Roses fall fleetingly, violets bloom vividly   作:MIA

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ただいまAIさんで、すももちゃんを作成中……


107 That was a misunderstanding

 食事を終えたノバラとたきなは、台所に片づけると、たきなが洗い物を始めた。

 

 ノバラが作ってくれたから、とたきなは洗い物を譲ってくれることはあまりないので、ノバラはリビングにヨガマットを敷いて柔軟を始める。

 

 両足を伸ばして前屈をするとぴったりと頭が足につく。伸ばした両手で足首を掴みつつ、その状態をしばらく維持すると、足を交差するようにして、腰を捻る。

 

 そんな体操をしていると、たきなは洗い物が終わり、ノバラの背後までやってきていた。

 

「……手伝いましょうか?」

「あ、じゃあ、ちょっと手伝ってー」

 

 

 

 

 隣にあるはずの熱源がなくなったので、千束はそれを求めるようにもぞもぞとベッドの中で動く。

 

「……んぁ~……たきなぁ~……?」

 

 手探りで愛しい恋人を探すも、返ってくるのは柔らかいベッドや掛布団の感触だけ。

 

「……んー……?」

 

 ごそごそと布団の中をまさぐって、そこに誰もいないということにようやく気付いて、不満気な声を上げながら、千束は目を開けた。

 

 部屋の中は暗いが、カーテンの隙間から光が漏れている。

 

 もう朝なのか、と名残惜しさを感じながら、横向きになっていた体をゴロリと仰向けにする。

 

「……ん~っ……!」

 

 朝になったからたきなは先に起きたんだろう、と思い至り、千束は眠気を感じながらも体を起こして、両手を上に伸ばし、大きく体を伸ばした。

 

 すぅ、はぁ、と深呼吸をすれば、部屋とベッドからたきなの残り香がする。

 

「えへぇ……」

 

 ちょっとだけ顔を蕩けさせ、幸せそうな笑みを浮かべて、頬を赤く染める。

 

 ノバラに閉じ込められたときはどうなることか、と思ったが、ベッドの中でたきなと二人、触れ合うだけのいちゃいちゃ。それだけで何とも満たされてしまうのだから不思議なものだ。

 

 完全に眠りに落ちる前、ちゃんとパジャマを着直したが、着崩れた様子もなく、汚れている様子もない。無意識のうちにいらんことをしていないことにちょっとだけホッとする。

 

 部屋の中の時計に目をやれば、時間は午前七時過ぎ。

 

 千束はだらだらと布団の中で過ごしているの常の時間だが、きっかりとしたたきなはこんなときでももう起きているのだろう。

 

「私も、起きるかぁ……」

 

 どうせ練習好きな妹は、いつもの通り走り込みを終えて、朝食を作っていることだろう。

 

 まぁ、千束が起きなさそう、ということも長年の経験から分かっているから、たきなと二人で朝食を摂ってしまっているかもしれない。

 

(……それはそれでちょっと寂しい。……いや、まぁ、起きない私が悪いんだけどさ)

 

 自分のいないところで、妹と恋人が楽しそうにしている様子を考えると、ちょっと胸がちくちくする。

 

 千束は、ふわぁ、とあくびを一つすると、くるくると肩を回してから、ベッドから立ち上がる。

 それから、ぐっ、ぐっ、と左右に体を捻って、腰を伸ばし、大きく腕を上に伸ばしてから左右に体を倒す。寝ている間に凝り固まった筋肉が解れるようで心地よい。

 

 千束が部屋を出るため、ドアノブに手を触れようとしたところで、リビングにたきなとノバラがいるのが、漏れ聞こえてくる声で分かった。

 

『……じゃあ、ノバラいきますよ?』

『う、うん。優しく……優しくね?』

 

(……うん!?)

 

 何だか優しい感じのたきなの声とノバラの恥ずかしそうな声がする。

 

 ……それだけで、千束は、まさか、と考え、少し震えながら、ドアにそっと耳を当てる。

 

『心得ました……それでは……んっ!』

『あぅん!? たきな、そんないきなり!? ……はぅ……』

 

 鼻にかかる様なたきなの声と、少しだけ上ずったノバラの声。

 

(いきなり!? いきなり何したの!?)

 

『すごいですね、ノバラ……こんなになって』

『そんなにじっと見られると恥ずかしいよぉ』

 

 感嘆した様子のたきなの声に、照れている様子のノバラの声。

 

(どこ見てんの!?)

 

『ふふ……じゃあ、続けますね? ……んっ』

『ぁ……んっ……き、気持ちいいよぉ……たきなぁ』

 

 悪戯めいたたきなの言葉に、ノバラが返すのは嬌声。

 

(何をしてるの!? 何が気持ちいいの!?)

 

『もっとですか? ノバラは欲しがりさんですね?』

『ゃ……ちがっ……うぅん!?』

 

 はぁはぁ、と息を荒げ、悩まし気な声を上げるノバラ。

 そんなノバラに対して、くすくすと楽し気な笑い声を漏らしているたきな。

 

 

(あれ!? 早くもNTR!? 妹に!? それは許さん!!)

 

 

 

 声から扉の外のたきなとノバラのいけない想像を膨らませた千束は嫉妬心を全開にして、思いっきり扉を開ける。

 

 

 

「二人して、何やってんのぉぉぉぉ!?」

 

 ……扉を開けたその先には。

 

 

 

 

 

「? おはようございます、千束」

「あ、おはよー、千束」

 

 足を一八〇度開いた状態のノバラを、たきなが背中側から押して前屈させている姿があった。

 

 

 

「……紛らわしい声、出すんじゃなぁぁぁい!!」

 

 

 

 千束は顔を真っ赤にしながら、そう叫んだ。

 

(いや、まぁ……この二人に限ってそんなことねぇわ。どうしてそんな想像をしたんだ、私……)

 

 ペタリと床に体をくっつけたノバラとその背を抑えているたきなは不思議そうに千束を見上げる。

 たきながノバラの背から手を放して立ち上がり、ノバラは前屈の状態から少しだけ体を起こすと、両手を床についた状態から、グッと力を入れて、お尻を浮かせる。そこから、足全体を持ち上げて逆立ちの状態に移行すると、正面には左足を、背中側に右足を開いて保持すると、ゆっくり背中側に体を倒して立ち上がった。

 両手を上に上げて決めのポーズを取ると、たきなが感心したように、おぉ、と小さく声を上げた。

 

 そしてノバラは何やら赤くなっている千束に気づくと、先ほどまでのたきなとのやり取りを思い浮かべて、千束が何を考えたのかを理解した。

 

 にやにやと笑みを浮かべながら、千束に近寄ると、背伸びをしつつ、腕を引っ張って、耳元に囁く。

 

「……えっちぃこと想像したでしょ?」

「うっさいなぁ」

「あは! やっぱり、そうなんだぁ? じぇらった?」

「……ホントにそうなってたら、泣き崩れてるよ……」

「にゅふふ。千束お姉ちゃんってば、かっわいー!」

 

 けらけら笑うノバラを腕から引き離すと、いつの間にかたきながじっと正面から千束を見つめていた。

 

「あ、な、なに? たきな?」

 

 千束がそう問いかけると、たきなは千束の両手をぎゅっと握って、少し頬を染めながら、上目遣いで千束を見る。

 

「……ノバラといちゃいちゃしないで私としてください」

 

 少しだけ不機嫌そうな顔をしているたきなに千束はちょっとたじろいだ。

 

「え? えぇ……? じゃ、じゃあ、とりあえず……」

 

 ノバラとのやり取りをいちゃいちゃと捉えられるのは千束的には心外なのだが、せっかく、可愛らしい恋人がおねだりしているのだ。ノバラの目もあるし、あまり過激なことはできないから、と。

 

 千束は自らの唇をたきなの右頬に寄せる。

 

 ……ちゅ。

 

 水音が部屋の中に響き渡る。

 体を元に戻した千束の目には満足気なたきなの微笑みが映る。

 

 ……と、同時に、その横で口に手を当てながら、二人の様子を見ているノバラが目に映る。

 

 その視線が交錯し、気づかれちゃった、とペロリと軽く舌を出したノバラはススっと台所側に退避をし始める。

 

「……私は千束の朝ごはん作るからごゆっくり~?」

 

 ふりふり、と緩く手を振ったノバラが、千束とたきなを視界から離さないようにしながら、台所に移動していく。

 

 にまにまと次は何をするのか、と好奇心を目に浮かべて。

 

「…………できるかぁ!!」

 

 千束は顔を真っ赤にして、目に涙を溜めながらそう叫んだ。

 

 

 

 ……なお、ノバラ作った朝食は千束にも好評だった。

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