欲望のロストロギア   作:創作好き

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データが一度消えて作り直すのが大変でした。次から気を付けないと・・・


会長と格好とケーキ

ヤミーに襲われた次の日、日曜日にとある人に会いに行った時の話をしようと思う。その日朝、俺はレイジングスピリッツに起こされた。

 

『おはようございますマスター、今日もいい天気ですね』

 

「・・・おはよう」

 

休日の朝に目覚めたら、青い球にモーニングコールされる俺の身にもなって欲しい。朝から疲れるよこんなの。非日常を味わい、これからは新しい日常になるんだなあと思いながら俺は起床した。

 

 

 

 

『それでは本日の予定を確認します』

 

「おう」

 

朝食を終え、これからに備えての準備をするために、とある人に会う、だったはずだ。

 

『まず始めに、鴻上ファウンデーション本社に侵入し鴻上光生にコンタクトをとります。次に・・・』

 

「ちょいまて!」

 

さらっと流したなおい!

 

『何でしょうか?なにかおかしなところがありましたか?』

 

「侵入することをおかしなことと認識していない時点でお前頭おかしいよ」

 

こいつの場合頭じゃなくて思考回路とかだろうけど。

 

『あのですねぇ、私達が会いに行くのは会社の会長ですよ。ただの学生が会いに行こうとしたって門前払いされるに決まってます。それに、管理局がどこで見てるかわからないんです。自分がオーズだと名乗って入れたとしても、管理局に見つかる可能性もあるんですよ?』

 

「俺はそもそも会う相手が会長というのも聞いてないし、そもそもお前、侵入することがおかしいという質問に答えてないよな?」

 

『・・・話を続けます』

 

逃げやがった、このポンコツAI。

 

『鴻上光生と会う理由、それは彼が先代オーズの子孫だからです。私は昨日お話した以上のメダルについての話は知りません。ですのでその辺の話を聞き出します。それから、協力の要請ですね。ハッキングしたところ、色んなものを作ってるらしいです』

 

「あれ?ベルトは聖家が作ったとか言ってなかったっけ?それに今ハッキングって言った?」

 

『ハッキングに関してはマスターが寝ている間に済ませました。勿論痕跡は残していません』

 

怖すぎんだろ・・・

 

『メダルに関してはその、私が作られるよりずっと昔に作られたものなので、あまり知らないんです』

 

「昨日若干勿体ぶってたのに?」

 

『はい・・・』

 

大丈夫なのだろうかこいつ・・・

 

『話を戻しますね。鴻上光生とは私が交渉します。マスターは見てるだけで大丈夫です。残った時間は魔法の特訓をします』

 

「遂に来たか・・・」

 

『チョロい・・・』

 

「聞こえてんぞポンコツAI」

 

『!?!?』

 

魔法、魔法かぁ。俺も炎出したり雷出したり、高町さんみたく空も飛べるようになるのかぁ。これなら俺、もっと強くなれるなぁ。

 

『・・・と、とりあえず、鴻上光生の下へ向かいましょうか』

 

「おう!」

 

こうして俺達は、鴻上ファウンデーションに侵入することになった。

 

 

 

 

「・・・すげぇなこれ、本当に気づかれてないな」

 

『当然です!これは天才アイオーンが作った隠蔽魔導具、その名もインビシブル!対象を覆い外へのあらゆる情報を漏らさない優れものです!覆う対象を結界にすることで隠蔽性の高い結界を作ることも可能なんですよ。まぁ、対象が大きいほど効果は薄まるんですが。前回も管理局員に気づかれてしまいましたし』

 

今俺達は、鴻上ファウンデーションに侵入していた。さっきから社員や警備員とすれ違ったり、監視カメラの前を通ったりしているのに全く呼び掛けられる気配がない。エレベーターはレイジングスピリッツがさらっとハッキングして乗れるようにしてくれたり、電子系の扉もあっさり開けたりと、あっという間に偉い人が居そうな部屋の前まで着いてしまった。

 

「完全犯罪とかできそうなレベルだなこれ」

 

『できそうというか確実に成功させますよ?』

 

怖っ。ハイスペック過ぎるだろこいつ。手のひらをクルクル変えていると、ふとある疑問が湧いた。

 

「なぁレイジングスピリッツ、1ついいか?」

 

『何でしょう?答えられることなら』

 

「まず確認として、お前とインビシブル、それに昨日の世界を飛び回る魔導具、確かリーブの3つ全部アイオーンって人が作ったんだよな?」

 

『そうですよ?』

 

「お前のいた世界ってその、もう滅んだみたいなことを昨日言ってたよな?」

 

これは高志が帰った後、軽い気持ちで質問したらもう滅んでますよーと軽く返され、それ以上聞けなかった。

 

『そうですが?』

 

「じゃあお前含めてそれらって、ロストロギアってのに該当するんじゃないのか?」

 

『・・・』

 

いや、ぶっちゃけ全部どう考えてもオーバースペック過ぎるし、ちょっとヤバいなとは思ってたんだけど・・・え?そこで黙り込むの?あのレイジングスピリッツさん?

 

『・・・マスター、この世の中には知らないほうが幸せな事が沢山あるんですよ?』

 

こいつ管理局に突き出した方がいいんじゃないのかな?ちょっと世界滅ぼしそうじゃない?

 

『そんなことより、ほら行きますよ』

 

「お、おう」

 

レイジングスピリッツはインビシブルを解除して俺に部屋に入るよう促した。俺は現実と向き合うことをやめながら、鴻上光生という人物がいるであろう部屋の扉を開けた。

 

 

 

 

部屋に入ると、机の上でちょうどなにかの箱を閉じる男性の姿が目に入った。赤いスーツの上にエプロンを着るという奇抜な格好をしていたため、ちょっと引いた。

 

ここで俺の今の格好について話そう。上は白いシャツに下は黒ズボン。そして黒いコートを羽織っており、さらに顔には認識阻害の魔法が掛かっている狐の面を被っているという暑そうで変人丸出しの格好をしていた。まさかこの格好に張り合える人間がいたとは・・・

 

「やぁ、始めして。君が新しいオーズだね?わかっているとは思うが名乗ろう。私の名前は鴻上光生だ」

 

不審者が前触れもなく部屋に入ってきたというのに、慌てた様子どころかまるでわかっていたような素振りをするこの男、鴻上光生から思わず一歩後ずさる。オーズとは変身した姿のことを言っているのだろうか?

 

『マスター、ここは私が』

 

レイジングスピリッツが念話で呼びかける。そうだ、ここはレイジングスピリッツに任せよう。俺は聞くことに専念することにした。

 

「そうだ。私がオーズだ」

 

『マスター!?』

 

レイジングスピリッツが胸ポケットから飛び出す前に、何故か口が勝手に動いた。止めるべきなんだろうけど、黙る気が起きなかった。

 

「ならば祝おう。一日遅れだがね。ハッピバースデイオーズ!!新しい王の誕生だ!」

 

すると鴻上は机の下からケーキを取り出した。そのケーキのプレートにはハッピバースデーという文字と3つの円が描かれていた。あれはオーズと読むんだろうか?

 

「お前に交渉を持ち掛けに来た」

 

「ほう、それはどんな?」

「俺の目的はグリードの壊滅だ。その援助を求めたい。こちらは体を張って戦うことを考えると、セルメダルの配分は8:2でどうだ?」

 

こいつがセルメダルを集めていることはレイジングスピリッツから聞いている。

 

「いやいや、それでは破産してしまうよ。2:8でどうだい?」

 

「論外だ。だがこちらの要求をさらに飲むのなら、6:4でも構わない」

 

「ほう、その要求とは何かね?」

 

食いついた。

 

「要求は3つ。メダルに関する情報を全てこちらに開示すること。管理局から匿うこと。後からメダルを要求しないことだ」

 

さぁ、どう来る?

 

「欲張るじゃないか。君はなかなか強欲のようだね。それに管理局と繋がりがあることも知っているのは予想外だよ」

 

これもレイジングスピリッツから聞いたことだ。

 

「だがその要求を飲むには6:4では全く足りない。それこそ2:8が妥当だろう」

 

「ならば、オーズとしての戦闘データをそちらに提供しよう」

 

「なぜそれを私が欲しがると思うのかね?」

 

ラストだ。

 

「作っているんだろう?対グリード、または対ヤミーの兵器を」

 

その言葉を聞き、鴻上は声を出して笑った。とても愉快そうだ。

 

「いいだろう。5:5で手を打とう」

 

「いや、全ての要求を飲むのなら4:6で構わない」

 

「ほう、それはなぜだい?」

 

「そちらとは今後とも仲良くやっていきたいということだ」

 

それを聞きまたも鴻上は笑った。

 

「それでは、まずこのメモリーを渡そう。これにはメダルに関する情報が全て入っている。援助に関しては戦闘の際に行おう。管理局も私に任せたまえ。それからこれも君に渡そう」

 

鴻上は入室した際にふたをしていた箱を開けるそこにはプレートに4:6と書かれたケーキが入っていた。予め用意していたメモリーにしてもケーキにしても、この状況を読んでいたのか。この狸め。

 

「・・・では私はこれで失礼する」

 

私はメモリーを受け取り2つのケーキが入った箱を両手に持った後、インビシブルを起動させて部屋から去った。

 

「まさかここまで要求を飲まされるとは・・・」

 

部屋には1人の男だけが残った。

 

 

 

 

『マスター?』

 

「えっと・・・ごめんなさい?」

 

『なんで勝手に色々決めてるんですかー!』

 

こうして俺はレイジングスピリッツに叱られた後、魔法の練習をして1日を終えた。それから数日たった後、ハラオウンさんに料理を教えることになった。明日はハラオウンさんの家に行くことになっている。

 

「いやそうはならんやろ、特に最後」

 

「俺もそう思う」

 

今日までの出来事を、俺の家でケーキを2人でつつきながら高志に話していた。これ結構うまいな。ハラオウンさんの件については、レイジングスピリッツが「管理局の情報を盗むチャンスです!」と言っていたので了承した。悪く思うなよ管理局。

 

『マスター、鴻上ファウンデーションから連絡です』

 

「?わかった。ちょっと電話にでてくる」

 

高志にそう言って浮遊してきたケータイを受け取り電話に出た。その光景を見て高志は苦笑していた。

 

「ヤミーを4体発見した、そのうち3体は管理局が対応している。お前は巨大ヤミーの相手をしろ。場所は既に送ってある。俺はその場所で先に待っている」

 

それだけ言って電話を切られた。まずはそこに行こう。

 

「高志、悪いけどヤミーを倒してくる!」

 

「まじか。頑張れよ!」

 

俺は頷くと、レイジングスピリッツからベルトと3枚のコアメダルを受け取る。

 

「変身!」

 

《タカ!トラ!バッタ! タ・ト・バ、タトバ、タ・ト・バ!》

 

家の中で変身した俺はインビシブルを起動させると、巨大ヤミーがいる場所に向かった。

 

 

 

 

誰も知らない展開の中、彼は力を求めた。その理由を思い出すこともなく。

 




この主人公、9話目にしてようやく2回目の変身!

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