Roses fall fleetingly, violets bloom vividly   作:MIA

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見てたら、書きたくなったので。


第一章 Sister Attack
00 Masterminds


 何処とも分からない場所。

 何時とも分からない時間。

 ソレらは男性のようであり、女性のようであり、少年のようでも少女ようでも、更には老爺にも老婆に思えた。

 

 

「才能」は神から与えられたギフトだ。

 だからこそ、全人類にその恩恵を届けなくてはならない。

 世の発展は、天才なくして始まらない。

 だから、我々は、「天才」を愛し、「天才」を世に送り届ける使命があるのだ、我々には。

 

 いやいや。

 「天才」に「凡人」が挑み、打ち倒すのがいいんじゃないか。

 世の大半は凡人だよ? 「凡人」が「凡人」であるが故に「天才」を超える。

 ロマンがあるよねぇ?

 泥臭くていいじゃないか。

 途方もない時間を天才に打ち勝たんがために、犠牲にして。

 あるいは、親も子も友人も全てを犠牲にしてでも藻掻き、足掻く。

 何とも人間らしいじゃないか。

 そんな人間らしさが愛しくてたまらないよ。

 夢が破れたっていい。その涙が、絶望が、たまらなく愛おしいよ。

 

 やれやれ。君たちとはまったくもって意見が合わないな。

 君たちには「侘び寂び」という心が分からないのかね?

 ミロのヴィーナスを思い浮かべたまえ。

 君たちはあの失われた腕に何を思う?

 赤子を抱く腕であったかもしれないし、戦うために武器を持っていたかもしれない。

 あるいは、それは人の腕ではなく、翼であったかもしれない。

 何と自由か!

 欠けているからこそ、美しい。

 完成していないからこそ、美しい。

 

 神に愛されず、只人であることも許されない。

 知的に、精神的に、あるいは物理的に欠損しているが故に。

 決して満ち足りず、致命な程に欠落し、不便を常とする。

 永遠に未完成であるがため、それはいずれ「才能」をも超えるだろう。

 そこにはどんな工夫があるだろうか。

 欠落を埋めるのか、あるいは欠落に足すのか、はたまた欠落を生かすのか。

 何だってできるだろう。何でもできるハズだ。

 その発想が尽きぬ限り。その情熱が消えぬ限り。

 それは完全とはほど遠い美。だからこそ美しい。

 故に私は愛するのだ。

 

 

 ……歪んでいるな。

 

 

 ……歪んでいるね。

 

 

 歪んでいるのはお互い様であろうに。

 

 

 だが、我々の目的は確認できた。

 私は天才を愛し、そして送り出す。

 

 互いの嗜好が一致しなかったのは僥倖かな?

 僕は凡人を観察し、そして育てる。

 

 そして、我は欠陥のある者を仕立てる。

 なるほど、一定の調和は取れることだろう。

 しばらくは、「天才」を愛する君の舞台かな?

 

 まぁ、日の当たる舞台はそうなるよね。

 

 ならば、照覧あれ。アランの掲げる理想とその創る世界を。

 

 

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