Roses fall fleetingly, violets bloom vividly   作:MIA

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07 To be or not to be, that is the question.

「ミカ先生、お久しぶりです」

 

 ノバラはミカの前に行くと『お行儀よく』頭を下げた。

 ミカはそれを軽くなでると優しく声をかける。

 

「お、ノバラか、聞いていたが、早かったな」

 

 ノバラはミカに可憐に微笑んだ。

 

「ミズキもお久しぶり」

 

 ノバラは手をわきわきさせながら、ミズキにも微笑む。一方のミズキは諦めたように天を仰ぐ。

 

「……あ~……おしっ。ばっちこいや!」

 

 ミズキが両手を広げると、ノバラは弾丸のように突っ込んで。

 

 さすさすむにむにぎゅむぎゅむ。

 

「あんた、ちょ、どこ触ってんの!? って、何でお腹に耳当ててんの!?」

 

 胸に顔を埋めたり、太ももからおしりをさすったりして、最終的には何故か、ミズキのへその辺りに耳を当てて、首を傾げていた。

 

「……あれ? いないなぁ……おっきくなってるから、てっきり妊娠でもしてるのかと思ったのに」

「な、ん……だと……っ!?」

 

 久しぶりに会った『姪っ子』に妊娠していると勘違いされる、そんなくらいにはお肉がついていた、ということだ。ミズキはあまりの絶望に椅子に座って真っ白になった。

 

「ミズキは安産型でいいお尻なのに、男は見る目ないね……」

 

 なお、ノバラに他意はない。

 

「あなたは、はじめましてだね?私は「最上ノバラ」です」

 

 ノバラは『標的』をクルミに合わせると、クルミの両手をきゅっと握りしめる。

 

「ボクはクルミだ……って、え!?」

 

 次の瞬間には、くるみを抱きしめて、頭の辺りでスーハースーハー。一通り堪能すると、体の色々なところを触り始める。

 

 ぎゅぅぎゅぅはすはすぷにぷに。

 

「何だ何だ何だ!?」

「クルミ可愛いねー。やわっこくてさいこー。おでこかわいー。鎖骨からお胸のラインがとってもきゅーと」

 

 目の前で繰り広げられる酷いセクハラに、たきなは顔を引きつらせ、千束は苦笑した。

 

「……千束、あれ、何です?」

「あ~……ノバラはね~……スキンシップが激しいんだよね~」

 

 どこで教育を間違ったのかなーなどという千束を見て、たきなは思った。

 

 ……たぶん、原因はあなたです。

 

 あれ程露骨ではないにしろ、初対面にしてはスキンシップが激しかったので。

 

 ところで、顔見知りであるらしいミズキへのスキンシップはいいとして。初対面のクルミにもやたら激しいスキンシップをしている。

 いや、別に積極的にされたい訳ではないが、見た目には可愛らしい、千束の妹分が自分には同じようにしてこないのは、何と言うかもやっとする。

 

「……私には?」

「されたいのかよ!? いや、たぶん、たきな相手だと躱されると思ってるからだと思うよ? この子、当て勘っていうのかな? 自分の技が通じないと思ったら、しないから」

 

 何だか涙目になったクルミを放り出すと、ノバラはずいっとたきなの目の前に来る。

 

「いいんですか、たきな!?」

「え~……まぁ、抱き着くくらいなら」

 

 ちょっと、そのテンションは怖いんだけれども、と思いつつ、抱き着いてくるノバラを受け止める。

 

 むにゅむにゅさらさらしゅりしゅり。

 

 色んなところが触れてこそばゆいが、ノバラの体温が高いのか、触られたところが熱を持ったように熱い。

 

(ん……何か、甘い匂いがしますね……)

 

 きゅっと抱き返して見ると、答えるようにノバラが抱きしめている力を強めてくる。髪からは甘い匂いがして、甘えられているような感じがして心地よく、懐かしい感じがした。

 

「……スー……っ。何たる圧倒的美少女。ぱーふぇくとです。でぃもーるとべねです」

 

 『妹』というのもいいかもしれない、と思っていたのに、出てきた言葉は変態のそれであった。

 

「千束……本当にこの子、何なんですか?」

 

 千束は少しだけ考えると、何かを思いついたらしく、パチンと指を弾いた。

 

…………それが問題だ(To be or not to be, that is the question.)

 

 良いこと言った的な千束のどや顔に、たきなは再びイラッ☆とした。

 

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