欲望のロストロギア   作:創作好き

30 / 38
アンケート結果!多くの人がフィーリングでした。

設定集を作らない分、魔法少女リリカルなのはと仮面ライダーオーズ、どちらかしか知らない人向けに、これからは後書きに簡単な補足説明を書こうと考えています。
皆さんが楽しく読めるように頑張ります!


特訓と人形と自動販売機

レイジングスピリッツ曰く、魔法に一番大事なのはイメージらしい。自分がどうしたいと想像することで魔法は形を得る。俺はその言葉を信じた。結果、翔と戦っている最中、自分の幻を作り出す魔法を使えたのだ。修行している時はピンと来ていなかったが、なるほど。イメージさえできればどんな魔法も使えるのかと俺は納得した。

なぜ幻を作れたのかとレイジングスピリッツに問われた時、レイジングスピリッツ言った通り、イメージしたら魔法が思いついて使えたと答えたら・・・

 

『え、何それ知りません。怖・・・』

 

普通、知らない魔法を突然使えるようになったりしないらしい。翔にもレイジングスピリッツと同じ質問をされた時、同じように答えたが・・・

 

「すまん、ちょっと何言ってるのかわからない」

 

もうわけがわからないよ。

それに、もう一度俺が使った魔法、幻影魔法というのを使おうとしたが、点でダメだった。あの時何で使えたのかが全く分からず、取り敢えず幻影魔法は使えないものとして扱うことにした。レイジングスピリッツに幻影魔法を一から教わろうとも思ったのだが、上級者向けの魔法で、教えるのはずっと先らしい。いやほんと何で使えたんだよ俺。

それに、そこそこ戦えるようになってきたと思っていたが、冷静に考えたらオーズの能力でごり押すか、体を壊す前提の魔法で死にかけながらの勝利しかしていない。魔導士としての実力はからっきしなのだ。

なので魔法初心者の俺は今日も今日とて基礎トレーニング中。朝の6時、山の中で魔力球を空き缶に当て続け、地面に落ちないようにしている。

 

『11,12,13』

 

目をつぶって集中している俺の代わりに、レイジングスピリッツが空き缶に当てた回数を数えてくれている。

 

『16,17…18』

 

集中が途切れてきて、魔力球の動きが大振りになってきた。

 

「う・・・」

 

『20…21……22』

 

首筋に汗が流れる。魔力球を操作するために伸ばしていた腕が震え始めた。

『23……24,25』

 

「・・・だああああ!!」

 

空き缶を空中に維持することに限界を感じ、少しでもスコアが高くなるようにと足掻く。

 

『26,27,28,29・・・』

 

29回目で空き缶が大きく上に飛んだ。

 

「せいやー!!」

 

最後の一撃、30回目で魔力球を全力で動かし、空き缶よりも早く上に移動。そして空き缶を上からごみ籠に向けて弾き飛ばした。弾かれた空き缶は狙いを大きく外れ、茂みへと飛んで行った。ちっ、仕留めそこなったか。

 

『おめでとうございますマスター。新記録です』

 

空き缶を拾い、捨てる俺をレイジングスピリッツが褒めながらフワフワと近寄ってくる。そして念力でスポーツドリンクとタオルを渡してきた。

 

「ありがとうレイジングスピリッツ。・・・あー、美味い」

 

渡されたスポーツドリンクをごくごくと飲み干す。疲れた後と言えばやっぱこれだよな。

 

『最初は5回でしたのに、2週間足らずでこれはもう天才ですね』

 

「全く、褒めても何も出ねーよ」

 

『顔、にやけてますよ』

 

そりゃまあ、おだてられて悪い気はしないからな。

 

『・・・本当に、才能だけならよかったんですけどね』

 

「レイジングスピリッツ、何か言ったか?」

 

『いいえ。それでは休憩もこれくらいにして、記録を伸ばしますよ』

 

「え、まだやるの!?」

 

褒めたと思ったらこれである。もういいじゃん、もっとこう、新しい魔法を覚えるとかやろうよと言ったのだが・・・

 

『ダメです。マスターの使える魔法はディバインシューター、ディバインバスター、ブレイクランス、プロテクション、ラウンドシールド、後何故か使えるようになってるアクセルシューターとウイニングロードにイノセントスター(自爆魔法)です。寧ろ、魔導士の卵がデバイス無しでこんなに魔法を使える方が珍しいですよ。まずはこれらを使いこなせるようになるまでひたすら練習です』

 

付け焼刃より基礎を高めた方が成長も早いですからね、と付け加えられて押し黙る。

アクセルシューター、これも翔との戦いで使えた魔法である。その場から動けなくなる代わりにディバインシューターより威力もスピードも上の射撃魔法だ。煙幕の中、動かずに幻影魔法で作った自分に重ねて動かしていたのがこれだ。あの時の戦い、なぜこれを翔の背後に設置出来たのか、それは幻影魔法にさらに幻影魔法を重ねて透明にしていたのだ。それをレイジングスピリッツと翔とアマテラスさんに話したら・・・

 

『何サラッと魔法を三つ同時に並行処理してるんですか怖いですよ』

 

「デバイス無しでそれができてたのがほんと意味わかんねえな。人間かお前」

 

『戦っていた時から薄々思っていましたが、あなた人間やめてますね?』

 

酷い言われようである。泣くぞ。

・・・話を戻そう。取り敢えず、これ以上新しい魔法には手を出さず、今ある手札を磨こうという話になった。

 

『それでは、張り切っていきますよー?』

 

「おー」

 

俺はレイジングスピリッツの教えに従い、練習を再開した。

 

 

 

 

「すいません先生、今日は早退します」

 

「私も早退します」

 

昼休み、翔と八神が担任に早退することを伝えていた。これは・・・

 

(マスター、鴻上から連絡です)

 

翔たちが教室から出て行ったのを確認してから、レイジングスピリッツが念話で語り掛けてきた。

 

(内容は?)

 

(小型のヤミーが100体程、そして通常固体が一体、意図的に広範囲に散りばめられているそうです)

 

(100!?それに、小型?)

 

(空飛ぶ小魚らしいです)

 

(軽くホラーだな)

 

そんなに多くいるなら、急いで現場に急行しなければならない。俺は席を立つ。

 

「行くのか?」

 

高志は勘づいたのか、心配そうに俺を見ていた。ここは、安心させなければならない。

 

「ああ、ちょっとばかし。大丈夫、すぐ終わる」

 

そう返すと、すずかも立ち上がって俺に近寄ってきた。やはり心配そうにこちらを窺っている。

 

「気を付けてね。無茶しちゃだめだよ」

 

「ああ、全力でいってくる」

 

もう俺は振り返らない。俺は真っすぐ、目的地に駆けだした!

 

「トイレに行くだけで、なんでこんなに壮大な雰囲気になるのよ・・・」

 

圭は学校休んでるからもう行ってるはず!と考えながらトイレに向かって走り出した俺には、アリサの突っ込みは聞こえていなかった。

 

 

 

 

トイレの個室に入り、レイジングスピリッツを胸ポケットから取り出す。

 

(それじゃあ頼んだ)

 

(はい)

 

レイジングスピリッツはインビシブルをこの個室トイレを対象にして展開、この中の音は外からは聞き取れなくなった。そしてレイジングスピリッツの体、つまり小さな青い球から大量のセルメダルがわんさか出てきた。

 

『それじゃあ形どりますよー。さん、はい!』

 

大量のセルメダルは盛り上がっていき、やがて人型になった。その人型のセルメダルの山に魔方陣を書くとあら不思議、俺そっくりの人形が出来上がった。

 

「何度見てもすげえなこれ。そっくりじゃん」

 

「だろ?でも偽装することに特化させてるから魔法は全く使えないし近接戦で戦おうにもそこまで動けない上、強い衝撃を受けたら崩れるけどな」

 

俺そっくりのメダル人形がそう語る。そう、これはレイジングスピリッツが新たに作り出した魔法[レプリカドール]だ。使うのは大量のセルメダルとまねさせる対象の情報を内包した魔方陣と動かすための少しの魔力だけ。これで俺が戦いに行っている間に学校にいてもらうのだ。

 

『後はインビシブルでこれの情報を隠せば完成です』

 

さっきからこいつから感じていた魔力は感じなくなった。これで安心して戦いに行ける。

 

「それじゃ、そっちは頼んだ」

 

「おう、任された」

 

レイジングスピリッツがインビシブルを起動し、俺の姿を消してトイレの扉を開けて駆けだした。

 

その後、メダル人形が悠の代わりに教室に戻った。因みにすずかと高志はこの事を知っている。

 

(首筋のほくろの位置が数ミリ違う!ここも、あそこも!これを作ったっていうレイジングスピリッツさんに教えないと・・・この人形、もう一つ作ってもらえないかな)

 

すずかは欲望にまみれていた。

 

 

 

 

姿を消して走った俺は、レイジングスピリッツの指示通り、自動販売機がある学校に近い工場に到着した。

 

『マスター、変身を』

 

「?わかった」

 

ここで変身する理由がわからず一瞬戸惑うが、俺はタカとトラとバッタのコアメダルをベルトにセットし、バックルを傾けた。

 

「変身!」

 

オースキャナーをバックルに通す。甲高い音が三度鳴り響く。

 

《タカ!トラ!バッタ! タ・ト・バ タトバ タ・ト・バ!》

 

肉体は変化し、俺は超人となった。結果、その溢れるエネルギーを隠しきれず、インビシブルの効果は切れてその姿が露になった。

 

「うわ見えてる見えてる!」

 

『大丈夫です。周りに人はいません』

 

そういうと、自動販売機に近づいた。

 

「何してるんだ?」

 

『ちょっと待ってくださいね・・・これでよし。マスター、セルメダルを入れてみてください』

 

「おっと」

 

自動販売機から僅かに機械音がしたと思ったら、レイジングスピリッツがセルメダルを一枚、俺めがけて飛ばしてきた。それをキャッチしてよく見てみるが、やはりただのセルメダルだ。自動販売機にセルメダルなんて、そんなあのヘンテコバイクじゃあるまいし・・・

 

「あれ、なんか見覚えのある自販機に変わってね?」

 

『はい、ライドベンダーです』

 

なんということでしょう。レイジングスピリッツ()の手にかかれば、あの一見ごく普通の自動販売機が、あっという間にヘンテコ自動販売機になっているではありませんか。

 

「元の姿に戻しなさい!」

 

『逆ですよ逆!さっきのが偽装でこっちがホントの姿です!もう時間ないので早くバイクに変形させてください。走りながら説明しますから』

 

仕方ないので俺はヘンテコ自動販売機を変形、インビシブルで姿を隠してレイジングスピリッツという名の補助輪を付けて走り出した。

 

匠・・・失礼。レイジングスピリッツによると、この町、海鳴市の自販機の多くは鴻上コーポレーション製で、普段は通常の自販機に偽装しているらしい。その自販機に向けて鴻上コーポレーション製のリモコンを向ければあら不思議。ヘンテコ自動販売機、ライドベンダーに早変わりというわけだ。

ではなぜライドベンダーをわざわざ使っているのか。今回は広範囲にヤミーがいるため足が必要と判断したらしい。走って跳べばいいし、なんなら飛翔魔法使えばいいじゃないかと言ったが・・・

 

『戦力を分散させようという魂胆が見え見えなのに、移動で魔力と体力を使っていてはいざという時に対応できません。後、飛翔魔法はあきらめてください。スビートを出したら頭からぶつかるくらい下手なんですから』

 

「最後に心を抉るのをやめろ」

 

なので俺達は鴻上さんの指示もあり、道中の小魚ヤミーに出会うその都度結界を展開、アクセルシューター使い速攻で撃破しながら通常のヤミーがいる川へと向かった。

アクセルシューターを使っていて思ったこと。俺一人だとスフィア一つしか作れないのに、レイジングスピリッツが補助してくれると10になるの凄すぎんだろ・・・

俺は改めてレイジングスピリッツの凄さに驚いたのだった。

 




レプリカドール:グリードは人の姿に擬態する能力を持っており、その設定から着想を得たオリジナル魔法。セルメダルは魔法を通しにくい設定と食い違うように感じるかもしれないが、それはあくまで魔法によってセルメダルを破壊しにくいだけであって、この魔法はセルメダルを操っている。

皆さんの感想・高評価、お待ちしてます!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。