今回は戦後の余談です。
それと前話で誤字報告を頂きました。
ありがとうございます。
でわ、ごゆっくり。
(間違いない。ユグドラシルプレイヤーだ。)
「それでシャルティアよ。確認だが、その強者と思しき者は参戦はしなかったのだな。」
「はい。ずっと後方陣営で指揮を取っていたと思うでありんす。」
「シャルティア。確認は取らなかったの?」
「いや、アルベドよ。それが正解だ。下手に確認を取りに行けば間違いなく反撃に合う。恐らくは自動反撃型の防衛線を張っていただろうからな。」
「ではアインズ様。シャルティアを襲ったのも?」
「それはまだわからん。ただ今言えるのは今回出て来た連中は十分にナザリックの脅威になり得ると言う事だ。」
「ソレボドニ、、、!」
「うむ。個々のレベルはプレアデスと変わらんが、そのリーダーは恐らくは私と同レベル。」
「まさか!?至高の御方であるアインズ様と!」
「デミウルゴス。いつも言っているだろう?私は最強ではない、私より強者はごまんといる。それにもっと警戒すべきは、チームを組んでいる点だ。」
「アインズ様が仰っているチームプレーの重要性ですよね?」
「その通りだ、よく覚えていたなアウラ。」
「質問でありんす。直接見ていたのでありんが、あの連中なら守護者が連係すれば苦も無いと思いんすが?」
「それも良い質問だ。私はこの世界に来て鍛錬の重要性にも気付いた。強者との戦いで己のレベルアップが叶うのだ。しかし私やお前たちではそう簡単にレベルアップは出来ん、何故なら相手になる強者が居ないからな。」
「その理屈ですと今回のメイド服はレベルアップが可能である。」
「そう言う事だ、アルベド。だから脅威と言った。」
「だ、だったら早い目に殺しておくのが良いのかなぁ。」
「駄目だよマーレ。敵の大将がわからないんだから。」
「マーレ。そう慌てずとも良い。敵は必ずまた接触を図ってくる。それまでに情報を集めるのだ。それとデミウルゴス、これからは更に慎重を重ねて事にあたるように。」
「心得ました。」
(う〜ん。ビーストマンに貸したアイテムと同レベルのを竜王国の連中も持ってたんだよなぁ。あとはそのメイド服もそれなりのを使ってたらしいし。俺みたいにギルドじゃなくソロか?ニグレドの探査にもそれらしい建造物は無かった。メイド服たちは現地調達?しかしなぁ、現地人をあそこまで強化出来るものなのか?)
「コキュートス。」
「ハッ!」
「冒険者育成施設の方はどうなっている?」
「ガゼフトブレインガ、トテモヨクシドウシテオリマス。」
「いや、言い方を変えよう。その2人は最近どうだ?お前から見て強くなったように思えるか?」
「チョクセツケンヲマジエテオリマセンノデ、ダンゲンハデキカネマスガ、イゼントカワラヌキガイタシマス。」
(やはり、あの2人には変化がないか。だとすると、メイド服との違いはなんだ?単純に資質?いや、それならガセフたちも武技など使える様にはなっていない筈だ。)
「シカシナガラ、セイトカラノヒョウバンハスコブルヨク。ジッセンケイシキノモギセンデ、カナリノケイケンヲツメテイルヨウデス。」
「何!?今なんと!?」
「ヒョウバンガヨイ。」
「その後だ!」
「ジッセンケイシキノモギセンハヨイケイケンニナッテイル?」
「それだ!実戦によって得られる経験値だ!何故気が付かなかった!そうだ!そうだよな!」
(チッ!抑制されたか。)
「コキュートスよ。お手柄だぞ。」
(俺や奴の様なカンストプレイヤーがこの世界でのレベル上げは、まず不可能。それは、それ程の経験値を持つモンスターが居ないからだ。だが、この世界のニンゲンならどうだ?今まで敵わなかった魔獣や獣人をたとえアイテムの力を借りても倒してしまえばそれは経験値となりレベルは上がる。ある程度まではビギナーでもホイホイ上がるのと同じだ。)
「コキュートスよ、ガセフに急ぎ人選をさせるのだ。基準は伸び代のある者。全体的でも一部に特化していても構わん、とにかく何かに秀でた者だ。」
「ハッ!タダチニ!」
「アインズ様。一体なにをなさるおつもりで?」
「敵がやっている事を、こちらでもやってやろうと言うのだよ。そしてこれはこの世界の理を変えるやも知れんぞ?」
「なんと!世界の理を!」
「うむ。これから草案を書く。本日はこれで散会とする。」
「アインズ様のお考えが読めないよ、アルベド。」
「全く同感だわ。帝国の時もそうだったけど、御方のお考えは先を見据え過ぎて、時について行けなくなるわ。シャルティアなんて可哀想にアンデッドなのに知恵熱出して寝込んでしまったわ。」
「笑えないね。私もさっきから頭がガンガンするよ。」
「それ程なのかしら、そのメイド服の主人って。」
「薄い記憶なのだが以前このナザリックが襲撃に遭ったのを覚えているかい?」
「ええ。私たち守護者は全滅したけど8階層で御方方が迎え討ちにした。確か1500人だったわよね?」
「それだよ。1500もの相手を殲滅したのに、たった1人がそんなに脅威になると思うかい?アインズ様なら片手で済むとは思わんかね?」
「それは、、、そう思いたいけれど。シャルティアの一件以来とても慎重になられたから、かしら。」
「こんな事を言っては不敬になるのだが、アインズ様は何かを隠しておられる?」
「まさか!?そんな事!その考えは危険よ!デミウルゴス!」
「落ち着きたまえ。不敬は承知だと言っただろう?恐れを知らぬ不死の王が、至高の41人のリーダーたるアインズ様が、だ。同格とは言えたった1人の相手にあれ程慎重になるだろうか。何か他に理由がある、そんな気がしてならないのだよ。」
「心当たりはあるの?」
「いや、全く。だから君の許可が欲しい。統括としての許可をね。これは不敬でも造反でもない、もし、もしもだよ。アインズ様が我々にも言えない様な悩みを抱えていたならそれを排除するのが忠義だ。」
「貴方らしいわね。でもこの事は私と貴方だけの秘密にして頂戴。勿論、姉や妹にも言わない。だから貴方も配下にも言っては駄目。それで良い?」
「無論だ。礼を言うよ。」
「お姉ちゃん、どう思う?」
「なによ、急に。どうって敵の大将?」
「それもあるけど、その、メイド服のエルフだよ。」
「ああ。なんか3人居たらしいね。気になるの?」
「ボクたちエルフって事になってるけど、今まで他のエルフって見た事ないよね?それでどうなのかな?って。」
「同族意識ってのは無いよね。だってアタシたちは特別だもん!」
「それはボクだってそうだよ!だけどさ、なんとなく戦ってみたいなって。」
「ああ、そっち?なら、そうだよ。アタシも戦ってみたいよ。」
「強いのかなぁ?」
「アタシたちに勝てる訳ないじゃん!」
「エヘ。そうだね!」
「お嬢ちゃん!特別なアイスあるけど一緒に食べない?」
「リーダー!リーダー!その子たちはヤバいって!」
「お前たちまであんな噂を信じているのですか?馬鹿馬鹿しい!」
「だって!なぁ?」
「ああ!俺も聞いたぜ!その双子は地獄から来たって!」
「「おじちゃん、アイスまだぁ?」」
「ゴメンねぇ〜。うるさいオッサンが居るからオジサンのお部屋で食べよっか?ねぇ?」
(ウヘヘのへ!アイス食べてから食べちゃおう!)
「おっと狼藉はそこまでですぞ?セラブレイト殿。」
「親衛隊隊長!いつの間に?」
「今宵はそちらのお嬢様方の護衛でしてな。たとえどなたであろうと指一本触れさせる訳にはまいりません。」
「失敬な!私はアイスクリームを一緒に食べようとしただけだ!妙な下心など微塵も無い!第一、私はこの国唯一のアダマンタイトだぞ?」
「だからこそですよ。唯一のアダマンタイト様に今ここで死なれては陛下もお困りになります。」
「殺る、とでも?」
「滅相もない!私は親衛隊隊長、殿中で剣を抜くなどあり得ません。」
「では、誰が私を殺すと言うのだ?」
「噂をお聞きになっておられませんかな?」
「はっ!聞いたとも。こんな可愛らしい幼女がビーストマンを何百も一瞬で粉々にしたって言うのだろう?嘘ならもっとマシな嘘をつけ。」
「私の部下はその光景を間近で見た為にそれがトラウマになって、ズッとうなされております。可哀想に医者にはもう兵士は無理だろうと言われました。」
「そんなバカな話があるものか!大体ですな、親衛隊隊長ともあろう方までその様な下らん嘘に騙されるなんて少しなっとらんのじゃないですかな!」
「何が嘘だ!このロリコン!俺はお前がミンチになるのが可哀想だから忠告してやってんだよ!いいか、よく聞け!このお嬢ちゃんたちはなぁ、流れ星より速く飛んで竜巻より残酷に相手を斬り刻むんだ。しかも、キャッキャ、キャッキャと笑いながらだぞ?これくらいの子供が公園で遊ぶみてーにな、楽しそうに笑いながら殺して行くんだよぉ〜。」
「た、隊長!お気を確かに!」
「深呼吸!深呼吸して!」
「ハースー。ハースー。ああ、落ち着いた。スマンな。」
「い、一体なにがあった?」
「隊長が言った通りですよ。見たでしょう?あの竜巻。中で光ってたでしょう?あの光はこの子たちの剣が陽の光を反射してたモノなんです。それぐらい高速で回転していたんです。それでその中に巻き込まれたビーストマンはどうなると思います?それは、、、オエッ!」
「おい!大丈夫か!」
「ハーハー。大丈夫だ。ビーストマンはねぇ、ビーストマンは生きたままミンチになったんですよ。泣き叫びながらね。高速で斬られ過ぎて即死しないんですよ。わかります?バラバラになってもちょっと間は生きてんですよ?魚の活け作りみたいにね。」
「だったら、、、あの渾名も、、、。」
「私たち親衛隊が付けたんですよ。忘れないようにね。見た目だけで判断すると地獄を見る。だから、この子たちをこう呼ぶんです。」
『地獄の2連星』
「「ねぇ〜、オジサン。アイスくれないと刻んじゃうよぉ?」」(ニッコリ)
「また今回も世話になったのぉ。」
「とんでもない陛下。こちらこそ親衛隊にご迷惑をかけた様でして。」
「それは助けようとした不可抗力じゃ、仕方あるまい。ところで、キーラ殿。この国に移らんか?」
「何故でございます?それでしたら何も今でなくても、、、。」
「うむ。言い難いのじゃが、幹部連中に背を押されての。此度のアンデッド来襲、魔導国の画策、そして其方らの活躍じゃ。あとは言わずともわかるであろう?」
「出た条件は?」
「其方には伯爵位を授け近衛兵団長になって貰う。無論、家屋敷や使用人はこちらで用意する。彼女らは団員になるのでメイドと言う訳にはいかんのでな。年俸は団長が1000、団員は100じゃ。」
「破格ですね。」
「妾も聞いた時は驚いた。あのケチ連中がよく出したなと。まぁそれだけ今回の事に肝を冷やしたのであろう。それもよくわかる。」
「陛下。」
「なんじゃ?」
「謹んでお断り申し上げます。」
「うむ。承知した。」
「・・・。」
「なんじゃ?もう少し粘ると思うたか?」
「それは、、、その、、、まぁ。」
「はは。聞く前から答えは分かっておったからの。其方は人に仕えたりは出来ぬ性分じゃ、違うかの?」
「見抜かれておりましたか。」
「見抜かれておるのは妾も同様。知っておったのであろう?妾の正体を。いつからじゃ?」
「初見にて。」
「参ったのぉ。これでも擬態には自信があったのじゃが。それで?いつ発つのじゃ?」
「明日にでも。長居しますとアレコレ噂も立ちますので。」
「そうか。では、褒賞とは別の妾からの褒美を与えたい。なにを望む?」
「お誘いをお断りしておいて恐縮なのですが、私に何かありました折には配下の者たちをお召し抱え下さい。」
「あい、わかった。竜族の名にかけて約束しよう。だがな、キーラ。」
「何でございましょう。」
「死ぬでないぞ。たとえ泥を啜ってでも生きろ、妾もどの様な辱しめを受けようとも民と共に生きる。」
「ありがとうございます。では、陛下。これを。」
「木彫りの人形?と笛?」
「この人形は一度だけ陛下と私がどんなに離れていても瞬時に入れ替わる事が出来るアイテムです。そして笛の方はゴブリンの軍勢を召喚出来ます。陛下であれば一万は可能であると思いますので、時間稼ぎには十分なりましょう。」
「良いのか?」
「陛下とこの国には残って貰わないと、友たちが路頭に迷いますので。」
「それが本音じゃな。」
「御意。」
「しばしの別れじゃ、達者に暮らせよ。」
「皆のもの!よくぞ生きて戻ってくれた。そして無念にも天に帰った同志たちの冥福を祈ろう。つべこべは言わん。今宵は無礼講じゃ!心ゆく迄、食べて呑んで騒いでくれ。竜王国に栄光あれ!勇敢な我が戦士たちに乾杯っ!」
『乾杯っ!』
お疲れ様でした。
きな臭くなってきました。
次回は更に臭いが強くなる予定です。
じゃあまたお会いしましょう。
ありがとうございました。