世の中には苦労人って人が少なからず居ます。
今回はそんな苦労人のお話しです。
でわ、ごゆっくり。
「これで〜っ!どーだっ!渾身のファイアボールっ!」
「やった!クリティカル ヒット!」
「え!?ノーダメージ?!」
「ウソでしょ!?最大出力だったのにっ!」
「ヤバいよ!攻撃体制に入ったっ!」
「デカいの来るよ!防御よろしくっ!」
「任せてっ!絶対多重防壁展開っ!」
『どっギャアアアアアーンッ!!!』
「クッ!なんて衝撃なのっ!」
「どれくらい保ちそう!?」
「ハァハァー!に、20秒が限界!」
「分かったっ!サイドから回り込むから正面に注意を引きつけといてっ!」
「やってみるっ!」
「出力最大っ!ドラゴンサンダーっ!」
「ヨシっ!今しか無いっ!超速連斬撃っ!いっけぇーーー!!」
「見切ったぁ!!」
「まとめてぇ〜〜〜!撃破ぁーーーっっっ!!」
『ドッ!カーーーンッ!!!』
「「「きゃあーーーーー!!!」」」
「死んだ?」
「そしたら蘇生させちゃうから問題ナッシング!」
「「「鬼ですかっ!」」」
「アハっ!生きてた!生きてた!アンタたち意外とタフだよね〜。」
「集団ヒール・レベル2!ほらほら立って立って!」
「痛たたたた。ホントにヒールかけてくれました?節々が痛いんですけど?」
「あ〜それね。ヒールあるあるだよ。瞬間に治るからさあ、脳が痛みをまだ覚えてるんだよ。ま、錯覚ってやつだよね。」
「と言うワケだから。サッサとこっち来て座って休憩にしよーよ。ほーら、ケーキもあるよぉ〜。」
「はぁーい♡」
「姫!どーでした?上手くなりました?」
「だから姫は、、、もうイイ!面倒臭くなっちゃったから好きに呼んでちょうだい!」
「ハハ!諦めなって。」
「なに笑ってんのよ!元はと言えばツアレが発生源じゃん!」
「まーまー。それより、今日の連携は良かったと私は思うな。」
「ウン。それは私も思った。短期間でよくあそこまで仕上げたぞ!エライ、エライ。」
「エヘ。褒められちった。」
「良かったぁ。特訓した甲斐がありました。」
「もっと完成度上げなきゃね。」
「それにしても最近やけに熱心に教えてるけど、それってアレが関係してる?」
「まーね。無関係じゃないよねー。だってさ、まさかこんな直ぐに帝国が属国化するなんて思わなかったもん。」
「アイツと一戦やんの?」
「まさかぁー。そこまで戦闘狂じゃないよぉ。ただ、このままココに居るってのはマズいかなって。」
「また引っ越すの?」
「その気は無い。だって逃げるみたいでシャクだし。今はこの子たちも居るワケだし。」
「だよねー。それはアタシもヤだ。悪い事もしてないのに逃げる必要ないよ。」
「そんでね、色々と考えてるんだけどイイ案が思いつかないくて悩みちう。」
「いっそ、帝都に住むって言うのは駄目ですか?」
「はい。私たちも3人で色々意見だしてみたのです。」
「灯台下暗し作戦です。」
「灯台下暗し?ああ、灯台は頑丈だから嵐の時は灯台に避難しろってやつだろ?」
「ナニ言ってんのよツアレ。全然違うよ?灯台は明るいから灯台に住むと電気代が助かるって事だよ。」
「盛り上がってるのに悪いんですが。」
「それ、全然違います。」
「大体なんでお2人とも灯台に住もうとするんですか?」
「いや、だってさぁ。ねぇ?ツアレ。」
「そーそー、引っ越すとかの話だっから。」
「ほ、ほら、だからあれよ?私もツアレもちっちゃい時から働いてたからさ、まともに学校とか行ってないんだよ。んなわけで、そんなコトワザ?みたいなのはあんまり詳しくないんだよ。」
「(私たちだって学校なんて行ってないんですけど?)灯台下暗しって言うのは、灯台は明るいけどその直ぐ下は暗い。つまり、あまり身近な事はかえって気がつかないと言う意味です。」
「話を元に戻しますが。姫が闘技場で見つかったかも知れないのなら、いっそ敵陣の中へ紛れたらどうか?って事なのです。」
「まだ居るなんて思わないし、わざわざ引っ越して来るなんて尚更絶対考えません。」
「「天才ちゃん、あらわる。」」
「と言う訳でツアレが不動産屋さんのチラシをいっぱい貰ってきたので、これから検討会を始めます。良い物件を見つけた人は手をあげて下さい。でわ、総員開始せよっ!」
「ハイ!」
「お!爆速じゃん!さっすがツアレちゃん!」
「南向き日当たり良好。徒歩5分にマーケット有り。ルームシェア可?ってなんだこれ?貸部屋じゃん!」
「そんな事だろうと思ったよツアレちゃん。」
「う〜ん、、、なかなか無いもんだねぇ姫。」
「だね。やっぱ都会だから一軒家の売り物件って無いのかなぁ。貸部屋ばっかじゃんね。」
「あっても築年数がスッゴイ古いからさ、そのまま住むのは無理っぽい。」
「魔法使うわけにいかないもんねぇ。」
「やっぱ郊外まで範囲広げないと駄目かな?」
「あ、ハイ!」
「お?エメちゃん。みっかった?」
「えーと。築年数も程々で、、、場所も遠くなく近くなく。簡単なスケッチ画もありますが中々の外観ですね。ナニナニ?えーとですね。お部屋は主寝室の他に、スゴイ!20も在ります!あと、ダイニング、応接室、大広間、倉庫は地下と屋根裏、お庭も大きいですよ。」
「どれどれ、、、ほぉ〜これはこれは。」
「ナニ、オッサンみたいな相槌うってんのよ。」
「でもさぁ。これ程立派なお屋敷が売りに出るってさぁ。なんか怪しくね?」
「オバケ出るとか?」
「それそれ。そーゆーのダメな人なんだよね。」
「大丈夫です。ちゃんと理由も書いてます。」
「ホント?なんて?」
「ちょっと待って下さい、、、ああ、分かりました。前の持ち主は貴族さんで、屋敷は借金の抵当に入ってたんですね。それで夜逃げしたんで売りに出された、らしいです。」
「あの皇帝、随分と貴族を粛清したらしいからそれ絡みかもね。」
「でもまぁ、ちゃんと理由あんなら問題ナッシングよね。それにしちゃおう!」
「どーする?今から不動産屋へ乗り込んじゃう?」
「そだね。まだ昼ちょい過ぎだから問題ないっしょ。」
「ちょっとちょっと!お二人とも!八百屋で人参買うんじゃないんですから!」
「エメの言う通りです。ちゃんと現地へ行って見てみて、色々とチェックしてからでないと!」
「そーですよ。水捌けが悪い土地とかもありますから。」
「あれれ?3人ともそんなに慎重派だったっけか?」
「「「お二人がせっかちなだけですっ!」」」
「で?なんで速攻で見に来たんですか?」
「そんなのジョーシキじゃん!中古なんて1個しか無いんだから早い者勝ちだよ?ルビーってば案外世間知らず?」
「はぁ〜〜。それは荷馬車とかもっと安い物の話です。お屋敷なんて高額品がそんなホイホイ売れる訳ないじゃないですか。」
「まーまーイイじゃない。日を改めるなんて芸当、ウチの姫に出来ると思う?」
「もー、メイド長がそーやって甘やかすからドンドン我慢が利かなくなるんですよ。」
「子供?私、子供?てか、メイド長って誰?」
「誰ってツアレさんの事に決まってるじゃないですか。」
「そうですよ。これからは社会に出るんですから、ちゃんとしとかないと。」
「何まんざらでもないって顔してんのよ!ひょっとしてメイド長って呼ばれて喜んでる?」
「べっつにぃ〜。」
「あ。嬉しいんだ。この肩書き主義者。」
「お2人とも揉めてないで。不動産屋さんが呆れて笑ってるじゃないですか。」
「おーほっほ。これはトンだ所をお見せしちまいまして、ごめんあそべ。」
「あそばせ。」
「い、いえ、いえ。しっかりしたメイドさんたちで羨ましいですな。」
「ひ、姫様。詳しい説明や契約関係は私どもがやっておきますので、お庭でもご覧になられて来ては如何でしょう?」
「そう?じゃあお願いしちゃ、いえ、しましょうですかねぇ。ツ、メイド長も行く?」
「メイド長には責任者として残っていただきます。私たち下の者だけでは不動産屋様もお困りになりますので。」
「ふ〜ん。そんなもん?お金だけきっちり払えばイイじゃん。」
「「「さぁ!姫様お急ぎくださいっ!」」」
「なんかあの子たちしっかりしてるわね。ひょっとして学校行ってたんかなぁ、、、。あ〜、私も小学校ぐらい出とけば良かったなぁ、、、っとアレ?他にもお客さん来てんのかな?」
「姉様。もうこのお家に住んじゃいけないの?」
「うん。お約束したからね。この家を買ってくれる人が来るまでって。」
「じゃあ、これから何処でオヤスミするの?」
「心配しなくても大丈夫。姉様がちゃんと働いてお部屋借りるからね。」
「姉様、またお留守になるの?クー、寂しいよぉ。」
「ウーも。姉様居ないと寂しい。」
「ごめんね。でも、お父様やお母様が居なくなっちゃったから姉様が働かないと駄目なのよ。クーもウーもお利口さんだからお留守番出来るよね?」
「「姉様ぁ〜、、、。」」
「ほらほら、泣かないの。とりあえず今夜は何処か宿に泊まりましょう。さ、行きましょうか。」
「話は聞かせて貰ったぁーっ!」
「ヒェー!」
「「姉様!怖いよぉ。」」
「あ。ゴメン、ゴメン。驚かすつもりは無かったんだよぉ。でも、怖いってのはあんまりだよぉ。」
「ごめんね。お姉ちゃん。」
「ハハ。冗談!クーちゃんとウーちゃんだっけ?イイ子だね。お菓子あるけど食べる?」
「いいの?」
「知らない人に物貰っちゃ駄目って。」
「大丈夫だって!お姉ちゃんね、姉様と友だちなんだよ。ね?」
「エ!?ええ、まぁ、、、。」
「ほらね。だからあそこの椅子に座って食べといで。お姉ちゃん、姉様と少しだけお話しがあるからさ。」
「ウー、クー。後で呼ぶからね。」
「「はーい。」」
「いくつ?」
「5歳になります。」
「ふ〜ん。どーりでちっちゃい訳だ。あっと。初めまして。私はキーラ。今度この家を買う事になったんだよ。」
「えっと。初めまして。アルシェ・イーブ・リイル・フルトです。あの子たちは双子の妹でクーデリカとウレイリカ。」
「あー、それでクーちゃんとウーちゃんか。可愛いね。」
「それで、何のお話しでしょうか?私たちはもう出て行くので、あとは不動産屋さんとお話になって下さい。」
「まーまーそう慌てない。チョコレート食べる?」
「結構です。子供じゃありませんので。」
「そっかぁゴメンゴメン。えっと、アルシェちゃんって呼んでイイかな?」
「アルシェで良いです。年下ですし。」
「じゃあさ、アルシェは幾つ?」
「今年で16です。」
「そっかぁ、、、16かぁ。妹さんたちとは離れてんだね、可愛い訳だ。それで今、働いてんの?」
「前はワーカーをやっていたのですが、仲間が結婚してチームは解散になったので今は無職です。」
「その歳でワーカーかぁ。大まかな事情はね、聞いてんだよ。大変だったね。」
「もう慣れました。」
「でもさぁ。今まではメイドさんたちも居ただろうからウーちゃんたちの面倒も見てくれてただろうけど、アルシェが働きに出たら2人っきりになるよ?2人ともお利口さんだから大丈夫だとは思うけど、やっぱちっちゃい子だけって無用心だよね。」
「仕方ないです。働かないと食べていけないですし。」
「そだね。働かないと食べていけない。厳しいけど現実だね。」
「、、、はい。」
「そこで提案です!ウチに雇われない?」
「へ?」
「アルシェを私が雇おうって提案だよ。この家のメイドとしてね。それとも貴族さんだからメイドなんて嫌かな?」
「貴族って言っても名前ばかりです。事実、こうして屋敷も売り払ったし、明日食べる物すら無いのに貴族だなんて笑っちゃいます。」
「ならOKって事かな?条件はねぇ、住み込み。だけど家賃は要らない。好きな部屋を使ってイイよ。それと働くのはアルシェだけね、あの子たちは今まで通りで。」
「そんな!そんな良い条件なんてある訳ないじゃないですかっ!からかってるんでしょう!」
「マジだって。こんな時に人をからかうほど悪趣味じゃないよ?」
「だって、、、今会ったばかりなのに、、、。」
「う〜ん。それはそーなんだよねぇ。私も何でこんな事言い出したのかよくわかんないだよ。だけど、、、そーだなぁ、妹ちゃんたち見て昔を思い出した、のかな?」
「思い出した?」
「丁度あのぐらいの時に親が死んで家を追い出されちゃったんだよねー。他に身寄りも居なかったから施設送り。後はお察し。でもまあなんとかやってきたんだけどね。お節介やいてみたくなったのは、そんな理由。」
「苦労したんですね。」
「アハ!どーだろ?ん〜、苦労した、のかなぁ。ま、したんだろうね。忘れちゃったよ。」
「・えてイイですか?」
「ん?」
「甘えて。お言葉に甘えてイイですか?」
「だから、最初から言ってんじゃん。甘えた事、無いんだろ?た〜ぷり、甘えさせてあげるよ。ん?バカね、泣くことないじゃん。」
「あ〜、姉様泣いてるぅ〜。」
「どっか痛いの?」
「目、目にゴミが入ったのよ。大丈夫。もう大丈夫だからね。」
「よーし!お姉ちゃんの友だち紹介してあげる!クーもウーも友だち欲しいだろ?」
「「うんっ!」」
「そっか!じゃ家まで競争だ!アルシェも行くよ!」
「よーい、ドンッ!」
お疲れ様でした。
次回は、未定です。
じゃあまた。
ありがとうございました。