ。」
「最盛期に比べたら大分減ってたけど、それでも万単位は居た筈だよ。」
「姫みたいなのが万!?」
「いやいや、それは流石に。私やモモンガみたいなのはもっと少ないよ。でも確実に数百は残ってた。」
「ふ〜ん。それでこれからどうなると思う?」
「探すでしょうね。竜王国って手掛かりも見つかった訳だし。」
「ヤバいじゃん。」
「別にヤバくないよ。それにワザとそうなる様に今回は派手に暴れたんだしさ。」
「だから見張りを逃したんだ。」
「そそ。向こうも動き出してるからね。ちょっと牽制。」
「ビビってるかな?」
「どーだろね。モモンガって結構な数のメンバーまとめてたから、やり手だと思う。今頃はきっと次の手を考えてんじゃね?」
「姫は?」
「面白いからチョッカイかけてやる。」
「逃げんのやめたんだね。でもそれで正解だよ。」
「ツアレは怖くないんだ。」
「怖いってより凄いんだろうなって。姫と5年居るから、そっちの感覚が強い。」
「モモンガは凄いよ?影のラスボスって言われてたぐらいだから。」
「でも負けないんでしょ?」
「タイマンならね。勝つ自信あるよ。それに今回でコッチにも勝機あるって分かったし。」
「なにそれ?」
「出した駒がショボかったんだよ。私たちが来るってわかってたのにデスナイトじゃあね。秤にもなんないじゃん?それに見張りもプレイヤーじゃなかったし。」
「そうなの?」
「違うね。あれはNPC。プレイヤーならもっと揺さぶりかけてくる。それがあのギルドのメンバーなら特に。」
「なんか楽しそう。」
「楽しいよ。まったりすんのもイイけど、やっぱ攻略とか駆け引きとか好きだし。」
「ゲーム、好きだもんね。」
「ゲーム イズ マイライフ。」
「私たちって強くなってますかね?」
「何だ急に。」
「よくわかんないんですよね。」
「そうそう。ズッと模擬戦ばっかで実戦って言ってもこないだのが初めてだから。」
「物差しが無いって事か?」
「それそれ!基準が周りに無いんですよね。」
「姫なんて別次元だし。メイド長やレイナースさんもなんか違うなって感じだし。」
「私もか?」
「違いますよぉ。そりゃあ、やってた人ですから違うのは当たり前なんでしょうけど。」
「まぁ違うかどうかは置いておいて。それは中に居るからだと思うぞ。」
「中に居るから?」
「そうだ。中に居るから自分が強いのかどうか分からんのだ。ついこの前まで外に居た私から言わせると、このパーティーが異常なのだ。」
「大袈裟ですよぉレイナースさん。」
「異常って、ねぇ?」
「私は、、、なんとなく分かる気がする。」
「そうなの?アルシェちゃん、わかんの?」
「はい。私の場合、魔法に関してですが。ルビーさんたちが使うのは、もう宮廷魔法師団を超えてますよ。ねぇ?レイナースさん。」
「うむ。魔法には暗い私でもそう思う。自信を持って良いんじゃないか?」
「周りがスゴ過ぎて自信なんて持てないよね。」
「うん。特に妹ちゃんたち。」
「ウーとクーですか?」
「そうよぉ、そのウーちゃんとクーちゃん。」
「まだ子供ですよ?」
「尚更だよぉ。竜王国でも噂になったじゃん。」
「地獄のなんとかって。」
「ああ。あれは少し大袈裟ですよ。」
「いや、そうでもない。その件については同意するぞ。」
「レイナースさんまで、、、。」
「私もな。そんな大袈裟な、と思って現場を見に行ったのだ。それは酷い有り様だった。」
「そんなに、ですか?」
「血の海ってのはあるんだなと驚いた。アレを必殺技だかなんだか知らんが、幼女2人でやったとしたらそりゃあ地獄の2連星って渾名も付く。」
「変わらないんだけどなぁ。甘えん坊だし。」
「同じだ。中に居るからわからんのだ。」
「知ってる?姫がその渾名は可哀想だからって新しいの付けたって。」
「え?そうなの?初耳。」
「あ。私、それ知ってる。リトルボムズって言うんだよ。」
「姉の私が知らないのに、、、。」
「で?どう言う意味なのだ?」
「小さい爆弾って意味らしいです。でもバクダンってナンです?」
「ファイアボールの超デカいヤツだって言ってた。」
「あと、GPになるかもって。」
「なんだそりゃ?」
「現地産プレイヤーだって。なんか法国にプレイヤーの子孫?が居るらしいじゃないですか。レイナースさんなら知ってるって言ってましたよ?」
「ああ、その事か。知ってるって言っても噂話程度だぞ。何しろ帝国でも誰も見た事ないんだからな。しかしその事とその、GP?だったかとどう関係あるんだ?」
「多分、超えるって。」
「ちょっと待て!簡単に言うな、相手は神人と言われているんだぞ!?」
「そんな事言われたって困りますよ、姫が言ったんだから。」
「う〜ん。なら、大変な事になるぞ。これは責任重大だ。」
「なんでですか?私たちにナンか関係あります?」
「呑気だな、、、いいかよく考えてみろ。あの子たちが大きくなって暴走し始めてみろ。間違いなくこの世の終わりだ。ただでさえ、こんな中で育っているんだ。言った様に基準値が他とは違い過ぎる。その辺も含めてちゃんと育てないとモンスターになってしまう。」
「あんなちっちゃくて可愛いのに?」
「ホッペなんてプニプニだよね。」
「はぁ〜〜〜。あのなぁコレは言わないでおこうと思っていたがお前たちがあんまりお気楽なので言う。あの子たちだけで、王国軍を全滅出来る。私がこれを言う意味はわかるな?」
「元帝国四騎士から見て、と言う事ですよね。」
「そうだ。実際に戦った事がある私が言うのだ、間違いは無い。あの子たちが上だ。と言うワケだ。アルシェ、頼むぞ。」
「え?え?私だけ?助けてくれないんですか!?」
『だって、お姉ちゃんだろ?』
「デミウルゴス様。周辺警備からの報告です。ニンゲンたちのパーティーが付近を彷徨いております。」
「ニンゲンたち?数は?」
「オンナばかりで8名、うち子供が2名。」
(ほう。これは繁殖実験に使えそうですね。)
「分かりました。出来るだけ傷を付けずに生捕り、、いえ、私が行きましょう。」
「デミウルゴス様が自ら?」
「お前たちではうっかり殺してしまうかも知れませんからね。それでは困るのですよ。それで?何処ですか?」
「丘の上の巨木が目印との事です。それと、ナザリックへの連絡は如何いたしましょう?」
「この程度の事で御方のお耳を汚すわけにはいきません。事が終わってから私がご報告申し上げますよ。」
「ハッ。承知しました。」
「なーに、直ぐ終わります。簡単なお仕事ですよ。」
「木の上からの眺めも中々だねぇ。」
「ホント!めっちゃ遠くまで見えるよ。」
「ん?ツアレ。アレ、なんか建物が見えるよ?」
「ん〜。牧場?ぽいかなぁ。柵とかあるし。」
「前来た時はあんなの無かったのに。亜人とかでも牧畜すんの?」
「聞いた事ないなぁ。てか亜人に知り合い居ねーし。」
「変だね。ツアレ、皆んなを呼んで。」
「了解。もしもし?姫が集まれって。そう。直ぐ。うん。じゃあ、よろ。言ったよ。」
「サンキュ。やっぱ変だよ。所属の旗とか無いし。付近に亜人も居ない。」
「姫さん、どうした?」
「レイ。この辺りって亜人多いよね?」
「ああ。互いに睨み合っている。」
「じゃあさ。こんな見晴らしの良い所で牧場なんかやる?」
「あり得んな。襲ってくれと言っている様なものだ。」
「探り入れる?」
「その必要はありませんよ。」
「誰っ!?」
「誰と言われましても。名を聞くなら、先ずは名乗るのが礼儀では?」
「なら名前は聞かない。じゃあ、サヨナラ。」
「おっと、会ったばかりで、もうサヨナラとは連れないですね。」
「じゃあさ。会わなかった事にすればイイじゃん。だからお互い名前も知らない。もう一度言うわ、サ・ヨ・ナ・ラ。」
「なるほど。名乗らずとも貴女が誰なのか分かりましたよ。竜王国のプレイヤーですね。」
「バカなの?それ言っちゃったらあなたも誰だかバレたわよ?モモンガさんの手下さん。」
「どうです?提案ですが、私たちの配下へお入りになりませんか?もし飲んでいただけるなら、あなただけは、命を助けましょう。」
「ナメてんの?ていうかアホ?アンタ一人で相手になると思ってんの?」
「アルファ1。少し黙ってて。」
「アルファ1?そっか!了解したよ司令。」
「あしたは雨だね。」
「だね。土砂降りだね。」
「なにを訳の分からない事を。明日の天気を気にする余裕があるのですかね?」
「明日は予定があるのよ。だから降られると困る。それよりさっきの返事ね。勿論、Noよ。」
「残念です。では、早速ですが始めましょうか。平伏したまえっ!」
「きゃー!」
「なんだ?コレは!」
「立てないよぉー!」
「呪言か。悪魔種の十八番だね。」
「流石にあなたには効かないですか。まぁそれでなくては御方へ献上する価値が無い。」
「私は品物じゃないよ?誰のものでもない、私は私。それに私の大切な友だちに手を出したね?イイ?そっちが先に手を出したんだよ?忘れないでね。」
「なにを今更っ!悪魔の巨爪っ!」
「遅い!魔防壁!天使の制裁!」
「グワッ!」
「どう?ご自分の爪の味は。この組み合わせはね、受けた攻撃をそのまま返すの。ほら、もっと打てば?」
「煉獄の炎!」
「ホーリーシャイン!封印!」
「バカな!炎が!」
「その程度であんな口をきいたの?呆れた。じゃあ私のターンね。カッコいいスーツだけど少し汚れちゃうね。イイ?平伏すって言うのはこうやるのよ。ヘビープレッシャー四肢圧断!」
「ぎゃああああああ」
「これで手足の骨はバラバラになった。暫くは立てないわね?可哀想。じゃあ先ずはあなたの名前から覗こうかな?」
「だ、だれが!たとえ口が裂けても!」
「アラ。あなた、アタマも悪いのに耳まで悪いの?私は覗こうって言ったのよ?聞くんじゃない除くの。」
「やめろ!何をする気だ!」
「記憶を見るの。ほら、ジッとして。動くと死んじゃうわよ?ふむふむ、なるほどね。」
「貴様っ!許さんぞ!絶対に許さん!」
「なーに悪党の決まり文句言ってんの?そーゆーのフラグ立ったって言うんだよ?それとも死にたいの?デミウルゴスさん。」
「!」
「ワールド・ディザスターが作ったにしては弱いね。ひょっとして失敗作?」
「知っているのかっ!」
「そりゃあ同じ魔法職だもの名前は知ってるよ。ウルベルト・アレイン・オードルだったっけ?わざわざフルネームなんて厨二だよねって当時は笑わせて貰ったよ。」
「貴様ぁああああああ!」
「さっきから貴様、貴様ってウルサイんだけど。アンタには友だちが味わった屈辱をたっぷり堪能して貰う。楽しみねぇ?この世界に来てから敵なしだったんでしょ?あのチンケな魔法でさ、ひれ伏せてきたんだ。スゴイね。どう?今どんな気持ち?ねぇ、ねぇ、どんな気持ち?」
「指令。どーすんのコイツ。」
「どーもしないよ?このまんま仲間が来るまで這いつくばってて貰うんだよ。仲間にカッコいいとこ見て貰わないと、ねぇ?デミウルゴスさん。」
「ちょっと退くわぁ〜。てか、さっきのあんまり気にしてないよ?変な感覚はあったけどさ。」
「私の気持ち。友だちが目の前で土下座させられたらケジメ取らないとシメシが付かない。でもまあ、ツレにドン引きされても困るから、この辺にするかな。じゃあね、赤いスーツの悪魔さん。あ!それと忘れないでモモンガさんに言ってよね。先に仕掛けたのは自分ですって。そんじゃね、バイビー。」
「恨み買ったよぉ〜姫。」
「爆買いですぅ〜。」
「凄く怖かったですぅ〜。」
「泣きそうだった。」
「うむ。罪人の拷問でもあそこまではやらん。」
「アタシは知ってるけどね。キレた姫はあんなもんじゃ済まないって。」
「まだ、凄いんですかっ!?」
「言いたい放題、本当にありがとうございます。」
「これで宣戦布告ですね。」
「そうはならないよ。」
「あれだけ挑発して?」
「何度も念押ししてたじゃん。仕掛けたのは向こうだって。コッチは火の粉を払った、それだけ。」
「別に牧場へ攻めた訳でもなく来たのも向こうからだしな。大義名分はたっている。」
「そーゆー事。元軍人さん、詳しい。」
「うむ。妙な話だが戦には大義名分が要るものなのだ。それを今回は姫さんが上手く利用した。」
「流石!ゲームヲタ戦略好きだねぇー。」
「ゲームヲタって言うな。」
「さて、じゃあ日も暮れてきたし帰りますか!」
「だから、話を誤魔化すなって!」
「ペストーニャを呼べ!急げっ!」
「ぁ、アインズ、さま。」
「良い!喋るな!」
「、、、しわけ、、、もうしわけ、ございません。」
「喋るなと言っておろう!えーい!ペスはまだか!シャルティア!ヒールをかけろ!」
「無茶でありんす。デミウルゴスにヒールしたら死んでしまいんす。」
「落ち着いて下さいアインズ様。どうかお鎮まり下さい!」
「お待たせいたしました。」
「おお!ペストーニャよ、早々に診てやってくれ。」
「では、早速。、、、これは!なんと言う!」
「どうした!?なんだ!?説明せよ!」
「はい。先ず四肢の骨折ですが、もはや原形を留めておりません。つまり砂状になっておりますれば、完治には相当な時間を要します。それとこちらが本題ですが、呪いがかけられております。」
「呪い?」
「正確には、闇系の呪言に対する光系の縛言で御座います。」
「それで!どんな呪いなのだ!」
「それがその。先程の治療は100年先にしか行えません、施術しても無効化されてしまいます。」
「なに!?そんな事が可能なのか!?」
「恐らくはアインズ様のお使いになられる超位魔法の派生、もしくはオリジナルかと。」
(オリジナルだと?そんなバカな!それは俺も試した。だがそんなものは作れなかった。ヤツはそれに成功したと言うのか!)
「他に方法は無いのか?」
「術者が解除するか、その術者が死亡するか。もしくは、、、。」
「なんだ?言ってみろ。」
「恐れながら。アインズ様が解除術をお作りになられるか、で御座います。」
「そう、、、か。ご苦労。下がって良いぞ。」
「アインズ様。」
「アルベド。すまんがデミウルゴスと2人きりにしてくれ。」
「しかし、、、」
「頼む。」
「畏まりました。では、皆のもの退席しますよ。」
「デミウルゴスよ。」
「アインズ様。」
「すまん。」
「アインズ様、、、。」
「至らぬ主人ですまぬ。聞いての通りだ、今の私に出来る事はたった一つ。これしかお前にやってやれん。」
「何を仰います。元はと言えばご忠告を聞かずに手出しした私の失態。謝るのは私の方です。」
「私は、、、私は、シャルティアに続きお前までこの手にかけねばならん。呪いを解く為にお前を殺す、その後にシャルティア同様蘇生させる。但し、そのペナルティとしてやはり同様にレベルが20%ダウンさせられる。」
「お願いいたします。このままでは死んでも死に切れません。どうか、どうか、もう一度チャンスを!」
(ああ!よりによって仲が良かったペロロンチーノさん、ウルベルトさん。2人の子供を殺すことになるとはなぁ。支配者の背負う十字架とはこんなにも重いのか。でもやるしかない!)
「デミウルゴス。また会おうぞ!」
お疲れ様でした。
次回は一旦ホームへ戻ります。
じゃあまた、お会いしましょう。
ありがとうございました。