欲望のロストロギア   作:創作好き

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まずは謝罪を。私にはラブコメはこれが限界でした。申し訳ございません。
純粋なラブコメ書きたかったのに、気づいたら本編に近いものになっていた・・・



吸血鬼も恋をする 後編

水族館のチケットを買うために券売機に寄る。でも、高志の言っていた男女割というのが見つからない。おかしいな?

 

「ねえ悠君」

 

「どうした?」

 

すずかが少し言いにくそうに声をかけてきた。

 

「多分、これのことなんじゃないかな・・・」

 

すずかがタッチパネルを指さすと、そこにはカップル割と書かれていた。

 

「高志君が言ってたのは、このか、カップル割、のことだと思う・・・」

 

「じゃあ全然違うじゃん。俺達カップルじゃなくて友達なのに、おっちょこちょいすぎるよ。なあ?」

 

高志の奴、とんだおっちょこちょいだな。すずかに同意を求めると、ダメージを受けてそうな顔をしていた。

 

「そ、そうだね・・・」

 

どうしたんだろうか?

 

「その、折角だからこのカップル割にしないかな?安く済むし」

 

「いいのかな、カップルじゃなないのに」

 

「男友達とどこか行くときにカップル割を使うって、クラスメイトに聞いたことがあるよ」

 

そういうものなのか、知らなかった。すずかの言葉に従ってカップル割のチケットを買う。

 

(マスターはわかってるんですか?)

 

(何が?)

 

(彼女の言動の数々ですよ)

 

(言動の数々?)

 

(なるほどわかりました。私は黙ってます)

 

急に話しかけてきたと思ったらすぐ黙ってしまった。何かあるならちゃんと言ってほしいんだけど・・・

 

「悠君?」

 

俺が足を止めたため、すずかが俺の様子を窺ってきた。待たせちゃだめだな。

 

「ごめん、ちょっとぼーっとしてた。行こう」

 

そう言って受付の場所まで歩いた。

 

 

 

 

「おおー・・・」

 

大きな水槽の中で、色んな魚が泳いでいた。見覚えのあるものがあるものから全く知らないものまでさまざまだ。

 

「あのオレンジ色の魚何だっけ?えーと・・・」

 

「確かカクレクマノミじゃなかったかな?ほら、あそこに魚の説明が書いてあるよ」

 

すずかの指さす方を見ると、水槽の中を泳いでいるそれぞれの魚について書かれている大があった。

 

「ほんとだ。すずかは水族館詳しいの?」

 

「人並だよ。最後に行ったのは小学5年生の夏休みにみんなと行った時以来かな」

 

小5の夏だと、確か大きなテーマパークができた時かな?あのテーマパーク広すぎて、圭達に連れられた時はまわりきれなかったんだよなぁ。

そういや圭の奴、「あそこのジェットコースター、ロケットに改造されて宇宙に飛んでいくはずだったんだよなぁ」とか、テーマパーク内の広場で「カノン、撃ちます!・・・どう?似てる?」とか意味わかんないことを翔に言ってたな。翔の奴は迷惑そうだったけど。あれ結局元ネタ何だったんだろう?

 

「悠君は水族館初めて?」

 

「ああ」

 

種類によって群れたり一匹だけで泳いでいたりしていて、その違いを見ているだけで面白い。

 

「でもこんなに面白いならもっと早くに・・・」

 

来ればよかった、と続けようとして、口を閉じた。

それは違うと思い、苦笑いする。

 

「悠君?」

 

「何でもない。あっちも見に行こう」

 

すずかと一緒に、水族館を歩いた。

 

 

 

 

「ペンギン可愛かったなー」

 

「うん。飼育員さんの後をついていくところが可愛かったよね」

 

水族館のショーを見終えて、トイレ休憩を入れた後に帰路に着いた。外はもう日が落ちている。

 

「悠君は水族館で何が一番気にいったの?

 

「一番か・・・」

 

ペンギンもイルカも可愛かったけど、サメも見ごたえがあった。ちっちゃいサメも意外と可愛かったし、どれも見ていて飽きなかったしなぁ。

 

「ちょっと決められないな」

 

「ふふ、悠君は昔から生き物が好きだもんね」

 

「そうかな?」

 

「だって、犬や猫を見ると目がキラキラしてるよ」

 

自覚がなかったけど、そうだったんだ。俺って生き物が好きだったんだな。

 

「ねえ悠君。今日はどうして、みんなを遊びに誘ったの?」

 

「それは・・・」

 

すずかの問いかけに言葉が詰まる。今日を思いっきり楽しんで、忘れようとしていたことだ。

レイジングスピリッツにも相談できなかったことだ。

 

「ちょっと、不安になったんだ」

 

「不安?」

 

「俺って何なんだろうなって」

 

少しずつ、心に留めていたことを出していく。

 

「俺さ、小さいころから誰かを守れる自分になりたかったんだ」

 

「それは・・・」

 

「すずかの件は強くなりたいと思うきっかけだけど、守ろうとした気持ちはそれより前にあったんだ」

 

すずかはきっと、あの件がきっかけで俺がずっと思い詰めていたことを言おうとしたのですぐ止める。今回の件はそれとは違うし。

思い詰めすぎた結果、記憶消去されてるのにも関わらず幼いすずかに俺が弱くて助けられなかった恨まれてるんじゃないかって飛躍した考えをしてたからな。今となっては黒歴史に近い。まあ、結果強くなろうとしたんだが。

 

「色んな鍛錬をして強くなった。沢山の人を助けてきた。そして色んな力を手に入れた」

 

「それじゃあ、何が不安なの?」

 

すずかは答えがわからず答えを直接訊ねてきた。

 

「肝心の力だよ」

 

俺はこの後すずかが出す答えに少し怯えながら話す。

 

「昨日、グリードと戦ったって言っただろう?」

 

「そしたらさ、カザリって奴に、君のような怪物を僕は知らない。君は一体誰なのって聞かれたんだ」

 

そう問われた時、俺は何も答えられなかった。自分が何なのかすら正しく認識できていなかったから?

違う。自分を怪物と認めたくなかったから。

 

「俺さ、怖いんだ。俺からみんなが離れていくのが」

 

大事な人を助けるためにどれだけ傷ついても平気だ。でも、自分の力を怖がられて拒絶されたら耐えられない。

 

「俺の手元には色んな力がある。オーズの力、先祖の魔法、そして俺の中に入ってきたのに出てこれなくなってる魔王」

 

にしてもこれ、完全にBLE〇CHの〇護だな。そんなくだらないことを考えながら続ける。

 

「これ全部がかなり危険な力なのに、全部持ってる俺は何なんだろうって。そもそも、喧嘩くらいしかしたことがないのに、今までまともに戦えていたことがわからないんだよ。おかしいだろ?」

 

確かに今までそれなりに鍛えてきた。不良を撃退したのも一度や二度じゃない。だからと言って、命が掛かってる戦いで、あれ程戦えているのか、俺は知らない。あまりに自然に戦えていたから今まで気づかなかった。

 

「自分のこともわからないのに、色んな力をいつかを間違って使って、みんなが俺のことを怖がって、離れていったらどうしようって思ったら、メール送ってた」

 

少しでも気を紛らすために、みんなとはしゃぎたかった。そんな自分勝手な理由でみんなを、友達を使った。

これを聞いてすずかはどう思ったか聞くのが怖かった。見限られるんじゃないか、怪物として見られるんじゃないか。

怖くて顔を上げられない。

 

「悠君はさ、私があの男の人から普通の人間じゃないって聞いてどう思った?」

 

軽い口調で、とんでもなく重い話題が飛んできた。

 

「えっと、あの時は少し混乱してたから、そうなんだ程度にしか思っていなかったと言いますか、何と言いますか・・・」

 

咄嗟に答えるが、慌てて答えたため思ったことをそのままいい、途中で気づくも時すでに遅く、最後は敬語になっていた。

 

「つまり私の悩みの種は、悠君にとってはその程度のものだった、ということ?」

 

「いえ、あの、決してそういうわけじゃなくて、その・・・」

 

完全にやらかしたと思った。見捨てられると、思った。

 

「ふふ、よかった。悠君にとってどうでもいいことで」

 

「え?」

 

あまりに予想外の答えが返ってきて、思わず顔を上げた。そこには優しく微笑んでいたすずかがいた。

 

「私ね、嬉しかったんだ。普通の人間じゃないってわかっても、守るっていってくれたことが」

 

すずかは1つずつ、丁寧に語っていく。

 

「知られたら拒絶されるかもしれないって思ってた。昔のことも、思い出したら嫌われるんじゃないかって何となく思ってた」

 

そんなわけはないと思ったが、自分もそうだったので共感できた。

 

「でもあなたは、私を拒絶するどころか、真正面から受け入れてくれた。それが本当に嬉しかった」

 

すずかが俺の両手を包む。

 

「聖悠、聖祥中学二年。好きなことは人助けと生き物。嫌いなことは悪いことを見逃すこととパセリ。普段大人っぽくて落ち着いているように見えるのに、結構子供っぽいよね」

 

「すずか・・・」

 

すずかは、俺が何者かを定義していく。

 

「強くて優しくて、それでいてどんな時でも、どれだけ傷ついても真っすぐ助けに来てくれる。それが、私が知ってるあなた。」

 

手を包む力が少し強くなった

 

「私はあなたに傷ついて欲しくない。でも、今までのあなたを見てきて、それは無理だとわかっているから・・・」

 

俺の目を、真っすぐ見てくる。

 

「だからせめて、あなたの傍に居続けるよ」

 

その瞳は噓偽りのない、綺麗なものだった。その瞳に映る顔は、少し不安が消えかけていた。

 

「すずかは、俺がいつか君を傷つけると思わないの?」

 

あまりに真っすぐな答えに、俺は聞きたくなった。

 

「思わない。今までちゃんとその力を間違って使ったことはないんでしょ?なら、これからも大丈夫」

 

「じゃあもし間違って、すずかやみんなを傷つけそうになったら・・・」

 

「それこそ、そうならないように守ってくれるんでしょ?」

 

無茶苦茶だ。俺が傷つけるかもしれないという話なのに、それを俺が守ると言っている。でも、言いたいことはわかった。

友達がここまで言ってくれているんだ。なら、俺も覚悟を決めるべきだ。

 

「・・・すずか、俺、何があってもお前を、みんなを守る。まずはこのグリードの事件を終わらせて、自分の力について考えてみる」

 

「うん。煮詰まったりしたら、相談に来てね。力になるから」

 

そう言って、すずかはまた優しく微笑んでくれた。

 

 

 

 

「悠君、これ」

 

「これは?」

 

メイドが来るという場所で、別れ際に小さな紙包みを渡された。

 

「さっきお土産コーナーで買ったの。悠君には青いペンギン、私には水色のペンギン」

 

「それもはやペンギンじゃなくね?」

 

「いいの、こういうのは本物に忠実なんじゃなくて、可愛いかどうかなんだから」

 

そういんもんか。

 

「そっか。大事にするよ」

 

後で筆箱にでもつけておこうかな。

 

「悠君」

 

「なに?」

 

今度はなにかとペンギンから目を離すと、すずかが目の前まで来ていた。そして耳元で囁いてきた。

 

「私、いつかあなたに血を吸ってもいいと言われるように頑張るからね」

 

「何言うのかと思ったら。非常事態の時なら俺は全然かまわないけど・・・」

 

流石に命に関わることだろうから全然かまわないんだけど・・・

 

「意味は、自分で考えてね。他の人にも聞いちゃだめだよ?レイジングスピリッツさんもいいですか?」

 

(任されました)

 

「え、なん・・・」

 

「それじゃあ、また学校で!」

 

そう言って駆け足で離れていった。最後のはよくわからなかったけど、まあ、いっか。

 

「ところでレイジングスピリッツ、最後の、わかるの?」

 

(予想はついてますが、答えは自分でたどり着いてあげてください)

 

結局最後までわからなかった。わからないといえば、もう一つ。

 

「そういや、火野英司って結局、誰なんだろう」

 

カザリが出したこの名前が、まだ頭に残っていた。

 

 

 

家に帰ったすずかは、自身の行動を思い出し1人悶絶していたそうな。

 




トラハの吸血鬼は生涯を共にする人から血を吸うらしいです。


新章に突入するにあたり、「この作品はフィーリングだ!」や「新しい要素多いからまとめてほしい」など意見が別れると思うので設定集を挟むかどうかアンケートを取ります。

今回設定集を作ることになったらこれからも新章に入るたびに作ります。

次の話は?

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  • 設定集
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