1つ、突如現れたジュエルシードにより、グリードが復活。
2つ、聖悠が仮面ライダーオーズに変身。
そして3つ、聖悠は管理局と交わらない道を選ぶ!
フラグと格上と吸血鬼
カウントメダル。現在、オーズが使えるメダルは・・・
「赤はタカ、黄色がトラとチーター。緑はカマキリとバッタか」
俺は今、自分の部屋でコアメダルと鴻上さんからもらったデータを確認していた。変身した時に感覚で能力がわかるとはいえ、事前準備は大事だ。ぶっつけ本番なんてシャレにならない。
「黄色と緑はあと一枚でコンボか・・・」
『コンボはダメです。データにも危険だと書いていたでしょう?』
レイジングスピリッツが俺に注意してくる。
「わかってるよ。使わなきゃいけないような相手からは逃げる、だよな」
『覚えていてよかったです』
本当にレイジングスピリッツは心配性だな。そう思いながらメダルを片付ける。
『さて、それでは昨日伝えた通り、明後日まで私は動けません。なので絶対に戦わないように!』
そう、今からレイジングスピリッツは動かなくなる。何でも、管理局のデータをみたら、メダルの力を使わずにヤミーを倒す魔導士がこの町に多くいるらしく、その対策のためにメダジャリバーを使い、自身を強化するらしい。管理局は狂人と変態の集団だった・・・?
因みに、レイジングスピリッツが特に警戒しているのは圭にクロノさん、シグナムという女騎士らしい。圭、お前が変人なのは知っていたが、まさか狂人と変態の上位種だったなんて。いや納得だな。
「了解。まあ、お前がいないタイミングでオーズになっても勝てない相手にかち合うことなんて、早々ないだろ」
『そうですね』
「『ハハハハハッ!』」
そんなことを考えている時期が私にもありました。それでは現在に至るまでの状況をダイジェストに説明しよう!
俺、聖 悠!人助けが趣味の中学2年生!ある日、1人で下校しているとき怪しい集団を発見。後をつけると月村さんが銃を突き付けられ拘束されていた!通報してから助けに入ろうとした俺は背後に近づく男に気づかなかった。気絶させられた俺は、目が覚めると・・・体が縛られていた!月村さんに「どうしているの?」と聞かれた俺は咄嗟に「君を助けに来た」といい、どこかの廃工場に転がっている。見た目は学生、中身も学生。その名は、オーズ!
・・・とまあ、助けるどころか助けられる立場になりました、はい。後ろの人の気配全く気づかなかった。俺背後取られると咄嗟に振り返る癖があるんだけどな・・・。
今俺と月村さんがいるのは何処かの廃工場。俺たちは両手両足を縛られた状態でその隅で転がされている。そして俺たちを囲むように5人ほどの武装した男たちが立っていた。
「聖君は、また・・・」
「全く、処理が面倒になった」
月村さんが何か言おうとすると、奥から眼鏡をかけた高身長で細見の男がやってきた。だがあの歩き方は武術を嗜んでいる。如何にもボスという感じだ。
「・・・何でこんな真似をしたんだ」
「あなたは質問できる立場ではないでしょう。でもまあ、答えてあげましょう。私はハンター。異形を狩ることが仕事です。ですが、今回はそこの吸血鬼にようがあって誘拐という形をとりました。」
「は・・・?」
吸血鬼。こいつ今そう言ったのか?誰がと思ったが、まさかと思い月村さんの方に振り返る。月村さんは下を向いていたが、少し震えていた。この反応を見るに、真実だということなのだろうか・・・。
「最近この町には、不可解なことが起きています。計8体の怪物が突然現れて暴れたと思えば、突然消えた。私は異能を持った怪物を見たことがあります。ですから、私はこの事件を解決するためにこの町に来ました。そこで、情報を手に入れるために・・・」
「月村さんを攫ったのか」
「そうです。呑み込みが早くて助かります」
男は嬉しそうに笑う。どう見ても作り物の笑顔だったが。
「それではそこの吸血鬼、知っていることを洗いざらい話しなさい」
「な、なにも知りません」
男は月村さんに問うが、月村さんは知らないと答えた。当然だ。こいつが聞くべきなのは月村さんじゃない。隣にいる俺だ。吸血鬼かどうかはわからないけど、少なからずヤミー達は月村さんとは何も関係がないのだから。
「・・・」
男は無表情で懐から何かを取り出そうとし・・・!!
「危ない!」
俺は咄嗟に月村さんに体当たりして大きく動く。その瞬間、廃工場で銃声が鳴り響いた。
「よく躱しましたね。その状態で吸血鬼を庇うとは。あなた、ハンターに興味はありませんか?弟子にしますよ」
「ふざけんな!殺す気かお前!」
俺が叫ぶと、男は眼鏡を押し上げる。
「安心してください、急所を外すよう狙いましたから」
「そんな問題じゃねえ!怪我させんなって言ってんだ!」
「はあ。そいつは吸血鬼ですよ。銃で撃たれてもすぐ再生しますよ。ですので邪魔をしないでください」
「見過ごすなんて死んでもヤダね!!」
「聖君・・・」
俺は月村さんを背に男と対峙する。
「しょうがない。吸血鬼から情報を聞き出せたら逃がしてあげるつもりでしたが、しょうがない・・・」
男は俺に拳銃を向ける。俺は動かず睨みつける。
「死になさい」
「聖君!!」
引き金引いた。狙ったのは俺の頭。当たれば即死だろう。当たれば、だが。
拳銃から飛び出した弾丸は、藍色のシールドに弾かれた。
「なにっ!!」
「うおおお!!」
俺は魔力を刃の形状にしたもので縄を切り、男に向かっていく。男は距離を取ろうとするがもう遅い。俺は拳に力を入れ、顔面に殴りつけた。
「であああ!!」
「ぐおっ!」
「ボス!!」
咄嗟のことで反応が遅れた男たちが俺に銃を向けようとする。
「シュート!」
「がっ」
「かはっ」
だが、俺はそれよりも速く魔力弾を発射。その場にいた全員を制圧した。
「はあ、はあ、はあ・・・」
「すごい・・・」
息が上がっているが、一刻も早くここから月村さんを逃がさないといけない。他の奴らが
来る前に!
「へえ、やるなお前」
その声を聞いた瞬間、全身の毛が逆立った。大柄な男が外から歩いてくる。あれは、やばい。
「魔法コントロールはまあまあ。だが、格闘技のレベルが高いな」
男の金色の瞳が、俺を見ている。この感覚、初めてヤミーと会ったときにもあったが、今回はその比じゃない。あれとは格が違う。
「資料にお前の顔は無かった。つまり、野良の魔導士か?それも察するに、吸血鬼の嬢ちゃんのボディーガードってところか。だが、それだと微妙だな。俺の不意打ちにすら反応できないんだからな」
ここで俺を気絶させた人物がわかった。納得だ。俺は刃物状の魔力弾を操り月村さんの縄を切る。
「・・・あんた、魔導士か?」
「そうだ。そこに転がってる眼鏡の依頼でな、後から助けに来る奴を迎撃する仕事だったんだが、それどころじゃなくなっているな」
「あんたの依頼主はもう倒した。だから逃がしてもらえると助かる」
「それは無理があるだろ坊主。お前をぶったおして嬢ちゃんをもう一度捕まえないといけないんだからな」
まあ、そうだよな。ダメもとだったし。
「だが坊主、お前魔導士になってまだ日が浅いだろ。だから特別に手加減してやる」
「・・・手加減って?」
「ああ。俺はバリアジャケットを纏わず、魔力弾も使わねえ。こいつだけで戦ってやる」
そういうと、男の胸に下げられていたアクセサリーが光り、形を成していく。最終的に大剣になった。
「こいつは試作品でな。俺の愛剣はメンテナンス中だ。ハンデとしてはこれで十分だろ。さあ、そっちも早く準備をしろ」
「・・・ああ」
今レイジングスピリッツは俺の家にいる。そのうえ呼びかけても動けない。つまり、もう俺はオーズになるしかない。
「聖君、もういいよ。私が捕まれば聖君が怪我をすることもないよ!」
月村さんは不安なのだろう。それもそうだ。こっちはただの学生。あっちはどうみても格上。でも、だからって引くわけにはいかない。俺は月村さん安心させるために声をかける。
「大丈夫。今度は、ちゃんと守るから」
「・・・!」
自然と、そんな言葉がでた。自分でも意味はわからない。でも覚悟は決まった。
「月村さん。悪いんだけど、これから見るものは誰にも話さないでね」
「え・・・?」
俺は胸元からオーズドライバーを取り出して装着する。
「なっ、それは!」
3枚のメダルをセットする。バックルを傾け、オーズスキャナーを掴む。俺の心臓の鼓動ように鳴っている。
「変身!!」
バックルにオースキャナーを通した。
《タカ!カマキリ!チーター!》
体が変化していく。男は驚愕の表情していた。
「お前・・・それをどこで手に入れた」
男は驚きながらも、質問してきた。
「教える義理は無い」
この反応、もしかしてオーズについてなにか知っているのかもしれない。
「そうか。ならお前を連れ帰って頭をいじくるしかねえなあ!」
この場にレイジングスピリッツはいない。今、【聖 悠】の強さが試される。
とある会社の一室、そこで鴻上は1人の部下の報告を聞いていた。
「永久機関がオーズと接触、戦闘を開始しました」
「報告ご苦労。君も彼の戦いを見てみるかい?」
鴻上は男にそう問う。だが男の顔は曇っていた。
「・・・会長、本当に助けに行かなくてよろしいんですか?」
「ああ、必要ない。彼を助けるのはあくまでグリード達との戦いだけだからね」
そう答えるが、男は納得しない。
「ですが!彼は、聖悠はただの学生です。確かに一般人よりは強いですが、それはあくまで喧嘩の話です。ですから・・・」
「彼にオーズとして戦うことを止めさせろと?」
男は頷く。
「君がそう思うのも無理はない。だがね後藤君。彼が無理なら、この世界にオーズになれる人間はいないんだよ」
「それは、どういうことですか」
後藤と呼ばれた男は再び問う。
「彼、聖悠は、オーズの器になるべくして生まれた存在だ」
鴻上は笑顔でそう答えた。
彼は思い出す。その心が熱く滾り、満たされるものを。