念話のセリフは()に変えました。
久しぶりの戦闘回です。楽しんで頂ければ幸いです。
連絡を受けた俺は、魔法で足を強化して家やビルの上を跳び回っていた。何故空を飛ばないのかと言うと、レイジングスピリッツ曰く、飛行魔法の才能が絶望的なため、俺は飛ぶより走ったり跳んだ方が速いらしい。俺は泣いた。レイジングスピリッツの補助があれば一応は飛べるものの、その間は他の魔法をまともに使えないため、空中戦も絶望的らしい。俺は二度泣いた。
『もうすぐ目的地に着きます』
「了解。あの人か?」
鴻上ファウンデーションの使いの人が待っているという話だったけど、黒い戦闘服のような服を着ているバイク乗りを見つけた。あからさまだった。俺はインビシブルを解除してバイクに並走しながら声をかけた。ちなみに声は魔法で加工されている。言葉遣いは威厳があるようにだ。鴻上さんに対してなぜかあんな態度をしてしまった為、今更キャラを崩せない。なんであんなことしたんだ、俺!
「お前が使いか?」
「!?」
突如現れた俺に驚き、よろめきながらもバイクを止めてくれた。悪いことしたな・・・
「いきなり出てくるな!危ないだろう!」
「す、すまない、驚かせるつもりは、なかった」
少しきょどりながらもなんとか謝罪をする。人見知り気味なんだよ俺。初対面の、それも年上に敬語なしは正直きつい。
「早速ですまないが、贈り物とはなんだ?」
時間が惜しいので手短にお願いします!そう思っているとバイクから降りてケースを開けた。その中には一本の剣が入っていた。
「これはメダジャリバー。セルメダルを三枚セットして使え。そしてもう一つ」
男がバイクのボタンを押すと、バイクが変形して自動販売機なった。え?
「この順序でボタンを押せばタコのカンドロイド、戦いを補助するメカが大量に出てくる。見た目は缶だが、缶を開ける要領で変形する。おい、聞いているのか」
「無茶言うな、突っ込みどころが多すぎて捌ききれず固まっていたんだ」
「は?」
あ、やべ。思わず本音が出てしまった。いやだってしょうがないじゃん。何がどうしたらバイクが自動販売機に変形してそこから缶型のメカが出てくるって話になるんだよ。これ作ったの誰だよ。
『マスター、使い方は私が覚えていますから、とにかく話を進めてください』
(レイジングスピリッツ、今ほどお前が俺のデバイスでよかったと思ったことはないよ)
『そうですか!えへへ・・・?今まで私のことを何だと思っていたのですか?』
念話でレイジングスピリッツを褒めたが、なんか気に入らなかったらしい。
「・・・これが最後の贈り物だ」
そういって男は黄色のメダル渡してきた。これは・・・
「コアメダルか・・・」
以前もらったメモリーの内容ざっくり言うと、グリードがどのように誕生したのか、なぜグリードが今復活したのか、全てのコアメダルの種類と能力、同じ色で揃えて変身した時になれるというコンボについてだった。最後には、全50枚中10枚は鴻上さんが持ってると書いてあったけど、こんなポンと渡していいのだろうか・・・というか、気前が良すぎる。
「それから、これはお前の能力を測る機械だ。腕につけていろ。戦闘終了後にそのデータをこちらに送れ、以上だ」
その言葉を最後に、男は歩いて去っていった。あ、そっか。このバイクというか自動販売機は俺が持っていくからあの人は帰りは歩きなのか。本当にすみません・・・というか俺、
「バイク、乗ったことないんだけど・・・」
『それは私に任せてください』
すると自動販売機がバイクに変形、乗れと言っているかのようにエンジン音を鳴らした。
『私が運転するのでマスターは乗っているだけで構いません』
「ありがとうリツ」
リツというのは、外でこいつを呼ぶときの名前だ。何でも姉妹機がいるらしく、それにばれないようにしてほしいらしい。その時俺がリツと呼ぶのはどうかと提案したのだ。でもその時レイジングスピリッツが一瞬固まった。あれは何だったんだろうか・・・
バイクにまたがりハンドルを握っている俺は周りから見れば立派なライダーだが、その実態は補助輪が付いた13歳児という少しどころか物凄くみっともないものだった。情けなさすぎる・・・
『結界を確認、管理局員が張ったものと思われます。』
「侵入できるか?」
『問題ありません!』
そしてレイジングスピリッツ、ここではリツと呼ぼう。リツは練習の時に見せたカノンモードというビーム砲を撃てる形態になった。持ち手は白から黒に、ビームを撃つ先は金から銀になっていた。姉妹機というのに気づかれないように、練習時とは色を変えているらしい。
『狙いは私がつけるので、マスターは引き金を引くだけで問題ありません。それにオーズの姿なら魔力にメダルの力が込められているため魔法も効きます!』
「了解」
リツによって結界に侵入し、俺は補助輪付きバイクにまたがりながら自動で狙いをつけるビーム砲の引き金を引いた。
『ディバインバスター』
藍色の砲撃が、巨大ヤミーに直撃した。まずい、俺今のところ引き金しか引いてないぞ。
そうして現在、ハラオウンさんと協力関係を結び、カンドロイドというのを起動した。思ってたよりもたくさん出た。
「すごい数・・・」
ハラオウンさんも驚いている。と、そんなことを気にしている場合じゃない。俺は先ほどもらったコアメダルを腰についているコインケースから取り出してバックルにセットする。カマキリ、お前はまた今度だ。そうしてバックルにオースキャナーを通した。
「一体何を・・・」
ハラオウンさんの声を遮るように、コイン同士がぶつかったような音が3度、その場所に鳴り響いた。
《タカ!トラ!チーター!》
次の瞬間、俺の体に変化が訪れる。足が緑から黄色に変わったのだ。その見た目もどこかチーターを連想させるものだった。
「姿が変わった?!それに今の音楽は・・・」
「それについては私も知らない」
いや、ほんとなんだろうねこれ。ちょっと恥ずかしいんだけど。そうしていると、タコのカンドロイド達がビルによじ登っている巨大ヤミーに続く空飛ぶ道を、その身を挺して作ってくれた。
「行くぞ!」
「は、はい!」
そして俺はメダジャリバーを携えながらタコの上を駆けた。このチーターの力は足を速くするものだ。バッタの時も早かったが、この足はその比ではない。目にも止まらぬ速さとはこのことだろう。それにしても・・・
(ハラオウンさん、速くね?)
『何でついて来れてるんですか彼女?』
リツも驚いて・・・いや引いてるなこれは。そんなことを考えていると巨大ヤミーの指がこちらに向いて光だした。
『カンドロイドの制御は私がします、マスターはイメージするだけで足場を自由に操れます』
(了解)
ここで一つ疑問に思うことがあると思う。なぜ最初の一撃のように魔法で遠距離から戦わないのか。それはダメージが通りにくいからだ。ヤミーに対してはメダルの力で攻撃しなければまともに傷も与えることができないらしい。リツ曰く、ヤミーに対してメダルを使わず傷を与えたり、ましてや倒すことができるような人間はよっぽどの狂人か変態らしい。そこまでか。なのでメダルの力が込められている魔法より、メダルの力を直接引き出しているオーズの攻撃が有効らしい。なので、直接殴ったり蹴ったり切るために近づいているのだ。
「来るぞ!」
「はい!」
俺がイメージすることで、タコの道は思った通りにグニャグニャと動いて攻撃を躱していく。巨大ヤミーの近くにいる先端のタコたちは、リツが操っているのか跳んだり跳ねたりしてうまく躱していた。ハラオウンさんも問題なく躱せている。そして俺はメダジャリバーにメダルを三枚セットしておく。そうしてあっという間に巨大ヤミーの目の前に来た。俺はタコの道から飛び出し、巨大ヤミーに切りかかる。
「はぁっ!」
「!?」
巨大ヤミーを切り付けると、大量のメダルが噴き出した。確かにさっきの魔法より効いていた。だが巨大ヤミーは倒れない。俺を振り落とすべく、体を大きく振り回す。
「こ、のお!」
俺は振り落とされまいと、メダジャリバーを巨大ヤミーの体に突き刺して踏ん張る。だが、いくらオーズの身体能力でも、このままではビルの上から落とされかねない。
『『バインド』』
リツの声と重なるように機械の声が聞こえると、巨大ヤミーの動きが止まった。巨大ヤミーの体を見ると、手足が藍色のリングと黄色のキューブで固定されていた。さらにタコのカンドロイド達も巨大ヤミーに張り付いていた。
「今です!」
ハラオウンさんに言われて俺は足を動かした。メダジャリバーを突き刺したままその場で足で巨大ヤミーを連続で蹴りだしたのだ。するとそこからまたも大量のメダルが飛び出し、巨大ヤミーが苦しみ始めた。今なら確実に決めきれる!
『マスター!もう一度メダジャリバーにメダルをセットしてバックルにオースキャナーを通してください!それで倒しきれます!』
「了解!」
俺は巨大ヤミーから飛び降りる勢いでメダジャリバーを引き抜く。ビルの屋上に散らばっていたセルメダルを三枚拾ってメダジャリバーをセットする。そのタイミングで巨大ヤミーがバインドを壊し始めた。タコのカンドロイド達も剝がされていく。
「はぁっ!」
すると金色の閃光が巨大ヤミーに直撃する。ダメージは入っていないが、動きは止まった。その隙に俺はバックルにオースキャナーを通した。
《スキャニングチャージ!》
軽快な声が屋上に響く。俺はメダジャリバーを構え、巨大ヤミーに振りかぶった!
「セイッヤァー-!!」
俺の掛け声とともに空間ごと巨大ヤミーは切断。空間が切られる前に戻った瞬間、巨大ヤミーは爆散した。ビルの屋上には、おびただしい数のセルメダルが残った。
「す、すごい・・・」
ハラオウンさんがメダジャリバーの性能に驚いている。俺も空間がぶった切れるとは思わなかった。それはそうと、メダルを回収しないと。どうしよう、想像よりずっと多いんだけど・・・
『マスター!管理局が来ます!』
頑張って拾うか、などと考えていると、緊張感のあるリツの声と共に結界の外から多くの魔導士が現れ、ビルの屋上を取り囲んだ。あ、やばいなこれ。そして次の瞬間、青いリングによって俺の両手は拘束された。
「管理局だ!投降しろ!」
これは、本当にやばいかもしれない。
オーズドライバーとコアメダルって一応ロストロギアに該当するので、下手したらここで豚小屋エンドなんです。だから鴻上会長に会いに行く必要があったんですね。
今回は詩はつけません。毎話つけると重要な回の時に足りなくなるので・・・
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