今回は一つの接点を迎えます。
でわ、ごゆっくり。
「どうぞ。入って。」
「失礼する。」
「どこでもお好きな所へかけてね。遅いから珈琲より紅茶の方がイイわね?」
「あのメイドは居ないのか?」
「ツアレの事?もう部屋で寝てんじゃない?」
「主人より先に寝るのか?」
「ああ、そう言う事ね。イイのよ、別に。昔からそうだから。はい、どうぞ。」
「ありがとう。」
「さてと。じゃあ、何から聞きたい?」
「いきなりだな。警戒しないのか?」
「何に?」
「私が帝国から派遣された密偵だったらどうするつもりだ?お前の命を狙っているかも知れんぞ?」
「私そんなに有名人じゃないわよ。それに、あなたに殺られる程弱くもない。」
「随分と自信家なんだな。」
「そろそろ本題に入ってくんないかな?回りくどいの嫌いなんだよね。」
「魔導王の仲間なのか?」
「No、だけど、Yes、でもある、かな。」
「答えになっていない。」
「それは質問の角度の問題ね。魔導王の友人や手下じゃないけど、同じカテゴリーには入るのよ多分ね。」
「どう言う意味だ?」
「まんまよ。私は人間じゃない。この世界の住人じゃないって事。」
「な!?まさか!そんな事が、、、!」
「私の噂は聞いてるんでしょ?たった1人でフラッと竜王国に現れて何千ものビーストマンを狩ったオンナ。そんなの人間に出来ると思う?あなたの国の筆頭魔道士のお爺ちゃんでも無理でしょ?」
「そんな者がどうして、こんな事をしている?」
「それはちょっと一言じゃ説明出来ないなぁ。まー簡単に言ってしまえば、あの人とは違うからかな。」
「では、奴と敵対するのか?」
「どーして直ぐにそーなるかなぁ。意見が違うってだけで直ぐ喧嘩する?やんないよ、そんな面倒な事。」
「何故、そんな大事な事を話すんだ?」
「何言ってんの。聞いたから答えたんじゃない。」
「いや、そう言うことじゃなくて。」
「その傷を治すのに色々と説明するの面倒じゃん。どーせこの話に行きつくんだしね。だったら最初に言ってた方が私も助かるしあなたも安心でしょ?」
「治してくれるのか?いや、治せるのか?」
「よく言うよ。そのつもりで来たくせに。ハイ。これ飲んで、そしたら治る。」
「ちょっと待て!今どこからそれを出した!?」
「言ったじゃん、私は人間じゃないって。だからこんな事ぐらいでイチイチ驚かないでよ。」
「無茶言うな。これで驚かない奴なんか居てたまるか。」
「そんな事より飲まないの?それともビビってんの?」
「いや、飲む。少し意外だっただけだ。」
「魔法とか使うと思った?」
「ああ。呪いだからな。」
「それ、呪いじゃないよ。毒だよ。だからポーションで治る。」
「どんな高価なポーションでも、、、そうか!」
「やっとわかった?そう、今飲んだのはこの世界の物じゃない。これで私の言った事が嘘じゃないって証明されたよね?」
「先ずは礼を言わせてくれ。ありがとう。本当にありがとう。」
「どういたしまして。良かったね。」
「それで終わり?」
「そうだよ?他に何かあんの?」
「魂をよこせとか、なんとか。」
「B級ホラーの見過ぎじゃね?確かに人間じゃないけど見た通りの女子だよ?悪魔でも魔女でもないよ?」
「では、何故会ったばかりの私を助けたのだ。関わっても何の得にもならんだろう。」
「役に立ちそうだからよ。だから助けて恩を売った。」
「ストレートだな。」
「嘘に嘘を重ねると本当がどれかわかんなくなるから。」
「正論だ。では、私はどうすれば良い?」
「明日から私の剣になりなさい。ツアレはね、盾になるって言ってくれてるの。だから、あなたは剣。」
「私如きでは役に立たんだろう?自分でも言ってたじゃないか。私に負ける程、弱くないって。」
「私のメイドたち見たでしょう?あの子たちはついこの前まで普通の子だったのよ?」
「それはさすがに嘘だ。そのツアレって名のメイドだって今すぐにでも四騎士になれる程の実力がある。」
「へぇ〜。流石だね、わかるんだ。」
「それくらいは一定水準の剣技を使える者ならわかる。でないと命が幾つあっても足らんだろう?」
「それはまぁそうだね。で?どうする?別に断ったからって、どーこーしないよ。ただ、ここでの話は内緒にして貰うけど。」
「面白そうだな。異世界人の剣になるのだろう?吟遊詩人の詩にも無かった様な話だ。」
「じゃあさ、OKってことでOK?」
「よろしく頼む、姫。」
「えーーーっ!なんでそう呼ぶのぉーーー!」
「じゃあ練習した通りにリモートビューに魔力入れてみて。」
「え〜と、、、えいっ!」
「どれどれ、、、おお!やったじゃん!見えてる見えてる!大成功だよ!流石、魔法学園の秀才!アルシェの感知魔法でリモートビューがレーダーになった。これで敵の動きがバッチリよ。」
「これ、スゴイですね。もっと大雑把だと思ってました。」
「ヨシ!じゃあそろそろ始めますか。マキシマイズマジック、エンジェルドーム!」
「ナンです?それ。」
「うん。ドーム型の障壁だよ。物理と魔法、どっちもレベル8ぐらいなら無効に出来るんだよ。」
「8!?」
「そんな大した事ないよ。プレイヤー同士だと意味無いし。まぁ虫除け?みたいな感じ。クー、ウー、トイレ近くなるからあんまりジュース飲んじゃダメだよ?アルシェ、通信テストして。」
「了解。指揮所から各局。これより通信テストを行う。アルファ1(ワン)どうぞ。」
「アルファ1感度良好。こちらの感度如何。」
「指揮所了解、感度良好。続いてアルファ2。」
「アルファ2、良好だ。」
「アルファ2、感度良好了解。ベータ1。」
「ベータ1、バッチリです。」
「ベータ2、問題無し。」
「ベータ3、オケ。」
「指令。通信テスト完了。」
「了解。ではこれより作戦を開始する!」
『ラジャーッ!』
「アルシェ。敵の陣形は?」
「正面にデスナイト隊、髑髏部隊は散開開始しました。ビーストマンは回り込んで城を目指してます。」
「聞いたわね?アルファは正面を突破、デスナイトの陣形を崩す。ベータは髑髏を出来るだけバラけさせないで、これを殲滅。ビーストマンは他に任せましょう。」
「ビーストマンの動きが速いわね。魔道具のせいね。状況次第でチャーリーを出さないとダメかも。」
「チャーリー、スタンバイ。」
「「りょーかい。」」
「コイツらがデスナイトって言うのか。」
「知ってんの?」
「ああ。フールーダってジジイが地下牢で飼ってる。それで魔導王ってのはコレを生み出せるそうだ。」
「マジか!?」
「マジもマジ、大マジだ。それでジジイがすっかり魅力されちまって裏切りやがった。魔導国建国を裏で糸引いたのもジジイだ。」
「で?どーする?」
「作戦通り。正面からぶった斬ってやる。」
「脳筋か!にしても今朝付けたばっかなのに装備に慣れ過ぎてね?」
「基礎だよ、基礎。これでも基礎訓練ちゃんとやってるからな。終わったら教えてやるよ。」
「いいのか?」
「盾、なんだろ?剣と盾は一心同体。でないと守れないぞ?」
「よろしくな!相棒!」
「応!足、引っ張るなよ!」
「沢山居ますねぇ〜。」
「うじゃうじゃして上から見るとアリん子みたい。」
「なんか変な匂いするし、あの中に降りるのイヤですぅ〜。」
「まー、基本死体だからね。」
「でも仕事だから。」
「金貨4000枚っ!」
「なんじゃこりぁー!」
「ウロたえるな!キーラ殿の情報通りだ、魔化装備している。気を抜くなよ!ここは城下の最終防衛線だ!1匹たりとも入れるな!竜王国親衛隊の意地を見せろ!」
「隊長!右翼から敵襲!」
「させるかよっ!」
「リーダー。この武器、ハンパねぇっすね。」
「驚きですね。魔化された鎧がバターみたいに簡単に斬れる。あのオンナ、こんなの使っていたんですね。」
「でも気前イイじゃないッスか。ポンと貸してくれましたよ。」
「あとでレンタル料でも取られるんじゃないですかね。でもまあ、これで言い訳は出来ません。アダマンタイトのプライドにかけて!行きますよっ!」
「かかって来いやぁーっ!」
「戦況は?」
「苦戦しています。」
「やっぱ、いきなり実戦はキツかったかなぁ。」
「聞いてイイですか?」
「ん?なによ?」
「指令が出たら速攻で終わりじゃないですか。それが何故?チームプレーの練習って言ってましたけど、それだけですか?」
「流石ね、よく気がついたわね。目的はもう一つあるのよ。」
「もう一つ?」
「レベル上げよ。この世界は敵を倒す事でレベルが上がるの。戦士でも魔道士でもね。そしてそれは強ければ強い程、上がる数値は大きくなる。ただ私が居た世界みたいにチーム獲得レベルが配分されないの、あくまで個人報酬。だから私が出るワケにはいかない。」
「じゃあ、これが終われば。」
「全員のレベルは爆上げになる。」
「そうゆーこと。」
「おい!盾!」
「なによ!剣!」
「なかなかシンドイな!」
「弱音?」
「バカ言うな。ここらで1発デカいのヤラないかって話だ!」
「どうすんのさ!」
「お前、グルグル回ってその盾で内側に弾き飛ばせ。そしたら私が片っ端からぶった斬ってく。」
「上手く行くの?」
「お前と私なら出来る。必殺技なんてものは戦場で産まれるものなのだ。」
「不安なんですけど?とても不安なんですけど?」
「なんだ?ビビってんのか?」
「ああ?もういっぺん言ってみ?誰が何にビビってるって?上等じゃん、やってやんよ!」
「ヤンキー。」
「あ?」
「さっき脳筋って言っただろ?お返しだよ。」
「あとでキッチリ話しようぜ!行くぞ!超高速!激速加速!爆雷衝撃盾っ!」
「その喧嘩買った!我が刃に触れる物全て塵と化す!断固粉砕剣っ!」
「あ〜ん、当たらないんですけどぉ〜。」
「ちょこまかちょこまかとウザいわね。」
「なんなのコイツら。超ウザいんですけど。」
「こんな雑魚相手に時間かかったらメイド長に怒られる。」
「ゲッ!それヤバヤバ!」
「解決案大募集ですぅ〜。」
「エメっち、雷竜で囲い込めたりする?」
「魔力足りないかも。サファちゃんヘルプよろ〜。」
「オッケー!んじゃあとはルビっち任せたっ!」
「魔力供給最大放出!」
「いただきましたー!レッツダンス!サンダードラゴン!いっけぇー!」
「こんがり焼きあがれ!ファイアーストーム!」
「指令。両隊が反撃に出ました。敵影一気に消滅中。」
「了解。親衛隊の方はどう?」
「そっちは、、、押されてますね。」
「応援に行けそう?」
「あと30分はかかりそうです。」
「保たないわね。仕方ない、チャーリー出撃。」
「了解。チャーリー1、チャーリー2、出撃します。目標、最終防衛線。しっかりね!」
「「らじゃあー」」
「隊長!敵増援です!これ以上は保ちません!」
「バカモノ!弱音を吐くな!」
「隊長!なにか飛んで来ます!」
「何!?新たな援軍か!?」
「視認不可!」
「悪いライオンさんはどこだぁー!」
「やっつけちゃうよー!」
「な?なんだあれは!」
「速すぎて見えません!」
「流星が2つ?」
「なんて速さだ!」
「オジサンたちー、だいじょーぶ?」
「たすけにきたよー。」
「よ、幼女!?」
「ありえん!」
「ウチの孫より小さい。」
「アレは、、、確かキーラ殿と一緒に来た。」
『双子のちびっ子!』
「あのねぇー、これからひっさつわざするから。」
「にげないと、アブナイよぉー。」
「ちょ!ちょっと待ってくれ!」
「事情が!せめて説明を!」
「全員退避ー!急げ!!」
「「さん。にー。いち。ぜろぉー!」」
「「うるとら、すぺしゃる、ちょーすごい!」」
「「ついん えんじぇる とるねーど!」」
「なななななな!なにごとだー!」
「巻き込まれるな!死ぬぞ!」
「た、た、助けてくれー!」
「ビーストマンがバラバラになって飛んで来る!」
「総員!盾で防衛!」
「り、リーダー!アレは!?」
「わからん!竜巻?」
「しかし中が光ってますぜ?」
『ドサッ』
「ヒッ!ビーストマンの首!」
「バカな!こんな離れた所に?」
「陣を崩すな!好機だ、敵が怯んだ隙に一気に勝負をつける!」
「防衛線のビーストマン全滅を確認。残党は撤退を始めました。」
「こっからでも見えるぐらいね。素晴らしい、想像以上だわ。アルファとベータは?」
「こちらも残党を掃討中。まもなく終了すると思われます。」
「ビーストマンの残党を追いますか?」
「いいえ。アンデッドだけ全滅させればイイ。ビーストマンを全滅させたら生態系に支障が出るし、私たちの収入源も無くなってしまう。キャッチアンドリリースの精神よ。」
「それ、意味違います。ん?待って下さい。」
「どした?」
「指令、口調が。いえ、そんな事より。残党逃亡方向に高魔力反応!」
「やはり居たのね。」
「向かわせますか?」
「総員に撤退命令。直ちに帰還せよ。」
「了解。総員に告ぐ。直ちに帰還せよ。繰り返す。直ちに帰還せよ。」
「ん?まだ少し残ってんだけどな。」
「命令だ。帰還するぞ。」
「帰るべ。」
「おつ。」
「お風呂入りたーい。」
「じゃあね、オジサンたち。」
「ばいばーい。」
「何処へ行くでありんすか?実験台、ご苦労でありんした。お前たちはもう用済みでありんす。」
(それにしても、、、帰って直ぐにご報告しないと。)
お疲れ様でした。
次回はそれぞれのお話になる予定です。
じゃあ、またお会いしましょう。
ありがとうございました。