「姫、ちょっと相談があるんだけど。」
「ん?どした?真面目な顔してさ。」
「あのさ、姫が山へ行ってる間にエ・ランテルに行ったんだよ。」
「エ・ランテルに?ちょっとそれは危ないって。」
「この前のウイッグとカラコン付けて服も地味なのにしてたからバレてはいないから大丈夫。」
「帰りを待てなかったって事は、、、妹さん絡み?」
「うん。見たって言う噂を聞いたんだよ。それで。」
「そっかぁ。んで?なんか手掛かりあった?」
「冒険者組合にニニャって名前で登録あったんだけど、今は行方不明になってるって。」
「行方不明?仲間とか居なかったの?」
「それがね、仲間の人たちは死体で見つかったんだけど妹のだけ無かったらしいんだ。」
「う〜ん、妙な話ね。だけどその仲間の人たちには悪いけど希望はあるじゃん。間一髪逃げたのかも知れないし。」
「アタシもそう思ってる。でね、王都へも行ってみたいんだ。」
「なるほど、エ・ランテルはヤバいから王都へ逃げたって事ね。」
「うん、そう。それでね、流石に王都は広いから手伝って欲しいなって。」
「つまんない遠慮してんじゃねーよ!手伝うに決まってんじゃん。ダチだろ?」
「アリガト。」
「らしくないなぁ。でもまぁ妹さん絡むとツアレはそうなんのも知ってるけどさ。分かった。みんなで王都へ行こう。」
「王都の計画はどうなっている?」
「ヒルマが予想以上に良く働き順調です。」
「麻薬で内部から崩壊させボロボロになったところで一気に叩き潰す。見事な計画だぞ、アルベド。」
「ありがとうございます。これもひとえに冒険者モモンのお膳立てがあればこそ。流石、アインズ様です。」
「世辞はよせ、私は日頃から忠義を尽くしてくれているお前たちの役に少しでも立ちたいだけだ。順調なら問題ない、下がって良い。」
「あの、、アインズ様。」
「ん?他に何かあるのか?」
「あの、、、その、、、キーラの件はこのままでよろしいのでしょうか?」
「気になるか?」
「は、、、い。」
「シャルティアから聞いたのだな?」
「アインズ様のお手持ちの品を下賜されたと聞き及んでおります。何故でございましょうか!是非、その訳をお聞かせいただきとうございます!」
「うむ。わかった、では話そう。ほら、理由はこれだ。」
「っ!これは!話にあったルーン武器!」
「そうだ、ルーン武器だ。偶然、同じ物を2本持っていてな。あの場を丸く収めるために1本くれてやったのだ。考えてみろ。それで秘伝書が手に入った、長い目でみればこの取り引きは我々に大いに特がある。」
「・・・。申し訳ございませんでした。」
「謝る事はないぞ、アルベド。キチンと説明しなかった私にも責がある。」
「いいえ、その事ではございません。私は、、私は、、アインズ様はあの女に、、、好意を、、、その、、、。」
(え!?どう言う事?好意?え?)
「アウラたちからも聞きました。第六階層でまるで恋人の様に楽しげに話していたと。それで今回はお手持ちの物を渡すなどと。」
「ちょっと待て!何を勘違いしているかは知らんが、私とキーラの間にはその様な感情は無い。ただ、、、そうだ、昔話に花が咲いた、ただそれだけだ。」
「それだけ、ですか?昔話から懐かしさも手伝って恋の花が咲く、なんて事もあるそうですから。」
「勘繰り過ぎだ。大体だな、私とキーラはあの時が初対面だったのだぞ?だから懐かしさなんて物は元々無いのだ。な?分かっただろう。」
(ふうーなんでこんなに焦らなくちゃいけないんだ?)
「ハイ!納得しました♪」
「お、おう。」
「なんかさあ、元気無いね。」
「だよね。活気みたいなのが感じらんない。」
「やっぱ、アレが原因なのかなぁ。」
「仕方ないよ。王国は帝国みたいに完全な保護下にないから。」
「それより妹さんの特徴は覚えた?どんな小さな噂話でもイイからしっかり情報を掴んで来てね。」
「「「りょーかいでーす!」」」
「じゃあ解散!」
(この辺りも相変わらずね、、、。)
「ちょっとアンタたち、赤毛で瞳がクリッと大きな女の子知らない?」
「なんだオメーは?ここを何処か知ってて口きいてんのかぁ?」
「んな事はどーでもイイんだよ!それより知ってんのか?知らねえのか?どっちなんだよ!」
「そんな赤毛のガキなんざ知らねえよ!ほら、わかったらとっとと失せろ!商売の邪魔だ!」
「わかったよ。今は退いてやる。だけど覚えときな、こんな所はアタシが必ず叩き潰してやる。」
(酷い有様だな、、、。)
「カネ、、、カネをくれ、、、」
「金など持ってない。離せ!」
「なら、、、クスリ、はあるか?」
「クスリ、、、クスリをくれ!」
(なんだコイツら!持ち物に紋章が?貴族?まさか!)
「なんか、、怖いね。」
「うん。聞き込みするって雰囲気じゃないよね。」
「どーする?」
「どーしようか?」
「とりあえず、マーケットや飲み屋関係じゃ情報は無かったし一旦帰ろう。」
「そっかぁ、、、目ぼしい情報は無しかぁ。」
「みんな、ありがと。」
「元気出して下さいよーメイド長。」
「そうですよ。明日また聞き込みしましょう!ね?」
「いや、その必要はないだろう。」
「なんでですか?レイナースさん。」
「お前たちも見ただろう?この街は既に死んでいる、廃人の街だ。まともな奴ならこんな街に長居はしないさ。」
「レイナースの言う通りだよ。噂以上の荒廃っぷりだね。引き上げようか?それでイイ?ツアレ。」
「うん。ニニャの件はそれでイイ。でも帰る前にやりたい事があるんだ。」
「行ったんだ?」
「ウン。万が一でもあったら大変だから一応確かめに。」
「え?何処の話ですか?」
「娼館街だよ。」
「え!?娼館街って、、、あの?」
「そう。アタシみたいに売られてないかってさ。」
「で?いつやるの?」
「ナニやるか分かってんの?姫。」
「娼館街をぶっ壊すんでしょ?」
「ええーー?!そんな事したらモモンガさんと全面戦争になりますよ?」
「だろうね。でもツアレがやりたいんなら手伝うよ。」
「ゴメンね、姫。あそこだけはケジメつけたいんだよ。」
「分かってるって。王都へ行こうってツアレが言い出した時からその気なんだって分かってた。だけどスジだけは一応通しとくよ。それでイイ?」
「その辺は姫に任せる。」
「じゃあ、下のバーで飲んでてよ。話終わったら降りてくから。」
「よろしくね。」
「もしもし、モモンガさん?」
「ん?こんな時間に珍しいなキーラ。」
「ゴメン。寝てた?」
「それは嫌味か?」
「違うよー。今、イイ?」
「自室だから構わんぞ。でも、ちょっと待て。担当のメイドを下がらせる。」
「えー?夜中なのにメイドさんが付ききり?支配者さんも大変だねぇ。」
「はは、まぁな。それよりナンの用事だ?」
「実はね。今、王都に居るんだよ。そんでね、今から少し暴れる。」
「好きにすれば良いじゃないか、と言いたい所だがその場所は私に関係あるんだな?」
「うん。そのね、、、娼館街なの。ナザリックが仕切ってんだよね?」
「何処まで知ってる?」
「貴族たちに麻薬ばら撒いて王国を内部から崩壊させようとしてる、ってトコまで。」
「フフ。で、どうする?王国を救うか?」
「んな事しないよ。この国はモモンガさんがやんなくても帝国か法国に潰されてた。だけどさ、娼館はマズイよ。あれは良くない。」
「花街ぐらいそんな珍しいもんじゃないだろう?」
「駄目なんだって。今回ばかりは許せないんだって。」
「仲間か?」
「昔、あそこで無理矢理働かされてた子が居るのよ。そんで、、、さ。それに私だって一応女子だし。」
「なるほど。大体の事情はなんとなくわかった。しかし、俺も下に対してシメシがあるんでな。ケジメは取らせて貰うぞ?」
「だよね。トーゼンそうなるよね。わかった。それはモモンガさんに任せるよ。」
「で?いつヤルんだ?」
「今からやろうかなって思ってる。」
「そうか。なら今夜やって明日はそこに居ろ。直ぐに帰るんじゃない。いいな?わかったか?」
「わかった。そうする。じゃあね。ありがと。おやすみ。」
「だから、、、俺は寝ないって!」
「どう?スッキリした?」
「スッキリした!ありがとう!」
「それで姫さん、今夜は王都に泊まるんだな?」
「そーゆー段取りになってる。こっちの無茶聞いて貰ったから、仕方ないね。」
「しかしよくOK出したな?」
「多分だけど、王都侵攻が早いんじゃない?そーなると八本指も邪魔でしょ?」
「程の良い厄介払いか。」
「私に恩も売れるし、丁度良かったんだと思う。」
「それで姫、この子たちはどーするんですか?」
「連れて帰るんです?」
「いやいや、それは流石に人数多いって。明日、身なりを整えて支度金持たせる。竜王国に行けば良い様に陛下にはお願いしたから私がゲートで送るよ。」
「流石、姫。仕事が早い。」
「だってぇこんな街に放っておけないじゃん。かと行って旅に出すのも野盗に狙ってくれって言う様なものだし。」
「そんで陛下は?」
「行儀見習いがてらお城でメイドとして使うって。それで独身の若い騎士と見合いさせるらしいよ。竜王国も今は国の建て直しで、産めよ増やせよ政策なんだって。」
「アンタたち。今度は幸せになんなよ。」
「姫!大変です!妹たちとお買い物から帰ったらお家が無くなってます!」
「落ち着いてアルシェ。無くなったのは家だけ?あなたたちはなんとも無い?」
「え?ええ、、まあ。わたしたちはなんともありませんけど、、、。」
「ならイイわ。じゃあ、家は跡形もなく?」
「はい。綺麗さっぱりです。」
(流石ね、モモンガさん。)
「わかった。私たちも直ぐ帰るから、とりあえずもう一度街へ行って宿を取って頂戴。そう。全員分の部屋ね。暫くは宿屋暮らしになるから良い宿屋にしてね。じゃあヨロシク!」
「ケジメか?」
「みたいね。わざわざアルシェたちが留守になるのを待っててくれたみたい。」
「優しいな。」
「どーだか?そんじゃ帰って家でも作るか!」
『ラジャー!』
ありがとうございました。