欲望のロストロギア   作:創作好き

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魔法少女リリカルなのはStrikersをアベマで観ました。
面白かったですね。

でも見た後にこの回書いたらこの主人公の異色さが際立つ際立つ。


喧嘩と虹と見透かす瞳

翔が宣戦布告してきた。なんでそうなる?

 

「いや、待ってくれ!何がどうしてそうなるんだよ!」

 

「お前みたいなイレギュラーがいると、現場が困るって言ってるんだ。いきなりオーズと名乗って、傭兵として戦いに協力する?馬鹿じゃねぇの。お前つい最近までリンカーコアの反応すらなかったじゃねえか。そんなんで今までどうやって戦ってきたんだよ」

 

傭兵っていうのは鴻上会長が言っていたことだ。それに関してはあの場を乗り切るためのでっち上げ。リンカーコアって確か魔力の源だっけ?リンカーコアの反応云々に関しては知らない。最近魔法を知ったからな。今まで俺の体がどうなってたなんてわかるわけがない。・・・じゃあ今の俺の体ってどうなってんだろう。いや、それについては置いておこう。正直考えたくないし。先祖と魔王が住んでて、色んな道具がinしてるだけでも突っ込み所満載なのにこれ以上は本当にやめてほしい。

 

でもなんだろう、翔の今言葉、言いがかり感が否めない。取りあえず質問に答えておくべきかな?

 

「えっと、オーズっていうのはこの姿の名前らしい。魔法に触れたのは先週の土曜からだから、一週間とちょっとかな」

 

それを聞いて翔がポカーンとしたと思ったら、みるみると鬼の形相になった。

 

「マジのド素人じゃねぇかぁー!!」

 

「うわぁっ!」

 

思わず後ずさる。

今日すずかが起こってたのも怖かったけど、それに負けないくらいこえぇ!

 

「ぜえ、ぜえ」

 

「あの、翔さん?」

 

敬語で会話を試みる。今のところ翔がどうして俺と戦おうとするのか、なんで怒ってるのかがわからない。とにかく聞き出さないと。

 

「・・・なんだ」

 

ぶっきらぼうに返してくれた。

 

「なんでそんなに怒っているんでしょうか・・・」

 

そう聞くと、翔は一回、二回深呼吸した。ど、どした?

 

「・・・戦闘の素人が、命がけ戦いに割って入ってきたら迷惑なんだよ。いいか、よく聞け。魔法の力とオーズの力を捨てろ。そしてもう二度と俺達魔導士の戦いに、グリード達との戦いに介入しないと今誓え。そうしたらお前たちには二度と危害を加えない」

 

・・・なんでだよ。

 

「なんでだよ、オーズとして俺は戦えてる。ヤミーも二体倒した。それにこのコンボっていう力、凄いだろ?これも使いこなせるんだぜ。それにメダルの力があればグリードって奴らとの戦いはスムーズになるし、後、えっと、そう!この前なんか超強い奴も・・・」

 

「悠」

 

体がビクッとした。翔の鋭いまなざしが俺に向けられている。

 

「邪魔だ」

 

頭をぶん殴られたような衝撃だった。

今まで翔にここまで敵意を向けられたことなんてない。拒絶されたこともない。

 

「さあ決めろ、力を全て捨てるか、俺にぶっ飛ばされて頭冷やすか」

 

・・・俺はただ、沢山の人を助けたい。その一心で戦ってきた。

今まで結果を出してきたはずだ。でも、翔にとってはそれでも邪魔らしい。

ヤミーに襲われたあの日、俺は魔法とオーズの力を手に入れた。ずっと望んでいた力。

手に届く場所なら絶対に守れる力。これを、捨てる?

 

絶対、いやだ。

 

俺は・・・

 

「貴様、いい加減に・・・」

 

「レイジングスピリッツ、静かにしていろ」

 

「!?」

 

自分でもびっくりするくらい冷たい声が出た。心がぐちゃぐちゃだったけど、なんか、急に頭が冷えて冷静になった。

 

「俺、昔からずっと力が欲しかったんだ。どんなことがあっても戦って勝つ力が」

 

冷静に翔に語り掛ける。

 

「それで?」

 

「だからこの力は捨てたくない。それにやっぱ俺のこの力はこれからの戦いに必要になると思うんだ。だから翔、俺達を見逃してくれないか?」

 

「断る」

 

だろうな、予想通り。それじゃあ・・・

 

「なら喧嘩だ!」

 

「は?」

 

翔の顔がポカーンっとした。

 

「お前が勝ったら、俺を管理局に連れていくなりこのベルトを持っていくなりして構わない!魔法も二度と使わない。あ、レイジングスピリッツに手を出すのは無しね。戦うって決めたのは俺で、あいつは巻き込まれたようなもんだから」

 

「いや待・・・」

 

翔がこっちのペースに飲まれている間に、俺が一番言いたいことを言う。

 

「だから俺が勝ったら、翔には俺達に寝返ってもらう!」

 

「えっ」

 

『はい?』

 

「・・・はあああ!?」

 

この場にいる全員ついて来れていないな、よし!

言葉もすらすら出た。

 

「もしこの勝負を受けなかったら、自害してお前が一般市民に魔法で危害加えたように見せかける!レイジングスピリッツが!」

 

「嫌ですよ!?」

 

嫌でもやるんだよ、お前が。というか出来ないじゃなくて嫌って言ってるあたり本当にできるんだな、こわ。

 

「さあどうする!俺と喧嘩するか、一緒に破滅するか!」

 

まあ翔は優しいから、俺が死ぬ道は選ばないと思うけど。

 

「ほんと最悪だよお前・・・」

 

少し頭を抱えている。可愛そうに、一体誰のせいやら。

 

「わかった、その勝負乗ってやる」

 

「ありがとう翔!」

 

よかった、心中してやる!て言われたらどうしようかと・・・

 

「ありがとう?馬鹿かお前。俺にとっちゃ結局、お前をぶっ潰すのには変わんないんだからな」

 

まあそうだけども。さて、レイジングスピリッツには下がっていてもらいますか。

 

「レイジングスピリッツ、降りて待機しててくれ」

 

「急になにを・・・」

 

何を言われても意見を変えるつもりのない俺は、レイジングスピリッツの肩に手を置いた。

 

「下で待機していろ。手は出すな」

 

「! は、はい・・・」

 

これでレイジングスピリッツは絶対に手を出してこない。

邪魔が入らないようにした後、翔を見る。

 

「どういうつもりだ」

 

「友達との喧嘩にあいつを連れるのは野暮だろ」

 

というか、多分レイジングスピリッツだけでも勝てるだろう。

でもそれじゃあ駄目だから下がってもらった。

 

「俺たちのこと、なめ腐ってるようだな」

 

『完膚なきまでに叩きのめしましょう』

 

「いくぞ、翔!」

 

「泣かす!」

 

戦いの火ぶたが切って落とされた。

 

走り出すモーションを取るも走り出さず左右隣にウイニングロードを展開、翔に向かって展開しだした。

 

「そこは走れよ!?」

 

いちゃもんをつけながらも翔はウイニングロードを躱す。

2人が戦っているのを見ていたが、翔は予めどこから攻撃が来るのかがわかっているかのように感じた。原理はわからない。でも、わからないから倒せませんでしたじゃ話にならない。だからこの戦いの中で、その能力を暴く!

 

『アクセルシューター』

 

「シュ・・・っ!」

 

翔が躱した2つのウイニングロードが、今度は軌道を曲げて後ろから襲い掛かる。翔は即座に後ろを確認し、空へと上昇した。その隙を見逃すつもりはない。

 

「だああああ!!」

 

足元のウイニングロードを展開しながら走り出す。立体的に空間を使った三次元飛行では俺は戦いについていけないだろう。だが、直線でのスピードなら、俺の方が速い。

 

一瞬で翔に距離を詰めた。だがトラクローが届くより前に翔は最小限の動きで躱し、お返しと言わんばかりに脇腹に蹴りを入れてきた。

 

「があっ!」

 

ウイニングロードからはじき出され、自由落下を始める。この一瞬、俺はウイニングロードの操作を手放してしまい、下から翔を追っていた2つのウイニングロードが止まってしまう。

 

「アマテラス!」

 

体勢を戻し、ウイニングロードを足元に展開して上を見たとき、見えたのは落ちていく弾薬のようなものと、茜色の光。

 

「っ!プロテクションッ!」

 

回避は間に合わない。シールドを張った瞬間、俺の全身を包む程の大きさの光がシールドに激突した。

 

「だああああ!!」

 

凌ぎ切り、光が消える。砲撃魔法を食らうのはこれで2回目。でもバルさんより威力が小さく感じた。というより、翔はレイジングスピリッツとの戦いで魔力をかなり消耗しているはず。それで威力が低いのかもしれない。なら、そこに勝機があるはず。

 

「なら耐久戦で・・・いない!?」

 

「後ろだ馬鹿」

 

直後、俺は振り向いて両手で防御するが、魔力を込めた翔の右ストレートによって大きく吹っ飛ばされた。

クソッ、速い!

 

「このっ!」

 

すぐさまウイニングロードを足元に展開、吹っ飛ばされた方向に駆けだす。

背中をみせることになるが、距離を取らなくてはならない。

 

「それは悪手だろ」

 

『アクセルシューター』

 

「シュート!」

 

翔の周りに12のスフィアが出現、レーザーのように俺に襲い掛かってきた。

 

「うおおおお!!!」

 

全力で逃げる。迎撃するにしても数が多すぎる。

 

この結界を張った時に展開したウイニングロードが走り出した方向にあったが、ぶつからることなく俺の体がすり抜ける。

 

スフィアはウイニングロードを避けながら俺を追いかける。

 

障害物があり、速度も俺の方が速いため、スフィアが当たることはない。そのうえあの魔法を使っている間は動けないらしい。このまま魔力を使わせ続ければ・・・

 

「アクセル」

 

「っぶねえ!」

 

一部のスフィアの弾速が急に上がった。

やばい、翔の魔力が尽きるより先に俺が落ちるなこれ。

 

そんな時一瞬、地上にいるレイジングスピリッツの顔が見えた。心配そうにしている。

 

・・・このままじゃ、ダメだ。

 

「消えろっ!」

 

イメージ通りにウイニングロードが展開し、纏わりついていた弾幕を一掃した。

ウイニングロードを固くするイメージをしながら魔力を込めて展開したらうまくいった。これならいける!

 

レイジングスピリッツが言っていた通り、魔法に大事なのはイメージだ。

イメージさえあれば、どんな魔法だって使えるはずだ!

 

 

 

 

「絶対その魔法の使い方違うだろ・・・」

 

さっきから悠のウイニングロードがおかしい。ノーモーションで発動したり、攻撃に転用したり。まあ、それくらいなら大した問題じゃない。

 

問題はこっちの残存魔力。あのオーズの姿は生半可な魔法ではまともにダメージを与えることすらできない。残った魔力であいつを倒しきれなければ、その時点で勝ち目が無くなる。

 

『カートリッジ三本を使用した砲撃魔法なら、あのシールドを突破できます』

 

「了解」

 

短期戦で仕留める。あの魔力お化けにはそれしかない。

 

作戦の方向が決まった所で、悠がこちらに駆けだしてきた。

直線のその速さはフェイトや圭にも並ぶ。こちらが飛行するとウイニングロードが邪魔になるのに対し、あちらはそれを無視して移動してくるのが厄介。恐らくこの魔法は原作通りのものではなく、結界魔法に改造されている。

ノーモーションでウイニングロードをいくつも展開するからくりがこれだ。砲撃魔法でこの結界ごと壊すことも可能だが、その場合俺の結界も壊れかねない。それはダメだ。

だから直接あいつを殴って結界を利用する隙を与えないようにする。それに今のあいつにはデバイスがない。他の魔法を使おうとすれば隙ができるはずだ。

 

「ディバインシューター、シュート!」

 

2つのウイニングロードと5つのスフィアが詠唱無しで飛んできた。

・・・予想は外れたらしい。迎撃しよう。

 

『アクセルシューター』

 

「シュート!」

 

12のスフィアがそれぞれ藍色のスフィアとウイニングロードを潰し、残りが悠に殺到、するはずだった。

 

「なっ!」

 

破壊されたスフィアは爆発を起こし、悠の姿が煙で見えなくなる。

狙いは姿を隠すことだったらしい。だが・・・

 

「その煙から出た瞬間を狙えばいいだけだ」

 

アマテラスを構え、バインドの準備をする。

その後バインドを重ね掛けして砲撃魔法をぶつけて決める。

 

『エネルギー反応、来ます!』

 

煙から出てきたのは5人の悠だった。

 

「!」

 

『リングバインド』

 

咄嗟のバインドにより捕まえられたのは2人。それぞれ腕と足を捕らえるが、瞬間姿が消えた。間違いなくこれは幻影魔法。魔導士一週間目の奴が覚える魔法じゃねえ。

 

「あのロストロギア、どんなトレーニングメニュー出してんだ馬鹿か!」

 

『アクセルシューター』

 

全て撃ち落とす。12のスフィアを用意、6つのスフィアで攻撃を試みる。

 

「せい!」

 

「とりゃ!」

 

「よっと!」

 

幻影は一つ目のスフィアを見事に躱した。見事な操作技術だ、デバイス無しでよくやる。だが2つ目はどうだ?

 

「たか!」

 

「とら!」

 

「ばった!」

 

迎撃成功、さて本体は・・・

 

「まだ煙の中だな?」

 

「クソお邪魔します」

 

危機察知が発動、即座に振り返り殴りかかってきていた悠に向かって残り6発を発射した。正直驚いたが、相手が悪かったな。不意打ちは無意味だ。

 

その6発のスフィアは悠に衝突、そして・・・貫通した。

 

「これも幻え・・・」

 

「アクセル」

 

瞬間、幻影が振りかぶっていた右こぶしから藍色のスフィアが飛び出し、俺の顔面目掛けて飛んできた。

 

「ぶおっ!!」

 

完璧な不意打ち、防ぐことも躱すこともできなかった俺は、後ろに大きく吹き飛んだ。

 

「っ!」

 

後ろに危機察知が発動、すぐに体制を整える。

 

「でああああ!!」

 

『プロテクション』

 

悠のかぎ爪による攻撃をシールドで受け止める。

 

「ぶっ壊れろおおお!!」

 

「このおおお!!」

 

ピキっと嫌な音がなった。危機察知が全開で危機を知らせてくる。

 

「マズ・・・」

 

「だああああ!!」

 

シールドは引き裂かれ、両足による連続キックが腹に突き刺さった。

 

「ごあっ!!」

 

再び後方に吹き飛ばされる。追撃に備えようとするが・・・

 

『マスター後ろです!』

 

「がっ!」

 

背中を何かに打ち付ける。危機察知が発動しなかった。一体何が・・・

 

「ウイニング、ロードか」

 

「ロードプリズン!」

 

「しまっ・・・」

 

悠の声と共に俺の周りをウイニングロードが囲う。

危機察知は敵意などを察知し感じとる直感を強化したような能力だ。地形にぶつかることなどの意志が関与していないことでは発動しない。まさか、それをわかったうえで・・・

 

「能力はわかんなかったけど、この状態なら攻撃は躱せないな!」

 

「ふざけんなこの脳筋野郎!!」

 

外からバカみたいな解答が聞こえたよこんちきしょう!

 

この後来る攻撃は・・・

 

 

 

 

「これで、決める!」

 

翔の下にウイニングロードを展開、バックルにオースキャナーを通し、3度コインがぶつかったかのような甲高い音が鳴り響く。

 

「我 純白の裁きの星 汝の罪を裁く星 今ここに 」

 

俺の体が白い光に包まれる。

 

「イノセントォー!」

 

《スキャニングチャージ!》

 

 

 

 

「アマテラス!」

 

『サンライトブレイザー』

 

このウイニングロードを打ち抜くには魔力を多く消耗する。そうしたらあいつを倒す魔力が残らない可能性が高い。だが、この状況を逆に利用する。あいつはウイニングロードをすり抜けてくる。だから、ラトラーターの必殺技で突っ込んでくるはず。あいつがこの空間に入ってきた瞬間、俺の残り全魔力を込めて倒す!

 

アマテラスから5つのカートリッジが飛び出る。

 

「あ、これぎり間に合わねえな」

 

危機察知の反応からして後3秒、対してこっちは5秒。でも・・・

 

「ファイア!」

 

サテライトスフィアは後1つ、残しておいた。

 

 

 

 

「! プロテクション!」

 

横から砲撃魔法が飛んできた。

間一髪で防ぐが、威力も低いし放射時間も短い。つまりこれは時間稼ぎ。待ち構えてるな。だけど!

 

「イノセントスター!!」

 

真正面から打ち破る!

 

ウイニングロードの上を黄金と白の光が駆ける。

その姿は傍から見れば美しく輝く流星だろう。

 

だが実態は眼前にあるもの無差別に破壊する悪魔の光。罪とは、この星の前に立ちはだかったこと。罰は破壊、それのみである。

 

「サンライトォー!」

 

監獄の中から声が聞こえる。それは太陽のごとき光で全てを焼き尽くす魔法。

罪人が今持ちうる最大化力。これをもって裁きの一撃を迎え撃つ。

 

「せいやー―――!!!」

 

裁きの星が監獄に侵入する。だが罪人は能力によってそのタイミングすら読み切る。

 

「ブレイザァーー!!!」

 

ゼロ距離で行われる砲撃魔法。茜色の極光が裁きの星を燃やし尽くさんと襲い掛かる。

 

「が、ぐ、ぐああああああ!!!」

 

「もえつきろおおおおおお!!!」

 

一瞬の拮抗。だが、その一瞬はもう終わりを告げる。

 

「ぐっ!」

 

この勝負、最初から裁きの星に、悠に勝ち目はなかった。

理由は明白、純粋に翔が悠より強いからだ。当然だ。翔は小学生の頃から実践を繰り返している。対して悠の戦闘経験は皆無と言っていい。だから・・・

 

「・・・イノセント」

 

『魔力増大、これは・・・』

 

そもそも本来は、この戦いは勝負にすらならない。だが、彼には先祖から受け取った魔法があった。空を駆ける魔法と、代償に体を壊し、強者を倒すことに特化させた魔法が。

 

「その魔法は、なんだ!」

 

「スター!!!」

 

背中に大きな藍色の三角の魔方陣が現れ、裁きの星が纏っていた魔力が跳ね上がる。

押されつつあった状況が、ひっくり返った。

 

「イノセントォー!」

 

もう一つ、背中に虹色の三角の魔方陣が現れる。

 

「悠、お前!」

 

止めようとする声は届かない。ただまっすぐ突き進む。

 

「スタァーー-!!!」

 

太陽の光は、裁きの星の前に砕け散った。

 

 

 

 

俺達は今、地面に寝転がっている。吹っ飛ばされた俺はアマテラスお陰で地面にキスすることなく無事着地できた。だが損傷が激しいためそのまま眠ってしまった。

 

悠は俺がいるところに降りてきて、「勝ったぞ」と言って倒れた。寝息まで立ててやがる。こっちは指一本動かせないってのに呑気なもんだ。

 

「マスター!」

 

ロストロギア、レイジングスピリッツが悠に駆け寄る。さて、どうしたもんか。多分俺、殺されるよな。

 

「静かなる癒し」

 

悠の怪我がみるみると治っていく。シャマルの魔法も使えるんだなこいつ。

 

そんなことを考えていたら立ち上がってこちらに向かってくる。死んだな、これ。

 

「・・・インクリースタイプ」

 

「え?」

 

今度は俺の怪我を治した。なぜだ?

 

「どういうつもりだ」

 

レイジングスピリッツが睨みつけてくる。

 

「マスターを傷つけたお前を治療するのは気が乗らない。だが・・・」

 

悠の方を見ながら語る。

 

「マスターにとってお前は命より大切なのだろう。そして」

 

赤と緑の瞳と目が合った。

 

「お前は最初から、マスターの為に戦っていた。だから治療した」

 

その瞳は、俺の心を見透かしていた。

 




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