代わりに次の戦闘はかなり気合入れて急いで作ります。
俺は前世で気に入らない上司をぶん殴った次の日、辞表を出した帰りにトラックに轢かれて死んだ。
あっけない最期だった。
今頃殴った上司に馬鹿にされてるんだろうなーと考えながら、神を名乗る女性の話を聞いていた。
どうやら俺は魔法少女リリカルなのはというアニメ作品の世界に転生させられるらしい。
原作知識をもらった後、危なそうだし原作に関わらないように生きようと思ったのに、「魔力資質高めにするから、Asで間違いなく関わるよ」「無印でもジュエルシードに襲われて死ぬ可能性もあるよ」と言われてぶん殴ってやりたくなった。
自称神の方針で、世界観を壊すチートは与えられないらしいので、生存能力が高まる能力をもらって転生した。そして翔という人間になったのだ。
幼少期、小さくなった体になれて1人で公園に遊びに行った俺は、ブランコで寂しそうにしていた女の子を見つけた。
心配になったので声をかけようとしたら、俺とは別の子供がその女の子に声をかけた。
「見つけたぞなのは!未来の俺の嫁よ!」
やべー奴だった。
銀髪で赤と青のオッドアイの美少年が、小学校にすら入っていない女の子をナンパし始めた。
そういえばクソ神がもう一人転生者がいると言っていたのを思い出した。
試しに声をかけてみる。
「何だお前?まさかお前がもう一人の転生者か!」
マジだった。
あのゴミ神はとんでもねえモンスターチャイルドを生み出しやがった。
女の子が逃げ出し、モンスターチャイルドが追いかけようとしたので止めた。
理由は簡単、一応同じ転生者なので、身内の恥はこれ以上さらしたくなかった。
「主人公の俺を邪魔するだと?上等だ脇役、ぶっ倒してやる!」
それから俺たちは一か月、ほぼ毎日戦った。
公園に行くルートを読んであの女の子にあう前にモンスターチャイルドを潰した。
もちろん封時結界を張ってだ。
モンスターチャイルド曰く、あの女の子が高町なのはで、嫁にしたいと。
さらに他の女の子も嫁にしてハーレムを作ると言った。
それを聞いた日は念入りにボコボコにしたが次の日もピンピンしていた。
家でGを見つけた気分になった。
そして一か月が経ち、前触れもなく公園に現れなくなった。
とは言っても、初めて会った日からなのはも公園に来なくなっていた。
でも途中からあいつは俺を倒すために公園に行こうとしていた。
嫌な予感がした。
高町家近辺や翠屋近辺を見に行ったが、なのはも変態も見つからなかった。
次の日、公園でなのはが泣いていた。
俺は慌てて駆け寄った。
何度も声をかけたが、中々泣き止まなかった。
ようやく泣き止んだ彼女に、泣いていた理由を尋ねた。
「会いたい子がいるの。でも、その子のことが、思い出せないの」
結局、彼女の顔は暗いままだった。
3日後、変態を見つけた。
彼女について何か知っていると思い、近づいた。
「今までごめん」
急に謝ってきた。
本人曰く、今までの行動を反省しているらしく、主人公のような本当にかっこいい人間になると宣言してきた。
少し見直した俺は許すことにした。
それとは別に、ハーレムは目指すらしい。
取り敢えず腹に拳を入れといた。
そして俺達はこの日初めてお互いの名前を知ったのだ。
お互い名乗らず戦ってたからな。
一応なのはについて聞いたが何も知らなかった。
子供を複数人でボコボコにするクソ野郎共などをリンチにしたりして過ごしていたある日、圭が1人の男の子を紹介してきた。
「えと、こんにちは」
人見知りする、よくいる普通の子だった。
リンカーコアすらない、本当に普通の子。
圭は彼を親友だといった。
彼が圭を変えたのだと、瞬時に理解した。
俺達は三人でよく遊ぶようになった。
精神は体に引っ張られるらしく、それはもう思いっきり。中身は大人なのに結構楽しかった。
小学校に入り、高志も俺たちのグループに混ざるようになった。
悠も高志に少しずつ心を開くようになった。
正確には、高志がガンガン関わろうとして強引に心の扉をこじ開けた感は否めないが、結果的に前より明るくなったと思う。
すずかがずっと悠のことを気にしている。原作にそんな描写はないが、まあ、描かれていなかっただけだろう。
時が経って原作が始まった。
圭がプレシアを改心させようと色々と頑張っていたが、大して変わらなかった。
強いて言うなら、最後に圭とプレシアが戦ったくらいだ。
Asの物語は少しだけ変えられた。
原作よりも俺と圭という戦力がいるためか、リインフォースが力を使い過ぎてしまい、防衛システムが蘇らないほど弱ったため、自殺まがいのことをせずにすんだ。
一年という短い寿命だったが、はやて達と幸せそうに暮らしていた。圭はゲームのストーリーが始まるかもと言っていたが、そんなことはなかった。
そしてユーノに会うために無限書庫に訪れたあの日、俺は一冊の本を見つけてしまった。
きっかけは偶然。本棚に体をぶつけてしまい、いくつか本が宙を舞った。慌てて取ろうとしたとき、開いたページに見覚えのあるものを見つけた。レイジングハートだった。
内容は本というよりは手記だった。表紙はわざわざ全く関係ないものを被せてあった。その時はまだ無限書庫は整理されておらず、黙って持って行った。少し嫌な予感がしたからだ。
本の内容はアイオーンという人物が作った魔道具について、筆者の視点から考察したものだ。俺はこの時、レイジングスピリッツという存在を知ることとなる。
それ以降アイオーンという人物が記されている本を探したのだが、あまりなかった。
わかったことは、聖王統一戦争より前にいた人物だったこと、多くのロストロギアを作った危険人物だったこと、大魔導士であったことくらいだ。
時が経ち、なのはの墜落を防げずに中学二年生になった。
はやてが悠と話すようになった。でも俺はそんなこともあると気にしないふりをした。
圭が次期エースオブエースと呼ばれ始めていた頃、今回の事件が始まった。始まりは次元空間の揺れ。そこから連鎖するように立て続けに事件は起きた。
ジュエルシードの出現、グリードの復活。おまけに次元跳躍もできないときた。
そして、オーズが現れた。
初めて見た時は驚いた。クロスオーバーじゃねえかよと。圭も驚いていた。
そして正体を確かめようとした。
手がかりが掴めず巨大ヤミーをフェイトとオーズが倒したあの日、なのはが言っていた言葉、それによってオーズの正体がわかった。
「何で戦ってるか聞いたんだけど、人が死ぬかもしれないんだぞ、戦うにに決まってるだろ、って」
無茶をして似たようなこと言った馬鹿を1人知っている。そしてオーズが持っていたデバイスが手記に載っているものとよく似ていた。
情報まとめて俺なりに考察した結果、2つ候補が挙がった。1つは悠がレイジングスピリッツにより洗脳または脅しによりオーズとして戦わされている。2つ目は悠が元からこの世界でのオーズという存在に深く関わっていて、自分の意志で戦っているということ。
前者なら理由はわからなくてもレイジングスピリッツという悪人、というよりロストロギアを倒せば全てうまくいく。悠は解放され、危ない目に合わなくなる。だが、もし後者なら・・・
空を縦横無尽に飛び回る。理由は簡単、このえげつない量の攻撃を躱すためだ。
奴の主な攻撃魔法は3つ。
自在にコントロール可能なアクセルシューター、誘導性は低いがシールドを貫通するブレイクランス、そして決め技のディバインバスター。
でも、ブレイクランスの危険度がたまにディバインバスターを超える。
なぜなら俺のレアスキルがそう訴えているからだ。
「すばしっこいっ!」
『ディバインシューター』
「シュート!」
誘導操作ができる魔法で相手の魔法を迎撃と攻撃を行う。
今のところは被弾0。だが相手も全てこちらの魔法を防ぎ切ったうえでこの量の魔法を放ってきている。アクセルシューターとブレイクランスでこちらを動かし、隙あればディバインバスターである。なんだあのバリエーション豊富な固定要塞。
いやまあ、最初から簡単に勝てる相手じゃないのはわかっていたが。
あの化け物相手にまともに戦闘を続けられる要因は3つ。
俺のレアスキル危機察知、大量のトラップ、悠の存在だ。
俺のレアスキルは文字通り自身に対する危険を察知する能力。この能力のおかげで俺は一度も撃墜されたことがない。トラップは数日前から用意していた仕込みだ。
設置型バインドのディレイドバインド、指示を出すことで砲撃魔法を放つサテライトスフィア、触れたら爆発するサイレントボム。どれもオプティックハイドを使い見えなくしている。そして俺の位置は常に悠で奴を挟むようにしており、躱しにくくしている。もちろん万が一にも悠には当たらないようにしているが。
「ディバイン・・・」
「ファイア!」
流石に砲撃魔法を完全無詠唱は無理らしく、一瞬だけ弾幕が薄くなる。本当に一瞬だけだが。その隙を突いてサテライトスフィアを起動し砲撃魔法を即座に発射する。
その砲撃は直撃し、大きな爆発風と爆発音が響く。
「アマテラス!」
杖型デバイス、アマテラスがカートリッジ4本を使用する。
『サンライトブレイザー』
俺が即座に使える魔法の中で最大火力の魔法をぶつける。
サテライトスフィアの砲撃で倒せたなんて生ぬるい考えは持たない。
俺の全力をぶつける!
「焼き尽くせ!サンライトォー、ブレイザー!!」
茜色の極光が、未だ煙に包まれた強敵に向けて放たれる。
直後、再び爆風と爆発音がその周辺に響いた。
「直撃・・・アマテラス、カートリッジ残り段数は?」
カートリッジを収納しているマガジンを取り出しながら、4本のカートリッジと熱を排出するアマテラスに残りカートリッジを確認する。
「マガジンが6本、カートリッジが36本です」
「今あるもの全部持ってきたのに、足りない気がするんだが」
マガジンをアマテラスにセットしながら悪態をつく。
『私とマスターなら倒せます』
「頼もしい限りだ」
危機察知が反応する。
首を右に傾ければ、頭があった場所をブレイクランスが通り抜ける。
それと同時に、先程砲撃したサテライトスフィアがブレイクランスによって破壊される。
「認めてやる。お前は強い。だが、マスターのため、お前はここで確実に殺す」
煙から現れたのは、少し焦げた程度で大したダメージを受けていないロストロギア。
「悠のため、ね」
アマテラスを強く握る。今ある武器を全て使ってこの怪物を倒す。
「行くぞアマテラス」
『マスターに勝利を』
今俺の頭上では凄まじい空中戦が繰り広げられている。先日の死闘がお遊びに思えてしまうほどの戦いだ。
「どうして・・・」
わからない。2人はあの後、空へと飛翔して戦い始めた。
わからない。あいつは俺たちのことを知っていた。
わからない。どうして、俺の大事な人たちが殺し合っている?
「クソ・・・クソッ!」
今の俺じゃあ、2人に割って入ることすらできない。
ラトラーターをもう一度使う?無理だ、ウイニングロードではあの二人の戦いについていけない。
もう一つのコンボ、ガタキリバを使う?却下だ。増えて跳ねるだけでは無意味だ。
このままではどちらかが死んでしまう。
足りない。2人の戦いを止める力が足りなさすぎる。
手が届く場所にいるのに、俺はまた何もできないのか?
嫌だ。いやだ!いやだいやだいやだ!!
考えろ、あの2人の戦いに割って入るには何が必要か。
欲しいのは空を自由に駆ける手段。
想像しろ、翼がなくても空で戦える魔法を。
願ったのは自在に足場を作り出す魔法。
創造しろ、無限に道を構築する魔法を。
手に入れたのはこの空間の上位者になる魔法。
魔法は完成した。この魔法を維持するには莫大な魔力が必要。
ベルトを装着し、3つの黄色のコアメダルをセットする。
そしてバックルを傾けた。
「変身」
オースキャナーをバックルに通す。
《ライオン!トラ!チーター!ラタラタ~ラトラーター!》
そして私の体は光に包まれたのだった。
「はああー!!」
「しつこい!」
砲撃魔法を放つも片手で防がれ、砲撃の維持を放棄した途端にブレイクランスが飛んでくるが、最小限の動きで躱す。
ダメージは無いが魔力を消費し、体力も尽きそうなこちらに対し、あっちはダメージを負いながらもまだピンピンしてる。
クソッ、明らかにアインス強えじゃねえか。
残りカートリッジ丸々一本。相打ち覚悟で突っ込むか考えたその時、異変は起きた。
「何だこの馬鹿魔力・・・」
悠がいた場所が光り、そこから強大な魔力を感じる。これは・・・
「誘え、ロードオブラビリンス」
悠の声が聞こえた瞬間、俺の結界の内側に新たに結界が張られた。
そして空中に藍色の光の道があちこちに出現した。
「なんだこれ・・・」
『マスター、残りの罠が次々と破壊されていきます!』
展開されていく光の道に轢かれて罠が爆発していく。この魔法は多分ウイニングロードだろうけど、規模が桁違いだ。流石にサイレントボムがぶつかったところは粉々に崩れているが、すぐさま直って展開しだす。この魔法、一体どれだけの魔力を消費しているんだ・・・。
「マスター!この魔法は一体何ですか!それにその姿は・・・」
「黙っていろ」
レイジングスピリッツのいる方に意識を向ければ、レイジングスピリッツの隣で展開を止めたウイニングロードの上に、黄金のオーズが立っていた。
これは圭が言っていたコンボという強化フォームなんだろう。
ふざけんなどう見ても最終フォームだろこれ。なんかエネルギーが漏れ出ててるし。
恐らくこのエネルギーを魔力の代わりにしているのだろう。
なんでそんなことができるのかはわからんが。
だってこれ、やってることは未知のエネルギーで電化製品を動かしてるようなもんだろ。
「翔、降参してくれ。お前とは戦いたくない」
目の前のやべー奴、オーズが降伏するよう促してくる。
「じゃあ質問させてくれ。内容次第ではお前たちにもう危害は加えない」
まあ、状況的に俺が降伏することはないだろうけど。
「本当か!一体なんだ!」
声だけでうれしいのかがわかる。取り敢えず一言。
「今までオーズとして戦ってきたのはお前の意志か?」
「そうだけど?」
そっか。そっかそっか。まあそんな気はしてたよ。
「答えてくれてありがとう」
「それじゃあ!」
アマテラスを強く握り直し、その先端を馬鹿に向ける。
「てめぇをぶっ飛ばして、この世界の舞台から引きずり下ろす!」
俺達はもう、友達には戻れない。
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