今回は外へ出て行きます。
そして少しだけ長いお話になります。
でわ、ごゆっくり。
「元気そうで安心したよアルシェ。」
「ありがとう。お陰様で元気にやってる。ロバーさんこそすっかりカフェのマスターになったね。」
「そうかい?まだまだ不慣れな事ばかりだよ。解散してから考えたんだけど、今更神官に戻るのもナンだし、ならいっそ好きな菓子の道に入ろうってね。見よう見真似でなんとかやってるよ。アルシェの方こそメイドなんて思い切った転職して、最初聞いた時は驚いたよ。」
「お互いそうなる運命だったんだよ、きっと。」
「かも知れないねぇ、、、。」
「それよりイイの?店の方。」
「おっと。お客さんも増えて来たようだ。じゃあ、戻るよ。皆さんもどうぞゆっくりして行ってくださいね。姫様、どうかアルシェを頼みます。」
「キーラでイイですよ。今日は大勢で押しかけちゃってゴメンなさいね。」
「マスタぁ〜!」
「ハ〜イ、もどりまぁ〜す!」
「優しそうな人だね。」
「ハイ!とっても面倒見が良くて色々親切にしてもらいました。」
「善意が全身から滲み出てるって感じだよね。」
「それにお菓子もとっても美味しいです。」
「ドリンクも種類多いしね!」
「アンタらさぁ。だらかってそんなになんやかんやと注文して、食べ切れるの?」
「だって姫がなんでも注文しなさいって。」
「アルシェがお世話になった人なんでしょ?だったら売上貢献しないと。」
「そうそう、甘い物は別腹ですし。」
「呆れた。ウーとクーは真似しちゃ駄目だよ。後でお腹痛くなっちゃうからね。」
「大丈夫!」
「姫姉様が治してくれんもん!」
「あのね。私の事はキーラお姉ちゃんでイイって言ったでしょう?私は別に腐海の謎解きなんて興味ないんだから。」
「「フカイ?」」
「兎に角、姫姉様はやめてちょうだい。」
「諦めなって。」
「そもそもツアレが姫なんて呼んでるから皆んなが真似するんでしょ!こんな親子って言っても通りそうな子に姫姉様なんて呼ばせてるなんて、イタイ通り越してアブナイでしょ!」
「すいません。妹たちが、、、。」
「アルシェはイイの。謝んなくて。悪いのはそこのメイド長なんだから。だいたいね、、、ん?DM(ダイレクトメッセージ)?もしもし?あ、ハイ、私です。どうもご無沙汰してます。今?勿論構いませんよ。ハイ。ハイ。それって急ぎですよね?ハイわかりました。では、明日にでも伺います。え?お昼ですか?喜んでご一緒させて頂きます。ハイ。ハイ。じゃあ詳しい話はその時に。ハイ。失礼します。ハイ。失礼しまぁーす。」
「え?え?何ですか?姫の口調が突然?」
「ああ。アルシェは見た事なかったっけ。あれが姫の仕事モード。」
「私たちも初めてですぅ〜。」
「ちょっと!なんなのよ!そんな珍しい物でも見るように!こう見えて私だって立派な社会人だったんだからね!」
「女王さん?」
「そう。急ぎだって。」
「ちょっと待って下さい!そんなお二人だけで成立する会話しないで下さい!」
「そうですよぉ。説明して下さいよぉ。」
「女王さん?って誰です?」
「ゴメン。ゴメン。説明するよ。先ずね、DMの相手は竜王国のドラウディロン・オーリウクルス女王。内容は前にも言った様にビーストマンの駆除依頼。但し今回はいつもと様子が違うみたいなの。」
「それが、急ぎって事?」
「うん。なんでもね、ビーストマンにアンデッドが混ざってるそうなんだ。それも1体や2体じゃなくて、うじゃうじゃ。」
「まさか、それって。」
「まず間違いなく魔導国がかんでる。」
「あのぉ〜。」
「ナニ?アルシェ。」
「魔導国が関わってるのに、それを承知で行くんですよね?さっきそう返事してましたよね?」
「そだよ。知ってて行く。」
「それって、、、。」
「姫は腹を決めたんだよ。帝国は属国になり、聖王国へは物資の供給、そして竜王国の一件。モモンガは動き出してる。そしたらいつかは対峙する時が来る。待つなんて器用さはウチの姫には無い。」
「言ってくれんじゃん。でもその通り。だけど別に喧嘩ふっかけるつもりも無いよ。お互い干渉しないで居られるならそれでイイと思ってる。向こうには向こうの都合もあるんでしょうよ。だったらコッチにも都合があんのよね。竜王国は私の大切な収入源なの、邪魔されると困んのよね。」
「え!?お金、なんです!?」
「当たり前じゃない。アソコとは最初っからそーゆー関係。だから丁寧にしてたでしょ?あっちは大事な顧客。それ以下でも以上でもないの。」
「それって、、、なんだか、、、。」
「言いたい事はわかるよ。だけどさぁ、考えてみてよ。私は神様でも何でも無いんだよ。私が居ても、ツアレやルビーたちみたいに酷い目にあってる子たちは居るでしょう?それに実際、戦争もやってるじゃん。そこで大勢死んでんじゃん。それ全部、私が止めんの?私、全然関係ないのに?」
「アルシェはさぁ。まだ若いし、なんて言うか、正義感?みたいなのが溢れてんだよ。弱い者は助けなくちゃ!みたいなの。けどだよ?ワーカーの時に殺っちゃったゴブリンに家族って居なかったのかな?兄弟とかは?土からボコボコって生まれた?違うよね。人間襲うからって殺っちゃうんだよね。それって正義?」
「そ、そ、、、それは、、、。」
「正義なんてどっち側から見るかで真逆になるんだよ。だったら周りだけで良くね?手の届く範囲だけでさ。モモンガが何考えてるかは知らない。どーしたいのかもね。邪魔してやろうとも思わない。だからコッチも邪魔もしないでくれる?って事よ。」
「なんか私たちは分かります。」
「私たちは姫に助けて貰って今こうしてますけど、そうでは無い仲間は今も沢山居ます。」
「可哀想だとは勿論思いますよ。だけどそんなの1人1人助けるのなんて出来ないじゃないですか。」
「・・・。」
「私はね、アルシェ。人はそれぞれだと思うんだよね。だからアルシェがまだ若いからそんな事はわかんないだよ、なんて言わない。私にもそんな時があったから。イヤならイヤって言ってイイんだよ。もし、もうこんな人とは一緒に暮らせませんって言うなら、お家あげる。そんで私たちが出てくよ。お金も置いてってあげる。」
「そんな、、、。」
「最初っからその気だったんだよ。元々アルシェたちが生まれ育った家だしね。ほら。覚えてる?甘えさせてあげるって言った事。そう言う意味だよ?」
「・・・。」
「姫はウソつけない子なんだよ。だからアルシェを誤魔化してまで連れて行く気はない。ホント、不器用だからさ。」
「不器用とか言うな。」
「まぁ、そんな訳でアタシらは明日から暫く竜王国へ出張だからこの間に決めといてくれたらイイよ。姫に面と向かって言うのがムズいならアタシでもルビーらにでもDMで言ってくれてもイイ。荷物っても大したモンねーから、あの家には帰らない。お金は地下の金庫なのは知ってるよね?だからもう顔を合わせなくて済むよ。」
「、、、ど、、、どうし。」
「ん?」
「だったらどうして私たち姉妹にはそこまで!アッ!」
「わかった?」
「手が届いた、から。」
「正解!」
「ズルいです。」
「そうかな?」
「ズルいですよ。」
「どーして?」
「たっぷり甘やかしといてキライになれなんて。」
「そうかな?」
「そうですよ。」
「じゃあ、ズルいのかも。」
「明日、何時集合ですか?」
「久しいのぉ。キーラ殿。」
「陛下。ついこの前ですが。」
「テンプレじゃよ、テンプレ。それっぽい挨拶をせんと宰相がウルサイのじゃ。して、その者たちは?其方の従者かの?」
「はい。一応、メイドの体はしておりますが仲間としてのご認識で結構です。」
「ほう。ならば相当の期待しても良いのかな?」
「ご期待を裏切る事は無いと存じます。」
「頼もしいのぉ。さて。昨日言うた通り、詳しい話は昼餉の席でいたそう。其方らも同席いたせ、許す。」
「ありがとうございます。」
「なに、気にするな。妾はいつも独りぼっちで食べるからの。味気ないのじゃよ。」
「(え?マジ?アタシらそこらの店で食べますよ?)」
「(流れなんだから仕方ねーべ?)」
「(どーしよ?私たち正式なマナーなんて知らないですぅ。)」
「(アルシェの真似してたらOK?)」
「(無理ですって!女王陛下と一緒に食事なんてした事無いですよ!)」
「姉様、女王陛下って小さいね。」
「クーたちと変わんないね。」
「(コラ!声が大きい!聞こえるって!)」
「何をごちゃごちゃ言うておるのじゃ?」
「陛下。この子たちは些かマナーに不安がございます故、何卒大目に願います。」
「なんじゃ、その様な事か。案ずるでない。些少の事で気を害する程狭量では無い。」
「(流石、女王陛下!形は小さくても度量はデカい!って痛い痛い!)」
「(ちょっとは黙れ!この残念メイド!)」
「成る程。お話のアンデッドは恐らくデスナイトと呼ばれる種族ですね。脅す訳ではございませんが数体で一国を堕とせましょう。」
「それ程か!?」
「はい。それが100体以上で雑魚が数千、ですね?」
「うむ。プラス、ビーストマンなのじゃが。」
「全てが魔化された武器と武具を装備している。」「何が何やら今回は皆目見当がつかん。何故、獣人とアンデッドが共闘しておるのか、またそれだけの数の装備を何処で調達したのか。」
「陛下。魔導国はご存知で?」
「無論じゃ。、、、まさか!?」
「その、まさか、でございます。」
「しかし我が国は魔導国と敵対はしておらん。敵対どころかエ・ランテルの所有権を申し立てた時には賛同の署名もしてやった。それが、何故?」
「確証は無いのですが、恐らくは陛下でしょう。」
「妾?」
「陛下が使える始原の魔法です。」
「しかしアレは現実には使えぬ代物じゃぞ?」
「数百万の民の命と引き換え。」
「その通りじゃ。妾を殺して封じるつもりか?」
「知りたいのでしょう。原理を。(コレクターとしてね。)」
「なんと言う事を!その目的の為に我が民を獣に喰わせると言うのか!恐ろしい、、、。」
「そこでご相談なのですが。」
「申してみよ。」
「今回は他にも招集された者たちが居ると伺っております。」
「いかにも。状況が状況なのでな、戦力は多い方が良かろうと思うたのじゃ。」
「顔合わせは?」
「今宵、親睦会として夜会を催す。」
「承知しました。」
「して相談とは?」
「単刀直入に申します。報酬をこれまでの4倍いただきたい。」
「(ゲッ!4倍!?ふっかけ過ぎだって!)」
「(ちょ!金貨4000枚?)」
「(そんなお金って現実に存在するの?)」
「(いくらエルフだって一生かかっても使いきれないよぉ!)」
「(それだけあればウーやクーに!やっぱり姫の言う通り世の中はオカネねっ!)」
「(なんだかお姉ちゃんたち怖いね)」
「(目がギラギラ光ってるよ、怖いよぉ)」
「なんじゃその様な事か。わかった、と言いたい所なのじゃが。スマン。国の大切なカネなのでな。妾の一存では決められんのじゃ、宰相に相談してからの返事で良いか?」
「勿論です。もしご承諾いただけるのなら、全ての敵を我等だけで葬るとお約束いたします。」
「(ま、それはチョロい)」
「「「(楽勝)」」」
「(クーとウーには良い練習になるわね)」
「(今度はニヤニヤしてるよ)」
「(怖いよぉ)」
「なんか緊張して食べた気がしないね。」
「よく言うよ。食後のフルーツ、モリモリ食べてたじゃんね。」
「アレって特産品なんだって。お土産に買って帰ろ。」
「あのねー、観光じゃないんだからさぁ。もうちょっと緊張感持とうよ。」
「それは無理ですよ、姫。」
「その、デスナイト?ぐらいでしょ?面倒なのは。」
「それも、トドメを2回入れるのさえ忘れなければOK。」
「もう、、、あなたたちまで。」
「大丈夫だって。姫が言いたいのは雑魚の事じゃなくてモモンガの配下が居た時だろ?分かってるよ、その時は即撤退するって。」
「アルシェにはアイテム渡してるから見落とす事は無い筈だけど、戦場に絶対は無いから。」
「上手く出来るでしょうか?」
「適性は十分あるから自信持ってイイよ。私が保証する。」
「練習とかしなくて良いんですか?」
「もう偵察されてるかも知んないからね。」
「ええ!?」
「そーゆーの専門みたいなのが居るんだよ。」
「姫は反撃しないのですか?」
「そんな事したら居ますよって言ってるみたいなもんじゃん。」
「あ、そっか。」
「向こうは必ず偵察出してる。けどソイツは偵察だから手は出さない、と言うのがセオリー。」
「じゃあ、手抜きした方がイイんですか?」
「手の内見せちゃったら、ねぇ?」
「うん、うん。」
「んなセコイ事しねーよ。姫の何でも袋にはまだまだ秘宝が眠ってる、そうだろ?」
「秘宝かどーかはわかんないけど、今回皆んなに渡したのがMAXじゃないのは確か。」
「もう、両手の指が塞がってるんですが。」
「あと、ネックレスとかピアスとか。」
「こんなにアクセ付けたことないですぅ。」
「便利ですよね、魔道具って。クーやウーにもピッタリ合うし。」
「それで大体、皆んなのレベルは70ちょいってトコかな?」
「姫は出ないんだよね?」
「そのつもり。連係プレーの練習だからね。」
「練習だなんて言ったら竜王国の人たちに怒られるよ?」
「大丈夫だよ。私たちが来た以上はこの国の人たちには指一本触れさせない。」
「カッコイイ〜。」
「さてと、じゃあ部屋に戻って夜までに衣装合わせしないと。」
「このままじゃダメなの?」
「ダメだよぉ。メイド服で行ったらここのメイドさんたちと区別つかなくなるじゃん。」
「あ、そっか。」
「陛下に事情言ってドレスはもう借りてんだ。」
「ドレスなんて着たことないよ?」
「大丈夫だよ。ちゃんとお城の着付け師さんも呼んでくれてるそうだし。」
「陛下って言えばさ。大変だよね、あんな小さいのに。クーたちと大して変わんないでしょ?」
「へ?あ〜そっかぁ。ツアレたちには見えて無かったんだ。」
「見えてない?」
「あの女王様は私たちより歳上だよ。」
「え!?どゆこと?どーみてもまだ幼女じゃん。」
「アレは擬態。ホントは竜。正確な歳はわかんないけど、多分100は超えてる。」
「えーーーっ!じゃあロリババァじゃん!」
「口が悪いなぁ。せめて若作りって言いなよ。」
「いやいやいや。そのレベル超えてるって。でもなんで?」
「夜になれば分かるよ。それと会場じゃクーやウーから離れないでね。私は挨拶とか色々あって付いててやれないからさ。」
「ん?でもわかった、姫がそう言うならそうする。」
「うわぁ〜!お城のパーティーなんて初めてですぅ〜!」
「スゴイね!ご馳走やケーキもいっぱい!」
「こんなんだったらドレスのウエストもっと緩くして貰うんだったよ!」
「ちょっとアンタたち。好きにしてイイけど姫に恥かかせちゃダメなんだからね。」
「りょーかーい。」
「一応アルシェに簡単なお辞儀の仕方は教わりました。」
「メイド長こそ大丈夫なんですか?」
「チッチッチッ。ナメて貰っちゃ困るねぇ。貴族ンとこに奉公に出された事あるんだよ。その時に見て知ってるんだ。」
「ところでメイド長。さっきからコッチ見て睨んでる人。アレって帝国の四騎士の人じゃ?」
「ん?あ〜、そうそう。確か貴族の令嬢だけど女だてらに皇帝の護衛やってた。え〜となんて名前だったかなぁ、、、。」
「レイナース・ロックブルズさんです。」
「流石、元貴族令嬢のアルシェちゃん。」
「グーで殴りますよ?」
「冗談だってば。知ってんの?」
「名前だけです。なんでも訳ありで四騎士になってたそうですよ。」
「ふ〜ん。それでなんでその帝国の訳あり騎士さんがココに居るのさ?」
「さっきチラッと聞いたんですけど。どうやらクビになったらしいです。表向きは魔導国の武装解除令に伴う四騎士の解散ですね。」
「それで傭兵稼業に転職?令嬢だったらどっかに嫁にでも行けばイイのに。」
「そこが訳あり、なんですよ。」
「あんまり関わり合いたくないパターンっぽいね。」
「ですね。」
「お久しぶりですね、キーラ殿。(また来たのかよっ!)
「これはこれはアダマンタイト級チーム・クリスタル・ティアのリーダー・セラブレイト殿。お元気そうでなによりです。(まだ生きてたのかよ!いさっさと喰われればイイのに!)」
「時に今回はお一人ではないのですね。(またノコノコ来やがったな!分前が減るじゃねーか!)」
「陛下から戦力は多い方が良いとのご依頼でしたので配下も連れて参りました。(テメーらが役に立たねーから来たんだっつーの!お前こそ報酬の無駄だから辞退しろっ!)」
「成る程、成る程。それにしても流石キーラ殿の部下、どの方々も美形揃いですな。特に、、、双子ですかな?(ジュル)」
「あの子たちは私の秘蔵っ子でしてね。今回は一流の皆様の戦闘を勉強させようと。(早速目ぇつけやがったな、変態っ!)」
「ほー。それは良い事ですな。では、不肖この私が一度ご指摘の程。(手取り足取り)」
「ご厚意は感謝しますが、それには及びません。(キモッ!マジ、キモいんですけど!)」
「そう、ですか?それは残念ですね。(チッ!バレたか?)」
「では、また。(どっか行けよ!ロリコン野郎!)」
「誰よ?アレ。」
「この国のアダマンタイト級冒険者チームのリーダー。」
「仲良さそうだったね。」
「やめてよっ!気色悪い!それよりアレをウチのちびっ子たちに近寄らせないでね。ゼッタイだよ!」
「なんか怖いよ?分かった。約束する。」
「貴殿がキーラ殿か?」
「え〜と。初めましてでしたっけ?」
「失礼した。私はレイナース・ロックブルズ。元帝国四騎士の1人だ。」
「(姫。この目付きの悪い人がさっきから睨んでくるんだよ。)」
「これは、ご丁寧なご挨拶恐れ入ります。私がキーラ、縁あって陛下の御難に馳せ参じました。これはメイドのツアレと申します。よろしくお願いします。」
「メイドを従えての参戦とは余裕ですね。」
「(なにそれ?いきなり喧嘩モード?)いえいえ、これでもそれなりの訓練は済ませております。」
「左様ですか、それは失礼。皆、美形ゆえつい嫉妬してしまいました。」
「不躾ですが、それはその前髪に隠れた傷のせいでしょうか?」
「なっ!?」
(え!?姫、いきなり何言い出すのよ!)
「どうして分かった!この傷の事は皇帝と仲間にしか明かして無いのだぞ!」
(ほーら言わんこっちゃない。面倒な事になるぞ。)
「間違ってたらゴメンなさい。でもあなたみたいな綺麗な人が何故それくらいの傷を治していないのかなって。」
「それくらいの傷だと言ったか!?これは以前倒した魔獣の呪いなのだ!高価な薬も高尚な神官に頼んでも治せなかった!だから、だから、私は!」
「何を騒いでおるのじゃ?」
「「これは陛下!」」
「ロックブルズ殿もキーラ殿も明日からはこの竜王国の為に戦って貰うのじゃ、どうか仲良く頼む。」
「「申し訳御座いません。」」
「うむ。わかってくれたのなら良い。皆のものも良く聞いてくれ。此度は我が竜王国の為によくぞ集まってくれた。ドラウディロン・オーリウクルス、心より礼を申す。今宵は充分に鋭気を養い明日に備えてくれ。妾からは以上じゃ。」
「ロックブルズさん、後で部屋に来て。悪い様にはしないから。」
「ちょっと姫!イイの?あんな事言って。」
「あの子は使えるわよ。大丈夫、任せて。」
お疲れ様でした。
予定より登場人物が多くなってしまいました。
次回は流れ通りビーストマン戦です。
じゃあまた、お会いしましょう。
ありがとうございました。